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【初心者必見】ローソク足の見方|パターン・組み合わせ・種類を基本から解説

2021年06月11日 公開 
2024年01月08日 更新
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ローソク足とは

  • 相場の値動きを表す、代表的な図表
  • 日本のトレーダーの間でもっとも多く使われている
  • ローソク足の形によって、現在の相場状況やトレーダーの心理を読み解くことができる

ローソク足チャートをアプリで表示

DMM FX

DMM FXのスマホアプリにおけるローソク足チャート
DMM FXのスマホアプリにおけるローソク足チャート
DMM FXのPCツール(プレミアチャート)におけるローソク足チャート
DMM FXのPCツール(プレミアチャート)におけるローソク足 チャート

Trading View

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TradingViewのPCツールにおけるローソク足 チャート

SBI証券

SBI証券のスマホアプリにおけるローソク足チャート
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SBI証券のPCツールにおけるローソク足チャート
SBI証券のPCツールにおけるローソク足チャート

MT5

MT5のスマホアプリにおけるローソク足チャート
MT5のスマホアプリにおけるローソク足チャート
MT5のPCツールにおけるローソク足チャート
MT5のPCツールにおけるローソク足チャート

ローソク足からは価格情報や相場参加者の心理を読み取れる

ローソク足は、世界中のトレーダーの間で使われている代表的な図表です。

ローソク足は ”チャート” と呼ばれるグラフを構成する最小単位です。

この ”チャート” は、

  • 「1時間足」チャート
  • 「5分足」チャート
  • 「日足」チャート
  • 「週足」チャート
  • 「月足」チャート

のように ”時間” + “チャート” の組み合わせで使われます。

例えば、

「1時間足」チャート

であれば、1時間に1本のローソク足が形成されるチャートのことを言います。
形成されている途中では、今見えている形から、ローソク足の形が決まるまでに変わることがあります。

そして、1時間経過しローソク足の形が決まることを、”ローソク足の確定” と言います。

”ローソク足の確定” は “ローソク足が引ける” とも表現されることもあります。
形の確定後は次のローソク足確定に向けて、ローソク足は再び上下動を繰り返しながら進んでいきます。

他の時間足についても同様で、

  • 「日足」チャート であれば1日で1本ローソク足が形成されるチャート
  • 「月足」チャートであれば1ヶ月で1本のローソク足が形成されるチャート

といった意味となります。時間(期間)ごとにローソク足が1本ずつ増えていきます。


つまり、1時間足であれば、1日に24本のローソク足が増えるということです。
日足であれば、週5本(土日は相場が動いていないので、ローソク足は生まれない)、
週足は、年間52本形成されることになります。

下の画像で示しているようにローソク足は1本の形から、

  • 始値
  • 終値
  • 高値
  • 安値

4つの情報を教えてくれます。それぞれ解説していきます。

まず始値とは、各時間足で最初の取引が成立したレートのことです。
1本のローソク足が確定し、次の足に切替わった際に、始めて取引が成立したレートのことを示します。

続いて終値とは、その名の通り1本のローソク足が確定したレートのことです。
終値をつけることによってローソク足の形が決まります。

始値と終値は、“ローソク足の実体” とも呼ばれます。

稀に1分足チャートのような短い時間足のチャートでは、始値が終値と離れたところで始まる現象が起こります。

これは終値確定から始値をつける間に、離れたレートで取引が成立したことを示します。

ドル円やユーロドルのように、多くのトレーダーによって取引されている通貨ペアでは起こりづらいですが、途上国のマイナー通貨ペアや取引量の少ない株式では、比較的起こりやすい現象です。

高値とは、ローソク足が形成される中でもっとも高くつけたレートです。

高値と始値、もしくは終値の間にできる線は ”上ヒゲ” と呼ばれます。

安値とは、その反対にローソク足が形成される中もっとも安くつけたレートです。

安値と始値、もしくは終値の間にできる線は ”下ヒゲ” と呼ばれます。

ヒゲからは焦りや弱気・強気といった、相場参加者の心理を読み解くことができます。
ヒゲの長さが長いほど、その心理状態は強くなる傾向があります。
なぜ傾向が強くなるかというと、ヒゲが長いほどそれだけ大きく値を戻してきたことが言えるからです。
例えば上ヒゲのローソク足が形成された場合、一度上昇をしたが強く戻してきたという事実がローソク足に現れます。
相場を見ていた人が、「強い買いの勢いが削がれるように急下降してきて、買いが正しかったのか迷っている」という心理状態であることが想像できます。

以上、4つの情報によってローソク足が形成されます。
ローソク足が示すレートとその実体大きさ、ヒゲの長さによって、私たちトレーダーは市場心理を読み取ることができ、トレードに活用することができます。

次の項では、ローソク足の基本の形とその意味、そして実際のトレードへの活用方法を紹介していきます。

ローソク足の基本の形

ローソク足の基本となる形3つを紹介します。

陽線

上の画像のように、陽線は終値が始値を上回ってローソク足を確定させた形です。

例えば、13時のときに100円で、14時のときに101円で確定した時にできるのが陽線です。13時のときよりも、14時のときのほうが価格が高いです。
つまり、始まった価格よりも終わるときの価格の方が高いローソク足のことを、陽線といいます。

上昇トレンドにおいては、この陽線を多く発見することができ、強気の相場であると推測できます。

陰線

上の画像のように、陰線は終値が始値を下回ってローソク足を確定させた形です。
陽線とは逆で、13時のときに100円で、14時のときに99円で確定した時にできるのが陰線です。
13時のときよりも、14時のときのほうが価格が安いです。
つまり、始まった価格よりも終わった価格の方が安いローソク足のことを、陰線といいます。

下降トレンドにおいては多く見られ、弱気の相場と判断する一つの材料にもなります。

十字線

上の画像のように十字線とは、チャートの時間内で上下動したが、結果的に始値と終値が(ほぼ)同じレートで終えたローソク足のことをいいます。

実態部分がないもしくは非常に狭いため、十字に見えることから十字線と呼ばれます。
同義語としてクロス線同時線と呼ばれることもあります。

また上の画像のように、上昇方向へ大きく動いた後に終値まで戻ってきて確定した形をトウバ、下降方向に大きく動いた後に終値まで戻って確定した形をトンボ、とも言います。
この2つについて名前までは覚える必要はありませんが、エントリーの根拠になることがあるので、形は覚えておくとよいでしょう。

ローソク足の形が示す意味と一般的な使い方

前の項では、ローソク足の基本的な形3つを紹介しましたが、さらにこれらを細分化して見ていきましょう。
ローソク足の形は相場参加者の心理状態を示し、時に売買ポイントとして機能することがあります。
下記に代表的なものを紹介していきます。

ヒゲからはローソク足がどのように形成されたか読み取れる

ローソク足の形を説明する前に、ローソク足が持つヒゲの意味を説明していきます。

相場を見ていると、様々なヒゲの長さをしたローソク足があることに気づきます。
そのヒゲの長さによって、そのローソク足の持つ意味が変わってきます。

ヒゲの長さは長いほどそのローソク足の持つ意味は強くなり、逆に短いほどその意味合いは弱くなります。

ローソク足の形を見てエントリーする場合は、そのヒゲの長さを気にしてみると効果的です。

これから例として挙げるようなローソク足は、相場ではたくさんの数を発見することができることでしょう。
高値・安値圏、トレンドの途中など、様々な場面で見られるはずです。
しかし、そのすべてでエントリーをするわけではありません。
重要なのは、相場のどういった局面で特徴的なローソク足が形成されたか、ということです。

例えば次の画像のように、強い上昇トレンドの途中で陽線が続く中で、突如長めのヒゲのローソク足が出現したとしても、それは一時的な調整であり反発することなく、次ローソク足で打ち消すような大陽線が出現することも少なくありません。

上昇トレンドでなかなか下げない形

徐々に上値が重くなった形を確認した上で入るなど、相場の勢いに併せたエントリーをすることが重要です。

また、1分足や5分足のような短い時間足のチャートでは、短期的な売買によって長いヒゲをつけたローソク足ができることがあります。

このヒゲは、短期のスキャルピングトレーダーによってできた値動きであり、大きなトレンドに沿ったエントリーでないため有効に機能しないことが多いです。

これはノイズとも呼ばれます。

短い時間足を気にしすぎた結果、長い時間足の流れとは逸脱したエントリーになってしまった、というのは初心者が陥りやすい失敗例です。

長い時間足であるほど多くのトレーダーが参加するので、ローソク足が示す形通りに機能しやすい傾向があります。

大陽線・大陰線は強いトレンドを示す

上の画像のように、大陽線は始値から終値にかけて大きく上昇しそのまま実体を確定した形です。

逆に大陰線は、始値から終値にかけて大きく下降しそのまま実体を確定した形です。

相場が一方向に強く動いている状態を示しており、強いトレンドが出ているときには、大きな大陽線・大陰線が形成されチャート上に並んでいきます。

十字線はトレーダーの心理的な迷いを示す

前の項で紹介しましたが、十字線は上の画像のように、ローソク足の始値と終値が(ほぼ)同値で確定した形です。
売るのか買うのか方向感がなく、最終的に終値付近で引けることで、十字線が形成されます。

十字線は、トレーダー達に迷いが生じ、行き先に迷っている状況です。
強いトレンドが続いていたが、高値・安値が重くなり始め、更新の動きが鈍くなってきた際に発生することがあります。
次の画像で示したように、そこから相場が転換し逆方向へのトレンドを形成し始めるというのは、典型的なトレンド転換のパターンです。

十字線が連続し、トレンドが転換した相場

ここでの注意点は、十字線はあくまで行き先に迷っている状態であり、迷った末に前のトレンドと同じ方向に走り始めることもある、ということもあるということです。

トレンドの転換を狙う場合は、他の根拠と併せて狙うとより効果的です。

また、強いトレンドが発生している中での十字線は単なる短期的な調整であり、逆張りの根拠としてはあまり役に立ちません。

ここでも上値・安値が重くなったり、連続で続いたことを確認するなどして、他の根拠と併せて判断することで効果的に使うことができます。

コマはトレンドの弱まりを示す

上の画像のように、コマは実体が小さく上下にヒゲのついた形のローソクを言います。

十字線よりも実体がやや大きいのが特徴です。

陽線・陰線どちらの場合であっても、コマという表現を使います。

コマも十字線同様に相場の気迷いを示します。

上昇相場での陽線のコマ、下降相場での陰線のコマはトレンドの保ちあいの局面でよく出現します。

1本だけではさほど意味を持たないことが多いですが、保ちあい局面で数本続いた場合は、トレンドの推進力に陰りが出ていると判断できます。

ピンバーはトレンド転換の兆候を示す

コマの一種として、上の画像のようなピンバーと呼ばれるローソク足があります。
ピンバーは世界中のトレーダーに知られているローソク足の形であり、相場の底や天井の反発のサインとして機能するケースが多いです。
ピンバーは、一度大きく上昇もしくは下降しようとしたが急激に戻され、結果始値と終値が近いところで確定した形です。
ローソク足確定までの間に、激しい上下動を行なったことから相場の勢いが削がれたことを表す形です。
また、世界中で「Pinbar」として広く認識されてることから、ピンバーを根拠にエントリーする人が多いことも、機能しやすい一つの要員と考えられます。

ピンバーには具体的な定義はありませんが、一般的にはローソク足の実体に対して、上もしくは下に3倍以上の長さのヒゲがあるローソク足は、ピンバーと判断される事が多いです。

高値・安値圏でピンバーが発生したことを機に、ぴったりとトレンド転換するケースが相場ではよく見られます。
上昇トレンドでは上ヒゲ、下降トレンドでは下ヒゲの出たピンバーを気にしてみるようにしましょう。

強い上昇トレンドが出ていて、強めの陽線が続く中で突如ピンバーが出現した場合は、勢いそのままにトレンドが継続することが多いですが、相場の2番、3番天井で発生した際は、トレンドの転換点としてピンバーが機能する確率が上がります。

長い時間足ほど有効に機能する傾向があるので、ピンバーが出現した際は相場の状況を確認した上で、エントリーを検討してみてください。

カラカサは相場の底・天井を示す

カラカサとは、上の画像のような陽線・陰線の実態に対して下ヒゲが大きく伸びている形のローソク足のことをいいます。
ピンバーとは上ヒゲがあるかないか、の違いがあります。ピンバーになりきれなかった形、と位置付けると覚えやすいかと思います。

下ヒゲ陽線、下ヒゲ陰線とも呼ばれます。

陽線・陰線のカラカサともに下降相場では底を示唆するローソク足、上昇相場では、天井を示唆するローソク足として判断します。

上昇相場においてはヒゲをつけてまだ勢いが続くと判断しがちですが、ここでは、高値を更新しきれなかった、と見るのが正しい見方です。

上昇相場、下降相場で見方が大きく変わるので、カラカサが出現した際には今がどんな相場かを見極めるようにしましょう。

トンカチも相場の底・天井を示す

トンカチはカラカサとは真逆で、上の画像のように陽線・陰線の実態に対して上ヒゲが大きく伸びている形のローソク足のことを言います。
上ヒゲ陽線・上ヒゲ陰線とも言われます。ピンバーとは下ヒゲがあるかないかの違いがあり、こちらもピンバーになりきれなかった形と理解すると覚えやすいかと思います。

トンカチはカラカサと真逆の形であるため、示唆する意味も真逆になるのではと考えがちですが、基本的な考え方はカラカサと同じです。
上昇相場で出現した場合は天井を示唆、下降相場では底を打ったことを示唆します。

ローソク足を複数本組み合わせた使い方

複数のローソク足で、反発しやすい特徴的な形が存在します。
前の項ではローソク足1本のみに触れましたが、ここでは2本~5本ほどの複数のローソク足を見ていきます。
1本よりも複数本のローソク足で形成されるパターンの方が確度が高いと言えます。
ローソク足複数本で形成されるパターンについては、非常に多くありますが、今回は代表的なもの5パターン紹介します。

つつみ足で相場の反転を見極める

上の画像のように、つつみ足は前のローソク足に被さるようにしてできた2本のローソク足のことを言います。

例えば前のローソク足が陰線なのであれば、次のローソク足が前のローソク足の安値を割ったところで切り返して、高値を上回ったところで確定した形です。

つつみ足と判断するには必ず2本のローソク足を確認する必要があります。

つつみ足にはいろいろなパターンがありますが、一番つつみ足として強い形は、

・前のローソク足が陽線
 →一度高値をブレイクしてから下降し、安値を割って陰線が確定
  →高値圏での反転を示唆

・前のローソク足が陰線
 →一度安値をブレイクしてから上昇し、高値を超えて陽線が確定
   →安値圏での反転を示唆

この2つのパターンです。一度高値・安値をブレイク(= 高値・安値付近の損切りを一度カットする)し、さらに前の高値・安値を割って確定したというメッセージになり、反転をイメージしやすくなります。

たすき足は高値圏・安値圏で発生するとトレンド転換のサイン

たすき足はつつみ足よりは根拠として弱いですが、相場では反転しやすいローソク足の形の一つです。

・前のローソク足が陽線(上の画像)
 →終値が最安値を割って陰線が確定
  →高値圏での反転を示唆

・前のローソク足が陰線
 →終値が最高値を割って確定
  →安値圏での反転を示唆

このパターンの足のことをたすき足言います。
弱気リバーサル、強気リバーサルとも呼ばれます。

つつみ足・たすき足は相場に頻出しますが、高値圏もしくは安値圏、どこで発生したか見極めることが重要です。
“トレンド反転のサイン” ですので、高値圏・安値圏で正しい組み合わせで使うようにしましょう。

はらみ足が発生するとレンジ相場

上の画像のように、はらみ足とは前のローソク足が次のローソク足に被さるようになっているローソク足です。
はらみ足は2~5本の組み合わせを指すことが多いです。

はらみ足が発生している段階では、レンジ相場であると考えられます。

もみ合いを繰り返し、レンジをブレイクする方向にトレンドが発生することを期待してエントリーを行うのがセオリーです。

相場では、レンジ相場が長いほど力がたまり、次のトレンドはより強く長くなりやすいと考えられています。

このはらみ足でブレイクを確認する際は、必ずローソク足の実体が最高値・最安値を超えたことを確認してからエントリーを行います。
ヒゲのみだと一過性の動きに終わり、再びレンジに戻ってしまうケースもあります。
ローソク足が実体として最高値・最安値を超えて確定したことを、きちんと確認するようにしましょう。

宵の明星・明けの明星はトレンド転換の強いサイン

上の画像で示しているように、宵の明星は “陽線 + 十字線(コマ・ピンバー) + 陰線” の組み合わせ明けの明星は “陰線 + 十字線(コマ・ピンバー) + 陽線” の組み合わせのことを言います。

出現率は低いものの、トレンド反転を示唆する非常に強いサインです。これを機にトレンドが転換している相場をよく見かけますので、チャート内ではこの形を気にしてみるようにしましょう。

十字線やコマが続く形は相場に方向感がない

上の画像のように十字線やコマが多くある場合は、相場が行き先に迷っている状況です。

こうした状況の時は次にどのような値動きをするか、じっくりと見極めましょう。

上記の5つは1本のローソク足よりも出現回数は少ないですが、いずれも強いエントリーの根拠となります。

ローソク足を学べるYouTube動画

ローソク足について動画で見たいなら、SBI証券の『小次郎講師のトレード入門』がオススメです。

チャート分析の第一人者として、投資関係の書籍も多数出版している小次郎講師が、ローソク足について分かりやすく解説してくれます。

ローソク足がもつ本当の意味を丁寧に説明してくれるので、この動画を見れば、チャート分析の質が上がるでしょう。

ローソク足を用いた売買ポイント

ローソク足を用いた売買ポイントは全部で3つです。

  • レンジブレイク
  • 順張り
  • 逆張り

それぞれ詳しく解説していきます。

レンジブレイク

レンジ相場を上抜け

上の画像は、それまでのレンジ相場を上抜けて大きく上昇していったチャートです。

レンジブレイクとはこのような流れを狙い、値動きが一定の変動幅で推移しているレンジ相場で、ブレイクした時にブレイクした方向に仕掛ける方法です。
ブレイクアウトとも呼ばれ、一定の変動幅で推移している時間が長いほど、そこから発生する値動きは強いと言われています。

ここでは、何を持ってレンジをブレイクしたと判断するか、を明確にしておく事が重要です。
一定のレンジ幅といっても具体的な数字が小数点以下まで決まっているわけではありません。
通常は、

〜円くらいから〜円くらいまでのレンジ

というようなざっくりとした言い方をします。
このレートを割ってローソク足が確定したので、レンジブレイクと判断しエントリー、というようにシナリオを決めてエントリーすると迷いがなくなります。

また、その後のローソク足の値動きを見て、ブレイク後の動きが良くない場合は一度撤退して、次の値動きを待つ、といったことも想定しておくべきです。

順張り

移動平均線付近で押し目買いを狙う

順張りとは、ローソク足が上昇・下降トレンド方向に推移している時に、そのトレンド方向に仕掛ける手法です。
大きな流れに乗る手法で、王道のトレード手法です。

上の画像のように、順張りでは押し目(赤丸)を待ってエントリーをすることが一般的です。
押し目とは、トレンドの途中で一時的に逆行している状況です。
エントリータイミングを十分に引きつけることで、有利なレートでトレンドに乗ったトレードを狙う手法です。

順張りは3つの手法の中でも、比較的難易度が低いので、初心者にもおすすめできる手法です。

逆張り

下落が弱くなってきたチャート

逆張りとは、上昇・下降トレンドに逆らった方向にトレードする手法です。
例えば、上の画像のように下降トレンドが出ているのであれば、そこから上昇することを期待し、底を狙い撃ちして買いトレードを行います。

逆張りをする場合は、複数の根拠に基づき、値動きが止まったことを確認した後に行うようにしましょう。

ローソク足の注意点、懸念点

ローソク足の注意点、懸念点は二つあります。

  • 未確定ローソク足での判断
  • 窓開け

詳しく解説していきます。

未確定ローソク足での判断

1時間足確定15分前の足
1時間足確定後の足

エントリーをするときは、必ず確定済みのローソク足を確認するようにしましょう。
例えば、ローソク足が形成されている途中で一瞬ピンバーができたとしても、それは根拠とすべきではありません。理由は、ローソク足確定後にまったく違う形になることがほとんどだからです。

私たちは通常、確定後のローソク足を確認してエントリーを行います。
テクニカル分析もローソク足確定後のレートを元に計算します。
一瞬できたローソク足(上の画像1つ目)と、確定してチャート上にずっと残るローソク足(上の画像2つ目)、後者が重要なのは明らかです。

根拠となるローソク足が確定するのを待って、トレードを行うようにしましょう。

窓開け

窓開けしたチャート

FXには、上の画像のような ”窓開け” というレートが飛ぶ現象が存在します。
窓開けとは、隣り合うローソク足の終値と次のローソク足の始値が離れてローソク足の形成が始まり、隙間ができることです。
ギャップ、ギャップアップ(上に開いた窓)、ギャップダウン(下に開いた窓)とも呼ばれます。

窓開けは、金曜日の相場が終わり月曜日の相場が始まるタイミングや祝日の前後で、発生することが多いです。
FXの取引時間は月曜日朝7時~土曜日朝7時(米国サマータイム期間は月曜日朝6時~土曜日朝6時)であり、その間に重要な経済発表や世界的に経済へ影響のある事件が起こった際は、時として大きな窓を開けることがあります。

FXではほとんどの場合、窓開けが起こります。
なぜほとんどの場合、窓開けをしてしまうかというと、金曜日の相場が終わったときと、月曜の相場が始まるときでは状況が違うためです。
金曜日と月曜日の間には必ず、土日をはさみます。
土日の間に世界で何も起こらなければ、金曜日の終値が月曜日の始値となりますが、土日に世界で何も起こらないことなんてありえません。
そのため、金曜日の終値と月曜日の始値はほとんどの場合で異なります。
つまり、窓開けが見られます。

1ヶ月以上の長期目線でポジションを保有する場合は別ですが、数日でポジションを手仕舞いするデイトレードをするトレーダーは、ポジション持ち越しを比較的避ける傾向にあります。
ランダム性が高く、テクニカルを無視した動きになることがあるからです。
週末なにが起こるかは予想できず、なにか起こったとしても、すぐにポジションを手仕舞いするなどの対処ができません。
上に行くか下に行くか、ギャンブルに近い形になるので、テクニカル分析に基づいてトレードをするデイトレーダーの方は、ポジションの持ち越しは土日に身動きが取れないというリスクがあります。

また、FX会社によってはメンテナンス対応などで、取引時間中に一時取引を停止する会社もあります。
トレーダーの取引に影響しないように極力短い時間にはなっていますが、ボラティリティ(値動きの幅)が大きい時は、再開時に窓開けして一瞬で不利な状況に陥ってしまうこともありえます。
FX会社によって取引時間停止のルールが違うので、使い始める前に確認しておくようにしましょう。

ローソク足の成り立ち

ローソク足の誕生は古く、江戸時代に米相場の予測に用いられたの が始まりと言われています。
相場師であった本間宗久が考案し、「キャンドルスティック」として世界中のトレーダーに使われています。

ローソク足はその後の日本で、平均足、カギ足、練行足、新値足など、様々なチャートが研究され活用されています。
今やトレーダーで知らない人はいないローソク足ですが、実は日本で誕生していたことをご存じない方も多いのではないでしょうか。

ローソク足の豆知識

ローソク足が誕生したのは江戸時代ですが、同時期に酒田五法と呼ばれる複数のローソク足の形をもとにした分析も誕生しています。
酒田五法は世界最古のテクニカル分析とも言われています。

酒田五法には、

  • 三山
  • 三川
  • 三空
  • 三兵
  • 三法

の5つがあります。
三山や三川は現代でいう三尊天井・逆三尊です。
300年近くも前の分析ですが、今も現役のチャートパターンも盛り込まれています。

他にも、相場の勢いを見る三兵やレンジ相場に触れた三法など、今の相場分析にも十分に通用するテクニカル分析があります。

酒田五法の基本は5つだけですが、詳細はさらに細分化されており非常に奥が深い分析です。
テクニカル分析特有の横文字が苦手な方は、まずは酒田五法に触れてみて、日本語から理解を深めるのも良いかもしれませんね。

ローソク足の用語

  • チャート
  • 始値
  • 終値
  • 高値
  • 安値
  • 平均足
  • カギ足
  • 練行足
  • 新値足
  • バーチャート
  • 平均足
  • ティック
  • 大陽線
  • 大陰線
  • 十字線
  • はらみ足
  • つつみ足
  • たすき足

ローソク足の種類

ローソク足に似た形のものはいくつかあります。どれも

  • 始値
  • 終値
  • 高値
  • 安値

が重要であることは変わりないのですが、

それぞれ若干形や計算方法が異なります。
ローソク足に似たものを簡単に紹介していきます。

バーチャート

Trading Viewのバーチャート

上の画像は、バーチャートと呼ばれるタイプのチャートです。バーチャートは見ての通り、垂直な1本の線から水平方向の2本の棒が出ている形をしています。

垂直な1本の線は高値と安値を表し、始値は左側、終値は右側に表します。欧米のトレーダーの中では、ローソク足よりこちらのバーチャートが主流です。終値が重視される欧米では、始値の棒はなく終値の横棒のみが表示されるバーチャートもあるようです。

バーチャートのメリットは、値動きが見やすくトレンドラインが引きやすいことです。
チャートがすっきりするので、全体の動きがわかりやすくなります。

基本的にはローソク足で表示されている情報と同じです。
Trading ViewやMT4でも表示できるので、ローソク足とバーチャート、使いやすい方を選ぶと良いでしょう。

平均足

Trading Viewの平均足

上の画像は、平均足と呼ばれるタイプのチャートです。

平均足の形はローソク足と同じですが、その計算方法が異なります。
平均足はトレンドが見やすくなるという特徴があります。

平均足の計算方法は下記の通りです。

※日足を例とする

1日目の平均足
始値 = (前日始値+前日高値+前日安値+前日終値) ÷ 4
高値 = 当日高値
安値 = 当日安値
終値=(当日始値+当日高値+当日安値+当日終値)÷ 4

2日目の平均足
始値= (前日の平均足の始値+前日の平均足の終値) ÷ 2
高値= 当日高値
安値= 当日安値
終値= (当日始値+当日高値+当日安値+当日終値) ÷ 4

高値と安値の考え方はローソク足と同じですが、始値と安値の考え方が異なります。
始値は、

(前日の平均足の始値+前日の平均足の終値) ÷ 2

なので、必ず前日平均足の始値と終値の中間にきます。

また終値は、

 (当日始値+当日高値+当日安値+当日終値) ÷ 4

なので、4つの数値すべてを足した上での平均が終値となります。

現在はあまり使われてない平均足ですが、トレンドがぱっと見でわかりやすくなります。
ローソク足ではチャートがごちゃごちゃして見づらいと感じる方は、ぜひ一度試してみてください。

ティック

MT4のティックチャート

上の画像は、ティックチャートと呼ばれるタイプのチャートです。

ティックとはFXの取引時間の最小単位のことです。
ティックチャートでは、取引が成立したレートがリアルタイムで更新されていきます。

ティックは、分足チャートのような棒状ではなく、折れ線グラフのような形で表されます。
画面の横軸に時間、縦軸にレートが表示されます。

デイトレーダーが活用することは少ないですが、数分で売買を繰り返すスキャルピングを好むトレーダーの間では、よく活用されます。
実際に取引が成立していく様子を確認できるので、一度画面を見てみるのも面白いかと思います。

Trading Viewのローソク足設定方法

★画像挿入【alt:Trading Viewにおけるローソク足設定画面①】

Trading Viewでは、デフォルトの状態でローソク足が設定されています。
Trading Viewでは、チャート上のローソク足をダブルクリックする(どこでも可)と、上の画像のようにローソク足の設定ができるようになります。
直感的でわかりやすい仕様になっているのが特徴です。
ステータスラインや外観では、チャートのグリットライン(十字のライン)の有無や背景も変更することができます。

ローソク足を、平均足やバーチャートに変えたい場合は、下の画像のように左上のローソク足の図をクリックすると変更することができます。Trading Viewではラインやカギ足など、様々な種類が用意されているのが特徴です。

Trading Viewにおけるローソク足の設定変更画面②

興味がある形があれば、ぜひ一度表示させてみてください。

MT4でのローソク足設定方法

MT4におけるローソク足の設定変更画面①
MT4におけるローソク足の設定変更画面②

MT4でも、ローソク足はデフォルトで表示されます。
ローソク足の表示を変えたい場合は、上の画像1つ目のように “チャート” → “プロパティ” とすると、上の画像2つ目のようにローソク足の上昇・下降の足の色を変えたり、チャートの背景色なども変えたりできるウィンドウが表示されます。

また、ローソク足を平均足に変えたい場合は 、下の画像のように“挿入” → “インジケータ” → “カスタム” → ”Heikin Ashi” とすることで変更できます。
バーチャートに変えたい場合は “チャート” → “バーチャート” で変更できます。ぜひお好みの設定に変えてみてください。

MT4におけるローソク足の設定変更画面③

以上、今回はローソク足について解説してきました。ローソク足は

  • 始値
  • 終値
  • 高値
  • 安値

の4つを図表ですが、その形によって様々な情報を私たちに与えてくれます。
ローソク足はトレードの基礎であり、理解を深めることで他のテクニカル分析への応用もできるようになります。

ぜひこの機会にローソク足を深く理解し、あなたのこれからのトレードに役立ててください。

また、以下の記事ではローソク足を使った分析方法にスポットを当ててより細かく解説しているので、興味のある人は併せてチェックしていただければと思います。

監 修
Runchaテクニカル分析チーム

トレード体験アプリ「Runcha」は、テクニカル分析チームが監修を行っています。これまでにFXおよび仮想通貨初心者向けの学習アプリを開発し、累計100万ダウンロードを突破。「Runcha」はデモトレードの進化版を目指し、トレード練習の概念を一新します。経験豊富な専門家の協力の下、分かりやすく正確な情報を提供しています。


アドバイザリーボード

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内田 まさみ ラジオNIKKEI
日経CNBCの番組パーソナリティ
経済雑誌多数連載中
山中 康司 金融リテラシー協会 代表理事
アセンダント取締役
デモトレードの進化版!過去チャートでFX検証
Runcha-デモトレードの進化版!過去チャートでFX検証
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