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退職金が無い!個人事業主なら知っておきたい節税しながら自分で退職金を積み立てる2つの方法!

2022年10月25日 公開 
2023年07月10日 更新
退職金が無い!個人事業主なら知っておきたい節税しながら自分で退職金を積み立てる2つの方法!
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老後に必要な資金を考えよう!

終身雇用が当たり前だった時代では「老後の資金は退職金で」と考えていた方も多いでしょう。

現代では働き方が多様化し、フリーランスになった方や個人経営をしている方も増えていることに加えて、法律で定められていない退職金制度については年々廃止にしている企業も増えています。

つまり、退職金がない個人事業主や中小企業の経営者、退職金制度がない会社に勤めている方は、自分自身で老後の資金を準備する必要があるということです。

この記事では、節税しながら自分で退職金を積み立てる方法をご紹介していきます。

65歳でリタイアした時に老後に必要な資金は約2,000万円

2000年の年金法改正で老齢年金の基本受給資格は65歳からになりました。

65歳までは働いたとして、そこから仕事をしないとした場合老後にいくらあれば足りるのでしょうか?

総務省が発表する一般的な家庭の支出額は以下の通りです。

65歳以上の単身世帯65歳以上の2人世帯
14万4,687円25万5,550円

引用:総務省統計局「家計調査 家計収支編(年次間) 2020年」における「世帯主の年齢階級別1世帯当たり1ヵ月間の収入と支出」

では貰っている年金に対して支出はどうなっているのでしょうか。

2019年に金融庁が発表した報告書(高齢社会における資産形成・管理)によれば、65歳以上の2人世帯で無職の場合、年金受給額に対して月の赤字は平均して5万5,000円となっています。

これを65歳でリタイアしたとして95歳までの30年間と考えると

5万5,000円 × 12ヵ月 × 30年 = 1,980万円

となります。

これがいわゆる2,000万円問題と言われるものです。

しかしこのケースはかなりゆとりある生活をしている場合と言え、月の支出が26万円を超える計算となっています。

コロナ禍で消費が落ち込んだ生活を経験した私たちはここまで必要ではないかもしれません。

貯金だけでは限界がある

とはいっても、全く貯金が無いよりはもちろんあった方がいいわけです。

現在の年齢が20代の方はまだまだ時間的余裕があるので焦る必要はない訳です。

ところが、30代後半から40代のフリーランスや中小企業の経営者の方は、今から老後資金を貯金だけで賄おうとするとどうしても限界が見えてしまいます。

すでにある程度の貯金がある方はいいとして、独立するために資金を使ってしまった方やコロナ禍で切り崩しながら乗り切った方などは、不安が多く残るはずです。

では貯金以外で何をして老後に備えるのでしょうか。

退職金が無い人は自分で準備しよう!

サラリーマンでなければ退職金が支払われることはありません。

では自分で退職金のようなものを作ってしまえばいいのではないでしょうか。

実はそういった退職金が無い方のための制度というものがあります。

どういった仕組みなのか見ていきましょう。

毎月の積立で自分で退職金を作る

本来退職金は、会社が中退共や共済組合などの外部機関に積立を行ったり、内部留保で溜めていき将来的に支払いを行うケースがほとんどです。

個人事業主や経営者の場合はこれを使うことができません。

では同じようなことを、自分自身を会社と見立てて積立を行っていけば良いのではないでしょうか。

例えば一定以上の年齢になるまで引き出すことができない積立方法や、受け取るときに税金が優遇される積立方法など、実は有利に貯蓄できる方法はたくさんあるのです。

貯金ではなく積立にすると税制優遇を受けられる

では貯金ではなく積立という選択肢を選ぶ理由は何でしょうか。

もちろん毎月1万円を貯金として積み立てるという方法もあります。

しかし、ここでいう積立とは積立として運用し更に税制優遇を受けられる方法です。

例えば運用と考えた場合、毎月1万円を20年間貯金として積み立てた場合、年間12万円×20年で240万円に0.001%程度の利息が付いているだけです。

しかし毎月1万円を年3%で運用し20年間積み立てた場合、原資は同じく240万円ですが20年後の積立金額は3,283,020円となります。

原資に対して約プラス88万3千円が上乗せされる計算となっています。

さらに積み立てた金額に応じて所得から控除され、税金が安くなるというメリットまであります。

個人で作れる2つの退職金制度

個人で積立をしながら運用し、税制優遇が受けられる退職金制度は2つあります。

老後の資産形成という点では他にもいくつかありますが、ここでは個人事業主や中小企業の経営者という視点でご紹介していこうと思います。

小規模企業共済制度

小規模企業共済制度とは中小企業経営者向けの積み立て退職金制度

小規模企業共済制度とは「独立行政法人 中小企業基盤整備機構」が運営している、中小企業の経営者向けの積み立てによる退職金制度です。

小規模企業の経営に対してリスクを負っている人が加入できる

小規模企業共済制度に加入できる人は、「従業員20人以下(卸売、小売、士業、一部を除くサービス業等は5人以下)の小規模企業の経営者や役員に加え共同経営者、個人事業主」となっています。

わかりやすく言えば経営することに対してリスクを負っている人たち向けの共済ということです。

毎月の掛金額は1,000円から7万円

掛金は毎月1,000円から7万円の間で、500円単位で決めることができます。

また、掛金は増額したり減額したりできます。

1年分をまとめて支払うこともでき、その場合も1年以内のものなら所得控除の対処となります。

小規模企業共済制度のメリット

個人で作れる退職金制度というのはわかりましたが、小規模企業共済制度に加入するとどんなメリットがあるのでしょうか。

3つに絞ってみていきましょう。

①掛け金の全額が所得から控除される

小規模企業共済制度への掛金全額が所得から控除されます。

これは大きなメリットで、例えば貯金として積み立てる場合、貯金額もすべて所得として扱われますので貯金積立の分も課税対象となります。

しかし小規模企業共済制度へ積立している場合、掛金分を所得から控除して課税されますので所得税と住民税が安くなるということです。

つまり掛金が大きければ大きいほど、節税の効果が大きくなります。

どれくらい節税できるかは以下の表をご覧ください。

課税される
所得金額
加入前の
所得税額
加入前の
住民税額
掛金月額
1万円の
節税額
掛金月額
3万円の
節税額
掛金月額
5万円の
節税額
掛金月額
7万円の
節税額
200万円104,600円205,000円20,700円56,900円93,200円129,400円
400万円380,300円405,000円36,500円109,500円182,500円241,300円
600万円788,700円605,000円36,500円109,500円182,500円255,600円
800万円1,229,200円805,000円40,100円120,500円200,900円281,200円
1000万円1,801,000円1,005,000円52,400円157,300円262,200円367,000円

引用:中小機構「小規模共済機構 掛金について」

②退職金(共済金)を受け取るときの税負担が軽い

退職金の受け取り方法はいくつかルールがありますが一般的に3種類あります。

「退職金として受け取る一括方式」「年金として受け取る分割方式」「あるいはその併用」となっています。

受け取る方法により課税される税金が異なります。

一括で受け取った場合は一般的な退職金と同じ扱いになり「退職所得控除」として税負担が軽くなります。

分割で受け取った場合は一般的な年金と同じく雑所得扱いになり「公的年金等控除」として税負担が軽くなります。

また掛金をかけている本人が死亡した場合も退職金(共済金)は支払われ、その場合は相続税の一部として「死亡退職金」となり税負担が軽くなります。

つまり、掛金として積み立てた際にも控除され、受け取る際にも控除されており、大幅な節税に繋がっているということです。

③万が一の時に低金利、無担保、無保証で貸し付けをしてもらえる

中小企業や個人事業主の経営は中々不安定なものです。

万が一急な出費や資金が必要になった際には、共済加入者に対して貸付を行ってくれる制度もあります。

一般貸付では納付済みの掛金総額までなら年率1.5%、保証人なし、無担保で貸付制度を利用できます。

小規模企業共済制度のデメリット

もちろん小規模企業共済制度にもデメリットはあります。

ここでは気にしておきたいリスクとして2点をご紹介します。

①途中解約による元本割れ

小規模企業共済制度は廃業したり退任などの事由による場合は3年(36か月)以上の払い込みがあれば元本割れを起こしません。

しかし小規模企業共済制度の仕組み上、上記の理由以外で途中解約をすると掛金の総額を下回る元本割れを起こします。

その境目が「20年」です。

つまり、経営者や役員は会社を去ること、個人事業主は廃業する以外の事由で共済を解約をした場合は20年(240か月)以下の払込期間だと解約手当金が元本割れしてしまいます。

また、1年以内の解約をした場合は1円も返ってきませんので注意が必要です。

②所得税は控除されても社会保険料は上がる可能性がある

経営者や役員の場合、小規模企業共済制度への掛金は会社から支払われる報酬から個人で支払いを行います。

そのため所得税が控除されます。

それを逆手に取り、役員報酬に掛金分を上乗せして会社から報酬を支払うことで、節税しながらも退職金を積み立てることができます。

しかし社会保険に加入している場合、社会保険料の計算は元々の役員報酬額+掛金分の上乗せした役員報酬分で計算されます。

それにより社会保険料が高くなる可能性もあります。

所得税の控除を優先した結果、会社と個人の社会保険料負担が増えてしまったなどとならないように気を付けましょう。

個人型確定拠出年金(iDeCo)

iDeCoとは老後資金の積み増しを目的にした私的年金制度

iDeCoは「個人型確定拠出年金」の愛称です。

老後資金の積み増しを目的にした私的年金制度で、60歳までの間に、毎月一定の掛金を投資信託や定期預金、保険などの金融商品を自分で選択して運用します。

60歳以降に掛金とその運用益との合計額を老齢給付金として受け取ることができる制度です。

サラリーマン以外のほとんどが加入できる

iDeCoに加入できる人の条件は以下の通りです。

・日本在住で20歳以上60歳未満

・国民年金や厚生年金などの公的年金に加入している

・雇用形態に関する条件はなし

しかし上記に当てはまっても次に該当する方は加入できません。

・国民年金保険料の全額または一部を免除されている自営業者

・学生納付特例制度を利用していて保険料納付を猶予されている学生

・すでに企業型の確定拠出年金に加入しており、勤務先がiDeCo 同時加入を認めていない

つまりサラリーマン以外のほとんどの方は加入できる制度となっております。

2022年の大幅改正

2022年にiDeCoは大幅改正され、より自由度が高まり加入しやすく運用しやすくなりました。

いくつかポイントとなる改正をご紹介していきます。

①受給開始年齢の上限の引き上げ

受給開始年齢が60歳~70歳から「60歳~75歳」に拡大されました。

また、加入要件も60歳未満から65歳未満の第2号被保険者や国民年金の任意加入者、海外移住者などにも拡充されました。

これにより運用期間が短くなってしまうことで諦めていた50代や60代のサラリーマンや公務員も加入できるようになりました。

②制度間の移換が緩和

これまで確定給付企業年金を勤務先で積み立てていた方が退職や転職を迎えた場合、iDeCoへの積立金の移換は認められていませんでした。

そのため確定給付企業年金で積み立てた分は、通算企業年金へ強制的に移換されていました。

しかし今回の改正でiDeCoへの移換も可能になりましたので、転職や退職をしても制度を継続的に利用することが可能になりました。

③企業型確定拠出年金とiDeCoの併用要件が緩和

2022年10月以前は、企業型確定拠出年金に勤務先で加入している方は勤務先がiDeCo 同時加入を認めた場合以外はiDeCoへの加入ができませんでした。

これにより企業型に加入する約780万人の方がiDeCoへの加入を見送っていた状況です。

今回の改正により加入者本人の意思だけで企業型確定拠出年金とiDeCoの同時加入が可能となりました。

ただし、拠出金額の上限は双方を合わせた合計額となりますので、すでに企業型で上限額に達している方はiDeCoへの加入ができませんのでご注意ください。

毎月の掛金額は5,000円から

iDeCoの掛金は月5,000円から1,000円単位で設定することができます。

掛金の増減も可能ですが、増減できるのは年に1回までです。

本人の職業や加入している年金制度によって、年間にかけられる上限額が決まっております。

2022年10月の法改正で一部変更になっておりますので、特に会社員の方は以前のものと混同しないように注意して下さい。

職業年間上限額月額上限額
自営業816,000円68,000円
専業主婦(夫)276,000円23,000円
公務員144,000円12,000円
会社員
・企業年金なしの方276,000円23,000円
・企業年金のみ加入の方144,000円12,000円
・企業型確定拠出年金
のみ加入の方
最大240,000円
(月額上限×12か月分まで)
55,000円から企業型DCの
事業主掛金を引いた額
(最大20,000円)
・企業年金+企業型DC
に加入の方
最大144,000円
(月額上限×12か月分まで)
27,500円から企業型DCの
事業主掛金を引いた額
(最大12,000円)

2022年10月法改正以降の場合

また、2024年12月に予定されている法改正によりさらに拡充される予定です。

企業型確定拠出年金に加入されている方でiDeCo加入を検討されている方は、ご自身の企業型拠出年金の毎月の掛け金がいくらなのかを確認しておきましょう。

iDeCoのメリット

ではiDeCoで積み立てるにあたってはどんなメリットがあるのでしょうか。

少しややこしい制度で加入当初はメリットを感じづらいということもあり、加入をためらってしまう方もいるのが現状です。

ここでは3つのメリットについて解説していきます。

①掛金の全額が所得控除となり翌年の住民税が減額される

iDeCoで拠出した掛金は全額所得控除の対象となります。

所得税は収入から様々な経費を差し引いた金額に対して税率を掛けて算出されます。

iDeCoで拠出した金額というのは「小規模企業共済等掛金控除」に分類され、全額が経費として差し引くことができます。

つまり、課税所得として税率をかけられる金額を減らすことができるということです。

課税所得が減れば翌年の住民税も安くなる場合もあります。

つまり当年の所得税と翌年の住民税の両方を減額できる節税効果があるということです。

以下に一般的な家庭をいくつか想定してシミュレーションをしてみました。

ご自身が近い例を参考にどれぐらい節税できるのかを確認して下さい。

また今回の計算を行った「iDeCoシミュレーション」のリンクを載せておきますので、ご自身の節税額がどれぐらいになるのか興味がある方は以下のサイトでお試しになってください。

一般的な家庭の参考例

No職業年齢年収配偶者子供/年齢受取開始年齢毎月の拠出額
自営業35歳500万円あり1人/7歳65歳68,000円
会社員(DB/DCなし)35歳500万円あり2人/8歳/5歳65歳23,000円
会社員(DB/DCあり)35歳500万円なしなし65歳12,000円
公務員35歳500万円あり1人/11歳65歳12,000円
専業主婦(夫)35歳100万円65歳23,000円
フリーランス30歳350万円あり1人/2歳70歳25,000円

では上記の一般的な家庭の参考例を基に、年間でどれぐらいの節税ができるのかを確認していきましょう。

自営業の方で毎月の拠出額を上限まで行うと年間で約25万円ほどの節税ができる計算となります。

65歳で受け取るまでの節税額は累計700万円以上にもなります。

また厚生年金がある会社員の方でも年間3万円~4万円の節税ができ、65歳での受取りまでには約85万円から125万円の節税ができたことになります。

拠出時に受けられるメリット年間節税額受取年齢までの優遇額累計
①の自営業の場合248,200円7,398,400円
②の会社員の場合42,500円1,249,700円
③の会社員の場合29,100円868,800円
④の公務員の場合22,600円654,100円
⑤の専業主婦の場合所得税無
⑥のフリーランスの場合81,000円2,816,000円
②運用で得た利益が非課税になる

iDeCoは拠出で積み立てた資金を投資信託や定期預金、保険商品などで運用します。

通常、投資信託や定期預金で運用して得た利益には「20.315%」の税金がかかります。

しかしiDeCoで運用して得た利益は「全て非課税」となります。

そのため年間の利回りはわずかでも、得た利益全てをそのまま運用に回すことができるので複利効果を大きく生かすことができます。

以下の表は先ほどの一般的な家庭の参考例を基に年間利回り3%で運用した場合の受取時の運用益の違いをシミュレーションしました。

年間わずか3%の利回りで運用しても30年という長い期間で考えると、これほどの運用益が出ます。

運用益が大きくなればなるほど2割近く引かれてしまう運用益に対する課税も大きくなります。

どれくらいの節税効果があるかよく確認しておきましょう。

運用時に受けられるメリット受取時の運用益非課税による節税額iDeCoでない場合の運用益
①の自営業の場合14,872,486円2,984,401円11,888,085円
②の会社員の場合5,030,399円1,009,430円4,020,969円
③の会社員の場合2,624,556円526,659円2,097,897円
④の公務員の場合2,624,556円526,659円2,097,897円
⑤の専業主婦の場合5,030,399円1,009,430円4,020,969円
⑥のフリーランスの場合10,815,224円2,166,686円8,648,538円
③受取時に税制優遇が受けられる

確定拠出年金は原則60歳以降にしか受給することができません。

これを「老齢給付金」と言います。

老齢給付金の受け取りには5年から20年に分けて受け取る「年金方式」と、給付を一括で受け取る「一時金方式」があります。

今回は退職金として考えますので、一時金方式で進めていきます。

本来、退職金も所得として計算され所得税の課税対象になります。

しかし退職金には、勤続年数によって受けられる控除の額が変動しますが退職金所得控除が適用され減税の対象となります。

実はiDeCoで積み立てたお金も老齢給付金に当たるため、退職金所得控除が適用され大きく節税ができます。

またiDeCoにおける勤続年数は加入年数で計算されます。

ですので、自営業の方や会社員に関係なく加入年数で計算されますのでお勤めでない方もしっかり節税できますので安心してください。

以下の表は一般的な家庭の参考例を基に「満期で受け取った際に退職金所得控除でどれぐらいの節税ができるのか」をシミュレーションしました。

計算方法は割愛しますが②~⑤の例では受取時に所得税を引かれることなく満額で受け取れています。

一定額を超えてしまうともちろんその部分に対しての税金はかかりますが、それでも節税としての効果は十分にあります。

運用時に受けられるメリット実際の運用結果一時金での受取額退職所得控除で節税できた額
①の自営業の場合39,352,486円35,652,806円約4,300,000円
②の自営業の場合13,310,399円13,310,399円約2,700,000円
③の会社員の場合6,944,556円6,944,556円約1,400,000円
④の公務員の場合6,944,556円6,944,556円約1,400,000円
⑤の専業主婦の場合13,310,399円13,310,399円約2,700,000円
⑥のフリーランスの場合21,315,224円21,104,174円約4,100,000円

iDeCoのデメリット

節税という面ではメリットばかりのiDeCoですが、デメリットはあるのでしょうか。

iDeCoの特徴ともいうべき点は人によってはデメリットになるかもしれません。

ここでは3つのデメリットを解説していきます。

①原則60歳まで引き出すことができない

iDeCoの目的は老後資金の確保をすることで、老齢給付金として受け取ることを目的としています。

そのため60歳になるまで引き出すことはできません。

また、60歳で引き出すには10年以上の加入期間が必要であり、60歳時点で加入期間が10年に満たない場合は最大で65歳まで引き出し可能時期が順延されます。

つまり、定期預金と違い自身が積み立てているお金であるにもかかわらず、途中解約ができず急な出費がある際にも引き出すことができないお金となります。

そのため、老後のためと言って無理な金額で積立を行ってしまうと生活を圧迫することにもなりかねません。

積立額の変更は年に1回しかできませんので、毎月の積立額は慎重に計算しましょう。

ただし、加入者が60歳を迎える前に死亡、または障害の状態になった場合は「死亡一時金」あるいは「障害給付金」が支払われます。

②手数料がかかる

国が推進する制度と言っても運営は民間のiDeCoを取り扱う金融機関が行います。

iDeCoを運用するにはiDeCo専用の口座を開設する必要があり、その開設手数料に2,829円(税込)がかかるほか、毎月の口座管理手数料として171円(税込)がかかります。

(国民年金基金連合会へ105円、信託銀行などの委託先へ66円が掛金から差し引かれます)

また開設する金融機関によっては運営管理手数料がかかるところもありますので、開設前にしっかりと比較を行っておきましょう。

③元本確保型でない場合、価格変動リスクがある

iDeCoの運用先には元本確保商品の他に、投資信託があります。

元本確保型は運用益がほとんどありませんが、受取時に掛金で拠出した金額を下回ることはありません。

その代わりにメリットの②番、受取時の運用益部分が殆どないということになります。

投資信託は、株式や債券などの値動きがあるものへの投資を専門家が運用する商品のことです。

そのため利回りの高いものが多く、上手くいけばメリット②番の受取時の運用益を超える可能性もあります。

しかし株式や債券に投資を行うため経済情勢によっては、掛金で拠出した金額を下回る可能性も無いとは言い切れません。

ほったらかしにすることができずに、運用益の上がり下がりが気になる方は元本確保型を。

長い目で見て受取までほったらかしにできる方は投資信託を選択してもいいでしょう。

運用開始時にご自身で選択する必要がありますので、どちらにするか考えておきましょう。

まとめ:老後資金の形成は今からでも間に合う!

今回は自分で作る退職金としてふたつの制度をご紹介しました。

このふたつの大きな違いは途中解約ができるかどうかです。

ただし、途中解約ができるということは退職金の役割が無くなってしまう恐れがあるということです。

また途中解約ができないということは、万が一急な出費が必要になっても引き出せないということになりますが、退職金は確保されます。

どちらも一長一短ですが、このふたつの制度は併用して加入することもできます。

自営業の方が併用すると、なんと年間最大165.6万円まで積立ができ全額所得控除できるのです。

最大額を積み立てる必要はないですが、どちらか悩んでいる方は積立金額を半分ずつで行うことも一つの選択肢として入れておきましょう。

会社員で退職金が約束されている方以外は、老後資金について今からでも間に合うのか不安だと思います。

小規模企業共済制度は加入期間が20年以上が目安なので45歳ぐらいまでの方、iDeCoは10年以上の加入期間が必要なので55歳ぐらいまでの方はまだまだ間に合います。

少しでも老後資金に余裕を持たせるためにも、今からでも加入してみてはいかがでしょうか。

積立の全てをまとめた記事です。

この記事では退職金を自分で作る方法について詳しく説明しましたが、積立についてさらに詳しく知りたい場合は、積立まとめ記事を参考にしてください。

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内田 まさみ ラジオNIKKEI
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経済雑誌多数連載中
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