【これで大丈夫】株の出来高とは|多い・少ないの目安や意味、手法をわかりやすく解説

トレードで利益を出したいあなたにおすすめのFX会社
マネーパートナーズ|当サイトで口座開設するとFX特別戦略がもらえる!!→24時間365日のサポートで初心者も安心|業界最狭水準のスプレッドで利益を最大化!
GMOクリック証券|100万口座突破!業界最安の手数料で始めよう
→高機能チャートとスマホアプリで快適トレード|新規口座開設で最大100万円キャッシュバック
FXTF|豊富な通貨ペアで多様な投資戦略を実現!
→独自の分析ツールで勝率アップ|取引量に応じた段階的キャッシュバックで利益の出しやすさ抜群
【FXツール】TradingView|次世代ツールを無料体験!
→TradingViewと連携してリアルトレードできる証券会社|高機能チャートで快適に取引
株価チャートにローソク足以外の棒グラフが表示されているのを見たことがあるでしょうか。
これは出来高と呼ばれ、「取引の成立数を視覚的に表したグラフ」です。
この出来高の増減を取引に使うことで株の売買タイミングを知ることができます。
- 「出来高の多い少ないの目安がわからない」
- 「出来高を取引にどうやって使えばいいかわからない」
- 「取引の成立数って株価に関係あるの?」
株式投資の初心者にとって明確な形があるチャートパターンやインジケータなどとは違い、使い方がわからず非表示にしている方も多いのが「出来高」です。
しかし出来高を知ることで「テクニカル分析の精度の向上」や「売買タイミングの精査」ができます。
この記事では「出来高の読み方・出来高の変動理由・出来高を使った取引手法・出来高の確認方法」などを解説します。
傾向に従い株価の未来をある程度予測できる出来高。
しっかり覚えてご自身の株式投資に活かしていきましょう。
目次
株の出来高は取引量を示す

引用:Tradingview
株式投資で使われる用語に「出来高」というものがあります。
株式の出来高とは「証券取引所での取引で、任意の期間内に売りと買いが成立した数量」を表したものです。
売りと買いが成立した数が出来高としてカウントされるので、今どの銘柄の取引が活発なのかを知る「人気投票」のようなイメージを持つとわかりやすくなります。
出来高の仕組み
証券取引所では、株の売りたい人と買いたい人がそれぞれ希望の価格を指定して取引相手を探しています。
売り手と買い手、お互いの希望額がマッチすると取引が成立し、ひとつの取引が成立したことを「出来高1」とカウントします。
もしこの取引を100株分で行ったとしたら「出来高は100」となります。
このように買いたい人と売りたい人がマッチングした数=株式の出来高になるわけです。
そのため出来高のことを「売買高、または約定数」と呼ぶこともあります。
投資家の注目度の指標として利用できる
出来高は売買が成立した数を表しているので「出来高が高い株は取引が活発に行われている」と判断することができます。
例えば、業績が悪くなり株式を売りたい人が多い銘柄があったとしても、誰も買いたがらなければ取引は成立しないため出来高は増えません。
出来高が多くなることは売りたい人もいれば買いたい人もいると判断ができるので「投資家が注目している指標として使う」ことができます。
また、相場の勢いを測るときに「売買の総量を見る指標」として出来高が使われることもあります。
価格帯別出来高とは

引用:SBI証券
出来高と名前が付く言葉にはもうひとつ「価格帯別出来高」があります。
出来高が「任意の期間内に取引が成立した数」を表すのに対し、価格帯別出来高は「その価格帯で取引が成立した数」を表します。
上記の図でチャート下段にある縦に伸びた棒グラフは期間別の出来高ですが、チャート内の左端から右へ伸びている棒グラフが価格帯別出来高です。
このグラフを見ることで「どの価格帯で取引が多く成立していたか」を確認できます。
例えばチャート内で比較すると、緑で囲った2,000円手前の価格帯では多くの取引が行われていますが、水色で囲った2,100円付近での取引量は半分にも満たない量となっています。
つまり「2,000円付近の価格は多くの投資家が意識している価格帯となり売買が盛んになりやすい」と分析することができます。
一方で利益確定の目安とされることも多く、トレンドの勢いが止まりやすい抵抗帯や支持帯としても機能する可能性があると分析することもできます。
出来高は期間ごとの取引数を表しているのに対して、価格帯別出来高は価格毎の取引数を表す指標ですので混同しないようにしっかり覚えましょう。
出来高の確定タイミング
出来高が確定するタイミングは「任意の期間が満了」したときです。
例えば1時間の出来高であれば毎時00分を迎えるたびに発表されます。
前場の出来高なら前場が閉まってから発表され、1日の出来高であれば「前場と後場が終わった後に出来高が計算され発表」されます。
出来高は確定してから評価されますが、急激に出来高が増えているときなどはリアルタイムでも見ておきましょう。
株の出来高の変動理由と株価の関係性

株式投資では出来高が重要視される場面がいくつもあります。
「なぜ出来高が重要視されるのか・なぜ出来高が増えたり減ったりするのか」。
そこには出来高と株価との切っても切り離せない理由があるからです。
詳しく解説していきます。
出来高が変動する理由
出来高は売買取引の成立数ですので「取引が活発になれば出来高は増え、取引が閑散とすれば出来高が減る」ことは想像ができます。
ではなぜ取引が活発になったり、閑散としたりするのでしょうか。
それぞれを分けて深掘りしていきましょう。
出来高が増える(取引が活発になる)理由
出来高が増える理由は簡単で「買いたい人と売りたい人が増えた」からですが、重要なのは「なぜ増えたのか」です。
株式相場で出来高が急に増える理由には次のようなものがあります。
- 業績予想や決算などの業業績に関わる発表が上振れした・下振れした
- 業務提携やM&Aなど企業成長に関わる情報が発表された
- 不祥事や整理銘柄への指定など企業に悪い情報が発表された
ポイントは、いい情報も悪い情報もどちらも出来高に影響があることです。
企業から業績が上がりそうな発表があれば「これから株価が上がる」と買いたい人が多く現れ、取引は活発になることが想像できます。
一方で、悪い情報のときは出来高は減りそうなものですが、悪い情報の時でも「株価が下がる前に売ってしまいたい投資家」達の投げ売り、いわゆるパニック売りが起こるため出来高が増えます。
他にも上場廃止を狙った短期売買などによって「一時的に出来高が増える」こともあります。
上場廃止での出来高の増加について知りたい方は、下記の記事を参照ください。
出来高が減る(取引が閑散とする)理由
出来高が減る原因は「買いたい人と売りたい人が減った」からですが、取引が減る理由には次のようなものがあります
- 企業の業績に大きくかかわる事象や発表がない
- 株価がまだ上がる・まだ下がると考える人が多く取引に積極的でない
企業の業績に関する事象や発表がないときは株価の上下動も落ち着いており、買いと売りの価格差で儲けることが難しくなります。
そのため、売買を積極的にする投資家が少なくなり取引は閑散としています。
一方で企業の業績が一方的に上がっているときにも出来高が減ることがあります。
それは「買いたい人が多く市場にいる一方で、売りたい人がおらず取引の成立数が少なくなる」ためです。
需要に対して供給量が追いついていないイメージをするとわかりやすいですね。
その逆もあり、企業の株価が悪いときはその企業を買いたいと思う投資家が少なく「売りたい人は多いが買いたい人が少ない」、手放したいけど買いを受けてくれる相手がいない状態となります。
どちらの場合も買いと売りのバランスが崩れているため取引量が増えないのです。
株価との関連性
出来高と株価は密接な関係にあります。
出来高が上がると取引が活発になり始め株価の変動が期待できることで、さらに投資家が注目し株価は大きく動きやすくなります。
一般的に「出来高は株価に先行する」といわれ、株価が上がる前に出来高の増加が先行的に起こるとされています。
とはいえすべてのケースが当てはまるわけではありませんので、ここでは株価と出来高の関係性について次の3つのパターンに分けて考えてみます。
- 出来高が株価に先行するパターン
- 出来高と株価が連動するパターン
- 株価が出来高に先行するパターン
それぞれ実際のチャートを使って解説します。
出来高が株価に先行するパターン

引用:Tradingview
上記チャートはトヨタ自動車の2020年4月を中心とした日足チャートです。
チャート左側で大きく株価は下落していますが、株価が下がるほどに出来高は増加し出来高のピークを境に株価は反転上昇へ転換しています。
典型的な出来高先行パターンで「セリングクライマックス※」と呼ばれるものです。
この頃は2020年3月頭から始まった急激な円高に対して輸出企業の株価が軒並み暴落。
トヨタも例外ではありませんでしたが、その後元の水準を上抜け高値を更新しています。
株価が大きく続落しているときは企業の株が売られ続けており、買いを入れる投資家が少ない状況では出来高は減る傾向にあります。
しかし株価が下落しているにもかかわらず出来高が急激に増える場合があります。
これは投資家が「株価が底を打った・株価が割安圏に到達した」などの値ごろ感や安すぎるなどの期待感から、買いの需要が増え始めることで起こる現象です。
買いの需要が増えるのでその後株価は反転上昇する場合も多くみられ、ゆえに「出来高は株価に先行する」と言われます。
また出来高が高い状態で株価が上昇を続けている場面で、高値を更新しているにもかかわらず出来高が減っている場合は「上昇の勢いが弱まっている」と判断することもできます。
それまでの株価の上昇が止まる可能性もありますので、出来高が増える場合だけでなく減っている場合にも注意を払う必要があります。
※セリングクライマックスとは株価の下落が続いているときに、何かの事象をきっかけに起こる最終局面の大暴落を指します。
通常の暴落とセリングクライマックスの違いは「出来高を伴うかどうか」で、セリングクライマックスの場合はその後上昇に転じることが多くなります。
出来高と株価が連動するパターン

引用:Tradingview
上記チャートはトヨタ自動車の2012年12月を中心とした日足チャートです。
2011年3月から1年半以上の間、価格はもみ合っていましたがレンジ上限を抜けると同時に出来高も連動して増加し、その後価格は大きく上昇トレンドへと転換しています。
この上昇は2015年3月まで続き、トヨタが大きく株価を伸ばした時期でもあります。
この頃は記憶にある方も多いと思いますが、新型クラウンが発表され「どこでもドアカラーのピンククラウン」がお披露目された時期でもあります。
株価がレンジを形成し値動きが落ち着いている場合など、取引が比較的少ない状況から株価が大きく動き出す場合は「出来高と株価が連動して動く」ことが多くみられます。
株価が一定幅で長くもみ合ったあとにレンジ帯を抜けることで「多くの投資家がトレンドの発生を予見し取引が増える」ため、出来高を伴いながら株価が一方的に動き出します。
株価が出来高に先行するパターン

引用:Tradingview
上記チャートはトヨタ自動車の2005年6月を中心とした日足チャートです。
価格は黄色点線の高値を抜けて上昇していますが、黒枠で囲った出来高の部分では大きな増加は見られません。
その後、赤点線の位置を境に出来高が増加し価格がさらに上昇していることが確認できます。
この時期は当時の渡辺社長によるトヨタ新体制が発表された頃で、「投資家向けの情報の充実も発表」されたことで期待感から株価が上昇した可能性があります。
このようなケースの場合、企業の業績に関する発表や売上予測の上方修正などで「情報が拡散する前に株価が上昇する」ことで、遅れて情報を掴んだ投資家の注目が一気に集まります。
ニュースが広まった時点ですでに株価が上がっており、それを見た投資家が買いに殺到することで遅れて出来高が増えていくという現象です。
この逆で不祥事などのネガティブニュースの場合は、株価が下落を始めてから出来高が増えていくケースが多く起こります。
株の出来高の確認方法
株取引において出来高を確認することが重要なのはわかりましたが「どれぐらい増減すると出来高が多いのか、少ないのか」の目安が欲しいところです。
実際のところ明確な基準はありませんが、テクニカル指標や情報サイトを使うことで視覚的な目安として利用することができます。
ここでは出来高の確認を助けるツール類をご紹介します。
出来高移動平均線

引用:Tradingview
出来高移動平均線とは「指定期間内の出来高の平均値を計算し折れ線グラフで表示する」テクニカル指標です。
平均値と比べることで「現在の出来高が多いのか少ないのか」の目安にすることができます。
また、連続した折れ線グラフで表示されますので「移動平均線の傾きにより増加傾向か減少傾向かの判断」をすることもできます。
上記の図ではチャート画面下段の出来高部分に表示された青線が出来高移動平均線です。
今回は「期間20」で設定しているので「過去20日分の出来高の平均値」を表示していることになります。
チャート内を解説していきます。
画面中央より少し左側の赤丸で囲った位置では「出来高移動平均線が右上がりに変化し、出来高が出来高移動平均線よりも上側に位置」しています。
出来高がこれまでのよりも増加していることに加えて、平均値よりも多い状態であることがわかります。
それに伴って価格は上昇していることが確認できます。
続いて画面中央より少し右側の青丸で囲った位置では「出来高移動平均線が右下がりに変化し、出来高が出来高移動平均線よりも下側に位置」しています。
出来高がこれまでよりも減少していることに加えて、平均値よりも少ない状態であることがわかります。
出来高が減少したことにより取引成立数が減り価格は横ばいに転じています。
このように「出来高の増減により価格の上昇や下降、停滞などを判断する材料とする」ことができます。
価格帯別出来高の併用

引用:SBI証券
出来高の仕組みの項で解説した「価格帯別出来高と出来高を組み合わせることで取引が活発になりやすい場所を把握する」こともできます。
上記図はトヨタ自動車の直近の6ヶ月足チャートに価格帯出来高と出来高を同時に表示しています。
価格帯別出来高では水色と緑でマーカーを付けた価格帯の位置が取引が多く行われていることがわかります。
ではその位置に価格が到達したときの出来高を確認してみましょう。
チャート上のオレンジ丸は価格が水色マーカーの位置に到達したタイミングです。
チャート下段の出来高と見比べると明らかに出来高が増えていることがわかります。
またピンク丸の位置は価格が緑マーカーの位置に到達したタイミングですが、こちらも出来高が増加していることが読み取れます。
このように価格帯別出来高を併用することで「出来高が増加しやすい場所をあらかじめ予測できる」ので、先ほどの出来高移動平均線と組み合わせて使うことで制度の高い判断ができるようになります。
出来高の増加率ランキングを確認できるサイト

引用:Yahoo!ファイナンス
前日の出来高との増加率や減少率などをリアルタイムで配信しているサイトもあります。
上図は「Yahoo!ファイナンスの出来高前日比」です。
前日と比べて出来高がどれくらい増加したのか減少したのかをランキング形式でわかりやすく配信しています。
日次以外にも週次や月次での表示も可能ですので、ご自身で分析をした後の最終確認として参考にするのもいいでしょう。
株の出来高を投資に活かす4つのポイント
ここまでの出来高の傾向や株価との関連性を使って「出来高を実際の取引で活かす方法」を実際のチャートで見ていきます。
出来高は実際の取引量が可視化されているので「その銘柄の取引量が増えている」ことは確実です。
しかし、売買判断の前提には他のテクニカル分析やファンダメンタル分析があることは忘れないようにして下さい。
出来高を使った売買サインには次のようなものがあります。
- 安値圏で出来高が増えたら買いのサイン
- 高値更新をしていても出来高が減っていたら利益確定のサイン
- 出来高移動平均線を使った買いのサイン
- 出来高移動平均線を使った利益確定のサイン
それぞれ詳しく解説していきます。
安値圏で出来高が増えたら買いのサイン

引用:Tradingview
株価が大きく下げているときは、買いたい人よりも売りたい人の方が多い状況です。
しかし多くの投資家が「安値圏だと判断するエリア」では買いの注文が多く入ることがあり、出来高は急増します。
安値圏で急激に買い注文が殺到する理由には「さすがに売られ過ぎではないかという感情や、割安になったからそろそろ買いたいという値ごろ感」など、投資家心理が強く働くためです。
そのような感情により一部の投資家が買いを入れ、買いが増えることで出来高が増加し、それを見た乗り遅れたくない投資家がさらに買いを入れ…、と「買いが買いを呼ぶことで株価の下げ止まりが起こり」ます。
その後、株価の下げ止まりを見た慎重派の投資家たちがさらに買いを入れることで、株価は反転上昇していくことが相場では多くみられます。
上図はトヨタ自動車の2008年から2009年にかけての日足株価チャートです。
2007年後半から続いていた下落トレンドの大相場は、「2008年11月に安値圏に到達した時点で出来高が急増」。
価格はそこで下げ止まり、しばらくのもみ合いの後価格は上昇へ転じていきました。
このように、安値圏での出来高の急増は「トレンド反転の示唆として買いのサイン」となる可能性があります。
そもそも安値圏とはどこを指すのか

引用:Tradingview
様々な解説で安値圏という言葉が使われますが、そもそも安値圏とはどのあたりを指すのでしょうか。
明確な定義はないものの、「意識されそうな直近で一番安い価格」を指すことが多いです。
例えば上記のトヨタ自動車の株価チャートで安値圏と呼んだ位置をチャートを広げて見てみると「前回何度も株価が止められている価格帯」であることがわかります。
見る時間軸によってどこが安値圏なのかは変わることがありますが、「大きな時間軸ほど多くの人に意識されやすい」と覚えておくといいでしょう。
とはいえ、安値圏に到達しても出来高が伴わなければ買いのサインとならないので注意が必要です。
高値更新をしていても出来高が減っているときは利益確定のサイン

引用:Tradingview
株価が上がっているときは売りたい人よりも買いたい人が多く、取引は活発になり出来高は高く維持されます。
しかし高値を更新したにもかかわらず「出来高が減っている場合は注意」が必要です。
高値を更新しているにもかかわらず出来高が減っている理由にも「高値圏まできたら高すぎてもう買えないという判断や、さすがに買われ過ぎだという感情」などの投資家心理が働いています。
高値が更新されたのならば、まだまだ上がるはずだと多くの投資家が取引をしてもいいはずですが、そのような感情により「新規の買いが減り出来高が減ることで株価は上げどまり」を起こします。
もう上がらないと感じると利益確定の売りが多く入り始め、株価はその後反転して下落へと転換していきます。
上図はトヨタ自動車の2015年から2016年にかけての日足株価チャートです。
2014年5月から値上がりを始めたトヨタ株は、出来高の増加を伴って大きな上昇トレンドを描いていました。
2015年末にかけて株価はどんどん上昇していましたが、出来高は相反するように減少しています。
その後「高値圏に到達した時点で出来高はさらに減り、その後と高値を更新できずに下落へ」転じています。
このように株価の上昇時には「出来高の減少に注目することで利益確定のタイミングを知る」こともできます。
高値圏はどこを指す?

引用:Tradingview
安値圏と同じく高値圏にも明確な定義はありません。
しかし高値圏も「意識されやすい直近で一番高い価格」を指すことが多いです。
トヨタ自動車の株価が2015年末にかけて上昇した際に、高値を更新したにも関わらず出来高が減っていた場面でも、チャートを引いてみると「前回の高値付近であったことが確認」できます。
企業の株価というのは基本的に「上がっていくことを企業側も株主側も望んでいます」ので、高値圏だからといって必ずしも出来高が減るというわけではありません。
しかし譲渡差益(キャピタルゲイン)を狙っている場合、せっかくの利益を減らすこともありませんので例のように高値更新時に出来高が減っている場合は一度手仕舞いを検討するといいでしょう。
出来高移動平均線を使った買いのサイン

引用:Tradingview
出来高の平均値を表示できる「出来高移動平均線」を使って買いのサインを知ることもできます。
出来高移動平均線を使った買いのサインは2つの根拠が同時に発生したタイミングで買いを検討します。
ひとつ目は出来高移動平均線が右上がりに傾き始めたタイミングです。
移動平均線が右上がりに傾くと「出来高の平均値が増えている」ので、取引が活発になり始めたことを示唆します。
ふたつ目は出来高が出来高移動平均線を連続して大きく超えてきたタイミングです。
移動平均線よりも出来高が連続して上側にある場合、「平均値よりも高い位置で出来高が推移」しており取引が活発になったことを示唆します。
これらふたつの「株価が上がる可能性を示唆した動きが重なったとき」に強い買いのサインとして機能します。
それぞれの示唆は単独でも発生しますが、タイミングが早すぎたり遅かったりすることがありますので、同時発生を待つことをおすすめします。
上のチャートはトヨタ自動車の2012年から2013年にかけての日足株価チャートです。
赤で囲った位置では出来高移動平均線が右上がりに傾き、出来高も出来高移動平均線よりも連続して大きく上抜けています。
「このタイミングで株価も上がり始めておりふたつの根拠が重なった位置が上昇トレンドの起点」となったことが見て取れます。
一方で紫の位置でも出来高移動平均線は右上がりに傾きかけましたが、出来高が大きく抜けることがなく株価の上昇は限定的でした。
また、黒で囲った位置では出来高が出来高移動平均線を大きく抜けておりますが、すでに株価は上昇を始めておりタイミング的には少し買いづらい位置となります。
出来高移動平均線を使った利益確定のサイン

引用:Tradingview
出来高移動平均線を使った買いのサインとは反対の現象が起きたときは、保有株式の利益確定のサインとして使うことができます。
こちらも2つの根拠が重なったときに「その後の株価の上昇が止まりやすい」傾向を利用して利益確定を検討します。
ひとつ目は出来高移動平均線が右下がりに傾いたタイミングです。
出来高移動平均線が右下がりに傾くと「出来高の平均値が減っている」ので、取引がそれまでよりも減り始めたことを示唆します。
ふたつ目は出来高が出来高移動平均線に触れなくなったタイミングです。
出来高が出来高移動平均線に届いていないときは「取引量が平均値に届いていない」ことを表します。
つまりこのふたつが重なったときは「今後の株価の上昇が見込めない可能性があることを示唆」しています。
上のチャートは2013年から2014年にかけてのトヨタ自動車の日足株価チャートです。
チャート画面中央の赤枠で囲った位置では出来高移動平均線が右下がりに傾き、出来高も出来高移動平均線に届いておらず「取引量が大きく減っている」ことがわかります。
その後の株価は上昇できず横ばいが続くことになります。
一方、チャート画面左側の黒枠で囲った位置では出来高移動平均線は右下がりに傾きだしていますが、出来高は出来高移動平均線に届いており取引量は大きく減っておらずその後株価は再上昇しています。
株の出来高に関するよくある質問【Q&A】
ここでは出来高に関する質問でよくあるものを簡単にまとめました。
勘違いなどしないように出来高を使って取引をする前に目を通しておきましょう。
Q1.出来高は取引に重要ですか?
出来高はその銘柄が注目されているのかを知る「人気投票」のようなものです。
人気があれば多くの取引が行われ「流動性がある」ことで希望する価格で取引しやすい銘柄となります。
必ずしも出来高がなければいけない訳ではないですが、「出来高があればあるほど希望価格との乖離や流動性リスクが減っていく」と考えるといいでしょう。
Q2.出来高はすべての証券会社で共通ですか?
出来高は「証券取引所で成立した取引を表示」していますので「どの証券会社で確認しても共通」です。
証券会社は個人投資家と証券取引所を繋ぐ仲介役ですので、証券会社によって出来高が変わることはありません。
Q3.出来高ランキングに出やすい銘柄の特徴は?
出来高ランキングの上位に入りやすい銘柄にはふたつの特徴があります。
ひとつは「株式発行部数が多いこと」です。
発行部数が多ければそれだけ取引が活発になりやすく、ランキングにも載りやすくなります。
ふたつ目は「株価が高すぎない」ことです。
株価が高ければ購入資金が多く必要になり、一般投資家には手がでなくなってしまいます。
ランキングに載りやすい銘柄は「1,000円前後の株価」が多い傾向がありますので、ひとつの目安として覚えておきましょう。
Q4.出来高が少ないときは取引を控えるべき?
出来高が少ないときは取引をしたい人があまりいないと言えます。
取引相手が少ないのでこちらの希望額とマッチングする可能性が低く、「買いたい価格で買えない、売りたい価格で売れない」ことが多く起こります。
思わぬ価格での取引とならないように、できるだけ出来高がある状態で取引をするのが望ましいでしょう。
Q5.出来高が増えているのに株価が上がらないときってある?
基本的には出来高が増えると株価は上昇する傾向がありますが、出来高自体は「買いと売りの取引量」ですので直接株価の上昇に関係するものではありません。
出来高が高いときは「高くても買いたい人がいる」ことで株価は上昇を続けるのですが「安く売ってくれる人がいる」場合は株価は上がることはありません。
安く売ってくれるとは利益確定の売りが出ているときです。
つまり、出来高が増えているのに株価が上がらない場合というのは、「高くても買いたい需要と安くても売りたい需要」が重なったときに売買価格が拮抗することで起こります。
しかし出来高が高く買いたい需要があるならば「その後の株価は上昇する可能性」がありますので、当日の価格が上がらなくても監視は続けた方がいいでしょう。
Q6.「閑散に売りなし」ってどういう意味ですか?
出来高がなく取引が閑散としているときは株価の上下動も少なくモヤモヤしてしまいます。
我慢できずに売ってしまいがちですが、そのようなときは「売りが一服して買い場を探している状況」であり、一定期間経過後に株価が上昇する場面が多くみられます。機会損失を招かないためにも「閑散相場では売りは考えず出来高が増え株価が上昇したタイミングで高く売り抜け利益をしっかり確保する」ことを戒めた格言です。
まとめ:株の出来高について学べば、株価予測の精度がアップする
株式の出来高を把握することで「これから株価がどうなるのかを出来高から予測」することができます。
そして、同じく株価の方向性を予測するテクニカル分析と組み合わせることで「株価予測の精度をさらに効率化する」ことができます。
また、株式取引で大事なことは「希望する価格で購入し、希望するタイミングで売却する」ことです。
それには流動性が必要で、流動性は出来高で確認することができます。
出来高をしっかり理解することで株式投資で利益を上げやすくなると言えるでしょう。
この記事でお伝えした出来高のポイントは次の6点です。
- 出来高が高いと取引が活発になっている証拠である
- 出来高はその銘柄の注目度を測る目安である
- 出来高が増えると株価が上昇する傾向がある
- 出来高が減ると株価は停滞、または下落する傾向がある
- 出来高の増減タイミングで売買の目安とできる
- 出来高の確認には価格帯別出来高も活用する
株式取引は情報を集めることで高い勝率をだせる投資です。
出来高も株式取引にとって大切な売買情報のひとつですので、しっかりとこの記事の内容を理解し取引に活かしてください。