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FXトレードに働く心理~認知バイアスまとめ~

2023年02月08日 公開 
2024年11月08日 更新
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要するに、トレードに働く認知バイアスとは

  • 人間本来の性質が原因で、トレードにおける判断基準にズレが生じることがある
  • この認知バイアスにより、直感的なトレードでは損失を出すことになる
  • さまざまある認知バイアスを知り自覚することが、認知バイアスを克服する第一歩
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トレードに潜む心理の罠

トレード経験者の中には、「知識や経験が増えてきたけれど、トレード成績がなかなか上向いてこないなあ」という悩みを持っている人もいるんじゃないでしょうか。

この悩みを解消するためにはもっと相場について学ぶ必要があると考えるかもしれませんが、その努力の方向性は正しくないかもしれません。

というのが、トレード成績が向上しない原因が知識やトレードテクニックではなく、人の心理面にあることがあるからです。

これは「認知バイアス」と呼ばれる、私たち人間に見られる一般的な性質です。

認知バイアスとは、自分が置かれた環境や状況によって物事の認知が歪んでしまうことを指し、これによってトレードにおいて非合理な判断をしてしまうわけです。

よくある例としては、相場が逆行しているのだからいったん損切りをすべき状況なのに、「損失を出したくない」という思いが強過ぎてなかなか損切りができない、といったものが挙げられます。(プロスペクト理論)

また、相場がずっと上昇を続けているので、「さすがにもうそろそろ下がるだろう」と感じて、強いトレンドに逆らったトレードをしてしまうこともあるかもしれません。(ギャンブラーの誤謬)

そのトレードが失敗して、今度は「これだけ上がり続けているんだから、もっと上がるだろう」という気がしてトレードをすると、相場が反転しまうなんてこともあるでしょう。(バンドワゴン効果)

こうして文章にすると客観的に見られるので、いずれも根拠のない誤ったトレードだと簡単に分かります。

しかし、いざ自分がトレードを行うとなると、意外とこういった偏った直感のようなものがトレードにおける根拠の一つになっていることがあるわけです。

今回は、こういった認知バイアスを数多く取り上げていきます。

認知バイアスを克服するためには、認知バイアスが存在することを自覚して思考を意識的にコントロールすることが欠かせません。

いろいろな認知バイアスがありますが、それぞれしっかり頭に入れていただければと思います。

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さまざまな認知バイアス

認知バイアスにかかると、物事を判断する際において自分の経験や直感などによって認知に歪みが生じ、自分にとってベストな判断をしているつもりでも割に合わない判断をしてしまいます。

認知バイアスにはさまざまなものがありますが、ここではトレードと関係の深いものをピックアップして紹介していきます。

  • プロスペクト理論
  • 確証バイアス
  • バンドワゴン効果
  • アンカリング効果
  • コンコルド効果
  • 後知恵バイアス
  • 正常性バイアス
  • フォン・レストルフ効果
  • 自信過剰バイアス
  • ギャンブラーの誤謬
  • 自制バイアス

では、それぞれについて、実際のトレードにおいてどのような形で現れるかの例を挙げながら、分かりやすく説明していきます。

自分にそういった経験がないかを振り返りながら、読み進めていってくださいね。

プロスペクト理論

プロスペクト理論とは、将来がどうなるか分からない不確実な状況において判断を行う際に、認知の歪みが生じて合理的な判断ができなくなることを指します。

「将来がどうなるか分からない不確実な状況」とは、まさに将来どういう値動きになるか分からない相場そのものと言っていいでしょう。

このような環境下で生じる認知の歪みとは、例えば以下のようなものです。

  • 利益を目の前にすると、「利益が増える可能性」よりも「確実に利益が得られること」の価値の方が大きく感じる
  • 損失を目の前にすると、「確実に損失が増えないこと」よりも「損失を減らせる可能性」の価値の方が大きく感じる

つまり、利益が手に入る状態では確実に利益を手にしようとして、損失を抱えた状態ではリスクをかけてでも損失を減らそうとしてしまうというわけです。

損大利小の原因になる

実際のトレードにおいて1つ目の認知の歪みは、保有ポジションに含み益が発生した際に、「早く利益を確定したい」という思いが強くなるという形で現れます。

冷静に考えると利益を伸ばせる可能性の方が高い局面でも、我慢できずに早めに利益確定してしまうわけです。

2つ目に関しては、保有ポジションに含み損が発生した際に、「なんとか損失をゼロにしたい」という思いが強くなるという形で現れます。

この場合、逆方向のトレンドが発生して助かる見込みの少ない状況であっても、含み損がゼロになるところまで相場が戻ることを信じて、損切りをすることができません。

このように、人間が感覚的に意思決定をすると、利益が拡大させられそうな局面でポジションをホールドせずに、損失が拡大してしまいそうな局面でポジションをホールドしやすい傾向があるわけです。

これでは利益を減らして損失を増やすことになるため、良いトレード成績を期待することはできないでしょう。

なお、プロスペクト理論については以下の記事でより深く解説しています。気になる人は、こちらもチェックしておくことをおすすめします。

確証バイアス

確証バイアスとは、自分にとって都合が良い情報ばかりを集める一方で、自分にとって都合の悪い情報については無視してしまう傾向のことです。

これは自分は正しいと思いたいという心理が働くからですが、この傾向は身近においてもよく確認することができます。

例えば、よく血液型がA型の人は几帳面で、B型の人は大雑把だと言われるのを聞いたことがあるのではないでしょうか。

こういった情報を聞いたことのある人は、自分が「この人は几帳面だ」と思っている相手がA型だということを知ると、「やっぱりそうだったんだ」と相手への評価に対する確信が高まります。

一方、その相手がB型だった場合には、「この人は大雑把だ」と血液型だけでその評価が覆ってしまうことはないでしょう。

このような形で、人間というのは無意識のうちに自分の考え方に合った情報ばかりを見てしまいやすいことがあるわけです。

結論ありきの分析をしてしまう

トレードにおいて確証バイアスは、「相場が上昇する」「相場が下落する」といった目線を持っている際に、自分の目線を肯定する情報ばかりを集めてしまうという形で現れます。

よくあるのが、ファンダメンタルズ分析で、自分の目線を否定するニュースは無視して、肯定するニュースばかりをチェックして安心しようとするというパターンです。

また、テクニカル分析でも、インジケーターのパラメータを変更する、時間足を切り替えるなどして、無理矢理自分の目線に合う結論を出そうとしてしまう人もいるかもしれません。

これでは相場が予測と逆行してしまいポジションに含み損が発生しても、負けを認めて傷口が広がらないうちに損切りをするということができません。

トレードには負けも付きものです。自分の予測が外れたらそれを認めて仕切り直すことが大切ですが、確証バイアスはそれを難しくしているわけです。

この確証バイアスを克服するためにも、意識的に自分の目線と反対側の意見も取り入れて、客観的な分析を心がけるようにしましょう。

バンドワゴン効果

バンドワゴン効果とは、物事の判断をする際に、周囲の多数派の意見が正しいと感じてしまう傾向のことです。

バンドワゴンとは、パレードの先頭を走る音楽隊を乗せた大型の車や馬車のことです。

パレードでは、にぎやかに音楽を演奏しながら進んで行くバンドワゴンの後ろを、たくさんの人々が行列を作ってついていきます。

このように、バンドワゴンに多数の人が群れをなす現象が、バンドワゴン効果と呼ばれているわけです。

天井づかみにつながることも

相場においてもこのバンドワゴン効果は関係しており、大きな発生したトレンドにはトレーダーたちが群がることがあります。

話題となった銘柄に群がるトレーダーのことを揶揄して、「イナゴトレーダー」といった呼び方があるぐらいです。

しかし、トレードで利益をあげられるのはトレンドの序盤でいち早くポジションを持ったトレーダーで、後から飛び乗ったトレーダーの多くは損失を出すことになります。

大きなトレンドが発生したときには、安易に飛び乗ろうとするのではなく、そのトレンドがどこまで続くのかを分析した上で、冷静に判断を行う必要があるでしょう。

ちなみに、ダウ理論において、「主要なトレンドは3段階から構成される」という基本原則があります。

この基本原則はバンドワゴン効果に通ずるところがあるので、興味のある人はぜひ以下の記事もチェックしていただければと思います。

アンカリング効果

アンカリング効果とは、最初に見た数字が基準となり、その後の判断がその基準によって歪められてしまうことを指します。

これは、特にマーケティングにおいてよく利用される人間の心理です。

例えば、過去に1万円だったものが今は2,000円で買えるとしたら、「これはお得そうだ」と感じるんじゃないでしょうか。

もし過去に1万円という情報がないで2,000円という価格を見た場合と比べると、印象が大きく変わるはずです。

こういった形で過去の価格というのは船のいかり(アンカー)のようになり、その情報を中心にして損か得かを判断してしまいやすいわけです。

トレンドを無視したトレードをしてしまう

アンカリング効果は、トレードにもそのまま当てはまります。

例えば、株価が過去にチェックしたときに1万円だった銘柄が8,000円まで下がっていると、「割安になってきているな」と感じるといった形ですね。

しかし、1万円から8,000円に下がったのは下落トレンドが始まったからかもしれないですし、その下落トレンドがどこまで続くかは誰にも分かりません。

「割安だな」というだけでトレードをすると、そのまま下落トレンドに巻き込まれて大きな損失を被ることもあるでしょう。

逆に、1万円だった株価が1万2,000円に上がっている銘柄は、「割高になってきているな」と感じやすいわけです。

しかし、これは何かしらの背景があって上昇トレンドが始まっているのかもしれません。

「割高だな」という感覚だけで購入を見逃すと、利益をあげるチャンスを失うこともあるでしょう。

特に強いトレンドが発生している状況において、アンカリング効果はトレーダーの首を絞めることになりかねないので注意が必要です。

なお、注意が必要なアンカリング効果ですが、逆にテクニカル分析で利用できることもあります。これについては、以下の記事を参照にするといいでしょう。

コンコルド効果

コンコルド効果とは、今までにかけた労力や時間などが無駄になることが惜しいと感じ、無駄になることが分かっているのになかなか投資がやめられない傾向のことです。

語源となっているのは、英仏共同で開発された超音波旅客機コンコルドです。

実はこのプロジェクトは続けても採算が取れないことが分かっていましたが就航され続け、赤字が拡大して商業的に大きな失敗となりました。

冷静に考えれば、赤字が拡大するような事業からは早めに撤退して、赤字を抑える選択をするのが理にかなっています。

しかし、今まで行った活動がサンクコスト(埋没費用)となることが認められず、赤字が増えると分かっている事業が継続されてしまったわけです。

現状よりも多くの時間と損失を生み出す

これは、トレードにおいて損切りができるかどうかというところに関わってきます。

頑張って綿密な分析を行ったり、長時間にわたってチャート監視をしたりするほど、そのトレードにおいて時間と労力がかかることになり、損失が出ることが認めにくくなってしまいます。

そのため、たとえ相場が予測とは違う展開になっても、今回は負けたという事実から目を逸らして、ポジションが助かるまで待ち続けることになります。

こういったトレードを繰り返していると、いつかは取り返しのない大きな損失を出してしまうことになるでしょう。

適切な損切りは相場で生き残り続けるためには欠かせません。

損切りは先延ばししたくなるという性質を理解して、含み損を抱えたときには相場を冷静に見つめながら損切りの判断を行う必要があります。

後知恵バイアス

後知恵バイアスとは、もともと予測していなかった事象が起こったのに、自分はそれが起こることがあらかじめ分かっていたように感じてしまう傾向のことです。

人間の記憶というのは意外に曖昧なもので、記録でもしていなければ、その事象が起こる前に自分がどう考えていたかのかを明確には覚えていません。

これに人間の自分が正しいと思いたいという性質が加わって、事象が起こった後にもともと分かっていたような感覚を持ちやすくなってしまうわけです。

冷静さを失うきっかけになる

トレードにおいて、例えば相場に上昇トレンドが発生した後になって、「やっぱり上がると思ったんだよな」と感じた経験がある人もいるんじゃないでしょうか。

また、トレードルールに従って損切りした後、相場が戻ってしまったときに「戻ると思ったんだよな」と感じるといったこともあるかもしれません。

後知恵バイアスは、トレードがうまくいかない度に負の感情を引き起こしてしまいます

これを克服できないとメンタルも病んで冷静にトレードできなくなりますし、自分を過信した直感トレードに走ってしまうことも考えられます。

後知恵バイアスを克服するには、そもそも自分はそういう思考に陥りやすいことを強く自覚することが大切です。

また、自分自身の思考も含めてトレードに関する記録を残す、というのも効果が期待できるでしょう。

正常性バイアス

正常性バイアスとは、普段とは異なる異常な現象に直面したときに、その現象を正常の範囲内で捉えてしまい、問題を過小評価してしまう傾向のことです。

これは異常事態においても冷静を保って行動するための心理でもありますが、非常時においては何も行動しないという逆効果を招くことがあります。

例えば、大きな台風や地震などにおいて正常性バイアスはで本当に危険な状態なのにも関わらず、「大丈夫だろう」と楽観的に考えてしまい逃げ遅れてしまうようなケースですね。

突発的なイベントに対応できなくなる

トレードにおいても、突発的な事象が発生して相場が急激に動くことがあります。

こういったとき、特にFXのようなレバレッジをかけたトレードでは、すぐにポジションを処理しないと大きな損失を受けることがあるかもしれません。

しかし、正常性バイアスによって「大丈夫だろう」という気持ちが働いてしまい、損切りに動く行動が邪魔されてしまうわけです。

予想外のことでポジションの含み損が急に拡大する事態に突然直面して、この正常性バイアスに邪魔されずに即座に最適な判断ができる人はなかなかいないと思います。

これを克服するためには、ポジションを持つ際には常に最悪の事態を想定しておくことが有効です。

その上で、実際にそうなったときにすぐ損切りができるように逆指値注文を入れておく、あるいは、どのように動くのかルールをあらかじめ決めておくようにしましょう。

フォン・レストルフ効果

フォン・レストルフ効果とは、同じようなパターンの情報が並んでいる中で、1つだけ他とは異なった特徴を持つものがあったときに、その印象が強く残りやすい傾向を言います。

この認知バイアスには提唱者であるヘドウィク・フォン・レストルフの名前が使われていますが、「孤立効果」という別名の方がイメージしやすいかもしれませんね。

例えば、上には図形が並んでいる絵が描いてありますが、パッと見たときにどの図形に注目してしまうでしょうか。

おそらくほとんどの人が赤い丸の図形に目がいくはずです。

微妙に形が異なっているもののその他は全て青色の中、1つだけ赤色のものが混ざると印象が強くなるわけです。

極端な相場でしか勝てなくなる

トレードにおいても、過去に普段とは異なる変わった相場、極端で目立った相場が発生することがあります。

分かりやすいものを挙げると、アベノミクスによる極端な上昇相場などをイメージするといいでしょう。

そういった印象に残る相場を経験すると、無意識のうちにその相場を強く意識してしまうようになるわけです。

また、自分にとって大きな成功や大きな失敗につながったトレードが忘れられない、といったケースもあるかもしれません。

無意識のうちにそういった印象に残った相場があると、そんな相場ばかりを想定したトレードをしてしまいやすくなります

しかし、印象に残っているのは特別な相場だからであって、よくある相場だからではありません。そういったトレードを繰り返していては、なかなかトレード成績は向上していかないでしょう。

もし自分の記憶に強く残っている特別な相場がある場合は、意識的に忘れるように心がけた方がいいでしょう。

自信過剰バイアス

自信過剰バイアスとは、自分の実力を根拠なく高く評価してしまい、過剰な自信を持ってしまう傾向のことです。

人間の非合理性に注目する経済学である行動経済学において出てくる概念です。

例えば、多くの人が「自分が自動車事故を起こすわけがない」と考えているのではないでしょうか。

しかし、確率的に考えれば自動車に乗って事故を起こしてしまう確率はゼロではないはずで、現実よりも楽観的に考えているわけです。

この性質は不要な不安によるストレスを軽減するという効果もありますが、状況によっては悪影響を及ぼすことがあります。

大失敗トレードをする原因になる

トレードにおいては、一定の経験を積んだトレーダーの方が自信過剰バイアスにかかりやすいところがあるかもしれません。

ある程度知識を持って実力のある人の方が、自信を持ちやすいからです。

そういった人がトレードがうまくいっていると、相場について全て分かったという万能感のようなものを感じてしまうかもしれません。

しかし、それは偶然相場が自分に合っていただけで、本当の実力ではないこともあるでしょう。

こういった自信過剰な状態でトレードを続けていると、根拠の少ないトレードやリスクをかけ過ぎたトレードを行いやすくなると考えられます。

勝ちが続いたときこそ冷静になって、過度な自信を持たないように意識することが大切です。

ギャンブラーの誤謬

ギャンブラーの誤謬とは、ある事象の発生が続いたときに、実際の発生確率とは関係なく、その事象の発生確率が低くなるように感じてしまう傾向のことを指します。

例えば、コインを投げて裏か表かを予想する際、仮に表が5回連続で出たとしたら「次はさすがに裏が出るだろう」と考えてしまうと思います。

しかし、それまで何が出たかとは関係なく、コインを投げて裏が出る確率は常に50%です。

このような形で、現実の確率と直感的に感じる確率がズレてしまい、客観的に見たときに最適な判断ができなくなるわけです。

安易なトレードで痛い目を見ることも

トレードにおいても、このギャンブラーの誤謬はさまざまな場面で現れます。

例えば、一方方向へのトレンドが続いているようなときに、「さすがにもう反転するだろう」と安易に考えてしまうようなケースです。

確かに相場は上昇と下落を繰り返すものですが、相場が行き過ぎることはよくあります。

また、トレンドが続いているということは、背景に何かしらの理由があるのかもしれません。

トレンドが続いていることだけを根拠に反転を狙ったトレードを行うのは、リスクが高いと言わざるを得ないでしょう。

この他にも、相場に手法が合っていないため負けが続いているようなときに、「さすがにもう次は勝てるだろう」といった感覚で、安易にトレードを繰り返してしまうことも考えられます。

「さすがにもう…」といった考え方は、トレードにおいては厳に慎むようにしてください。

自制バイアス

自制バイアスは、自分自身の自制心が実際よりも強いと思い込んでしまう傾向を言います。

人の自制心はそれほど強くないものですが、「自分は我慢できる」と考えてしまって誘惑の多い環境に入ってしまい、結局誘惑に負けてしまうわけです。

例えば、ダイエット中に甘いものを控えているときに、アイスクリームの新製品が発売されていることを知ったとします。

外出中にこのことをふと思い出して一目見てみようとコンビニに入ると、「今回だけはいいか」と購入してしまうといったパターンですね。

トレードルールが形骸化してしまう

トレードにおいても、この「今回だけはいいか」というのは出てきやすい思考です。

自分の設定したルールではまだエントリーすべきではないポイントだけど、チャートを見ているとどうにも上昇しそうな気がする、といった場面を思い浮かべてください。

果たして、ルール通りにエントリーポイントまで待つことができるでしょうか。

もし「今回だけはいいか」ということでルールを破ってしまうようでは、おそらく今後も同じように考えてルールを破り続けることになるでしょう。

意外と自分の自制心は弱いことを自覚して、ルールを逸脱したトレードは絶対に避けることが大切です。

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認知バイアスを学べるオススメ本

『ザ・トレーディング──心理分析・トレード戦略・リスク管理・記録管理』のAmazon公式サイトはこちら

認知バイアスを克服し、投資におけるメンタルコントロールを正しく行いたい方には、『ザ・トレーディング──心理分析・トレード戦略・リスク管理・記録管理』をオススメします。

これは、精神分析医かつ世界的に有名な投資家でもあるアレキサンダー・エルダー博士による、トレード心理の解説書です。

トレーダーに必須の1冊として17か国語に翻訳され、全世界で500万部以上の売上を記録しました。

この本では、トレードで成功するために必要な「4つのM(Mind・Method・Money・Management)」について、著者自身の経験や統計をもとに、丁寧に解説されています。

「頭では分かっているけど、冷静にトレードできない」「どうしてもルールを破ってしまう」というトレーダーにとって、その原因を知るきっかけになるでしょう。

もちろんこれから始める初心者にとっても、投資によくある失敗を避けるための教訓となり、効率良くトレードで成功できるようになるはずです。

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認知バイアスを克服しよう

トレードで安定的に利益をあげられるようになるためには、冷静な判断を邪魔する認知バイアスを克服しなければなりません。

そのための第一歩は、まずは人間には認知バイアスがかかるということを知って、今回したさまざまな認知バイアスについて理解することです。

なお、人によって認知バイアスの現れ方は異なると考えられます。

そのため、自分の過去のトレードを振り返って、自分にはどの認知バイアスの影響が大きいのかというのを自覚することが大切です。

「どういう状況において、どういう思考になりやすいのか?」という癖が認識できれば、その認知バイアスを意識的に取り除くことができるようになるでしょう。

自分の癖を知るための方法としては、自分のトレードをしっかり振り返られるようにトレード記録をつけるのがおすすめです。

その際、どういう意図で自分がエントリーしたのか、エグジットしたのかを振り返って、それは冷静な判断だったのかを判断できることが大切です。

もし認知バイアスにかかっていたのであれば、どういう局面でそれが起こったのかを確認して、同じ状況になったときに意識しましょう。

なお、トレード記録をつけることは、自分の手法に対して自信を持つという意味でも効果があります。

自分の手法に自信が持つことができればメンタルが安定するので、冷静で客観的なトレードがしやすくるはずです。

トレード記録を振り返る際の指標の使い方については以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

豆知識

トレードで大切なものとしては、まず次の2つが挙げられます。

  • 優位性のあるトレード手法の構築
  • 適切なリスク管理

つまり、期待値がプラスとなるトレード手法を考え出し、それをリスクを抑えながら実行していくということです。

トレード手法を構築する上では、本サイトで紹介しているさまざまなインジケーターや相場理論などが役に立つでしょう。

また、その手法から予想される勝率とペイオフレシオが分かれば、どのような取引量でトレードを進めていけばいいか、リスク管理についても自ずと見えてきます。

しかし、実はこの2つだけではまだ十分とは言えません。

というのが、トレード手法とリスク管理は、適切にメンタルをコントロールできてこそ、初めて実現できるからです。

なぜなら、メンタルがコントロールできていない場合、そもそもルールを逸脱した行動を取ってしまいます。

  • 本来トレードすべきではないところでエントリーする
  • 損切りすべきところで損切りしない
  • ハイリスクハイリターンなトレードをする

こういったことを繰り返していると、いくら優れたトレード手法、リスク管理を学んでいても、勝てるようにはならないわけです。

そういう意味で、メンタル管理というのは、上の画像で示したようにトレード手法とリスク管理の土台になっているものとも言えるでしょう。

今回解説した認知バイアスは、メンタル管理にも深く関係している部分です。

トレードで勝つ上での必要条件である適切なメンタル管理ができるようになるためにも、しっかり認知バイアスについて理解しておくことをおすすめします。

用語

  • 認知バイアス
  • プロスペクト理論
  • 確証バイアス
  • バンドワゴン効果
  • アンカリング効果
  • コンコルド効果
  • 後知恵バイアス
  • 正常性バイアス
  • フォン・レストルフ効果(孤立効果)
  • 自信過剰バイアス
  • ギャンブラーの誤謬
  • 自制バイアス
  • 損切り
  • ホールド
  • テクニカル分析
  • ファンダメンタルズ分析
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  • パラメータ
  • イナゴトレーダー
  • ダウ理論
  • サンクコスト
  • レバレッジ
  • ポジション
  • エントリー
  • エグジット
  • 勝率
  • ペイオフレシオ
  • トレード手法
  • リスク管理
  • メンタル管理
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著者
Runchaテクニカル分析チーム
チーム紹介ページ

日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト|4大監査法人出身者|TradingViewインジケーター開発者|EA開発者|

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監修者
山中康司

有限会社アセンダント

学歴: 慶應義塾大学卒業

著書: 『FXチャート分析マスターブック FX ボリンジャーバンド常勝のワザ』(2013年12月)

来歴: アメリカ銀行バイスプレジデント → 日興シティ信託銀行為替資金部次長を歴任。・金融コンサルティング会社アセンダント設立。金融リテラシー協会代表理事を務める。



所有者
株式会社アドバン

『ユーザーの新しい挑戦や、ワクワクの手助けができるサービス作り』をビジョンに、投資を始めたい人・よくわからない人の支えになるようなFX初心者ガイドや、トレード練習アプリを運営しております。
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内田 まさみ ラジオNIKKEI
日経CNBCの番組パーソナリティ
経済雑誌多数連載中
山中 康司 金融リテラシー協会 代表理事
アセンダント取締役
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