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ZigZag(ジグザグ)|高値安値の計算式や設定、手法など徹底解説

2021年04月20日 公開 
2024年11月15日 更新
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上記チャートでは、ジグザグ(ZigZag)を青いラインで表示しています。

自動的にチャートの高値と安値をシンプルなラインで結んでくれますが、その名の通りラインがジグザグしているのが大きな特徴です。

ジグザグのポイントとしては、以下の3点が挙げられます。

  • チャートにおける高値と安値を、ジグザグなラインで結んでくれるインジケーター
  • 大まかな反転のポイントを見極めることができる
  • トレンドかレンジかなど、相場の流れを判断しやすくなる

ジグザグ(ZigZag)はMT4やMT5、TradingViewなどに標準装備されており、視覚的に「今がトレンドなのか、レンジなのか」を見極めることが可能。

FXのチャート分析でトレンドを把握する際に、ジグザグ(ZigZag)は非常に役立ちます。

今回は、MT4やMT5、TradingViewにおける人気インジケーター「ジグザグ(ZigZag)」について、その仕組みや使い方を分かりやすく解説していきます。

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ジグザグ(ZigZag)とは?

ジグザグ(ZigZag)は、チャート上に名前通りジグザグのラインを自動描画してくれるインジケーターです。

このジグザグを見ることによって、ゴチャゴチャとした相場の動きを簡潔に整理でき、トレンドの発生を簡単に見つけられるようになります。

このインジケーターは、1977年にアーサー・A・メリルによって『Filtered Wave, Basic Theory』という書籍の中で紹介されました。

ジグザグ(ZigZag)はMT4やMT5、TradingViewなどの定番チャートツールでも標準装備されており、現在でも多くのトレーダーが使用する人気インジケーターです。

なお、ジグザグ(ZigZag)の仕組み自体には少し変化が起こっています。

もともとメリルが開発したジグザグ(ZigZag)は、一定割合以上の価格変動があった高値・安値をつなぐ仕組みでした。

この仕組みはTradingViewのジグザグ(ZigZag)で採用されていますが、MT4やMT5のジグザグ(ZigZag)では採用されていません。

MT4やMT5では、価格ベースではなく時間ベースで高値・安値を決める仕組みになっています。

国内FX会社のチャートツールでは、MT4/MT5タイプのジグザグ(ZigZag)が採用されていることが多いので、今回はこちらの仕組み・計算式を細かく解説していきます。

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MT4/MT5におけるジグザグ(ZigZag)の計算式・仕組み

MT4やMT5のジグザグ(ZigZag)において高値と安値を決める基本的な仕組みは、以下のような計算式になっています。

暫定高値:直近X期間における高値が更新されたとき、その高値が暫定高値となる
暫定安値:直近X期間における安値が更新されたとき、その安値が暫定安値となる
高値:暫定高値の発生後に暫定安値が発生すると、その暫定高値が高値として確定する
安値:暫定安値の発生後に暫定高値が発生すると、その暫定安値が安値として確定する


※以下の場合、確定した高値・安値が削除され、ラインがリペイントされる
・暫定高値が過去Y期間以内の高値を上回ったとき、その高値が削除される
・暫定安値が過去Y期間以内の安値を下回ったとき、その安値が削除される

(MT4/MT5上におけるパラメータ名)
X期間:Depth、Y期間:Backstep

このように、高値・安値が決まるに当たって、「直近X期間における」「過去Y期間以内の」と時間が基準になっているところがポイントです。

暫定高値が発生して更新される流れ

例えば直近X期間における高値が更新されると、その高値が暫定高値となり、そこをジグザグの山の頂点とする上昇ラインが引かれます。

この暫定高値は、暫定安値が発生する前に更新されると、更新した高値が暫定高値となりどんどん動いていく形です。

暫定高値が確定して確定高値となる流れ

暫定安値が発生するのは直近X期間における安値を更新したときで、先ほどの暫定高値から暫定安値までの下降ラインが引かれます。

暫定安値が発生すると暫定高値は高値と確定して、その後は基本的に動くことがありません。(上記計算式の※にあるように、例外的にリペイントされるケースはあります。)

新しく発生した暫定安値の方は、次に暫定高値が発生するまでに更新されるとどんどん動いていき、暫定高値が発生したところでようやく安値として確定します。

このように暫定高値・暫定安値の発生を繰り返しながら、チャート上にジグザグが描画されるようになっているわけです。

MT4/MT5におけるジグザグ(ZigZag)のパラメータと設定値

MT4やMT5におけるジグザグ(ZigZag)のパラメータには、以下の3つがあります。

  • Depth:暫定高値・暫定安値の発生を判定する期間
  • Backstep:高値・安値を遡って削除する期間
  • Deviation:転換率(挙動に影響を与えない)

このうちジグザグ(ZigZag)の挙動に最も大きな影響を与えるのがDepth、少しだけ影響するのがBackstepです。

では、この2つを中心にそれぞれ説明していきます。

Depth

仕組みのところで説明した通り、暫定高値・暫定安値は直近X期間における高値・安値を更新すると発生しますが、この「X期間」を設定するパラメータが「Depth」です。

Depthを大きくすると大きなジグザグが描かれるようになり、Depthを小さくすると細かなジグザグが描かれるようになります。

MT4やMT5のデフォルトでは12に設定されており、この設定値がそのまま使われることが多いようです。

Depthを変更する際は、小さなトレンドを把握したいのであればDepthは小さく、大きなトレンドを把握したいのであればDepthを大きくという考え方を基本に、自分に合った設定値を探すといいでしょう。

Backstep

MT4やMT5のジグザグ(ZigZag)では、一度確定した高値・安値が削除されラインが書き直される、リペイントという現象がたまに起こります。

大雑把な言い方をすると、「いったん高値・安値が確定しても、すぐに更新されたら削除しちゃいましょう」という仕組みです。

どのぐらいで「すぐに」と判断するかの基準をBackstepで設定するようになっています。最初に説明した仕組みの「Y期間」に当たる部分ですね。

Backstepはデフォルトでは3と設定されており、こちらもそのまま使っている人が多いようです。

ジグザグ(ZigZag)が描画するラインに与える影響は大きくはないですが、Backstepの仕組みを踏まえて適度に調整してもいいでしょう。

Deviation

結論から言ってしまうと、Deviationのパラメータはジグザグ(ZigZag)の挙動に影響しないので無視してかまいません

プログラムで内部的に持つ暫定高値・暫定安値の候補に関連していますが、最終的には破棄される仕組みになっているようです。

気になる人は、Deviationに100,000といった極端な値を入力しても、描画されるラインに影響がないことを確認してみてください。

ジグザグ(ZigZag)を学べるYouTube動画

ジグザグ(ZigZag)について動画で見たいなら、トレード手法研究家【にんじん】の『ZigZagを使った超シンプル手法で勝つ』がオススメです。

このYouTubeチャンネルはさまざまな投資手法を紹介しており、ZigZagを使った手法の再生数は5万回を超えています。

ZigZagを使った具体的な手法を知りたい方はぜひご覧ください。

ジグザグ(ZigZag)に対するTwitter(X)の声

Twitter上では、ZigZagを分析のメインとしているトレーダーが複数確認できました。

ZigZagは、一定の信頼性のある手法といえるでしょう。

https://twitter.com/miminarifx/statuses/1678418406695919619?s=20

ただしZigZag単体で使うのではなく、「他のインジケーターと組み合わせて使うのが望ましい」という意見が多いようです。

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ジグザグ(ZigZag)の一般的な使い方

ジグザグ(ZigZag)はチャートに点在している波の高値と安値の頂点を自動で検出し、ジグザグのラインで結んでくれるインジケーターです。

これによって高値と安値を知ることができ、大きな相場の流れを判断するのに非常に役立ちます。

ジグザグ(ZigZag)の一般的な使い方は次の2つです。

  • トレンドを知ることができる
  • 他のテクニカルツールと一緒に使う

では、上記のジグザグ(ZigZag)の基本的な使い方について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

ジグザグ(ZigZag)でトレンドを知ることができる

チャートの高値と安値を線で結んでくれるジグザグ(ZigZag)は、トレンドを把握するときにとても便利です。

トレンド分析の基本的な考え方であるダウ理論によると、トレンドは以下のように定義されています。

  • 高値・安値が両方とも切り上げていくことで上昇トレンドとなる
  • 高値・安値が両方とも切り下げていくことで下降トレンドとなる
  • 高値・安値の切り上げ・切り下げが逆転することで、トレンドの転換となる

例えば「高値・安値を切り上げなくなった」という場合には、上昇トレンドからの転換のシグナルということです。

ジグザグ(ZigZag)では、ジグザグのラインで高値と安値を視覚的に知ることができるので、高値や安値が切り上がったのか、切り下がったのかを簡単に把握することができます。

このようにジグザグ(ZigZag)は、ダウ理論に基づいてトレンドの方向性や転換点を把握する際に使われることが最も多いでしょう。

他のテクニカルツールや理論と一緒に使う

ジグザグ(ZigZag)は、ダウ理論以外にも他のインジケーターや相場理論と一緒に併用されることがあり、分析を効率化することが可能です。

相性の良い相場理論としては、例えば以下のようなものが挙げられます。

  • 水平線分析
  • エリオット波動理論(相場を推進5波・修正3波の計8つのジグザグで見る理論)

ジグザグ(ZigZag)はシンプルなので汎用性があり、この他にもさまざまな手法と併用可能です。

インジケーターを単体で使用すると、どうしてもダマシに遭いやすくなります。

ジグザグ(ZigZag)を使用して相場の流れを把握した上で他のインジケーターを使うことで、手法の精度向上を期待することができるでしょう。

ジグザグ(ZigZag)を使った手法・トレード戦略

ジグザグ(ZigZag)はさまざまなインジケーターなどと併用できますが、ここでは以下の組み合わせに基づく手法とトレード戦略を紹介します。

  • ダウ理論と組み合わせる
  • ストキャスティクスと組み合わせる

では、それぞれ見てきましょう。

ダウ理論と組み合わせる

トレンド分析の基本的な考え方であるダウ理論とジグザグ(ZigZag)を組み合わせた場合、トレードは以下のような考え方になります。

  • 高値・安値とも切り上げていたら、上昇トレンドなので買い目線
  • 高値・安値ともに切り下げていたら、下降トレンドなので売り目線

ジグザグ(ZigZag)を使うとチャートの高値・安値が明確になり、ダウ理論におけるトレンドの定義に基づいて、トレンドを客観的に判定できるようになります。

トレンドを把握した後は、そのトレンドに乗っていくように目線を持ってトレードしていくといいでしょう。

なお、高値・安値の切り上げ・切り下げの逆転はトレンド転換のサインです。

ダウ理論によると「トレンドは明確な転換サインがあるまでは続く」とされているので、トレンド発生後の転換サインを、エグジットポイントの参考にすることもできます。

ストキャスティクスと組み合わせる

ストキャスティクスを使った一般的な売買手法は以下の通りです。

  • 20以下になると売られ過ぎなので買い目線
  • 80以上になると買われ過ぎなので売り目線

このストキャスティクスの弱点は、レンジ相場では役に立つ指標ですが、相場がレンジを抜けてトレンドに入ってしまうとダマシが連続する点です。

そこでジグザグ(ZigZag)でトレンドを確認した上でストキャスティクスを使用することで、ストキャスティクスによるダマシを回避しやすくなります。

なお、ストキャスティクスと類似指標であるRSIやRCIも、同じような考え方でジグザグ(ZigZag)と併用することによって、ダマシを回避して精度を高めることが可能です。

ZigZagの注意点・懸念点

ジグザグ(ZigZag)には、次の注意点があります。

  • 期間が短すぎるとダマシに遭う可能性がある
  • 単体ではエントリーポイント・エグジットポイントが分かりにくい

ジグザグ(ZigZag)の2つの注意点についても、それぞれ詳細に確認していきましょう。

期間が短すぎるとダマシに遭いやすくなる

ジグザグ(ZigZag)の山と谷の間隔を決定する設定値であるDepthをあまりに短くしてしまうと、ダマシに遭いやすくなることがあります。

これは、期間を短くしすぎると山と谷が現れるポイントが多くなり過ぎることにより、ちょっとした反転の動きをトレンド転換と認識することになるためです。

もちろんどういった目的でジグザグ(ZigZag)を使うかにもよりますが、Depthの設定値はある程度大きくして、相場の大きな流れを把握することを心がけるといいでしょう。

単体ではエントリーポイント・エグジットポイントが分かりにくい

ジグザグ(ZigZag)は、相場の大きな流れを把握することに長けたツールです。

しかし、その反面、どこでエントリーやエグジットをすべきなのかという明確なポイントを知るのにはあまり向いていません。

このジグザグ(ZigZag)の弱点を補うために、実際にトレードを行う際は、具体的な売買ポイントを示してくれる他のインジケーターを併用したいところです。

ジグザグ(ZigZag)の豆知識

ジグザグ(ZigZag)の豆知識をいくつかご紹介していきます。

メリルパターン

メリルは価格変動パターンの研究を行う中で、ジグザグ(ZigZag)を開発、公表しました。

ジグザグ(ZigZag)を使うことでチャートをジグザグの形状で捉え、それをパターン化したものがメリルパターンと呼ばれれるものです。

メリルパターンはまず大きくM型・W型の2つのカテゴリに分けられ、さらにそのM型・W型はそれぞれ16個のパターンに分けられています。

ジグザグ(ZigZag)の意味

日本語で当たり前のように使われている「ジグザグ」という言葉ですが、実はジグザグは英語の「zigzag(意味:Z字形・稲妻形)」から来ている外来語です。

さらに、この英語の「zigzag」はフランス語の「zag(意味:鋸のこの歯)」に由来しているというのが定説で、フランスで「zag」を繰り返した言葉として、「zigzag」という言葉が誕生したものと考えられています。

また、ドイツ語にも「zickzack(意味:ジグザグ)」という言葉がありますが、これは「zacke(意味:歯・剣)」を繰り返して誕生したということです。

ここで、それぞれの言葉の誕生年を見てみましょう。

  • フランス語の「zigzag」:1670年代
  • ドイツ語の「zickzack」:1703年
  • 英語の「zigzag」:1712年

このように、「zigzag」はフランス語から世界中に広がった言葉で、インジケーターの名称としても使用されているわけです。

ジグザグ(ZigZag)が使えるFX会社/仮想通貨取引所

ジグザグ(ZigZag)は、次のようなFX会社/仮想通貨取引所で使用することができます。

FX会社

  • GMOクリック証券
  • FXプライムby GMO
  • JFX
  • YJFX!
  • ヒロセ通商

仮想通貨取引所

  • GMOコイン
  • DMM Bitcoin
  • bitbank

ジグザグ(ZigZag)をアプリで表示

Trading View

TradingViewのスマホアプリでZigZagを表示
TradingViewのスマホアプリでZigZagを表示
TradingViewのPCツールでZigZagを表示
TradingViewのPCツールでZigZagを表示

MT5

MT5のPCツールでZigZagを表示
MT5のPCツールでZigZagを表示
著者
Runchaテクニカル分析チーム
チーム紹介ページ

日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト|4大監査法人出身者|TradingViewインジケーター開発者|EA開発者|

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監修者
山中康司

有限会社アセンダント

学歴: 慶應義塾大学卒業

著書: 『FXチャート分析マスターブック FX ボリンジャーバンド常勝のワザ』(2013年12月)

来歴: アメリカ銀行バイスプレジデント → 日興シティ信託銀行為替資金部次長を歴任。・金融コンサルティング会社アセンダント設立。金融リテラシー協会代表理事を務める。



所有者
株式会社アドバン

『ユーザーの新しい挑戦や、ワクワクの手助けができるサービス作り』をビジョンに、投資を始めたい人・よくわからない人の支えになるようなFX初心者ガイドや、トレード練習アプリを運営しております。
株式会社アドバンコーポレートサイト
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内田 まさみ ラジオNIKKEI
日経CNBCの番組パーソナリティ
経済雑誌多数連載中
山中 康司 金融リテラシー協会 代表理事
アセンダント取締役
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