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FXデビュー1年以内でやめる人は49.6%!経験者の半数が退場していた|FXをやめる理由から継続的な投資に必要なサポートを分析

2024年02月20日 公開 
2024年02月22日 更新
FXをやめる理由 傾向と対策を分析
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テクニカル分析専門サイト『テクニカルブック』は、FXを継続しやすい環境づくりに必要なサポートを調査する目的で、FX経験があるものの現在はやめてしまった20歳以上の男女296名を対象にアンケートを行いました。本調査からは、運用資金を大きく失う、利益が伸びずに”FX疲れ”に陥るなどにより、FXを始めて早い段階でやめる人が多い状況が見えてきました。

※本記事では、プレスリリースに掲載していない調査データも紹介しています。より詳細な補足情報を確認したい方は、ぜひ記事全文をご覧ください。

調査サマリー

今回の調査結果に関する概要は以下の通りです。

  1. FX経験者は12.9%、そのうち半数近くが退場している
  2. FX経験1年以内で退場する人が49.6%
  3. FXをやめた理由で最も多いのは「運用資金を大きく失ったから」
  4. FXを始めた目的は「短期的な利益獲得」が32.4%で最も多い
  5. 失敗パターンで多いのは「コツコツドカン」で38.5%が経験!
  6. FX継続に必要なものは1位「チャート分析」、2位「メンタル管理」、3位「資金管理」
  7. FXの再開に前向きな人が64.2%と多数を占める

調査の実施概要

調査機関 :自社調査
調査方法 :インターネット調査(株式会社ジャストシステム「Fastask」)
対象エリア:日本全国
対象者  :過去にFXの取引を行っていたが、現在は行っていない20歳以上の男女
調査期間 :2023年12月28日~2024年1月2日
有効回答 :296名

主な調査結果

1.FX経験者は12.9%、そのうち半数近くが退場している

全国20歳以上の男女のFXに関する取り組み状況

日本国内の20歳以上の男女7,730人にFXについての取り組み状況を質問したところ、FXの取引経験があるのは12.9%でした。このうち、現在も取引を行っている人が6.6%、現在は取引を行っていない人は6.3%という結果となりました。

FXを始めた人の半数近くが取引を行わなくなっていることからは、継続的に取り組めるようにするためのサポートがFXにおける課題と考えられます。

2.FX経験1年以内で退場する人は49.6%

FXをやめた時期

FXについて「過去に取引を行っていたが、現在は行っていない」と回答した人を対象に、FXをやめたタイミングについて質問したところ、以下のような結果となりました。割合の高いものから順に並べています。

  • 6ヶ月~1年目未満 :26.4%
  • 1年~2年未満   :24.6%
  • 6ヶ月未満     :22.9%
  • 2年~3年未満   :11.4%
  • 5年以上      :7.1%
  • 3年~4年未満   :5.0%
  • 4年~5年未満   :2.5%

最も多かったのはFXを始めてから「6ヶ月~1年未満」という回答で全体の26.4%でした。次いで多かった回答は「1年~2年未満」で24.6%、そして「6ヶ月未満」 の22.9%と続きました。1年未満でやめた人を集計すると49.3%で、2年未満でやめた人を集計すると73.9%にのぼります。

FXをやめる人のうち多くが早いタイミングでやめており、トレード経験を積む前に退場することになっている人が多い結果となりました。

3.FXをやめた理由で最も多いのは「運用資金を大きく失ったから」

FXをやめた最も大きな理由

FXでやめた理由で最も多かったのは、「運用資金を大きく失ったから」で19.9%でした。これに続いて多かったのが「FXに疲れた・興味を失ったから」で17.6%、「思うように利益が伸びなかったから」で16.9%という結果となりました。

いずれもトレードがうまくいかなかったことを示唆する回答で、取り組む時間やツールの活用といったトレード以外の理由でFXをやめた人は少数と考えられます。

また、前項の結果も踏まえると、初心者のうちにトレードがうまくいかないまま、大きな損失を出すなどして退場している人が多いことが推測されます。

4.FXを始めた目的は「短期的な利益獲得」が32.4%で最も多い

FXを始めた当初の目的

FXを始めた当初の目的について質問したところ、最も多いのは「短期的な利益獲得」で32.4%となりました。その他の選択肢は10%台後半で大きな差がなく、「短期的な利益獲得」で始める人の多さが際立つ形となりました。

短期的に利益をあげようとFXを始めたものの、逆に大きな損失を出して早期に退場することになってしまった人が多いといえそうです。FXに慣れないうちに短期的に大きな利益を狙ったことで、レバレッジをかけ過ぎたハイリスクなトレードになってしまうケースなどが推測されます。

【参考情報】FXをやめた人は短期トレードを中心に行っていた人が47.6%

次のグラフは、FXをやめた人の当時のトレードスタイルについて質問した結果をまとめたグラフです。なお、「自動売買(リピート系)」とは、トラリピや外為オンラインのサイクル注文などのように、一定間隔で自動発注を繰り返すといった、シンプルなルールに基づく自動売買のことを指します。

FXに取り組んでいた頃のトレードスタイル

結果を割合の高い順番に並べると、以下のようになります。

  • デイトレード        :36.5%
  • スイングトレード      :20.9%
  • ポジショントレード     :18.6%
  • スキャルピング       :11.5%
  • 自動売買(リピート系以外) :7.4%
  • 自動売買(リピート系)   :5.1%
  • その他           :0%

最も多かったのがデイトレードで36.5%となりました。これに続くのがスイングトレードの20.9%、ポジショントレードの18.6%という形です。

なお、FXではデイトレードを行っている人が最も多いという調査結果もあります*1。そのため、この結果だけをもって、一概にデイトレードがFXの退場につながりやすいと結論付けられるわけではない点には注意が必要です。

とはいえデイトレードは、取引回数が多くなりやすいところがあります。トレードに慣れていない初心者がハイリスクなトレードを繰り返すと損失が膨らみやすく、早期の退場につながりやすくなると考えられます。

FXを始めた人に向けて、早い段階でリスク管理の意識を高めるためのサポートを充実させることが大切といえるでしょう。

*1 FINANCE JOURNAL

5.失敗パターンで多いのは「コツコツドカン」で38.5%が経験!(TB限定)

FXにおける典型的な失敗パターンとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • コツコツドカン コツコツと利益を積み上げるものの、一度の負けでドカンと大きな損失を出してしまうこと
  • ポジポジ病 相場の状況に関係なく、トレードを繰り返してしまうこと
  • お祈りトレード 損切りを先送りした結果、身動きが取れなくなり祈るしかなくなること
  • チキン利食い 利益が減ることを恐れて利食いが早くなり、想定通りに利益を伸ばせないこと
  • ハイレバレッジ 高いレバレッジをかけた取引を行い、大きな損失を出してしまうこと
  • 飲酒トレード アルコールに酔った状態でトレードを行い、判断が甘くなり失敗すること

FXをやめた人によく経験した失敗パターンを質問した結果が、次のグラフです。

FXでよく経験した失敗パターン

最も多かったのは「コツコツドカン」で38.5%、これに「ポジポジ病」が34.5%、「チキン利食い」が30.4%で続くという結果となりました。

また、「該当なし」と回答した人は11.5%に限定されており、大半の人が何らかの失敗パターンをよく経験していたことが分かります。

こういった失敗パターンは、トレードにおいて冷静な判断ができていないことが原因です。その背景にあるのが人間に共通して見られる認知バイアスだと考えられます。FXで利益を出して生き残っていくためには、この認知バイアスを克服することが、大きな課題のひとつといえそうです。

なお、以下の記事では、FXにおける代表的な認知バイアスである「プロスペクト理論」について解説しています。認知バイアスについて詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。

6.FX継続に必要なものは1位「チャート分析」、2位「メンタル管理」、3位「資金管理」

FXを継続する上で自分に不足していたこと

FXを継続するために足りなかったものについて質問したところ、最も多かった回答は「チャートを読む・分析するスキル」で31.8%、次いで「メンタル管理能力」で30.1%、「資金管理・リスク管理の知識」で27.7%という結果となりました。

トレードにおける重要要素といわれるチャート・メンタル・資金管理の3つが上位を占める形となりました。

経済ニュースや為替市場に関する知識よりもトレードに直結する要素が上位に入っていることからは、FXにおいてはトレードそのもののスキルが重要と捉えられていることがうかがえます。

7.FXの再開に前向きな人が64.2%と多数を占める

FXを再開する可能性

FXをやめた人に再開する可能性について質問したところ、「可能性は非常に高い/可能性はある」と回答した人は64.2%、「可能性は全くない/可能性はあまりない」と回答した人は35.8%という結果となりました。FXをやめたとしても、半数以上の人が再開について前向きに考えているようです。

以下は、FXを始めた当初の目的を、FXの再開可能性別に集計したグラフです。

FXを始めた当初の目的(再開可能性別)

このグラフで注目されるのが、FX取引を始めた目的で最も多かった「短期的な利益獲得」の割合です。FXの再開に前向きな人は「短期的な利益獲得」の割合が30%以下であるのに対して、前向きでない人は40%以上となっています。

このことからは、「短期的な利益獲得」を目的にFXを始めた人は、トレードに失敗して退場を経験すると、FXを完全にやめてしまう可能性が高いことがうかがえます。

これまでのデータを踏まえると、経験が少ない中でハイレバレッジをかけたリスクの高いトレードで大きな損失を出してしまい、FXに悪い印象を持ってしまうようなケースが想像されます。

リスク管理に関する知識の周知をすることが、FX人口増加のための重要なポイントといえそうです。

【参考情報】投資仲間がいた人の方が再開可能性が圧倒的に高い

以下のグラフは、FXに取り組んでいたときに投資仲間がいたかについて質問した結果を、FXの再開可能性別に集計したものです。

FX投資仲間の存在(再開可能性別)

FXの再開に前向きな人は投資仲間をいた人が大半なのに対して、FXの再開に前向きでない人は投資仲間がいなかった人が大半という結果となりました。投資仲間の存在は、FXの再開可能性に非常に大きな影響を与えていることがわかります。

FX業界の活性化という意味で、投資仲間をつくりやすい環境を用意することも重要な課題といえるでしょう。

まとめ

今回の調査結果をまとめると以下の通りです。

  • FX経験者の半数近くが現在は取引をやめており、そのうち49.6%がFXデビュー1年以内で退場している
  • FX退場者のFXを始めた当初目的は「短期的な利益獲得」が32.4%と最も多い
  • FXの経験が少ない中で、運用資金を大きく失って退場する人が多いと推測される
  • FXに継続的に取り組むためには、チャート分析・メンタル管理・リスク管理といったスキルを身に付けることが重要

この結果からは、FXでは経験を積む前の早い段階で、大きな損失を出すなどして退場してしまうケースが多いことが推測されます。

FXを継続する人を増やしていくためにも、FXを始めようとする人・始めたばかりの人を中心に、特にリスク管理に関する情報提供を行うことが重要といえるでしょう。

監 修
Runchaテクニカル分析チーム

トレード体験アプリ「Runcha」は、テクニカル分析チームが監修を行っています。これまでにFXおよび仮想通貨初心者向けの学習アプリを開発し、累計100万ダウンロードを突破。「Runcha」はデモトレードの進化版を目指し、トレード練習の概念を一新します。経験豊富な専門家の協力の下、分かりやすく正確な情報を提供しています。


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内田 まさみ ラジオNIKKEI
日経CNBCの番組パーソナリティ
経済雑誌多数連載中
山中 康司 金融リテラシー協会 代表理事
アセンダント取締役
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