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FX相場を把握する最強インジケーター「ボリンジャーバンド」逆張りでも順張りでも使える

2022年06月02日 公開 
2023年07月06日 更新
FX相場を把握する最強インジケーター「ボリンジャーバンド」逆張りでも順張りでも使える

FXでボリンジャーバンドを使ってみよう

ボリンジャーバンドってよく耳にするけど、そもそも相場の何を見ることができるのか、どんなときに売買の目安とすることができるのか、まずは簡単にその仕組みを覚えましょう。

ボリンジャーバンドはトレンドやボラティリティを把握できる

ボリンジャーバンドとは、アメリカの投資家でありアナリストでもあった「ジョン・ボリンジャー」によって開発されたテクニカル指標です。

相場のボラティリティを一定の期間から統計学に基づいて計算し標準偏差によって未来の価格変動の範囲を測定したり、その広がり方や傾きによってトレンドの強弱を判断するために使います。

視覚的にトレンドの有無やボラティリティの強さなどを把握できるため、使用者の多い人気のあるインジケーターです。

標準偏差とは価格のばらつき

標準偏差とは一定期間のデータの平均値からプラスマイナス方向にどれぐらいばらつきがあるのかを計算した数値で、わかりやすく一言で言えば「範囲内に収まる確率」を表したものです。

ここでは細かい計算式は省きますが、一定期間内の平均値のばらつきが大きい=ボラティリティが高いほど標準偏差の数値は高くなります。

標準偏差の単位はσ(シグマ)を用いて表され、各σ(シグマ)内に収まる確率は以下の通りです。

  • ±1σ(シグマ)内に収まる確率 68.26%
  • ±2σ(シグマ)内に収まる確率 95.44%
  • ±3σ(シグマ)内に収まる確率 99.74%

ボリンジャーバンドを構成する7つの要素

ボリンジャーバンドは、平均値を表すミドルライン(移動平均線)を中心として、上方向に位置するラインを「+1σ(プラス1シグマ)、+2σ、+3σ」、下方向に位置するラインを「−1σ(マイナス1シグマ)、−2σ、−3σ」と表記します。

この上下のラインを「バンド」と呼び、このバンドが広がったり狭まったり、傾いたりすることで、視覚的にボラティリティを把握したり、トレンド、レンジの判断をすることができます。

バンドを使った相場の読み取り方は次の項目でご紹介します。

【FXチャート】ボリンジャーバンドの動きで読み取れるもの

それでは、FXのチャート上でどのような値動きの時にボリンジャーバンドがどう動くのかを見ていきます。

バンドの動きに名前もついていますので合わせて覚えておきましょう。

値動きの収縮を表すスクイーズ

バンド幅が収縮して狭くなり、中央のミドルラインに対して上下のラインが近い状態を指します。

値動きが小さくなった状態が続いた時や、価格が上下に行ったり来たりするレンジ相場の時にこのような動きを見せます。

主にチャートに対し小さな幅で平行に推移することが多く、ボラティリティが無く大きな利益が狙いづらい状態です。

次に紹介するエクスパンションが発生する前に起こりやすい傾向があります。

値動きの急変動を表すエクスパンション

バンド幅が急拡大し、ミドルラインから離れるように上下に広がっていく動きを指します。

これまでよりも急激な値動きが起こった時や、どちらかに一方的に動き始める前兆としてこのような動きを見せます。

特徴として、価格がどちらに動いてもバンドは必ず上下に同時に開きますが、開いたバンド幅がボラティリティとなり大きな値動きとともに大きな利益も狙える状態です。

この状態が発生してから、次に紹介するバンドウォークへと移行していきます。

トレンドの継続を示唆するバンドウォーク

ボリンジャーバンドがエクスパンションを起こし一方的に価格が動き出した後に、その価格が±1σと±2σの間を沿うように動く様子を指します。

まるでバンドの中を歩いているかのように価格が推移しトレンド相場が発生している状態となります。

例えば価格が上昇しバンドウォークが始まった場合、下側に開いたマイナス側のバンドは徐々に上向きになり斜め上方向にボリンジャーバンド全体が傾きます。そのため、この傾きが崩れるまではトレンドが継続していると判断することができます。

FXでのボリンジャーバンドを使ったトレード手法

ボリンジャーバンドは順張りでも逆張りでもどちらでも使えるテクニカル指標です。

ここではFXでトレードする上で、上記で解説したボリンジャーバンドの動きの特徴を使った代表的なトレード手法と有効な使い方をご紹介していきます。

スクイーズからのエクスパンションを狙ったボラティリティ・ブレイクアウト

ボラティリティ・ブレイクアウトは順張りのトレード手法で、ボリンジャーバンドがスクイーズし価格が小康状態になったレンジ相場から抜けるエクスパンションの動きの初動を狙います。

直近のボラティリティを超えるような急な値動きを狙う方法で、価格がレンジ相場を抜けてボリンジャーバンドがエクスパンションを起こしたらレンジを抜けた方向へ順張りでついていきます。

スクイーズしたボリンジャーバンドの±2σを超えるような動きには勢いがあると判断しその方向についていくイメージです。

決済ポイントは価格がミドルラインまで戻してきた時、またはボリンジャーバンドの拡大が収まった時となります。

バンドウォークに従った追従型の押し目買いと戻り売り

バンドウォークは±1σと±2σの間を価格が沿うように一方向へ動いている状態です。

その動きの方向に合わせて押し目買いと戻り売りを繰り返す順張りのトレード手法です。

例えば+2σと+1σの間でバンドウォークが発生していた場合、上昇トレンド中なので価格が+1σまで落ちてきたら押し目買いを行います。

逆に−2σと−1σの間でバンドウォークが発生していた場合は下降トレンド中なので、価格が−1σまで上がってきたら戻り売りを行います。

バンドウォークが破られるまでは価格は伸び続けることを前提として、その方向へついていくイメージです。

決済ポイントはミドルラインを実体で破られた時となります。

統計学に基づく±2σを使ったレンジでの逆張り

ボリンジャーバンドは統計学を使った確率論に基づき計算されており、±2σ内に収まる確率は95%以上です。

その特性を使い、ボリンジャーバンドがスクイーズしている状態を狙ってレンジ内での逆張りを行うトレード手法です。

ボリンジャーバンドが平行に推移している場合、価格が+2σにタッチをしたら売りを行います。

逆に価格が−2σにタッチをしたら買いを行います。

レンジ内の±2σ内に価格が収まることを前提としてレンジ上限と下限で逆張りを行うイメージですが、いつ価格がレンジをブレイクするかわからないので損切りはレンジブレイク時に素早く行うなどの注意が必要です。

決済ポイントは逆側の2σ到達時、または欲張らずに逆側の1σ到達時のどちらかとなります。

他のテクニカル指標と組み合わせて信頼度をあげる

上記3つのボリンジャーバンドを使った手法もやはり万全ではありません。しかしこれに他のトレンド系インジケーターを組み合わせたり、逆張り系のオシレーターを組み合わせてエントリー判断の補助を入れることで信頼度が一つ上がります。

例えば上昇方向へのバンドウォーク中の押し目買いをする際に、長期の移動平均線も合わせて表示しておくことで長期移動平均線も上昇方向へ傾いていたのなら、買い方向への優位性の根拠がもう一つ担保されることになります。

またレンジ内で±2σでの逆張りを行う際に、相場の過熱感を見るストキャスティクスなどを同時に表示しておき、+2シグマにタッチをした際にストキャスティクスが買われすぎのゾーンに入っていたならば、逆張りをする際の売りの優位性の根拠がもうひとつ担保されたことになります。

このようにボリンジャーバンドだけでなく、他のテクニカル指標を組み合わせてさらに優位性の高いところでトレードを行うようにしましょう。

ボリンジャーバンドの弱点

ここまでボリンジャーバンドのいいところばかりをご紹介してきましたが、もちろん万能なインジケーターというものは存在しません。

ボリンジャーバンドを盲信しすぎずに注意点をしっかり理解しておきましょう。

バンド内に収まる確率とトレードの勝率は一致しない

ボリンジャーバンドでは、指定した期間の±2σの中に価格が収まる確率は95%以上となっています。

この±2σのバンド幅は計算に用いる期間によって変わってきますので、期間が長ければ長いほどその信頼度は上がっていきます。

しかしこれは価格が±2σに到達した時に逆張りをしていれば勝率が95%になるということではありません。

ボリンジャーバンドは価格が伸びている方向に傾いていることもあります。

そのため±2σ到達したからといって逆張りをしていてはバンドが傾いている方向へ価格が伸びていくときには損切りが連続して起きてしまうでしょう。

バンド内に収まる確率というのはあくまで過去のデータから計算された統計学に基づく確率論に過ぎませんし、ボリンジャーバンドはそもそも順張り用のインジケーターです。

バンド内に収まる確率とトレードの勝率が一致しないこと、逆張りは本来の使い方とは違うことを念頭において使うようにしましょう。

急変動に対応できない

ボリンジャーバンドは指定期間内の標準偏差をもとに算出されています。

そのため、直近のボラティリティを超えるような急変動が起こった場合は±3σを突き抜けてしまうことが多く起こります。

あとから見れば±3σ内に収まっているように見えますが、リアルタイムでの動きでは急変動の際は簡単に±3σを抜いていってしまいますので、盲信し過ぎずにしっかり資金管理もしておきましょう。

余談ですが急変動に対応できるインジケーターというものは存在しません。

まとめ:相場の状況を把握して勝率をあげよう

ボリンジャーバンドは相場の状況を視覚的にわかりやすく把握できる優れたインジケーターです。

ただし、優秀なだけに頼りきってしまうトレーダーも多く見られます。

ボリンジャーバンドに沿って闇雲にトレードをするのではなく、相場環境認識を行う中で自身がトレードをするときの根拠の一つとして使用するようにしましょう。

そうすることで相場の状況をより把握しやすくなり、トレードの勝率は少しずつ良くなっていくことでしょう。

ボリンジャーバンドの全てをまとめた記事です。

この記事ではボリンジャーバンドの仕組みついて詳しく説明しましたが、ボリンジャーバンドについてさらに詳しく知りたい場合は、ボリンジャーバンドまとめ記事を参考にしてください。

監 修
山中康司

慶応義塾大学卒業後、1982年アメリカ銀行に入行、1989年バイスプレジデント、1993年プロプライエタリー・マネージャーとして為替、債券、デリバティブ等の取引に携わる。2002年金融コンサルティング会社アセンダントを設立、取締役に就任。為替情報配信、セミナー講師、コンサルティングをつとめている。「テクニカル指標の読み方・使い方」等著書も多数。2018年 金融リテラシー協会 代表理事に就任。


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内田 まさみ ラジオNIKKEI
日経CNBCの番組パーソナリティ
経済雑誌多数連載中
山中 康司 金融リテラシー協会 代表理事
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