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RVI(Relative Vigor Index)|相場の活力の偏りからトレンドの方向性を読み取ろう

2023年02月08日 公開 
2024年11月14日 更新
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要するに、RVI(Relative Vigor Index)とは

  • 相場における上昇の力と下落の力のバランスを示すインジケーター
  • ゼロラインを境目として、上昇勢力と下落勢力のどちらが強いかを判断する
  • ダマシを避けるために他のインジケーターと併用するのが望ましい
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RVIをアプリで表示

DMM FX

DMM FXのPCツール(プレミアチャート)でRVIを表示
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Trading View

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MT5

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RVI計算式

RVIとシグナル

上の画像では、RVI(Relative Vigor Index)をサブチャートに表示しています。

このRVIは直訳すると「相対活力指数」という意味で、相場の変化する力(活力)が上下のどちらに傾いているかを示すインジケーターです。

RVIには2種類あるので注意しよう

RVIと略されるインジケーターには、ここで説明する「Relative Vigor Index」以外に「Relative Volatility Index」というものもあります。両者は計算式が異なるので注意しましょう。詳細については、後述の「豆知識」をご覧ください。

RVIを構成する「RVI」(赤ライン)「シグナル」(緑ライン)の値は、以下の計算式により算出されます。

A={1×ローソク足の(終値-始値)+2×1本前のローソク足の(終値-始値)+2×2本前のローソク足の(終値-始値)+1×3本前のローソク足の(終値-始値)}÷6
B={1×ローソク足の(高値-安値)+2×1本前のローソク足の(高値-安値)+2×2本前のローソク足の(高値-安値)+1×3本前のローソク足の(高値-安値)}÷6
RVI=過去N本におけるAの単純移動平均÷過去N本におけるBの単純移動平均
シグナル=(RVI+2×1本前のRVI+2×2本前のRVI+3本前のRVI)÷6

※N:パラメータ

AやB、シグナルを計算する際の移動平均の取り方が特殊なので、少し複雑に見えるかもしれません。

この移動平均は、現在・1本前・2本前・3本前の値について、1・2・2・1と加重をかけて6で割るという加重平均を行っています。

この平均の取り方を「4対称加重移動平均」という言葉でまとめると、RVIとシグナルの計算式は以下のように1本の計算式に書き直すこともできます。

RVI=過去N本における“(終値-始値)の4対称加重移動平均”の単純移動平均÷過去N本における“(高値-安値)の4対称加重移動平均”の単純移動平均
シグナル=RVIの4対称加重移動平均

つまり、分子は(終値-始値)の4対称加重移動平均を取った上で、過去N本の単純移動平均を取っているわけです。

これと同様に、分母も(高値-安値)の対称加重移動平均を取った上で、過去N本の単純移動平均を取っています。

どちらの計算式でも構わないですが、イメージしやすい方で理解していただければと思います。

計算のシミュレーション

少し複雑な計算式なので、実際に計算をシミュレーションをしてみましょう。

次の画像のような、ローソク足チャートを考えてみます。

なお、上記のチャートの四本値は以下の通りです。

時間始値終値高値安値
110010110299
2101103103100
3103106107103
4106107108106
5107105109102
6105104105100
7104105106101
8105108109104

計算式に出てくるN(単純移動平均を取る期間)は5に設定して、時間8におけるRVIを計算します。

時間8におけるRVIの分子は時間4~8におけるAの単純移動平均で、分母は時間4~8におけるBの単純移動平均です。

では、時間4~8におけるAとBをそれぞれ計算していきましょう。

なお、計算そのものよりも、どの時間の値を使って計算しているかに注目していただければと思います。

時間A/(終値-始値)の4対称加重移動平均B/(高値-安値)の4対称加重移動平均
4時間1~4における「終値-始値」から加重移動平均を計算:{1×(101-100)+2×(103-101)+2×(106-103)+1×(107-106)}÷6=2時間1~4における「高値-安値」から加重移動平均を計算:{1×(102-99)+2×(103-100)+2×(107-103)+1×(108-106)}÷6=4.1666…
5時間2~5における「終値-始値」から加重移動平均を計算:{1×(103-101)+2×(106-103)+2×(107-106)+1×(105-107)}÷6=1.333…時間2~5における「高値-安値」から加重移動平均を計算:{1×(103-100)+2×(107-103)+2×(108-106)+1×(109-102)}÷6=6.5
6時間3~6における「終値-始値」から加重移動平均を計算:{1×(106-103)+2×(107-106)+2×(105-107)+1×(104-105)}÷6=0時間3~6における「高値-安値」から加重移動平均を計算:{1×(107-103)+2×(108-106)+2×(109-102)+1×(105-100)}÷6=13
7時間4~7における「終値-始値」から加重移動平均を計算:{1×(107-106)+2×(105-107)+2×(104-105)+1×(105-104)}÷6=-0.666…時間4~7における「高値-安値」から加重移動平均を計算:{1×(108-106)+2×(109-102)+2×(105-100)+1×(106-101)}÷6=11
8時間5~8における「終値-始値」から加重移動平均を計算:{1×(105-107)+2×(104-105)+2×(105-104)+1×(108-105)}÷6=0.166…時間5~8における「高値-安値」から加重移動平均を計算:{1×(109-102)+2×(105-100)+2×(106-101)+1×(109-104)}÷6=11.1666…

時間4~8におけるAとBが出たので、時間8におけるRVIを求めます。

RVI={(2+1.333…+0-0.666…+0.166…)÷5}÷{(4.1666…+6.5+13+11+11.1666)÷5}
 =0.061818…

このように、RVIは0.061818…という値になりました。

全体として上昇している中なので分子がプラスが多く、全体としてプラスの値となっています。

その上で、陰線が混ざっていることで分子にマイナスの項があり、かつ、ヒゲが長く分子に対して分母が大きいことから、ゼロに近い値になっている形です。

実際にはアプリが自動で計算するので、自分で手計算できるようになる必要はありません。

このシミュレーションからは、N=5のときのRVIは、現在を含めて過去8本(N+3本)の「終値-始値」と「高値-安値」から、2段階の移動平均計算によって算出されるというイメージを持っていただければと思います。

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RVI計算式の意味

RVIの計算式は一見複雑なように見えますが、大まかに言ってしまえば以下のようなイメージを持つといいでしょう。

RVI=過去の(終値-始値)の移動平均÷過去の(高値-安値)の移動平均
シグナル=過去のRVIの移動平均

このように簡略化して書けば、ベースにあるのは分子の「終値-始値」と分母の「高値-安値」だということが分かると思います。

つまり、RVIには、「高値から安値の値幅において、始値から終値へどれだけの割合、上または下へ動いたか」という意味があるわけです。

ただ、これを1本分のローソク足だけで見るのではなく、過去何本もの平均値として見ています。

ちなみに、この平均値の取り方は少し特殊で、4対称加重移動平均を取った後にさらにN本の単純移動平均を取るという形で2段階になっています。

ただ、ここは「少し変わった平均の取り方をしている」ということだけ分かっていれば、インジケーターの理解としてはひとまず問題ないでしょう。

RVIの動き方のイメージ

RVIの動き方の特徴

上の画像は、「終値-始値」「高値-安値」とRVIの動き方の関係を、ローソク足の形で表したものです

RVIの分子は「終値-始値」の平均値なので、終値が始値より上昇していればプラスに、終値が始値より下落していればマイナスになります。

一方で分母は「高値-安値」の平均値なので、常にプラスになります。

そのため、RVI(分子÷分母)の動き方は、上昇の動きが多い局面ではプラスになりやすく、下落の動きが多い局面ではマイナスになりやすいというのが基本です。

また、陽線(終値-始値>0)が続く中で、「高値-安値」の値幅と「終値-始値」の値幅の差が狭い(ローソク足のヒゲが短い)ローソク足が続くと、RVIの値は1に近づきます。

逆に、陰線(終値-始値<0)が続く中で、「高値-安値」の値幅と「終値-始値」の値幅の差が狭い(ヒゲが短い)ローソク足が続くと、RVIの値は-1に近づいていきます。

なお、上記以外の要素(例えば、陽線と陰線が混在する、ローソク足のヒゲが長いものが発生するなど)が増えてくると、RVIの値は0に近づいていきます。

シンプルにまとめると、戻す動きが小さく一方方向に動き出すと、その方向にグッと伸びやすいと言えるでしょう。

なお、RVIは計算式でも分かるように平均値です。

そのため、上記のようなRVIを変動させる事象による影響は平均化により円滑化されるため、ダイレクトにRVIを動かすわけではなく少しタイムラグもあるということも、頭に入れておくといいでしょう。

ポイント
値上がり(終値-始値がプラス)が多いとRVIはプラスになりやすく、値下がり(終値-始値がマイナス)が多いとRVIはマイナスになりやすい 実体に対してヒゲの短い陽線が続くとRVIは1に近づき、実体に対してヒゲの短い陰線が続くとRVIは-1に近づく 陽線と陰線が混在したり、実体に対してヒゲが長いローソク足が増えたりするほど、RVIは0に近づいていく

2段階の移動平均は1つにまとめられる

少しマニアックになりますので、興味のない人はここの話は飛ばしても大丈夫です。

結論から言ってしまうと、上記の計算式は実は以下のようにも変形することができます。

RVIX={(1×KX+3×KX-1+5×KX-2+6×KX-3+…+6×KX-N+1+5×KX-N+3×KX-N-1+1×KX-N-2)÷(6×N)}÷{(1×LX+3×LX-1+5×LX-2+6×LX-3+…+6×LX-N+1+5×LX-N+3×LX-N-1+1×LX-N-2)÷(6×N)}

※各文字の意味は以下を参照のこと
KX:X本目の終値-始値、LX:X本目の高値-始値、RVIX:X本目のRVI、N:パラメータ(≧4)

つまり、N≧4の場合、RVIの分子と分母は、現在から過去N+3本のローソク足について、1・3・5・6・6・…・6・5・3・1と加重をかけて「終値-始値」と「高値-安値」の移動平均を取ったものだと言えます。(N≦3では、加重のかかり方が変わります。)

計算シミュレーションで「RVIは過去N+3本のローソク足から計算している」と説明しましたが、その正体はこういうことだったわけです。

おもしろいのは、移動平均の対象となるローソク足のうち、端っこの3本ずつが加重が小さくなり、それ以外の真ん中が加重が大きくなっているところです。

このため、通常の移動平均に比べて、直近の動きへの反応は鈍くなり、3本前のローソク足以前の動きの影響が大きく出るような形となっています。

このように、2段階の平均計算は1つの加重移動平均にまとめられることを知っておくと、複雑に見える計算式も頭に入りやすくなるんじゃないでしょうか。

なお、上記の変形の計算過程の詳細は以下の画像で示しているので、気になる人は参考にしてみてください。

ちなみに、FXにおける時間足など一定の環境では、「始値=1本前の終値」という関係が成り立つ場合があります。

この場合、X本目の終値をPXとおくと始値=PX-1となり、X本目における「終値-始値」はPX-PX-1と置き換えることが可能です。

これをAVIXの分子の計算式に当てはめるとモメンタム的な側面も見えてくるので、興味のある人は計算してみてくださいね。

RVIの一般的な使い方

RVIでは、終値が始値と比べてどういう位置関係にあるかを示すインジケーターです。

上昇の多い相場では終値が始値より上に来やすいためRVIはプラスになりやすく、下落の多い相場では終値が始値より下に来やすいためRVIはマイナスになりやすい特徴があります。

RVIとゼロラインの関係

これを逆に考えると、上の画像で示したようにRVIがプラスであれば上昇の力が強く、RVIがマイナスであれば下落の力が弱いと読み取ることができます。

こういった見方をするため、RVIにおいてはプラスとマイナスの境目であるゼロラインが非常に重要な意味を持ちます。

RVIをゼロラインを超えていくところで、上昇と下落の力バランスが切り替わると考えることができるでしょう。

RVIとシグナルの関係

続いて、上の画像を見ながらシグナルについても確認していきましょう。

見ての通りシグナルはRVIの移動平均線であり、RVIの動きを少しなめらかにした形状をしており、RVIよりもゆっくり動いていきます。

移動平均線におけるゴールデンクロスデッドクロスに似たような考え方で、RVIがゆっくりと動くシグナルを追い越すと、RVIが追い抜いた方向に伸びやすいと考えるわけです(画像における黄矢印)。

例えば、RVIがシグナルを下から上に追い抜くと、RVIは上方向に加速しやすいと想定して、相場も上昇の勢いがつきやすいと予想するという形です。

このように、RVIがシグナルを追い越していくところも、相場における上昇と下落が加速しやすいポイントとして考えることになります(画像における黄丸)。

なお、説明の中で移動平均線が出てきましたが、以下の記事ではそれぞれのインジケーターも解説しているので、理解を深めるためにチェックしておくことをおすすめします。

RVI設定値

RVIでは、Nというパラメータが出てきました。

このNでよく使用される設定値とその意味合いは以下のようになっています。

パラメータ設定値意味
N10、14など分子と分母においてAとBの単純移動平均を取る際の期間

特に日足においては、Nに10を設定するケースが多い印象です。

Nに設定する値が大きくなればなるほど、単純移動平均を取る期間が長くなるため、RVIの動きはチャートの動きに対して緩やかになっていきます。

参考として、動き方の違いを見ておきましょう。

RVIのパラメータによる動き方の変化

上の画像は、Nが5/10/20のRVIをそれぞれサブチャートに表示したものです。

Nが倍々になるような3パターンを比較していますが、値が大きくなるにつれてRVIが緩やかになっているのが分かると思います。

このような形で、パラメータを変えることでRVIの動き方は調整することが可能です。

まずは基本の10を設定することをおすすめしますが、バックテストを通じて相場や手法に合った値を探すことをおすすめします。

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RVIが示す売買ポイント

RVIで一般的に使用される売買サインとしては、以下の3つが考えられます。

  • ゼロラインとのクロス
  • シグナルとのクロス
  • ダイバージェンス

では、上記それぞれについて実際のチャートも使いながら見ていきましょう。

ゼロラインとのクロス

RVIとゼロラインのクロスによる売買ポイント

上の画像で「買い」「売り」と示したところが、「ゼロラインとのクロス」です。

ゼロラインを境目に相場における上昇の力と下落の力のバランスが切り替わることに注目したもので、整理すると以下のような形になります。

RVIの売買ポイント(1)
RVIがゼロラインを下から上に抜けたら買い RVIがゼロラインを上から下に抜けたら売り

RVIがゼロラインを下から上に抜けるということは、RVIがマイナスからプラスに切り替わるということです。

つまり、売り優勢から買い優勢に切り替わるということなので、買いを入れるポイントと判断します。

逆に、RVIがゼロラインを上から下に抜けるということは、RVIがプラスからマイナスに切り替わるということです。

つまり、買い優勢から売り優勢に切り替わるということなので、売りを入れるポイントと判断します。

実際のチャートで確認

RVIとゼロラインのクロスをチャートで確認

上の画像は、ユーロ/米ドルの日足チャートに、RVIをサブチャートで表示しています。なお、Nは10に設定しており、見えやすくなるようにシグナルは非表示にしています。

また、RVIがゼロラインを下から上に抜くところに「買」と、上から下に抜くところに「売」としています。

なお、チャートは上昇の方向性を明確に描いている状態で、基本的には買い目線でトレードしたいところです。

ただ、この点はRVIだけでは判断が難しいので、先ほども出てきた移動平均線を使うなど、他の分析に頼る形がいいでしょう。

これを踏まえて上のチャートを見てみると、「買」→「売」のところではしっかり利益が乗っている形になっています。

シグナルとのクロス

RVIとシグナルのクロスによる売買ポイント

上の画像で「売り」「買い」と示したところが、「シグナルとのクロス」の売買シグナルです。

RVIの一般的な使い方でも説明した通り、RVIとRVIの移動平均線であるシグナルによるクロスをすると、RVIが伸びると予想することができます。

具体的な売買ポイントを整理すると、以下のようになります。

RVIの売買ポイント(2)
RVIがシグナルを下から上に抜けたら買い RVIがシグナルを上から下に抜けたら売り

なお、上記のクロスがゼロラインよりも上と下のどちらで発生するも、併せて意識しておきましょう。

これによって、トレンド反転狙いなのかトレンド継続狙いなのか、同じサインでもトレードの目線が変わるからです。

ゼロラインより下におけるRVIとシグナルのクロス

同じ買いのサインであっても、上の画像のようにゼロラインよりも下で発生した場合、下落トレンドから上昇トレンドへの転換を予想することになります。

この場合、レンジ相場やトレンド相場の底値圏であれば信頼性は高いですが、強い下落トレンドの最中では信頼性が落ちると考えられるでしょう。

なお、こちらのサイン通りに相場が展開すれば、RVIはシグナルとクロス後にゼロラインともクロスすることになるはずです。

そういう意味では、ゼロラインを超えそうな角度や形でRVIがシグナルを抜くというのが、理想的な形の1つと言えるかもしれません。

ゼロラインより上におけるRVIとシグナルのクロス

また、上の画像のようにゼロラインよりも上で発生した場合は、上昇トレンドの中における調整の後に、もう一度上方向に伸びると予想することになります。

この場合は先ほどと逆で、強い上昇トレンドの最中であれば信頼性が高まりますが、レンジ相場やトレンド相場の高値圏であれば信頼性は落ちることになると考えられるでしょう。

こういった全体の相場状況については、別のインジケーターによる分析も併用して確認するなどによって、トレードの精度を高める工夫をしておきたいところです。

実際のチャートで確認

RVIとシグナルのクロスをチャートで確認

上の画像は、ユーロ/米ドルの1時間足チャートに、RVIをサブチャートで表示しています。なお、Nは14に設定しています。

また、RVIがシグナルを下から上に抜くところに「買」と、上から下に抜くところに「売」としています。

チャートは全体としては方向感のないレンジ相場になっており、その中で「A→B→C→D→E」と下落→上昇→下落→上昇→下落→上昇と推移している流れです。

「B」「C」「D」の反転するところでは、RVIがシグナルを抜いた後にゼロラインまで抜けていく流れになっており、反転の理想的な流れになっています。

「D→E」の上昇の中では、「X」のところでゼロラインの上においてRVIがシグナルを下から上に抜けています。

これは、上昇の中でいったん勢いが止まった後のもう一段の上昇を捉えている形です。

ダイバージェンス

RVIにおけるダイバージェンス

ダイバージェンスとは、チャートの動きとインジケーターの動きが逆行する現象のことです。

例えば上の画像のように、チャートが上昇しているのにRVIは下落している、チャートが下落しているのにRVIは上昇しているという状態です。

この現象はトレンドの終盤において起こりやすいとされており、トレンドが転換する兆候とみなされます。

なお、ダイバージェンスが起れば必ずトレンド転換が発生する、というわけではありません。

また、トレンド転換が起こったときにダイバージェンスが必ず確認される、というわけでもありません。

あくまで補助的な相場予想の根拠となるという位置付けなので、絶対視し過ぎないようにしましょう。

とはいえ、他の分析と併用した上で使えば、相場予想の精度アップを期待できるサインなので、上手に活用していただければと思います。

実際のチャートで確認

RVIのダイバージェンスをチャートで確認

上の画像は、ユーロ/米ドルの日足チャートに、RVIをサブチャートで表示しています。なお、Nは10に設定しており、見えやすくなるようにシグナルは非表示にしています。

「A→B」の下落に注目してみると、「B」にかけての下値が切り下がっている中で、RVIの下値は更新できずに切り上がっています。

これがダイバージェンスで、「B」のところで下落トレンドが終了する可能性を意識することになるわけです。

その後、このダイバージェンスのサイン通りにチャートは上昇へと転じていっており、「B」のところでトレンドが転換した形となりました。

パラメータにもよりますが、RVIはダイバージェンスが比較的出やすいところがあります。

このチャートの中でもダイバージェンスは複数確認できるので、ぜひ探してみてくださいね。

RVIの注意点・懸念点

RVIの使い方について紹介してきましたが、実際に使う際には注意点にも頭に入れて置きたいところです。

トレードにおいて有効活用するために、注意点・懸念点についても見ていきましょう。

相場局面によってはダマシが多発する

RVIの売買サインには、相場との相性があります。

相性の良い相場で使用すれば利益の出せるトレードポイントが分かる一方で、相性の悪い相場で使用すればダマシが多発するかもしれません。

RVIのダマシ

上の画像では、緩やかに下落を描いているものの、強い方向性が出ずに上下を繰り返す相場になっています。

この中でRVIとゼロラインのクロスにより、売買の判断を行っている形です。

しかし、見ての通り「売」が上に「買」が下に来る形になっており、ダマシが連発してしまっています。

このように、RVIの売買サインだけを頼りにトレードを行うのは、ダマシが多発するリスクがあるということは、頭に入れておきたいところです。

単独ではなく他のインジケーターと併用したい

RVIを有効活用するには、売買ポイントの使いどころが大切です。

RVIの場合、トレンド転換狙いでもトレンド継続狙いでも売買ポイントを捉えることができます。

しかし、強いトレンドで明確な方向性が出ている相場においてにトレンド転換狙いのサインを使ったり、方向感のないレンジ相場の中でトレンド継続狙いのサインを使ったりすると、どうしてもダマシが発生しやすくなるわけです。

そのため、トレンドが発生しているのかどうか、相場環境がそもそもどういう状況なのかについて、RVIとは別の角度からも確認しておく方がいいでしょう。

RVIと移動平均線の併用例

上の画像では、インジケーターとして中期と長期の移動平均線とRVIを表示しています。

移動平均線でトレンドの発生を確認して目線を決めて、RVIで細かい売買タイミングを決めるという作戦です。

まず、中期移動平均線が長期移動平均線より上に位置している領域を、薄い黄色で示しています。

この中で2本の移動平均線の両方が上向きとなり、かつ、中期移動平均線に支えられるようにチャートが推移しており、明確な上昇トレンドが発生していると判断できます。

これによって買い目線でのトレードとなり、RVIがシグナルを上抜けするところで買いポジションを持ち、下抜けするところで売りでエグジットしていくわけです。

このように、移動平均線でトレンドの発生を捉えた上でRVIのサインを利用することで、トレードの成功率を高めることができるわけです。

今回は移動平均線を紹介しましたが、インジケーターの特徴を捉えれば組み合わせは無数に編み出すことができます。

様々なインジケーターを勉強してRVIを使った手法を研究していただければと思います。

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豆知識

今回はRVI(Relative Vigor Index)について解説してきましたが、実はRVIと略されるインジケーターには、以下の2種類があります。

  • Relative Vigor Index(相対活力指数)
  • Relative Volatility Index(相対的変動率指数)

両者は計算方法が異なる全くの別物なのですが、「RVI」と言った場合にどちらを指すかが曖昧なところがあります。

ちなみに、MT4でデフォルトで実装されているRVIはRelative Vigor Indexの方です。

一方、TradingViewでデフォルトで実装されているRVIはRelative Volatility Indexの方で、Relative Vigor Indexについては「RVGI」と表記されています。

ただ、日本において「RVI」と言った場合は、Relative Vigor Indexの方が挙げられているケースが多いかもしれません。

こういった状況のためか、特に計算式について、Relative Vigor IndexとRelative Volatility Indexを混同されているケースも多いのが現状です。

2つのRVIの見分け方

Relative Vigor IndexとRelative Volatility Indexをチャートに表示

上の画像では、2つのRVIをそれぞれサブチャートに表示しています。

両者はチャートを見れば見分けることができますが、その際のポイントは以下の2点です。

  • ラインが何本か?
  • 目盛りはどうなっているか?

まずはラインの本数ですが、Relative Vigor Indexは2本のラインで使用し、Relative Volatility Indexは1本のラインで使用するのが一般的です。

そのため、RVIとして使用されているインジケーターのラインの数から、両者を判別することができます。

続いて目盛り(値の範囲)については、今回解説した計算式を見ると分かる通り、Relative Vigor Indexは-1~1の間を動くインジケーターです。(なお、上記画像のインジケーターでは値が100倍されているため、値の範囲は-100~100となっています。)

一方、詳細は後述しますが、Relative Volatility Indexは0~100%の間を動くインジケーターです。

このことから、ゼロラインが出てくるインジケーターはRelative Volatility IndexではなくRelative Vigor Indexと考えることができます。

この他、MT4やMT5、TradingViewであれば、ソースコードを見て計算式を確認することも可能です。

RVIを使う際には、そのインジケーターがRelative Vigor IndexとRelative Volatility Indexのどちらなのか、きちんと見分けた上で使用するようにしましょう。

Relative Volatility Indexの計算式

Relative Volatility Indexの計算式は、RSIとほとんど同じ構造です。

ただし、RSIでは上昇したときの値幅と下落したときの値幅を使って計算するのに対し、Relative Volatility Indexでは上昇したときの標準偏差と下落したときの標準偏差が使われる点が異なります。

ちなみに標準偏差は、例えば試験における偏差値60と偏差値50(平均点)の点差と思っていただければいいでしょう。

では、計算式を見てみましょう。

UPPER=過去M本における「終値>始値(値上がり時)」のSTのM本指数平滑移動平均(値下がり時はゼロとして計算)
LOWER=過去M本における「終値≦始値(値下がり時)」のSTのM本指数平滑移動平均(値上がり時はゼロとして計算)
RVI=UPPER÷(UPPER+LOWER)×100(%)

※各文字の意味は以下を参照のこと
ST:過去N本における終値の標準偏差、N, M:パラメータ

この計算式からは、RVIは0~100%の範囲で推移することが分かります。

ちなみに、過去N本においてずっと値上がりしていた場合はLOWERがゼロとなりRVIは100%に、過去N本においてずっと値下がりしていた場合はUPPERがゼロとなりRVIは0%となる形です。

標準偏差は、過去の値動きが激しいときに大きくなります。

そのため、値上がりしているローソク足が多く、かつ、そのときの標準偏差が大きい上昇相場ほど、RVIは大きくなります。

逆に、値下がりしているローソク足が多く、かつ、そのときの標準偏差が大きい下落相場ほど、RVIは小さくなるわけです。

ということで、ここでは簡単にRelative Volatility Indexの計算式も触れました。

Relative Vigor IndexとRelative Volatility Indexを見分ける際の参考にしていただければと思います。

なお、Relative Volatility Indexについては、以下の記事でも解説しているので、興味がある人はこちらもご覧ください。

用語

  • RVI
  • シグナル
  • 対称加重移動平均
  • 単純移動平均
  • 指数平滑移動平均
  • 四本値
  • 終値
  • 始値
  • 高値
  • 安値
  • ゼロライン
  • ゴールデンクロス
  • デッドクロス
  • ダイバージェンス
  • レンジ相場
  • トレンド相場
  • トレンド転換
  • トレンド継続
  • ダマシ
  • 標準偏差

類似・派生インジケーター

  • ストキャスティクス
  • モメンタム
  • MACD
  • RVI(Relative Volatility Index)
  • RSI

RVIが使えるFX会社/証券会社/仮想通貨取引所

RVIは、以下のFX会社、証券会社、仮想通貨取引所で使用できます。

RVIが使えるFX会社

  • DMM FX
  • GMOクリック証券

RVIが使える証券会社

なし

RVIが使える仮想通貨取引所

  • Coincheck
  • GMOコイン

RVIがMT4/5で使えるか

利用可能

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著者
Runchaテクニカル分析チーム
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日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト|4大監査法人出身者|TradingViewインジケーター開発者|EA開発者|

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監修者
山中康司

有限会社アセンダント

学歴: 慶應義塾大学卒業

著書: 『FXチャート分析マスターブック FX ボリンジャーバンド常勝のワザ』(2013年12月)

来歴: アメリカ銀行バイスプレジデント → 日興シティ信託銀行為替資金部次長を歴任。・金融コンサルティング会社アセンダント設立。金融リテラシー協会代表理事を務める。



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内田 まさみ ラジオNIKKEI
日経CNBCの番組パーソナリティ
経済雑誌多数連載中
山中 康司 金融リテラシー協会 代表理事
アセンダント取締役
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