iDeCoの掛け金は月5000円だと手数料負けする?少額でも節税できる資産運用の方法を解説
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- iDeCoの掛金が5,000円だと手数料負けするって聞いたけど本当?
- iDeCoで手数料負けしにくくなるコツを知りたい
- 手数料負けしにくい証券会社を知りたい
iDeCoは掛金が全額所得控除になったり、運用益が非課税になったりといったメリットがある老後資金を作るための制度です。
ただしiDeCoは口座を開設・維持などをするために、各種手数料がかかります。掛金が小さいほど手数料の負担率が大きくなるデメリットがあります。
掛金が最低限の5,000円だと、手数料負けするかもしれないと不安でiDeCoを始められない方も多いでしょう。
この記事では掛金が月5,000円でもiDeCoを始めるべき理由、iDeCoの各種手数料、手数料負けしにくい運用方法について解説します。
最後には業界最安値でiDeCoを始められる証券会社も紹介するので、老後資金を作るためにiDeCoを始めようと考えている方は参考にしてください。
目次
iDeCoは月5000円でも節税効果があるのでやるべき
iDeCoは毎月の掛金が5,000円でも、節税効果があるので始める価値は十分にあります。ここでは、掛金が5,000円でもiDeCoを始めるべき3つの理由について解説します。
- iDeCoは税制メリットがある
- 月5000円でiDeCoをやる場合の運用シミュレーション
- ただし手数料負担率が大きいので商品・証券会社選びが重要
iDeCoは税制メリットがある
iDeCoには以下2つの税制メリットがあります。
運用益が非課税
投資で得た収益は、基本的に20.315%の税金がかかります。しかしiDeCoで得た運用益には税金がかかりません。
仮に10万円を投資信託で運用して、20万円まで値上がりしたとしましょう。投資信託を売却(利確)すると、値上がり益である10万円に20.315%の税金がかかり、20,135円を支払わなければなりません。
しかしiDeCoは運用益が非課税のため、税金を支払う必要がありません。運用金額や運用益が大きくなれば、さらに非課税メリットを生かせます。
掛金の全額所得控除
iDeCoの掛金は全額所得控除され、所得税と住民税の負担が軽減されます。これは同じ非課税制度であるNISAにはない税制メリットです。
詳しくは後述しますが、掛金の全額所得控除があるため、大きな運用損が出なければ手数料負担があってもiDeCoを行うメリットは非常に大きいです。
月5000円でiDeCoをやる場合の運用シミュレーション
実際に月5,000円(年6万円)でiDeCoを行った場合の節税効果をシミュレーションしてみましょう。
課税所得 | 所得税率 | 住民税率 | 1年の節税額 | ||
所得税 | 住民税 | 合計 | |||
195万円〜 329万9,000円 | 10% | 10% | 6,000円 | 6,000円 | 12,000円 |
330万円〜 694万9,000円 | 20% | 12,000円 | 6,000円 | 18,000円 | |
695万円〜 899万9,000円 | 23% | 13,800円 | 6,000円 | 19,800円 |
所得税率と住民税率が10%ずつの方は、年間で1万2,000円の節税ができます。仮に10年間所得と掛金が変わらなければ、10年間で合計12万円の節税となり、無視できない金額です。
また表を見てもわかるように、課税所得が増えればさらに節税効果は高まります。たとえ最低掛金である5,000円であったとしても、長期で続けるほど節税金額は増えるため、iDeCoを始める意味は十分にあります。
ただし手数料負担率が大きいので商品・証券会社選びが重要
月5,000円の掛金は相対的に手数料負担率が大きいため、手数料の低い商品や証券会社を選ぶと、手数料負けの可能性を減らせます。
手数料負けとは運用益よりも手数料の方が大きくなることです。たとえば運用益が100円なのに対し、手数料110円がかかる状態を手数料負けといいます。
毎月171円手数料がかかる場合の掛金ごとの手数料負担率は以下の通りです。
毎月の掛金 | 手数料負担率 |
---|---|
5,000円 | 3.42% |
1万円 | 1.71% |
2万円 | 0.855% |
掛金が5,000円の場合は、毎年の運用利回りを3.42%以上にしないと手数料負けします。
iDeCoには毎月かかる手数料があるため低コストの商品と証券会社を選ぶことで、手数料負けの可能性を減らせます。
iDeCoにかかる主な手数料
iDeCoにかかる主な手数料は以下の5つです。
- 加入・移換時の手数料
- 口座管理手数料
- 給付手数料
- 還付手数料
- 信託報酬
加入・移換時の手数料
加入・移管時の手数料は、新たにiDeCoに加入するとき、または確定拠出年金からiDeCoに移管するときに生じる費用です。
1度しか発生しない費用で、証券会社による違いはなく一律で2,892円です。支払い先は国民年金基金連合会で、初月の掛金から支払われます。
口座管理手数料
口座管理手数料はiDeCo口座の維持・運営にかかる費用です。支払先と金額は下記の表を参照してください。
支払先 | 金額 |
---|---|
国民年金基金連合会 | 月105円 年1,260円 |
信託銀行 | 月66円 年792円 |
運営管理機関(金融機関) | 金融機関により異なる |
口座管理手数料は最低で月171円、年間で2,052円かかります。
運営管理機関へ支払う手数料は金融機関ごとに異なり、無料としている金融機関もあります。コストを抑えたい方は、無料としている金融機関を選びましょう。
給付手数料
給付手数料とは積み立てたお金を受け取るときにかかる費用です。費用は給付金から差し引かれ、給付のたびに最低でも440円かかります。
還付手数料
還付手数料とは、掛金の還付が行われたときに発生する費用をいいます。iDeCoの還付とは、限度額以上の掛金や、加入資格のない月に拠出された掛金を加入者に返金することです。
還付手数料の支払い先は以下の2つです。
支払先 | 1回あたりの金額 |
---|---|
国民年金基金連合会 | 1,048円 |
信託銀行 | 440円 |
一度還付が発生すると、最低でも1,488円の手数料がかかります。還付手数料は、気をつけていれば確実に防げる手数料です。無駄なコストを支払わないためにも、限度額や加入資格についてはチェックを怠らないようにしましょう。
信託報酬
信託報酬とはiDeCoで購入した投資信託の運用にかかる手数料です。「純資産総額×何%」という形で毎月差し引かれます。
手数料率は商品によって異なり、インデックスファンドの方が低コストで、アクティブファンドの方が高コストです。信託報酬の負担を減らしたい方は、インデックスファンドを選びましょう。
iDeCoで手数料負けしやすい3つのケース
iDeCoで手数料負けしやすい3つのケースについて解説します。
- 元本保証型の商品を選んでいる
- 掛金が少なすぎる
- 手数料の高い金融機関を選んでいる
元本保証型の商品を選んでいる
定期預金や保険などの元本保証型の商品を選ぶと、手数料負けしやすくなります。運用益よりも支払う手数料の方が多くなるためです。
SBI証券のiDeCoで選択できる「あおぞらDC定期(1年)」の利息は、2024年4月1日現在で0.01%となっています。月5,000円(年間6万円)拠出した場合のリターンは6円です。
口座管理手数料は、信託報酬を除いたとして最低でも年間で2,052円かかります。初年度であればこの費用に加えて、加入・移管時のコストが生じるため、運用益と手数料の差はますます大きくなります。
リターンをほとんど生まない元本保証型の商品を選んでしまうと、手数料負けする可能性が非常に高いです。
掛金が少なすぎる
掛金が少ないと相対的にコストの割合が増えてしまい、手数料負けしやすくなります。先述したようにiDeCo口座を維持・運用するには最低でも月額171円、年間2,052円の手数料がかかります。
掛金が多ければ運用利回りが小さくても手数料負けしにくいです。一方で掛金が少ないと求められる運用利回りが高まるため、手数料負けしやすくなります。
手数料の高い金融機関を選んでいる
手数料の高い金融機関を選んでも、手数料負けしやすくなります。
口座管理手数料の支払い先は、国民年金基金連合会、信託銀行、運営管理機関(金融機関)の3か所です。運営管理機関に支払う手数料は、金融機関ごとに決まっています。
無料としているところもあれば、月500円以上かかる金融機関もあります。年500円の手数料が増えると、年間では6,000円以上の負担増です。
手数料の高い金融機関を選んでしまうと、年間で8,000円以上もコストを支払うことになります。掛金が月5,000円の場合は、14%以上の運用利回りが必要です。
運用利回りを継続的に14%以上出すことは現実的ではありません。掛金の少ない方が手数料の金融機関を選んでしまうと、ほぼ確実に手数料負けしてしまうことになります。
iDeCoで少額の掛金で手数料負けしないための運用方法
iDeCoで少額の掛金であっても手数料負けしないための運用方法について、以下4つの運用方法を解説します。
- 年3.42%の運用益を目指す
- 手数料が安いまたは無料の証券会社を選ぶ
- 掛金を1年分まとめて納付する
- 住宅ローン控除と併用する
年3.42%の運用益を目指す
iDeCoの最低限の口座管理維持手数料は、月171円、年間で2,052円です。掛金が月5,000円の場合の手数料負担率は3.42%となります。手数料負けをしないためには3.42%以上のリターンを目指しましょう。
下記の表は掛金別に、手数料負けしないための必要な運用利回りとリターンを記したものです。運用利回りとリターンの目安が知りたい方は、参考にしてください。
掛金額 | 運用利回り |
---|---|
月5,000円 (年間6万円) | 3.42% |
月1万円 (年間12万円) | 1.71% |
月2万円 (年間24万円) | 0.855% |
掛金が多くなるほど、手数料負けしないための運用利回りが低くなるとわかります。
毎月の掛金が5,000円の場合、3.42%以上の運用利回りが必要ですが、掛金が2万円だと0.855%の利回りがあれば、手数料負けの回避が可能です。
掛金が少ないと高い運用利回りを維持できなければ、手数料負けしやすくなります。掛金が多いと得られるリターンが大きくなりやすいため、運用利回りでも手数料負けする可能性は低いです。
iDeCoのオススメ商品や選び方は、下記の記事で解説しています。
手数料が安いまたは無料の証券会社を選ぶ
手数料が安いまた無料の証券会社を選ぶと、手数料負けしにくいです。口座管理維持手数料は、iDeCo口座を開設する証券会社によって月額で500円以上も変わってきます。
証券会社手数料が無料の証券会社と500円かかる証券会社とでは、求められる運用利回りが10%以上も異なります。手数料負けの可能性を減らしたい方は、手数料が無料の証券会社を選びましょう。
掛金を1年分まとめて納付する
掛金を1年分まとめて納付することによって、拠出するたびに国民年金基金連合会へ支払う105円を節約できます。
年12回拠出する場合の負担額は1,260円ですが、年1回の拠出だと負担額は105円となり、その差は1,155円です。
ただし12月の納付は必ず行わなければならないため、自由に掛金の拠出月を選べるわけではありません。また企業型確定拠出年金と同時加入されている場合は、年単位の拠出はできないため注意が必要です。
加えて1年分まとめて納付することにより、時間分散の効果が弱まってしまいます。つまり掛金を拠出した月の相場に運用成績が大きく依存してしまい、場合によっては長期間にわたって含み損を抱えてしまう可能性があります。
掛金の拠出月を決める際は手数料だけでなく、分散効果の観点からも考えることが重要です。
住宅ローン控除と併用する
iDeCoと住宅ローン控除の併用によって減税額を増やし、節税分で手数料負け分を取り戻せます。
住宅ローン控除は「年末のローン残高×0.7%」に相当する金額の所得税が、減額される制度です。たとえば年末のローン残高が2,000万円の場合、14万円分(2,000万円×0.7%)の所得税を全額控除できます。
住宅ローン控除は10年間または13年間利用できるため、住宅を購入しており、iDeCoを活用している方にとって、非常に有用な制度です。
月5000円は少ない?iDeCoの最適な掛金の計算方法
収入が少なかったり、投資経験のない方は、あまり大きな金額を拠出することが難しく「5,000円だと少ない?」と疑問を持っている方もいるでしょう。
ここではiDeCoの最適な掛金の計算方法について解説します。目標金額のためにはいくら掛金を拠出すべきか、わからない方は参考にしてください
iDeCo加入者の掛金額平均は16,058円
iDeCo公式サイトが公表している「iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入等の概況(2024年1月)」によると、iDeCo加入者の平均の掛金額は16,058円です。
また加入者の掛金額で最も多かったのはレンジは「1万円〜」の129万6,982人でした。次いで「2万円〜」の108万387人、「1万円未満」の54万25人という結果です。
掛金の目安は目標額と運用期間から計算
最適な掛金を求めるために必要なのは、目標金額と運用期間です。目標金額が高く、運用期間が短ければ月々の掛金を多くする必要があります。
一方で目標金額が低く運用期間を長期にできる場合は、少ない掛金であっても目標を達成できる可能性が高いです。
下記の表は20代〜50代が1,000万円または、2,000万円を貯めるために必要な掛金を算出した表です。
※運用利回りは共通で5%としています。
年齢 | 目標金額1,000万円に必要な掛金額 | 目標金額2,000万円に必要な掛金額 | 運用期間 |
---|---|---|---|
20歳 | 約6,500円 | 約1万3,100円 | 40年 |
30歳 | 約1万2,000円 | 約2万4,,000円 | 30年 |
40歳 | 約2万4,300円 | 約4万8,700円 | 20年 |
50歳 | 約6万4,400円 | 約12万8,800円 | 10年 |
20歳からiDeCoを始めるのであれば、約6,500円毎月拠出できれば60歳までに1,000万円の老後資金を作れます。
ただし老後2,000万円問題に備えるのであれば、20代から投資を始める場合であっても1万円以上の拠出が望ましいです。
手数料が安いオススメ証券会社
iDeCoが最安値の手数料でできるオススメの証券会社は、以下の記事で解説しています。
手数料負けする可能性を減らし、効率よく資産を増やしましょう。
iDeCoの手数料負けに関するよくある質問
最後にiDeCoの手数料負けに関するよくある質問である以下4つに解説します。
所得が少ない場合はiDeCoとNISAどちらをやるべきですか?
パートやアルバイト専業主婦といった所得の少ない方は、NISAから始めるべきです。iDeCo最も大きなメリットは、掛金の全額所得控除です。
所得が少ない方は所得控除による節税効果の恩恵が少ないため、運用成績によっては手数料負けしやすくなります。
またiDeCoは60歳以降でないとお金を受け取れません。そのためiDeCo以外の蓄えがないと、万が一の事態に備えられません。
NISAには、掛金の拘束がなくいつでもお金を引き出せます。また口座の開設や維持、お金の受け取りに手数料がかからないため、手数料負けすることはありません
そのため所得の少ない方はNISAから始めるのがオススメです。
iDeCoを少額でやっても意味ないのですか?
少額であってもiDeCoを始める意味はあります。iDeCoの一番の魅力は、掛金の全額所得控除です。最低限の掛金である5,000円であっても、以下の節税効果があります。
課税所得 | 所得税率 | 住民税率 | 1年の節税額 | ||
所得税 | 住民税 | 合計 | |||
195万円〜 329万9,000円 | 10% | 10% | 6,000円 | 6,000円 | 12,000円 |
330万円〜 694万9,000円 | 20% | 12,000円 | 6,000円 | 18,000円 | |
695万円〜 899万9,000円 | 23% | 13,800円 | 6,000円 | 19,800円 |
課税所得が195万円〜329万9,000円の方であっても、1年間で1万2,000円、10年間では12万2,000円の節税ができます。
節税効果だけを見ても、少額でiDeCoを始める意味はあると言えます。
iDeCoをすでに始めていますが、手数料の安い証券会社へ変更すべきですか?
運用期間が10年以上あるのであれば、証券会社の乗り換えを検討しても良いでしょう。手数料の差が500円だったとしても年間では6,000円、10年間では6万円もの金額になります。
掛金が5,000円の場合、10%近い運用利回りを目指す必要があり、投資初心者がリターンを出すことは非常に難しい。そのため残っている運用期間が長い方ほど、手数料の安い証券会社へ変更すべきです。
iDeCoの手数料はいつ支払いますか?
手数料によって支払いタイミングが異なります。
手数料 | 支払いタイミング |
---|---|
加入・移換時の手数料 | iDeCoの加入時、または移換時 |
口座管理手数料 | 掛金を拠出時 |
給付手数料 | iDeCoで積み立てたお金を受け取るとき |
還付手数料 | 還付が行われたとき |
信託報酬 | 毎月差し引かれる |
まとめ:iDeCoは月5000円でもやるべき!ただし手数料負け対策は必要
この記事ではiDeCcの手数料負けについて解説しました。手数料負けとは、運用のリターンよりも手数料が大きくなることです。
iDeCoは掛金の全額所得控除があるため、節税額を考慮すると手数料負けになることはほとんどありません。
ただし掛金が少ないと、受け取り時期までに目標金額を用意できない可能性があります。iDeCoで老後資金を作ろうと考えている方は、すぐに始めて長期投資による複利効果を活用すると、少額の掛金であっても目標金額を貯められる可能性が上がります。
iDeCoを最もオススメするのはSBI証券です。で、投資初心者・上級者どちらのニーズにも応えられるラインナップです。
また余計な手数料はかからないため、月5,000円掛金であっても手数料負けする可能性は低いです。iDeCoを始めたいと考えている方は、下記のリンクから口座を開設してください。