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FXの利益は全部自分のものじゃない!翌年慌てないためのFXの税金と計算方法!

2023年05月13日 公開 
2024年09月13日 更新
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  • FXで得た利益って申告しないといけないの?
  • 負け越したから何もしなくていいよね?
  • 収めた所得税が返ってきたりするの?

少しでも生活を楽にしたいと始めたFXを副業として始める方は増えています。

一方で利益が出ているにもかかわらず申告をし忘れていまい後から大きな追徴課税通知が来たり、申告をしなかったことにより実は返還されるはずの税金があったなど税金に関するトラブルは後を絶ちません。

FXで得た利益は全額自分のものではないということを税金の勉強を通して知ること。

経費を計上することで収める税金が安くなること。

税金について知ることは、FXをする上で利益を確保するために必要な知識なのです。

この記事では翌年慌てないためのFXにかかる税金と計算方法などを解説していきます。

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FXの利益には税金がかかる!

FX取引で出た利益は所得として扱われるため課税対象となります。

どんな税金に区分され、どれぐらいの税金が取られるのか確認していきましょう。

FXの税金区分

FX取引で使用している口座が、国内口座なのか海外口座なのかによって税金の区分が変わります。

自分が利用している口座がどちらに分類されるのか確認しておきましょう。

国内FXの場合は「先物取引に係る雑所得等」に区分

国内FX口座で出た利益は雑所得の枠組みに入りますがその中の「先物取引に係る雑所得等」という特別な区分に分類されています。

これは給与など他の所得とは合算せずに分けて税額を計算する申告分離課税となります。

先物取引やオプション取引と同じ特別な区分に分けられます。

海外FXの場合は「雑所得等」に区分

海外FX口座で出た利益は国内と同じ雑所得の枠組みですが特別扱いとなりません。

そのため給与などと合算して計算される「総合課税」となります。

仮想通貨取引やアフィリエイト、転売やせどりなどと同じ区分ということです。

FXの利益に対する税率

税金区分が違うということは税率も違うということです。

どちらが有利なのかよく議題にあがりますが、まずはその内訳を確認しましょう。

国内FXの場合は一律20.315%

国内FX口座の場合どれくらいの利益が出たかに関わらず、一律20.315%が所得に対して課税されます。

内訳は

  • 所得税15%
  • 住民税5%
  • 復興特別所得税0.315%
    (2037年12月31日まで)

の合計20.315%です。

これは国内FXで得た利益に対してではなく、経費を差し引いた所得に対して課税されます。

海外FXの場合は累進課税制度が適用される

海外FX口座の場合は総合課税なので、所得額によって税率が変わる累進課税制度が適用されます。

所得額によって5%から45%の税率に加え、住民税の10%が加算されるので最大55%となります。

こちらも利益ではなく経費を差し引いた所得に対しての課税です。

ポイントは超過した分にのみ累進課税が適用されるということです。

一定の金額を超えてしまうと全額に対してその課税額になるというわけではないので注意しましょう。

累進課税の一覧表は以下の通りです。

また、実際の課税時には下記の税率に住民税の10%がプラスされます。

対象となる所得額税率控除額
0円~1,949,000円5%0円
1,950,000円~3,299,000円10%97,500円
3,300,000円~6,949,000円20%427,500円
6,950,000円~8,999,000円23%636,000円
9,000,000円~17,999,000円33%1,536,000円
18,000,000円~39,999,000円40%2,796,000円
40,000,000円以上45%4,796,000円

よくある税金計算で海外FXの方が330万円の利益までは有利と言われますが、実際は言葉が足りません。

海外口座は総合課税なので給与をもらっている場合、給与所得と合わせて330万円未満なら有利ということです。

もし年間所得が240万円ならば、海外FXを含めた雑所得の合計額が「110万円」を超えた時点で国内FX口座よりも不利な税率になるということです。

国内FXと海外FXの税金の違い

対象となる利益は為替差益とスワップポイント

FXの利益として判定されるものは

  • 売買を通して得た為替差益
  • スワップポイント

の2点です。

スワップポイントの申告を忘れる方が多いので注意しましょう。うっかり忘れてしまったとしても未申告の所得として追徴課税の対象となります。

FXの税金の計算方法

FXの経費の考え方

では実際に税金を計算してみましょう。

税金の計算には年間の利益額の他に実際にかかった経費額が必要になります。

利益から経費を引いた金額に税金がかかる

税金の計算方法は次のとおりです。

年間の利益額 − 必要経費 = 課税所得

まずはこの経費を計算しなくてはいけません。

経費として認められるものは

  • 自宅の家賃や光熱費の一部
  • 取引ツールやパソコンなどの購入代
  • インターネットなどの通信費
  • 取引や入金にかかった手数料
  • 勉強のための新聞や書籍代
  • セミナーや勉強会などの参加費
  • 会場までの旅費交通費
  • ノートや筆記用具などの消耗品費

などです。

経費にできるポイントはFX取引で利益を出すために使用したことが明確であることです。

領収書はもちろん但し書きなども重要です。

特に家賃やパソコンなど普段の生活でも使用するものは占有範囲の計算や利用時間の記録などもとっておきましょう。

税金の計算例

経費の計算が終わればあとは税率をかけていくだけです。

国内FX口座と海外FX口座で同じ金額で計算してみましょう。

一体どちらが有利になるのでしょうか。

※計算結果は概算です。

計算例
年間利益額 300万円
必要経費  30万円
給与所得額 280万円
(控除を引いた後の金額とします)

国内FX口座の場合

国内FX口座は申告分離課税ですので年収額に関わらず計算ができます。

(300万円 − 30万円 = 270万円 )× 20.315%

 (年間利益)  (必要経費) (課税所得)     (税率)

= 548,505円

(収める税金額) 

となり「548,505円」が今回の例の税金額となります。

計算方法はいたって単純です。

海外FX口座の場合

海外FX口座は総合課税ですので給与所得額にFXでの所得を上乗せして計算します。

超過累進課税となるので超えた分だけに対して累進課税となります。

3,299,000円 - 280万円 = 499,000円

(累進課税第1層額) (給与所得)(累進課税第1層分残額)

(300万円 − 30万円 = 270万円)- 499,000円 

 (年間利益)   (必要経費) (課税所得) (累進課税第1層分課税所得)

= 2,201,000円

(累進課税第2層分課税所得)

499,000円 × (10% + 10%)= 99,800円

(累進課税第1層    (累進課税)(住民税)(累進課税第1層所得税)

2,201,000円 × (20% + 10%)= 660,300円

(累進課税第2層)     (累進課税)(住民税) (累進課税第2層所得税)

99,800円 + 660,300円 = 760,100円

(累進課税第1層所得税)(累進課税第2層所得税)       (収める税金額)

となり「760,100円」が今回の例の税金額となります。

少しややこしいですが、日本で適用されている累進課税制度は超過累進課税なのでこういった計算が必要になります。

つまり一定の金額を超えた部分にのみ新しい税率が適用されているので、単純に全ての金額に超過累進課税が適用されているわけではないということです。

兼業の方はすでに給与所得に対しては累進課税分が天引きされていますので、FXの利益分だけを収めますが、実際はこのような計算がされていることを覚えておきましょう。

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他の投資をしていれば損益通算ができる

FXの税金区分で他の投資案件や報酬案件には何があるかに簡単に触れました。

その理由は、他の投資をしていれば損益通算をすることができるからです。

損益通算とは複数口座の損益を合算できる仕組み

損益通算

損益通算とは、FX取引出てた損益を他の投資案件などの損益と通算して計算することができる仕組みです。

例えば国内とFX口座で100万円の利益、現物先物取引で50万円の損失だった場合、損益通算することで50万円の利益となります。

損益通算した金額から経費を引いた額が課税所得となります。

もちろん複数のFX口座を損益通算することもできます。

損益通算できるのは同じ税区分の損益のみ

複数のFX口座を損益通算することができると書きましたが、これは同じ税区分の間でだけとなります。

つまり先物取引取引に係る雑所得等に区分される国内FX口座と雑所得に区分される海外FX口座では損益通算できないということです。

一方、海外FX口座の損益と暗号資産の損益は同じ区分なので損益通算することができます。

ここは間違えずに覚えておきましょう。

損益がマイナスなら繰越控除を使おう

損失繰越控除

損益通算や経費計算後に損失となってしまうこともあるでしょう。

本来、利益がないので確定申告の必要はありません。

しかし損失でも確定申告をし損失の繰越控除という仕組みを使うことで、翌年以降3年間の利益と相殺することができます。

利益がない時の確定申告は面倒ですが、ちゃんと認められた節税方法ですのでやっておいて損はありません。

FXの税金は他の投資と比べて高いのか?

ここまでFXの税金についてみてきましたが、他の投資と比べて税率は高いのでしょうか。

あまりに不利な税率であるならばあえてFXを選ぶ理由はなくなってしまいます。

株式取引の税金は国内FX口座と同じ税率

株式取引で得た利益にかかる税金は2つに分けられます。

売買によって得た利益にかかる「譲渡益税」と、配当によって得た利益にかかる「配当課税」です。

どちらにも所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%の計20.315%が課税されます。

譲渡益税は国内FX口座と同じ申告分離課税になり、自分で確定申告をする必要があります。

配当課税は源泉徴収課税となるので利益が配当される時にすでに税金が引かれています。

これは国内FX口座と同じ税率で計算されています。

譲渡益がなく配当のみの場合はすでに税金は引かれているので確定申告は義務とはなりません。

仮想通貨取引の税金は海外FXと同じく総合課税

仮想通貨での取引で得た利益は、雑所得に区分され海外FXと同じく総合課税となります。

そのため得た利益は給料などの他の所得と合算され累進課税で課税されます。

雑所得での注意点は、例えば仮想通貨での利益が20万円に届いていなくても他の雑所得との合計額が20万円を超えている場合は確定申告が必要という点です。

仮想通貨に加えて海外FXやアフィリエイトをしている場合は、合計利益額で申告が必要かどうか決まりますのできちんと計算しておきましょう。

不動産投資の税金は所得の種類によって税区分が異なる

不動産運用での利益は「不動産所得」に分類されますが、考え方は仮想通貨の雑所得と同じで総合課税となります。

つまり他の所得と合算して累進課税で課税されるということです。

さらに「固定資産税」や「都市計画税」、「個人事業税」もかかります。

ただし、運用ではなく売買だった場合には「譲渡所得」となり分離課税となり、他の所得とは分けて課税されます。

こちらには「登録免許税や印紙税」などが追加でかかります。

こうやって他の投資案件の税率を見ているとFXの税金は他と比べて安い部類に入るのではないでしょうか。

海外FX口座は税金面で優遇されていないことに要注意!

ハイレバレッジで取引ができるとあって人気のある海外口座ですが、国内FX口座に比べて税金面で優遇されていないことは各項の中ですこしだけお伝えしてきました。

ここでは海外FX口座に絞って注意点をもう一度確認しておきましょう。

国内FX口座と海外FX口座は損益通算できない

損益通算はFXや株式投資など雑所得間の年間の利益や損失を合算して申告できる制度です。

この制度を使えば利益が出た事業と損失の出た事業の損益を合わせることができるので節税にもなります。

ただしひとまとめにできるのは同じ区分の雑所得だけという制限があります。

残念ながら国内FX口座は「先物取引にかかる雑所得等」に区分され、海外FX口座は「その他の雑所得」に区分されるので双方の口座の損益を損益通算することはできません

例え国内FX口座で負けていても海外FX口座で利益が出ていればその全額が課税対象となります。

国内と海外を両方使っている方は覚えておきましょう。

海外口座のマイナス分は繰越控除できない

損失の繰越控除はその年に出た損失を最大で3年間繰り越せる制度です。

翌年に出た利益と相殺できるので大きな節税効果を生むことができます。

しかし、海外FX口座はその他の雑所得に区分されますので損失繰越控除の対象外となります。

今年に大きな損失を出してしまっていても、来年利益が出てしまえば税金は通常通り課税されるということです。

海外FX口座を使っている方はココをしっかりと理解しておきましょう。

海外口座の利益は累進課税で計算される

海外FX口座で得た利益は「その他の雑所得」に区分され「総合課税」として扱われます。

総合課税は給与などの他の収入と合算されて計算される累進課税で計算されます。

そのため例えば給与所得が300万円であった場合、海外FXで100万円の利益しかなくても合算されて400万円の所得として税金は計算されます。

国内FX口座と違い独立して計算されるわけではないので覚えておきましょう。

注意点として年間運用損益がマイナスの場合でも給与所得などと相殺することはできないので、利益が出た時だけ課税され損失の場合は何も恩恵は受けられないことです。相殺できるのはアフィリエイトなどの副業収入や公的年金受給など同じ雑所得に区分される所得のみですので併せて覚えておきましょう。

まとめ:確定申告をしよう!

ここまでFXの税金についてお伝えしてきました。

まとめてみましょう。

  • FXに対する税金は経費を引いた分に課税される
  • 国内FX口座の利益に対する税率は一律「20.315%
  • 国内FX口座の損失は3年間繰越控除できる
  • 国内FX口座は株式取引などと損益通算できる
  • 海外FX口座は給与所得などと合算して累進課税で計算される
  • 海外FX口座の損失は繰越控除できない
  • 海外FX口座は仮想通貨やアフィリエイトなどと損益通算できる
  • 国内FX口座と海外FX口座では損益通算できない

ざっくりまとめると以上のようになります。

ただしこれは年間の損益がプラスでもマイナスでも確定申告をした場合に限ります。

特に国内FX口座で取引をしている方は受けられる税制優遇が大きいので確定申告は必ず行うようにしましょう。

所得申告については書類や資料が揃っていれば過去に遡って申告することができますが、経費は過去に遡れませんので該当年に確定申告をする必要があります。

少しでも利益を残すためにも面倒臭がらずに毎年確定申告は行うべきです。

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著者
Runchaテクニカル分析チーム
チーム紹介ページ

日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト|4大監査法人出身者|TradingViewインジケーター開発者|EA開発者|

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監修者
山中康司

有限会社アセンダント

学歴: 慶應義塾大学卒業

著書: 『FXチャート分析マスターブック FX ボリンジャーバンド常勝のワザ』(2013年12月)

来歴: アメリカ銀行バイスプレジデント → 日興シティ信託銀行為替資金部次長を歴任。・金融コンサルティング会社アセンダント設立。金融リテラシー協会代表理事を務める。



所有者
株式会社アドバン

『ユーザーの新しい挑戦や、ワクワクの手助けができるサービス作り』をビジョンに、投資を始めたい人・よくわからない人の支えになるようなFX初心者ガイドや、トレード練習アプリを運営しております。
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内田 まさみ ラジオNIKKEI
日経CNBCの番組パーソナリティ
経済雑誌多数連載中
山中 康司 金融リテラシー協会 代表理事
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