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【本当の原因】エリオット波動はなぜ使えない?|簡単な見つけ方やダウ理論との組み合わせも紹介

2023年01月28日 公開 
2024年02月02日 更新
エリオット波動-アイキャッチ
  • エリオット波動の第1波ってリアルタイムでわからないよね?
  • 後から都合よく解釈するのがエリオット波動でしょ?
  • エリオット波動って実際の取引では使えないって聞くけど?

エリオット波動には「使えない!」「後付けだ!」という噂が後を絶ちません。

それにもかかわらず長い間相場を読み解くテクニカル分析として語り継がれています。

ということはエリオット波動で相場から利益を上げているトレーダーがいるということではないでしょうか。

この記事ではエリオット波動を使えるテクニカル分析と変化させるために必要な第1波の認識に焦点を当てて解説します。

多くのトレーダが勘違いしている第1波の認識のポイントはトレンドが継続しているのかどうか判断するということ。

エリオット波動は本当に使えないテクニカル分析なのか?早速見ていきましょう。

なお、エリオット波動の基本について知りたい方は、まずは以下の記事をご覧ください。

エリオット波動が使えないのは第1波のカウントが間違っているから

「エリオット波動の5波動って完成してからじゃないと確認できないよね?」

これは多くのトレーダーがエリオット波動を試してみては逆行され損切りされ、結局エリオット波動は使えないとなったときの結論で一番多いものです。

実際に動いている相場でエリオット波動を確認する際に一番大事なポイントは第1波の発生を正しく認識することです。

しかし多くの場合第1波としている波が間違っている、または認識する時間足が違うことに気づけていません。

まずはエリオット波動の第1波と呼ばれる場面をいくつか見てみましょう。

case1.直近の流れとは逆方向の大きなローソク足

大きなローソク足がでた場合

初めにエリオット波動でよく言われている、トレンドとは逆方向の大きなローソク足が発生した時に第1波になるかを見てみましょう。

画像はGBPUSDの1時間足です。

画面左側から上昇トレンドを描いていましたが、直前のローソク足を全て飲み込む大きさの陰線が出現しました。

噂の通りならこれは下落の第1波となるはずです。

次の画像はその後の展開です。

大きなローソク足後の展開

大きな陰線などなかったかのように価格はすべてを戻したあと、調整の波を挟んで再上昇していきました。

つまりあの大きな陰線は第1波ではなかったということです。

case2.レンジを抜けた波

レンジを抜けた場合

次にエリオット波動でよく言われる第1波の発生タイミングであるレンジを抜けた波が第1波になるかを確認します。

画像は先ほどと同じくGBPUSDの1時間足の別の場面です。

画面左側から下落トレンドが続いていましたが、緑で囲った位置で4日間ほどレンジ相場となりました。

その後レンジを下抜ける波が発生しています。

噂通りなら赤矢印のように第3波が発生するタイミングです。

次の画像はその後の展開です。

レンジを抜けた後の展開

レンジを抜けた波は第3波を作ることなく上昇方向へ転換していきました。

逆にレンジを組んでいた上限を抜いたひと波が上昇方向の第1波のようになってしまった場面です。

こちらもレンジを抜いたひと波は第1波ではなかったということです。

case3.ダウ理論を崩壊させた波

ダウ理論を崩壊させた場合

最後にエリオット波動の第1波の発生タイミングとして言われる、ダウ理論を崩壊させた波が第1波になるかを見てみます。

画像は同じくGBPUSDの1時間足の別の場面です。

画面右側から高値と安値を切り上げながら上昇トレンドが続いていました。

ところが最高値を更新できないまま、最高値を作った波の起点である押し安値をブレイクして上昇ダウが崩壊しました。

噂通りならここから下落トレンドが始まる第1波となったはずです。

次の画像はその後の展開です。

ダウ理論額座Sれた後の展開

上昇ダウを崩壊させた波は第1波となり下落トレンドを形成していきました。

トレンドが崩れたことにより波の転換が行われたということです。この3つの場面から直近のトレンドが崩れたことを確認することが第1波を認識する正しい方法であることが伺えます。

エリオット波動の第1波はここを見ろ!

では、エリオット波動を使って相場を見るときの最初の関門である第1波を確認する時に見るポイントを解説します。

その前に注意点があります。

エリオット波動の第1波をとらえるときは一貫性を持つことが重要になります。

<いつもはこうみているけど、なんかチャンスっぽいからこれを第1波にしてしまおうかな>

これは絶対にダメです。

もしこれでうまくいってしまうと、波を見ることに対して簡単だと勘違いをしてしまい分析が雑になります。

必ず手順を踏むことで相場の先読みが可能なエリオット波動を使えないテクニカルにしない効果があります。

ダウ理論でトレンドの継続を見極める

ダウ理論はトレンド方向への高安値の連続した価格更新によってトレンドが継続するという理論です。

この連続した更新ということがポイントとなります。

つまり一度でも更新が否定される=戻り高値を割った押し安値を割ったということがダウ理論の崩壊を意味します。

一方、否定もないが更新もない場合はトレンドは継続中ということになります。

先程の〈第1波と呼ばれる場面case1〉の大きな陰線をみてみましょう。

押し安値の位置

この場面では上昇トレンド中に直近何本ものローソク足を一気に包む大きな陰線が発生しています。

しかし、押し安値は割っておらずダウ理論ではトレンドが継続中となっています。

となると価格の進む方向はまだ上という判断となり、売りで入ることは検討しないとなります。

こういったトレンドの継続を示唆するダウ理論を組み合わせることで、第1波のフェイクを見つけることができます。

フラクタル構造でより相場を広く見る

フラクタル構造とはマトリョーシカのように大きなものの中に同じ構造の小さなものが内包されているという考え方です。

日本語訳すると「入れ子」となります。

相場はこのフラクタル構造でできていると言われており、エリオット波動でも8波動の中の各波に8波動が含まれているというものです。

エリオット波動のフラクタル構造

これを確認することで、今発生した第1波が本当に第1波なのかを検討することができるようになります。

こちらも先程の〈第1波と呼ばれる場面case2〉を少し深掘りしてみましょう。

上位足での確認

この場面ではレンジ抜けで第1波と認識しましたが、この時間足をひとつ大きくして相場を広く見てみましょう。

すると、もっと大きなレンジを抜けた第1波の中に内包される第3波、または第5波である可能性が確認できます。

この時点ですでに上の時間足では安値高値を更新し第1波の発生が確認できていますので、1時間足で認識したレンジ抜けが新たな第1波である可能性はほぼ否定されています。

このようにフラクタル構造でも波を確認することで、偽物の第1波を見つけることもできるのです。

波の大きさを理解する

エリオット波動で1番落ち入りやすい勘違いポイントはどの波の第1波かということです。

ダウ理論の崩壊を確認するように書きましたが、その押し安値や戻り高値は今第1波が発生していると認識している時間足のものかが重要となります。

波の大きさの理解

例えばcase2の場面で1時間足ではレンジと見えた位置も、日足で見ればローソク足4本程度の認識です。

一方、5分足で見ればレンジブレイク前にすでに5波動が発生している認識になります。

つまりその認識した波の大きさに対して分析を行うということです。

先程1時間足では上位足の分析から第1波が否定されました。

しかし5分足では5波動がでていますので、この5分足の波の大きさのエリオット波動を取りに行く戦術は有効ということになります。

逆に日足では買いも売りも検討する状況ではないとなります。

注意点は思惑方向に伸びたからといって上位足に派生させないということです。

5分足で認識したなら5分足で完結させてください。

ダウ理論とフラクタル構造を組み合わせれば、このようなこともできるようになります。

それでもエリオット波動は使えないのか?

ここまで第1波のとらえかたを解説しましたが、それでもエリオット波動は後付けの理論と言われてしまいます。

これにはいくつか理由がありますので、そこも少し深掘りしてみましょう。

起点と終点があとから変更される

エリオット波動がオカルトだと言われてしまう1番の原因に起点と終点があとから変更されるというものがあります。

初めはA地点からB地点までを第1波としていたはずなのに、波の延長が発生したとして終点であるB地点が変更されるといったものです。

エリオット波動を詳しく習得していけばなぜ延長と判断したのか、なぜ起点や終点を変更したのかは分かるのですが、数多くあるエリオット波動で作られる波の種類を理解していないと後付けに感じてしまいます。

とはいえ、この変更が行われることに関してはインジケータや水平線などでも常に行われていることなのです。

いわゆるリペイントと呼ばれるもので、ローソク足が確定するまではインジケータの先端が上に向くのか下に向くのか決まらないというものです。

このリペイントがエリオット波動では「波」で行われるため時間がかかり、リペイントを認識できてしまうので大げさに感じてしまうのです。

見ている時間軸によって解釈が変わる

第1波のポイントの項で少し触れましたが、時間足を変更することで全く違う解釈に感じてしまうのがエリオット波動です。

フラクタル構造なので大きな波の方向は決まっていますが、いざトレードをするとなれば逆方向にポジションを取ることもあります。

例えば日足で下落トレンド中としている中で、1時間足の第1波発生確認から第3波のロングを狙ったと説明されると「エリオット波動の方向は下じゃないの?」となってしまいます。

このトレードは日足では下に波動が発生しており、1時間足では上に波動が発生しているという認識になるのです。

これは簡単にいえば日足の修正波を短期的に狙ったトレードですが、この上と下の波の交差が異なる時間足で行われることにより理解は複雑化します。

ですので、初心者がエリオット波動をトレードに取り入れるならば上位足の方向と認識が揃った方向にだけトレードするということをまずは守るようにするといいでしょう。

難しいことはある程度経験を積んでから行えばいいのです。

まとめ:エリオット波動は他の根拠と重ねて使え!

エリオット波動は使えないのか?

このテーマで解説してきましたが、エリオット波動にダウ理論を組み合わせることでこの問題はある程度解決します。

それはトレンドが発生してしまえば波は起こるからです。

トレンドの発生はダウ理論で見つけることができます。

さらにエリオット波動を強力なものにするために次の5つを組み合わせることをおすすめします。

  • フィボナッチリトレースメント
  • フィボナッチエクスパンション
  • 水平線
  • チャネルライン
  • 【初心者向け】Zigzagインジケータ

ここでは詳しい使い方は割愛しますが、簡単な解説をしておきます。

フィボナッチリトレースメントは第2波と第4波の反転箇所を知る目安を教えてくれます。

フィボナッチエクスパンションは第3波と第5波の到達点を知る目安を教えてくれます。

※フィボナッチについて詳しく知りたい場合はこちらの記事を参照して下さい。

水平線はフィボナッチで目安をつけた到達点の絞り込みに使うことができます。

チャネルラインは波の切り替わりタイミングの目安を教えてくれます。

そしてZigZagインジケータはどこが高安値なのかの判断を助けるツールとして活用できます。

※ZigZagについて詳しく知りたい方はこちらの記事を参照してください。

エリオット波動はトレンドの有無が判断できれば、トレードにおいて少し先の未来を占う強力な武器になります。

目先の情報に騙されず正しく使ってみてください。

監 修
Runchaテクニカル分析チーム

トレード体験アプリ「Runcha」は、テクニカル分析チームが監修を行っています。これまでにFXおよび仮想通貨初心者向けの学習アプリを開発し、累計100万ダウンロードを突破。「Runcha」はデモトレードの進化版を目指し、トレード練習の概念を一新します。経験豊富な専門家の協力の下、分かりやすく正確な情報を提供しています。


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内田 まさみ ラジオNIKKEI
日経CNBCの番組パーソナリティ
経済雑誌多数連載中
山中 康司 金融リテラシー協会 代表理事
アセンダント取締役
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