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ダイバージェンスはFXで使える分析テクニック!

2022年07月10日 公開 
2023年07月03日 更新
ダイバージェンス-アイキャッチ
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【FXトレード】ダイバージェンスはトレンド分析のテクニック

ダイバージェンスはチャート上に表示されるレートが示す形と、オシレーター系のテクニカル指標が示す形が同じ方向を向いておらず、逆方向に動いている状態を指します。

「逆行現象」と訳され、チャートの動きとテクニカル指標の動きを比較してトレンドの転換や継続、流れの強弱を推し量るための分析テクニックのひとつです。

ダイバージェンスは価格とオシレーターの逆行現象

ダイバージェンスが起きている状況というのを整理しましょう。

例えば相場が上昇トレンド発生中だった場合、レートはもちろん上昇の動きを見せるのでジグザグと高値と安値を切り上げながら進みます。

もちろんオシレーターもレートを参考に計算されているので、ジグザグとレートに合わせて上昇の動きを見せているのが普通です。

しかしレートが高値安値を切り上げながら進んでいる状況であるにもかかわらず、オシレーターが高値を切り下げてしまう現象を「ダイバージェンス(逆行現象)」と呼びます。

レートに合わせて高値を切り上げなければいけない場面で矛盾した動きを見せている状況ということになり、価格が上昇基調であるにもかかわらずオシレーターが下落を示唆しているということです。

ダイバージェンスの模式図

ダイバージェンスが起こるとトレンド終了の可能性がある

ダイバージェンスが確認できたということは、レートとオシレータの形に矛盾が発生しています。

矛盾が起きたということはトレンドの勢いに陰りが見え始めたと捉えることもできます。

そのためダイバージェンスが発生した時は「トレンドの転換、トレンドの終了、トレンドの勢い低下」のいずれかが起こるサインとして使用します。

逆張りのきっかけとなったり、保有するポジションの利確タイミングだったりと、どこまで続くか予想しづらいトレンドの終わりを判断する時に使われます。

ただし、ダイバージェンスが起こったからと言って必ずトレンドが終わるということではありませんので、しっかりと見極めるようにしましょう。

【FXトレード】ダイバージェンスの見つけ方

そんなダイバージェンスですが、テクニカル指標であればなんでもいいというわけではありません。

ダイバージェンスを確認するには相場の勢いを視覚化できるオシレーター系のテクニカル指標を使用します。

この項ではダイバージェンスを確認できるオシレーターや、その見つけ方、ダイバージェンスの型、順張りに使うダイバージェンスなどをご紹介していきます。

ダイバージェンスを確認できるオシレーター

ダイバージェンスは相場の勢いを視覚的に確認できるオシレーター系のテクニカル指標を使います。

代表的なものは「RSI」「MacD」「ストキャスティクス」です。

それぞれをチャート画面で確認してみましょう。

RSでダイバージェンスが確認できた場面

RSIのダイバージェンス

MacDでダイバージェンスが確認できた場面

MacDのダイバージェンス

ストキャスティクスでダイバージェンスが確認できた場面

ストキャスティクスのダイバージェンス

上記3つの例のように、価格が形成する方向とオシレーターが形成する方向が逆転している「ダイバージェンス」が発生すると価格が転換したり上昇の勢いがなくなることが確認できます。

ダイバージェンスには強気、弱気がある

ダイバージェンスには弱気と強気の2種類があります。

上記チャート画面で上昇トレンドから下落基調へ転換する際に発生したダイバージェンスは売りのサインですので「弱気のダイバージェンス」と呼ばれます。

逆に下降トレンドから上昇基調へ転換する際にもダイバージェンスは発生し、その場合は買いのサインとされ「強気のダイバージェンス」と呼ばれます。

ダイバージェンスの強気と弱気

上昇示唆と下降示唆で逆の形になるので、混同しないように上昇示唆を強気、下降示唆を弱気として分かりやすく表現しているだけです。

どちらもダイバージェンスですので強気の方が効果が高いというわけではありません。

ダイバージェンスでは兆候が分かる

ダイバージェンスが起これば必ず相場は転換するというわけではありません。

あくまで示唆ですので、他のインジケータやオシレーターと同じくそうなりやすい兆候であることを念頭に入れておきましょう。

そのため先ほどのご紹介したダイバージェンスを確認できるオシレーターでも、その各オシレーターの特性と組み合わせて使用することでダイバージェンスの信頼度もオシレーターが示唆したサインの信頼度も相乗効果として高くなっていきます。

そもそもダイバージェンス自体がレートの動きとオシレーターの動きを見比べて矛盾が発生したところを狙うものですので、オシレーターの転換示唆との組み合わせが起こらないと効果は薄いということになります。

もう一つのダイバージェンス「リバーサル」

ダイバージェンスはトレンドの転換や終わりを示唆する逆張りのサインでしたが、ダイバージェンスの中にはトレンドの継続を示唆する順張りのサインを持つものもあります。

それは「リバーサル」と呼ばれており、他にも「ヒドゥン・ダイバージェンス」や「コンバージェンス」とも呼ばれておりますが、本記事の中では「リバーサル」で統一させていただきます。

ダイバージェンスがトレンドの転換や終了を価格とオシレーターの位置関係で確認していることに対して、リバーサルはトレンド継続を価格とオシレーターの位置関係で確認しています。

わかりやすく言えば、押しや戻しの終わりの位置を示唆してくれるサインで押し目買いや戻り売りを仕掛ける順張りのタイミングを判断するときに使われます。

ダイバージェンスとリバーサルは大変似ておりますが、その違いは注目している位置にあります。

例えば上昇トレンドの場合、高値側で判断するのがダイバージェンス、安値側で判断するのがリバーサルです。

下降トレンドの場合は安値側で判断するのがダイバージェンス、高根側で判断するのがリバーサルです。

間違えて反対売買を行わないように、この違いをしっかり覚えておくようにしましょう。

リバーサルの模式図

【FXトレード】ダイバージェンスを使った取引手法

それではダイバージェンスを使った取引手法をいくつかご紹介します。

ダイバージェンスが確認できるオシレーターでのタイミングは上述いたしましたが、単体のオシレーターでダイバージェンスが発生したというだけでは転換をとらえるには根拠が乏しすぎます。

何と組み合わせたらいいのか、その理由とともにご紹介していきます。

組み合わせることでトレンドの転換を捉える精度を上げる

ダイバージェンスは逆張りを示唆する分析だからこそ「ダマシ」が発生しやすいサインです。

ダマシを回避するためには他のテクニカル分析と組み合わせて転換するであろう根拠を重ねる必要があります。

だからと言って、ダイバージェンス発生時に根拠を重ねるため他のオシレーターと組み合わせてしまってはあまり意味はありません。

例えばストキャスティクスでダイバージェンスを確認できたので組み合わせでRSIを重ねたとしても、どちらも相場の行き過ぎを視覚化するオシレーターなのでダマシが起きるタイミングは似通っています。

ではダマシを効果的に回避するにはどんなテクニカル分析と組み合わせればいいのでしょうか。

ダウ理論と組み合わせたダイバージェンスの使い方

ダイバージェンスがトレンドの転換や終わりを示唆するのであれば、トレンドの継続を教えてくれるダウ理論と組み合わせればその精度は上がると想像できます。

例えば上昇トレンド中として、高値更新時にオシレーターがダイバージェンスを起こしたことを確認した直後に売るのではなく、高値を更新した押安値をブレイクしダウ理論が崩壊した位置から売りを入れます。

すると「ダイバージェンスによる反転示唆」に加え「上昇ダウが崩壊しトレンドが終わった可能性」という2つの根拠を持つことができます。

ダウ理論とダイバージェンス

図の状況ではダイバージェンス発生直後から売っていたとしても下落はしていた場面ですが、高値を更新しているところからダイバージェンスだけを根拠に売るのは、ダマシの多さを考えても効率的ではありません。

転換を示唆する根拠と合わせて使ってみましょう。またダウ理論の使い方については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。

水平線と組み合わせたダイバージェンスの使い方

ダイバージェンスの醍醐味である天底をとらえるタイミングは、上位足との組み合わせで有効に機能する場面もあります。

上位足の重要な水平線付近での下位足でのダイバージェンスや、上位足がチャートパターン形成中での水平線で下位足のダイバージェンスなどまさに天底を捉えるタイミングを狙うこともできます。

上位足で反応しそうな水平線に到達というタイミングで下位足の反転示唆という2つの根拠をもって買いや売りを入れることができます。

図では上位足がダブルボトムを形成中に下位足でダイバージェンスが発生した場面から買いを入れた状況です。

但し注意して見てみると、図の中央左寄りの位置で一度小さなダイバージェンスが発生していますが価格はいったんは上昇するも戻されてしまっています。

このように上位足と組み合わせても毎回うまくいくとは限りませんので、損切りの設定などはしっかり行っておきましょう。

水平線とダイバージェンス

FXにおける水平線を使った分析については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

リバーサルを使った取引方法

リバーサルはトレンドの継続を示唆するサインですので、基本的には押し目買いや戻り売りの戦略として使用します。

トレンド中に発生する一時的な調整の押しや戻しがどこまで押してくるのか戻ってくるのかは誰にもわかりませんが、オシレーターが示す値動きとの矛盾をサインとしてトレンドフォローを行うことができます。

リバーサルでの取引

まとめ:ダイバージェンスを利用すると利益を狙える

ダイバージェンスはトレンドの転換や終了を示唆するサインですので、成功すれば大きな利益となるチャンスになることもあります。

しかし、逆張りがゆえにダマシが多く発生するというデメリットも併せ持ちます。

ダイバージェンスだけでは根拠が薄いことを理解して、使用しているオシレーターの反転基準やトレンドの継続を否定する根拠、反転するに足る上位足の根拠など様々な環境認識分析を複合した上で使うことにより、リスクを減らしながら天底を狙うことができます。

ダイバージェンスを見つけたらすぐに飛び乗るのではなく、一度一歩引いて確認したうえでポジションを持つかどうかを判断しましょう。

天底に近いがゆえに一歩待ったとしても値幅を狙うことは十分にできます。

ダイバージェンスの全てをまとめた記事です。

この記事ではダイバージェンスとFXについて詳しく説明しましたが、ダイバージェンスについてさらに詳しく知りたい場合は、ダイバージェンスまとめ記事を参考にしてください。

監 修
Runchaテクニカル分析チーム

トレード体験アプリ「Runcha」は、テクニカル分析チームが監修を行っています。これまでにFXおよび仮想通貨初心者向けの学習アプリを開発し、累計100万ダウンロードを突破。「Runcha」はデモトレードの進化版を目指し、トレード練習の概念を一新します。経験豊富な専門家の協力の下、分かりやすく正確な情報を提供しています。


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内田 まさみ ラジオNIKKEI
日経CNBCの番組パーソナリティ
経済雑誌多数連載中
山中 康司 金融リテラシー協会 代表理事
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