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【意識調査】株式の56.1%が経済ニュース重視、FXは5人に3人がチャート分析を活用|経験者が実際に活用する勉強内容を調査

2024年02月29日 公開 
2024年03月18日 更新
投資に役立つ勉強 株式vs投資信託vsFX
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テクニカル分析専門サイト『テクニカルブック』は、投資における実用的な勉強について分析する目的で、株式/投資信託/FXに取り組んでいる20歳以上の男女592名を対象にアンケートを行いました。本調査からは、投資方法によって実際に活用されること/活用されるタイミングに大きな違いがあることが分かりました。

※本記事では、プレスリリースに掲載していない調査データも紹介しています。より詳細な補足情報を確認したい方は、ぜひ記事全文をご覧ください。

調査サマリー

今回の調査結果に関する概要は以下の通りです。

  1. 投資全般で最も活用される知識は「経済・金融ニュース、市場動向」
  2. 株式では「チャート分析/リスク管理」の知識を活用しなくなる人が多い
  3. 投資信託は経験年数5年~10年未満のときに、「金融商品知識/リスク管理」の知識を活用する機会が増える
  4. FXで最も活用されるのは「チャート分析」で、経験年数が長いトレーダーほどよく活用している

調査の実施概要

調査機関 :自社調査
調査方法 :インターネット調査(株式会社ジャストシステム「Fastask」)
対象エリア:日本全国
対象者  :現在、投資(株式/投資信託/FX)を行っている20歳以上の男女
調査期間 :2024年2月8日~2月15日
有効回答 :592名

※株式の取引を行っている人:198名、投資信託の取引を行っている人:198名、FXの取引を行っている人:196名

主な調査結果

1.投資全般で最も活用される知識は「経済・金融ニュース、市場動向」

現在、投資(株式/投資信託/FX)に取り組んでいる人を対象に、以下について質問を行いました。

  • 投資開始前に勉強したこと
  • 投資開始後の現在、実際に活用していること

次のグラフでは、株式/投資信託/FXを合計した結果をまとめています。

「投資開始前に勉強したこと/投資開始後の現在良く活用していること」の比較(全体)

調査結果からは、投資開始前に勉強したものよりも、開始後に活用していることの方が、回答の割合がやや下がる傾向が見られます。基本的には勉強したことを生かして投資を行うものの、徐々に使わなくなることがあるようです。

開始前後ともに最も高い割合となったのが「経済・金融ニュース、市場動向」で、開始前57.8%/開始後56.1%でした。2位を大きく引き離してのトップであり、減少幅もわずか1.7%です。経済・金融に関する知識は勉強している人も多く、実際の投資において非常に活用しやすいといえるでしょう。

これに続くのが「チャートの見方・分析方法」で、開始前45.1%/開始後39.0%となりました。3位以下との差は大きく、投資においてチャート分析が重視されていることが分かります。ただし、減少幅が6.1%と最も大きくなっており、投資方法によっては勉強してもうまく活用できないこともあるようです。

続いて、投資開始後に活用していることの上位3位をピックアップし、投資の経験年数別に集計したグラフです。

投資開始後の現在よく活用していること(経験年数別・全体)

「経済・金融ニュース、市場動向」は、経験年数が1年未満の人でも52.2%と、多くの人が活用しているようです。さらに経験年数が長くなるにつれ、緩やかに活用している人が増えており、10年以上の人では61.9%にのぼります。

これに対して「チャートの見方・分析方法/金融商品知識」は、1年未満の人はそれぞれ21.7%/13.0%と低い割合となっています。経験年数が長くなると大きく活用する人が増え、5年〜10年未満は45.0%/44.2%とピークとなりますが、10年以上になると大きく低下しています。

この結果からは、経済・金融の知識は経験年数に関わらず多くの人が活用している一方で、チャートや金融商品の知識は一定の経験を積む中で活用されるようになるといえそうです。また、さらに長い経験を積んでいくと、経済・金融の知識の方が重視される傾向が読み取れます。

2.株式では「チャート分析/リスク管理」の知識を活用しなくなる人が多い

次のグラフは、株式に取り組んでいる人の結果を集計したものです。

「投資開始前に勉強したこと/投資開始後の現在良く活用していること」の比較(株式)

開始前後で順位変動はなく、1位は「経済・金融ニュース、市場動向」で開始前58.1%/開始後57.6%でした。2位以下とは20%以上の差があり、株式では経済・金融の知識が非常に重視されることが分かります。また、開始前後での減少幅も0.5%と非常に小さく、実用的な勉強内容といえるでしょう。

2位は「チャートの見方・分析方法」で開始前43.4%/開始後32.3%、3位は「リスク管理・ポートフォリオ」で開始前37.4%/開始後28.3%となっています。株式ではチャート分析やリスク管理が重視されるものの、減少幅が11.1%/9.1%と大きく、うまく活用できていない人が多いようです。

続いて、株式への投資開始後に活用していることの上位3位をピックアップして、投資の経験年数別に集計したグラフです。

投資開始後の現在よく活用していること(経験年数別・株式)

「経済・金融ニュース、市場動向」が経験年数に関わらず高い割合を示しています。1年未満から3年〜5年未満にかけて緩やかな下落も見られますが、5年以降は大きく割合が上昇しており、10年以上では64.2%という非常に高い割合です。

「チャートの見方・分析方法/リスク管理・ポートフォリオ」は、1年未満が非常に低くともに13.3%となっています。これが1年以上の経験を積むと大きく上昇し、ピークとなるのは「チャートの見方・分析方法」が5年〜10年未満で45.2%、「リスク管理・ポートフォリオ」が3年〜5年未満で36.1%です。

特にチャート分析に関しては、経験年数が1年〜10年未満の中級者は経済・金融に関する知識とともに重視されているといえるでしょう。ただし、10年以上とより長い経験を積んでいくと、チャート分析よりも経済・金融の知識中心の投資へと移行していくようです。

【参考情報】株式における年代別特性とその影響

以下のグラフは、投資開始後に活用していることの上位3位を回答者の年齢別に集計したものです。

投資開始後の現在よく活用していること(年代別・株式)

「経済・金融ニュース、市場動向」については、基本的には年齢に関わらず高い水準を維持しているといっていいでしょう。これに対して「チャートの見方・分析方法/リスク管理・ポートフォリオ」は、年代が上がるとともに、割合が下がっていく傾向がうかがえます。

株式投資では、20代・30代は経済・金融の知識チャート分析/リスク管理をバランス良く活用しているのに対して、40代以上は経済・金融の知識を重視する傾向が見られ、60代以上はこの傾向がより強まるといえそうです。

なお、本調査では、株式の経験年数が10年以上の人(81人)のうち、60代以上が43.2%を占めるという結果も出ています。ひとつ前のグラフにおいて、経験年数が10年以上の「チャートの見方・分析方法/リスク管理・ポートフォリオ」の活用割合が下がった要因は、この年代構成にあると考えられます。

3.投資信託は経験年数5年~10年未満に「金融商品知識/リスク管理」の知識を活用する機会が増える

次のグラフは、投資信託に取り組んでいる人の結果を集計したものです。

「投資開始前に勉強したこと/投資開始後の現在良く活用していること」の比較(投資信託)

投資信託では、他の投資方法と比較して全体的に割合が低くなっており、開始後の「該当なし」も30.8%と高い割合です。これは、プロに運用を任せるという投資信託の仕組みが影響していると考えられます。

開始前後ともに1位となったのは「経済・金融ニュース、市場動向」で、開始前48.5%/開始後49.0%でした。0.5%とわずかながら開始後の方が高い割合となっており、経済・金融に関する知識を学んだ人の多くが、それを活用できていることがうかがえます。2位以下との差も大きく、投資信託の運用においてはまずは経済・金融の知識を身に付けることが有用といえそうです。

2位以下は差が小さく、順位変動も発生しています。2位は開始前後ともに「金融知識」ですが、3位は開始前が「チャートの見方・分析方法」なのに対し、開始後は「リスク管理・ポートフォリオ」でした。売買をプロに任せる投資信託では、チャート分析や取引手法はあまり必要とされないのかもしれません。

続いて、投資開始後に活用していることの上位3位をピックアップして、投資の経験年数別に集計したグラフです。

投資開始後の現在よく活用していること(経験年数別・投資信託)

投資信託では、1年未満が高い割合となっていますが、1年〜5年未満にかけては割合が低下する傾向が見られます。その後、5年〜10年未満には割合が大きく上昇し、10年以上になると再び低下するという流れです。

「経済・金融ニュース、市場動向」は概ね高い割合を維持していますが、「金融商品/リスク管理・ポートフォリオ」が5年〜10年未満に大きく跳ね上がってから、10年以上に再び大きく低下しているのが特徴的です。

この結果からは、基本的に長期スパンの運用となる投資信託では、運用開始当初に銘柄を選定して以降、しばらく経過を見守るだけになるケースが多いことが推測されます。また、5年〜10年未満のタイミングでポートフォリオを調整する人が多く、商品やリスク管理に関する知識を活用する機会が大きく増えている可能性があります。

【参考情報】投資信託における年代別特性とその影響

以下のグラフでは、投資開始後に活用していることの上位3位を回答者の年齢別に集計しています。

投資開始後の現在よく活用していること(年代別・投資信託)

いずれも20代〜50代では概ね横ばいの推移をしていますが、60代以上になると大きく下落する傾向が見られます。この傾向は「金融商品/リスク管理・ポートフォリオ」で顕著で、ともに40代で35.0%となりますが、60代以上では15.9%/9.1%と半分以下まで下落しています。

投資信託は、長期的な資産形成を目的に行われることが多く、60代以上になってから本格的に取り組む人が少なくなると考えられます。60代以上において活用割合が下落するのは、このことが影響していると考えられます。

なお、本調査では、投資信託の経験年数が5年~10年未満の人(44人)のうち60代以上は18.2%なのに対し、投資信託の経験年数が10年以上の人(55人)のうち60代以上は40.0%という結果も出ています。ひとつ前のグラフにおいて、経験年数が10年以上の「金融商品/リスク管理・ポートフォリオ」の活用割合が大きく下がったのは、このことが要因のひとつになっているといえるでしょう。

4.FXで最も活用されるのは「チャート分析」で、経験年数が長いトレーダーほどよく活用している

次のグラフは、FXに取り組んでいる人の結果を集計したものです。

「投資開始前に勉強したこと/投資開始後の現在良く活用していること」の比較(FX)

FXは、株式/投資信託と比較して全体的に高い割合となっているのが特徴です。また、他の投資方法では開始前後ともに「経済・金融ニュース、市場動向」が1位だったの対して、FXでは開始後に「チャートの見方・分析方法」が1位となっており、チャート分析がFXではよく活用されていることが分かります。

開始前の1位は「経済・金融ニュース、市場動向」で、開始前66.8%/開始後61.7%でした。「チャートの見方・分析方法」は開始前63.3%/開始後62.8%で、減少幅は0.5%とわずかだったことで、開始前は2位でしたが、開始後には1位になった形です。

なお、開始前後ともに3位は「トレード手法・トレード理論」が入っており、開始前55.6%/開始後49.0%と高い割合となっています。FXでは、チャート分析とともにトレードに直結するような勉強が、実際に活用されやすいといえるでしょう。

続いて、投資開始後に活用していることの上位3位をピックアップして、投資の経験年数別に集計したグラフです。

投資開始後の現在よく活用していること(経験年数別・FX)

株式/投資信託と異なり、基本的に活用割合が経験年数とともに上昇しているのが特徴です。「チャートの見方・分析方法」は1年未満が35.7%なのに対して10年以上は72.5%、「経済・金融ニュース、市場動向」は1年未満が42.9%なのに対して10年以上は72.5%と、大きな上昇を見せています。

この結果からは、チャート分析や経済・金融に関する知識を上手に活用している人が、FXを長年にわたって継続できているといえそうです。逆に実際に知識を活用できない人については、FXを早期に退場しやすいことも推測されます。

FXをやめた人を対象に行った他の調査では、FXを始めて1年以内で退場した人が半数近くにのぼることが分かっています。FX業界の活性化のためには、初心者が必要な知識を身に付けながら取り組めるようサポートすることが重要になると考えられます。

【参考情報】FXにおける年代別特性とその影響

以下のグラフでは、投資開始後に活用していることの上位3位を回答者の年齢別に集計しました。

投資開始後の現在よく活用していること(年代別・FX)

20代から40代にかけては大きな変動はありませんが、50代以降に大きく低下する傾向が見られます。若い世代の方が、上手に知識を活用しながらFXに取り組んでいる人が多いといえそうです。

なお、FXは経験年数が10年以上の人(40人)において、最も多いのが40代/50代で30.0%、これに続くのが30代で20.0%となっています。株式/投資信託と異なり、上の世代に偏っていないのが特徴です。この影響もあって、ひとつ前のグラフにおいて、経験年数が増えるにつれ活用割合が上昇していると考えられます。

なお、投資家の世代間比較を行った他の調査では、若い世代(特にZ世代)のテクニカル分析に注力する姿勢が確認できました。こちらの調査もぜひご参照ください。

まとめ

今回の調査結果をまとめると以下の通りです。

  • 投資家は経済・金融に関する知識について最もよく学んでおり、実際に活用している
  • 株式の投資家はチャート分析やリスク管理も重視しているが、10年以上の経験者を中心に使わなくなる傾向がある
  • 投資信託の投資家は特に勉強しない人も多いが、経験年数が5年~10年未満のタイミングで知識を活用する機会が増える
  • FXでは、経済・金融の知識以上にチャート分析も重視され、経験年数が長い人ほどよく活用している

この結果からは、経済・金融に関する知識は投資全般において最も活用しやすく、実用性が高いことが分かりました。また、FXに関してはそれ以上にチャート分析を活用することの重要性が高く、長期間継続するためには欠かせない知識であるといえそうです。

監 修
Runchaテクニカル分析チーム

トレード体験アプリ「Runcha」は、テクニカル分析チームが監修を行っています。これまでにFXおよび仮想通貨初心者向けの学習アプリを開発し、累計100万ダウンロードを突破。「Runcha」はデモトレードの進化版を目指し、トレード練習の概念を一新します。経験豊富な専門家の協力の下、分かりやすく正確な情報を提供しています。


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内田 まさみ ラジオNIKKEI
日経CNBCの番組パーソナリティ
経済雑誌多数連載中
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