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FXの確定申告はいくらから必要?利益がなくてもやった方がいい理由と確定申告のやり方!

2023年05月20日 公開 
2024年09月13日 更新
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  • 利益が出ていないから確定申告はしなくてもいいよね
  • 結局10万円ほど利益になったけど、これは申告するべき?
  • セミナーとか書籍とかって経費にできないの?

日々FX取引をしている時に悩んでしまうのは年間の利益に対して「確定申告をするべきか?」です。

自営業やフリーランスの方は毎年必要なことなので特に抵抗はないはずですが、サラリーマンやフリーターの方は年末調整を会社がやってくれています。

そのため確定申告には馴染みがない方がほとんどです。

結論から言えば、FX取引をしているのならば、利益になっても損失になっても確定申告はしておくべきです。

経費が計上できるのはその年だけということもありますが、特に損失が出てしまった場合は損失を繰り越せる仕組みがありますのでそれを有効活用しない手はありません。

この記事ではFX取引の確定申告をするべき理由とその流れを解説していきます。

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利益がなくても確定申告はするべき

FXで利益が出た時は確定申告をして税金を納める必要があることはほとんどの方が理解しています。

しかしFXでは利益が出ていなくても確定申告をするべきです。

これは損失として確定申告をすることで翌年の税金を節税することができるからです。

すこし深掘りしていきましょう。

FXは「投資」という事業である

FXをギャンブルやお小遣い稼ぎの一つだと勘違いしている方もいますが、FXはれっきとした投資であり事業として成立するものです。

事業ですので利益が出る年もあれば損失となってしまう年もあります。

損失となってしまっても確定申告をすることにより翌年以降に赤字を繰り越せる「繰越控除」という仕組みを使うことができます。

経費を計上したら赤字になったということもあるでしょう。

もちろんこの場合も損失を繰越控除できます。

投資という事業をしているときちんと理解して、利益が出ても出ていなくても確定申告をしっかりとする必要があるのはそのためです。

損失の繰越控除とは損失を最大3年間繰越せる制度

損失の繰越控除

国内FX口座や先物取引で損失が出てしまった場合、最大で3年間の損失の繰越が認められています。

損失が出てしまった年に確定申告をしておけば、3年先までのFXや先物取引の利益から損失分の金額を相殺することができます。

例えば、1年目に100万円の損失、2年目に20万円の利益、3年目に30万円の利益、4年目に40万円の利益、5年目に50万円の利益が出たとします。

1年目の損失時に確定申告をしていなかった場合、2年目以降の利益に対して20.315%の税金がかかります。

一方、1年目の損失時から確定申告をし繰越控除を受けた場合、2年目の利益は1年目の損失分と相殺され赤字とみなされるので、利益の20万円に対する税金は0円になります。

3年目の30万円の利益も損失繰越控除の残り80万円分から相殺され、3年目の30万円の利益に対する税金も0円です。

4年目の40万円の利益も損失繰越控除の残り50万円分から相殺され、4年目の40万円の利益に対する税金も0円です。

5年目は損失の繰越金額が10万円残っていましたが繰越控除の期間は3年間なので繰越は適用されず、5年目の税金は50万円に対して課税されます。

上記の例だと、損失の確定申告をしなかった方の税金は5年間で約282,100円、損失の確定申告をした方の税金は5年間で約101,575円。

約2.5倍のこの差は大きいです。ただし海外FX口座は税金の区分が違うため「繰越控除適用外」となります。

FXで確定申告が必要な利益額は20万円

FXの書類イメージ

会社員の場合、FXで利益が出ていても20万円未満であれば確定申告の必要はありません。

また、専業主婦や学生など誰かの扶養に入っているのであれば、48万円未満は確定申告をする必要はありません。

自営業やフリーランスの方は毎年ご自身で確定申告をしているはずですので、合わせて申告しておきましょう。

FXの利益は年間の総利益ー経費で算出しますので、何を経費に使ったのかを記録したり領収証を保管しておかなければいけません。※経費については後述します

計算後の利益が20万円以上あるにも関わらず確定申告を怠った場合、最大で20%の「無申告加算税」や最大で14.6%の「延滞税」がかかりますので必ず行いましょう。

利益がなければ確定申告をするかどうかは本人次第

FXの利益が20万円に満たない場合は、法律的に義務ではないため確定申告をするかどうかは本人次第となります。

ただし、繰越控除を受けている場合は、たとえ20万円未満であっても確定申告をしておかないと「繰越控除適用外」となってしまいます。

忘れないためにも一度確定申告をしたなら毎年必ずするようにしておきましょう。

損益通算とは複数口座の損益を合算できる制度

損益通算

FXの利益は、先物取引に係る雑所得等に分類されます。

同じ分類に属する取引で出た損失をFXの利益と相殺することができる制度です。

先物取引に係る雑所得等に分類されるのは国内FX口座、先物取引、オプション取引などです。

例えば1年間の損益が、A社のFX口座では年間で100万円の利益がでましたが、B社の先物口座では60万円の損失が出ていたとします。

この場合、両方の口座の損益を合算して申告しなくてはいけません。

これを「損益通算」と言います。

もちろん、2つ以上の国内FX口座の損益もまとめることができます。

国内口座と海外口座で変わる課税区分

国内FX口座は雑所得の中の先物取引に係る雑所得等に分類されるので税区分は「分離課税」です。

給与などの所得とは別に分離して税金が計算されます。

一方、海外FX口座は「その他の雑所得」に分類され「総合課税」が適用されます。

給与などと合算してその合計額に対して税金がかかる累進課税制度です。

残念なことに税金の区分が違うので、国内FX口座と海外FX口座では損益通算はできません

つまり海外FX口座で100万円の損失、国内FX口座で100万円の利益だとしても損益通算ができないため、国内FX口座での利益全額に対して税金がかかることになり確定申告が必要になります。

ここは間違えないようにしましょう。

FXをするために必要な費用は経費として認められる

FXで取引を行う際にかかった費用は、事業を行う際に必要な経費として利益から差し引くことができます。

例えば取引を行うために購入したPC、知識を得るために購入した書籍なども経費として計上できる可能性があります。

とはいえなんでも経費にできるというわけではありませんので、FXで取引をするために必要だったということを証明できる領収証は必須です。

家賃や電気代も経費として計上できる可能性がある

結論から言うと家賃や電気代も経費として計上できる可能性はあります

計上できるのはFXで使用した分だけなので、割合や使用頻度で計算してその額を算出します。

しかし普段の生活で使用する分とFXで使用する分を明確に分けることは難しいところです。

<トレード専用の部屋がある>

<FXを始める前と始めた後の電気代の変化を証明できる>

など経費として申請後に本当かどうかを証明する必要があります。

経費として認められる項目

FXで経費として認められるものは数多くあります。

可能性があるものは以下の通りです。

  • PCなど取引に使うハードウェア
  • PCの周辺機器
  • インターネットの通信費やモバイルルーターの契約料
  • FX関連の書籍や経済新聞などの購入代金
  • セミナーなどの参加費と宿泊代や交通費
  • 取引ソフトや検証ソフトなどの購入代金
  • FX専用の机や椅子などの家具備品
  • 鉛筆やノートなどの学習用の文房具類
  • 家賃(割合分)
  • 電気代(割合分)
  • 書類作成のための税理士費用
  • FXの情報を収集するための会議や会合の飲食代

必ず認められるものではありませんが、領収証などをこまめにもらって保管しておくことを癖づけておきましょう。

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確定申告の流れ

確定申告を初めてする方はどうしていいか見当もつかないはずです。

ここでは細かい解説は省きますが、初めて確定申告をする方が提出するまでの大まかな流れを解説していきます。

何を準備してどんなことを記入して、なにを提出するのか一緒に確認していきましょう。

手順① 確定申告の書類を手に入れる

確定申告書類1
確定申告書類2

確定申告をするには専用の提出書類が必要になります。

その書類は全部で4つです。

  • 確定申告書B(第一表/第二表)
  • 申告書第三表(分離課税用)
  • 先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書
  • 申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)

これらは毎年1月以降に最寄りの税務署の窓口でもらえたり、国税庁のHPからダウンロードすることができます。

なお申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)は損失がある場合の確定申告でのみ使用しますので、利益がある状態での確定申告ならば必要ありません。

手順② 添付する書類を準備する

年間損益報告書/源泉徴収票

FXの確定申告をする場合は年間の取引明細が必要になります。

FX取引の明細書は提出する訳ではありませんが、損益の金額を転記したり万が一明細書の提出を求められたときには提出する必要があるので準備をしておきます。

準備する書類は以下の2点です。

  • 年間損益報告書
  • 給与所得者は源泉徴収票

年間損益報告書はお使いのFX会社のHPからダウンロードできます。

FX会社によっては<期間取引明細書>となっている場合もありますが、同じものですので気にせずダウンロードして印刷、または保存しておきましょう。

複数のFX口座で取引をされている場合は全てのFX会社から損益報告書をダウンロードして損益通算しておく必要があります。

また給与所得者はお勤めの会社から発行される源泉徴収票を添付する必要があります。

ペーパーレス化により、紙媒体での発行をしていない会社もありますのでこちらもダウンロードして印刷、または保存しておきましょう。

また、マイナンバーも必要になりますので、個人番号カードまたはマイナンバー通知カードも用意しておきましょう。

手順③ 申告書B(第二表)を記入する

まずは転記だけで完結する申告書B(第二表)から記入することをお勧めします。

基本的に源泉徴収票に記載されている金額や生命保険会社から送られてくる「生命保険料控除証明書」に記載されている金額を転記するだけです。

生命保険料や地震保険料に関しては、源泉徴収票に記載の金額は控除額なので間違えて記入しないように注意しましょう。

手順④ 先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書を記入する

申告書B(第一表)には税金の項目があるので先にこちらを記入することをおすすめします。

FX会社からダウンロードした<年間損益報告書>を見ながら記入をしていきましょう。

ここで経費などを計上することで、ご自身のFXによる年間の所得金額が確定します。

手順④−2 年間取引が損失の場合は申告書付表を記入する

ここで先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書がマイナスになっている場合は申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)の記入を行っておきます。

この後に記入する申告書B(第三表)にて翌年に「翌年に繰り越される損失の金額」の項に転記しますので、先に作ってしまいましょう。

手順⑤ 申告書第三表(分離課税用)を記入する

先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書が書き終われば分離課税の税金の計算ができますので、申告書第三表の記入ができます。

税金の計算部分は国税庁のHPで計算ができますので、そちらを参考にしながら行いましょう。

手順⑥ 申告書B(第一票)を記入する

ここまできたらあと少しです。

申告書B(第一票)の左側は源泉徴収票を見ながら埋めていきます。

申告書B(第一票)の右側は申告書第三表(分離課税用)を見ながら埋めていきます。

損失がある場合は申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)を見ながら埋めていきます。

全て記入を終えたら、最後に記入漏れがないか確認をしておきましょう。

手順⑦ 提出する

お疲れ様でした。

全ての記入が終われば、あとは最寄りの税務署へ提出するだけです。

提出方法は

  • 税務署で直接提出
  • 税務署へ郵送で提出
  • e-Taxで提出

の3つです。

特にe-Taxはインターネット上で完結しますし、マイナンバーカードの発行が終わっていればスマホで提出することもできます。

提出が終わればあとは受理されるのを待つだけです。

まとめ:本来払わなくていい税金は自分で削減しよう!

FXで一定額以上の利益が出た時は確定申告をしなければいけませんが、利益が出ていない時に確定申告をするかどうかは本人次第です。

しかし損失だったとしても確定申告をすることで翌年以降の利益に対して節税ができるのです。

国が認めている損失繰越控除を有効利用して本来払わなくてもいい税金を削減することで、利益を最大化し収入を上げることができます。

利益もないのに手順が多くて面倒臭いからこそ多くの方が損をしているのです。活用できるものは全て活用して利益を確保するのは事業として当たり前のことだと認識しましょう。

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著者
Runchaテクニカル分析チーム
チーム紹介ページ

日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト|4大監査法人出身者|TradingViewインジケーター開発者|EA開発者|

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監修者
山中康司

有限会社アセンダント

学歴: 慶應義塾大学卒業

著書: 『FXチャート分析マスターブック FX ボリンジャーバンド常勝のワザ』(2013年12月)

来歴: アメリカ銀行バイスプレジデント → 日興シティ信託銀行為替資金部次長を歴任。・金融コンサルティング会社アセンダント設立。金融リテラシー協会代表理事を務める。



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『ユーザーの新しい挑戦や、ワクワクの手助けができるサービス作り』をビジョンに、投資を始めたい人・よくわからない人の支えになるようなFX初心者ガイドや、トレード練習アプリを運営しております。
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内田 まさみ ラジオNIKKEI
日経CNBCの番組パーソナリティ
経済雑誌多数連載中
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