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「今、ビットコインを買いますか?」
そう聞かれたときにあなたはどのような反応をしますか。
- 今は買える状況じゃないよ…
- 規制が厳しくなってるからまだ下がるんじゃない?
- これだけ下がったんだから買い時でしょ!
様々な意見があるでしょう。
しかしビットコインの歴史を紐解いていけば、今後ビットコインが上がるのか、下がるのかご自身で判断できるようになります。
この記事ではビットコイン過去10年の大きな値動きに対して、どのような出来事がその大きな価格変動を起こしたのかに注目して詳しく解説していきます。
過去を知り未来を予想することはトレードにおいて重要な分析力のひとつです。
そろそろ上がりそう、まだまだ下がりそうという曖昧なトレードからまずは脱却していきましょう。
目次
ビットコイン(BTC)の価格推移と歴史
仮想通貨(暗号資産)の代名詞でもあるビットコイン。
その歴史の全ては「ビットコインのチャート」に現れています。
まずは大まかな流れを月足チャートで確認し、各年代の急騰急落についてその歴史を紐解いていきましょう。
月足チャートで見るビットコインバブル
2008年10月に「satoshi nakamoto」と名乗る人物が「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」というビットコインの論文を発表。
リーマンショックをきっかけに、中央銀行を介さない非中央集権型の通貨を提案しました。
それから15年、ビットコインは何度もバブルが起こり価格は高騰しては暴落を繰り返してきました。
過去にどのようなビットコインバブルがあったのか、まずは大まかに確認していきます。
2011年第1次ビットコインバブル
米タイムズ誌でビットコインの特集が組まれました。
これにより注目が一気に集まり2010年には1ドル程度だったビットコインの価格は一時31ドルまで高騰しました。
その後ハッキング被害が起こりビットコインに対するセキュリティへの不安からバブルは終息します。
2013年第2次ビットコインバブル
欧州のキプロス共和国の金融危機により法定通貨の信用問題が発生。
中央銀行への不信感から「非中央集権型の通貨」であるビットコインに注目が集まり、欧米諸国や中国の多くの投資家が法定通貨をビットコインに交換しました。
これにより年初に30ドル付近で推移していたビットコインの価格は1200ドルを超える高騰。
国内でもNHKが特集を組むなど盛り上がりを見せました。
2017年第3次ビットコインバブル
いわゆる仮想通貨元年と呼ばれる年です。
ビットコインの需要の高まりを受けて取引スピードの遅延や手数料が高騰していました。
これを改善するためにハードフォークが行われビットコインキャッシュが誕生しています。
ICO(新規仮想通貨公開)も多く行われ年初に1000ドル付近だった価格は20000ドル近くまで上昇しましたが、詐欺などの横行もあり被害が多く出た年でもあります。
※ハードフォークとは
ハードフォークとは仮想通貨の仕組みであるブロックチェーンの仕様変更やアップデートを行う際に、ひとつの仮想通貨を2つ以上に分けることを指します。
仮想通貨は不特定多数のコミュニティ参加者で運営されており、仕様変更やアップデートの際に意見が対立することがあります。
その際にどちらか一つの意見を通すのではなく反対側の意見を取り入れた仮想通貨も作成し、両方とも存続させていくというものです。
こうしてあたらしい仮想通貨が生まれます。
2021年-2022年第4次ビットコインバブル
長い間小康状態だったビットコインですが、マイクロストラテジー社が米国上場企業として初めてビットコインを購入したことや、ペイパル社が決済通貨として導入したことでブームが再燃。
多くの投資家の参入のきっかけになりました。
その後テスラ社が15億ドルのビットコイン購入のニュースなどを受けて更に急騰。
60000ドルを超える価格まで上昇することになります。
急騰!急落!変動の裏にはいつもきっかけがある!
ビットコインの乱高下に対する大まかな歴史は上記のチャートで確認できました。
ここからは過去10年で急騰や急落が起きたときに何が起こっていたのかを細かく確認していきましょう。
歴史を知ることでこれからビットコインがどうなっていくのかのヒントになるかもしれません。
①2013年3月 キプロス危機によるユーロ信用問題
ヨーロッパ地中海東部に位置する四国の半分ぐらいの大きさしかない島国、キプロス共和国の銀行が財政難となりEUに支援を求めた一連の流れがキプロス危機です。
キプロスに対してEUが打ち出した救済案は、100億ユーロを支援する代わりにキプロスの銀行預金すべてに課税を行うというものでした。
これが金融市場にとって「ネガティブサプライズ」となり乱高下の引き金に。
結局この案は否決されましたがユーロなどの法定通貨の価値に不安が集まり、ビットコインなどの仮想通貨が買われ、上へ下へ大混乱を巻き起こしました。
②2013年10月 百度(バイドゥ)がビットコインの決済を採用
中国のネット検索大手百度(バイドゥ)が決済通貨にビットコインを導入したのをきっかけに中国人投資家による投資目的の購入が一気に加速しました。
これにより110ドル前後だったビットコイン価格は1200ドルを超えることに。
わずか2ヶ月の間に価格が10倍以上になるという急騰となりました。
③2013年12月 中国政府によるビットコイン禁止が発表
加速を続けていたビットコインに待ったの一声が中国政府から発表されました。
マネーロンダリングが行われた可能性があるとしてビットコインを使った決済や両替が金融機関で全面的に禁止に。
これにより1100ドル以上あったビットコインの価格はわずか2週間で400ドル付近まで下落。
最高値から60%もの下落をわずか2ヶ月の間に記録しています。
④2014年2月 マウントゴックス事件発生
暗号資産取引所である「マウントゴックスがハッキングされ85万ビットコイン(当時の市場価格で470億円相当)が盗まれる事件」が発生しました。
これによりマウントゴックスは破綻し中国政府禁止令から持ち直していたビットコインの価格は再度400ドル付近まで下落。
顧客資金も28億円ほど消失するという事態になりました。
⑤2014年5月 ビットコイン人気再来
マウントゴックスは破綻しましたが、仮想通貨の人気は衰えず4月・5月と新たな取引所がいくつも新設されました。
そのような中、アメリカ大手旅行会社エクスペディアがビットコインを決済通貨として採用。
その後大手IT企業のDELLやマイクロソフトも相次いでビットコインでの決済採用を発表しました。
多くの取引所が新設され信用性のある企業がビットコインを決済通貨として採用したことにより価格は670ドルまで一気に上昇します。
⑥2015年10月 欧州司法裁判所が支払い手段として認める
同年6月にアメリカニューヨーク州の金融サービス局が、仮想通貨の取り扱い業者を免許制とする
「Bit License」を導入しました。
さらに同年10月に欧州司法裁判所が、ビットコインの売買は欧州付加価値税(VAT)の適用対象外であるとの見解を発表。
これによりビットコインが正式に支払い手段として認められることになり、ビットコインの価格は一時490ドルまで回復しました。
※付加価値税とは
EU加盟国に導入が義務付けられている間接税で、日本で言うところの「消費税」にあたります。
商品やサービスに課税される仕組みなので、ビットコインが適用外になったことは「商品ではなく通貨として認められた」という解釈となります。
⑦2015年12月 Coinbaseがビットコインの先物取引を開始
仮想通貨の大手取引所であるCoinbaseが「シカゴ・オプション取引所」「シカゴ・マーカンタイル取引所」にてビットコインの先物取引を開始しました。
これを受けてかビットコインの価格は同年10月につけた最高値まで上昇します。
⑧2016年7月 2回目の半減期を迎える
約4年に1回の周期で訪れるとされるビットコインの半減期を迎えマイニング報酬が25BTCから12.5BTCに。
直前の6月に400ドル付近だった価格は750ドルまで高騰。
その後半減期を迎え価格は急落し、そこから徐々に回復していくという乱高下の2ヶ月となりました。
⑨2017年1月 中国当局による取引所立入検査と規制発表
2016年年末に向けて国内でも多くの仮想通貨取引業者がCMを流し盛り上がりを見せていました。
「仮想通貨元年」の始まりです。
価格は1100ドルを超え、この時期にビットコインを保有していた方は大きな含み益を持っていたはずです。
しかし年明け銀行業務開始日の1月4日。
各業者へ銀行からの振込が着金し、多くの方がビットコインを買い増ししたであろう価格の上昇が見えた翌日、中国当局による仮想通貨取引所への立入検査が行われたことが背景とされる暴落が発生。
わずか2日で880ドルまで下落しました。
これを見た多くの方は価格が戻るのを期待していたはずですが4日経っても価格は戻らず、5日後に再下落への警戒売りで780ドルまで再下落します。
⑩2017年3月 ビットコインのETF化がSECにより却下
ビットコインの価格が初めて1200ドルを超えデジタルゴールドともてはやされた直後、期待されていたETF化がSEC(アメリカ証券取引委員会)によって却下となりました。
これにより失望売りで300ドル以上も暴落。
しかしその後大きく上昇し6月には2900ドルを超えるまで急騰しました。
⑪2017年9月 チャイナショック!中国政府がICOを全面禁止に
ICO(仮想通貨による資金調達)の詐欺が横行していたことで中国政府はICOを違法行為として全面禁止に。
さらに中国国内の主要取引所が閉鎖されるなど中国関連の悪いニュースでチャイナショックとなりました。
このときビットコインは4900ドル近くまで上昇していましたが、わずか2週間で2000ドル近い暴落を記録しています。
しかしすでにビットコイン保有者の多くが日本人であったため影響は限定的で、暴落後すぐに価格は持ち直すなど底の硬さを見せました。
⑫2017年10月 仮想通貨業者11社が金融庁に登録完了を発表
チャイナショックからの立ち直りの早さに加えて、仮想通貨取引所の金融庁登録の発表を受けて資金が大きく流入しています。
10月1日には4300ドルだったビットコイン価格は、2ヶ月半後の12月16日には19000ドルを記録しています。
12月にシカゴ・オプション取引所にビットコイン先物が上場し、機関投資家の参入も相まって加速的に上昇しました。
この頃に「億り人」と呼ばれる仮想通貨で財を成した人たちが登場し始めます。
⑬2018年1月 仮想通貨バブル崩壊
2017年末にかけても利益確定と思われる一定幅の下落が確認できますが、その後年が明けても価格が高値を超えられず「上値が重いと見た投資家の利益確定の波」が押し寄せました。
年初には17000ドルだった価格も7000ドルを下回り、過去最大級の大暴落が発生しています。
1月に大手SNSであるFacebookが仮想通貨の広告を禁止したことを筆頭に、3月にはGoogle、Twitterも仮想通貨の広告掲載を禁止を発表し、仮想通貨のバブルは終焉を迎えます。
⑭2018年11月 ビットコインキャッシュのハッシュ戦争
ビットコインから派生した仮想通貨であるビットコインキャッシュのハードフォークで、意見の対立による混乱が起こり、その余波を受けてビットコインが暴落しました。
本来はビットコインキャッシュも中央集権を避けるために反対意見が出た場合、ハードフォークで投票が行われ分裂します。
しかしあまりにも意見が食い違いすぎたことで、反対勢力を力で抑えようと主導権争いが起こりました。
これを「ハッシュ戦争」と呼びます。
※ハッシュ戦争とは
ハードフォークは本来、開発者の意見が食い違ったときはそれぞれのブロックチェーンに分裂しお互いにコインをもらって終了します。
今回は分裂後のハッシュ(投票権)を多く集めた方が「生き残る」としたことで、本来の非中央集権が守られていないとして市場に混乱が起こり暴落となりました。
⑮2019年3月 金商法と資金決済法の改正案が閣議決定
金商法と資金決済法の改正により顧客資産の保護や不当な価格操作など不正行為の禁止、利用者の優先弁済権などが多く盛り込まれました。
そして改正により日本での仮想通貨の呼称が「暗号資産」に統一されることになりました。
この影響かはわかりませんが、4月以降6月末にかけてビットコインの価格は13000ドルまで回復します。
⑯2019年9月 Bakkt社が先物参入も出来高伸びず市場は失望感
暗号資産の取引プラットフォームであるBakkt社がビットコインの先物取引に参入しましたが、反応は限定的となり出来高は伸びず。
市場に失望感が広がりビットコインの価格を下げた可能性があるとして取り上げられました。
⑰2019年11月 中国銀行による取り締まり強化が発表される
未だ中国国内での仮想通貨取引の過熱感が冷めないことを受け「暗号資産取引の撲滅に向けて監督を強化する」と中国銀行が発表。
また中国政府が三回目の規制強化を発表し、捜査を受けた大手取引業社の支店が閉鎖となるなどの影響を受け、ビットコインの価格は一時7000ドルを割り込みます。
⑱2020年3月 コロナパンデミックによるブラック・サーズデー
コロナウイルスによる世界同時株安の影響ですべての資産が売られました。
投資家による資産の現金化も相まって、安全資産であるはずの金やビットコインも軒並み下落。
特に3月12日は「ブラック・サーズデー」と呼ばれるほどの暴落を記録し、3月7日に9000ドルだった価格は一時4000ドルを割り込み、わずか5日で価値が半分になってしまいました。
⑲2020年5月 3回目の半減期到来!価格はついに40000ドルへ!
ビットコイン3度目の半減期によりマイニング報酬が12.5BTCから6.25BTCに。
各国政府による大規模な金融緩和政策、DiFi(分散型金融)の人気沸騰、ペイパルの仮想通貨決済導入などビットコインに明るいニュースも追い風となり、2021年にかけて大きく価格が上昇。
初の40000ドルに到達します。
⑳2021年2月 テスラ社のビットコイン購入を追い風に価格は60000ドルに!
前年の急騰を引き継ぎ好調なビットコインは、テスラ社のビットコイン購入のニュースを受けて続伸。
さらに4月にはアメリカ最大手の取引所であるCoinbaseが暗号資産取引所として初の上場を果たし、価格の上昇を後押しします。
そして4月13日にはついに60000ドルの大台へ到達しました。
㉑2021年5月 テスラ社がビットコイン売却と決済停止を発表
好調な価格上昇を見せるビットコインですが、5月にテスラ社がビットコインでの決済の停止を発表と保有ビットコインの売却を示唆。
マイニングによる環境への影響を理由としています。
また中国政府による国内のマイニング禁止と銀行への暗号資産取引の停止が指示されたことも重なり、ビットコインは30000ドルまで下落。
2ヶ月の間に価値は半分になる事態になりました。
㉒2021年10月 SECがビットコインETFを初承認
2017年にETF化を否決されたビットコインですが、やっとSEC(アメリカ証券取引委員会)に承認されました。
その後すぐにニューヨーク証券取引所に上場しETFの上昇初日としては歴代2番目となる10億ドル規模の取引高を記録しています。
これを受けて市場は好感し、価格は最高値を更新。
一時67000ドルを記録します。
㉓2021年12月 オミクロン株感染拡大によるリスク回避
5万ドル台後半で推移していたビットコインですが、12月3日から4日にかけてわずか16時間の間に20%もの下落を記録しました。
56000ドルから42000ドルまで落ちた14000ドルもの下落は「オミクロン株の感染拡大を受けてのリスク回避」が原因とされています。
コロナパンデミックの際にもあった資産の現金化がここでも行われたと考えられます。
㉔2021年12月 FRBによるテーパリング実施への懸念感
コロナパンデミックにより行ってきた量的緩和をテーパリング(資産買入額を徐々に減らしていく)する動きがFRB(米連邦準備制度理事会)から発表されたことを懸念して米国株が急落。
ビットコイン価格もそれに連動するように50000ドル台に復調していたものの再度40000ドルまで下落しました。
㉕2022年1月 ロシア中央銀行が暗号資産利用とマイニングの禁止を提案
ロシア中央銀行が国内における暗号資産の利用とマイニングの禁止を提案しました。
ロシア政府にとって望ましくない団体への資金流入が仮想通貨によって行われることへの懸念からの提案ですが「世界第3位のマイニング大国であるロシア」の発表に価格は大きく下がりました。
㉖2022年5月 LUNA(テラ)の信用リスクにより市場が動揺
発端はアメリカ消費者物価指数の高止まりによる景気後退懸念により、ステーブルコインとして第3位の規模を誇る「UST」の価値が「1ドル=1UST」を維持できなくなる可能性がでたことです。
USTの価格維持と密接な関係であるガバナンストークンのLUNA(テラ)の信用が低下したことで、価格を維持するために運営会社が保有するビットコインが大量に売られる懸念がありました。
これを受け、市場は動揺しビットコインの価格は30000ドルを割り込みます。
㉗2022年11月 FTXの経営破綻
FTX Tradingを運営する大手暗号資産取引所FTX Groupが資金不足により経営破綻しました。
大手取引所の経営破綻を受けて市場はリスク回避ムードになり、ついにビットコインは20000ドルを割り込みます。
2021年11月には60000ドルあった価格は1年で1/3まで落ち込むことになります。
㉘2023年1月 FRBの利上げ打ち止めへの期待感
米国雇用統計やCPIの鈍化を受けてインフレ減速への期待感から米国株が急騰。
FTX Groupの更生手続きで50億ドルの流動資産の一部が債権者への返済に充てられる可能性など、暗号資産にとっての好材料が重なりました。
それに連動するようにビットコイン も上昇し20000ドル台に回復しました。
ビットコインの価格が変動する理由・原因
ビットコインの価格は常に変動しています。
暗号資産に限らずモノの価値というのは「需要と供給」によって決まります。
ビットコインを欲しいと思う人が増えれば価格は上がり、欲しくないと思う人が増えれば価格は下がるという仕組みです。
ここではビットコインの価格が上昇する理由、下落する理由に分けてそれぞれを解説していきます。
ビットコインが上昇する理由
ビットコインの価格が上昇するのは「ビットコインを保有したい」と考えている人が多くなっているはずです。
では、どのようなときにビットコインを欲しいと思うのでしょうか。
一般的には次のようなことが考えられます。
- ビットコイン決済の拡大と普及
- 知名度の向上
- ビットコインを扱う取引所の上場
- 半減期による影響
- 避難資産としての需要が増加
この5つについて解説していきます。
ビットコイン決済の拡大と普及
ビットコインを使った決済が普及することは通貨の代わりとして利用する人が増えると言い換えられます。
利用者が増える理由として、<決済の拡大・普及>が起こると<利便性が向上>し、<利用者が増える>ことで<需要が高まる>という流れです。
過去にも百度(バイドゥ)が決済通貨に採用したとき、DELLやMicrosoftが決済通貨に採用したとき、テスラ社が決済通貨に採用したときなどビットコインは急騰しました。
日本でもビックカメラやDMM.comなどがビットコインの決済を採用しています。
知名度の向上
知名度の向上もビットコインの需要が高まる要因の一つです。
なかでもビットコインが一躍有名になったのはマウントゴックス事件です。
ネガティブな出来事でしたが、これによってビットコインを知った方が多く参入したことでその後価格が上がっていくことになります。
また、ETFに承認されるなど投資信託で投資ができるようになれば、新たな投資先として注目され機関投資家の目に留まれば巨大な資金が流入する要因になります。
現に2021年10月にSECが初のETFを承認した時は価格が急騰しています。
ビットコインを扱う取引所の上場
企業が上場するのは信頼性が評価された証です。
ビットコインを扱う取引所が上場すると信用度が増え、不安で足踏みをしていた人たちが多く参入してきます。
参集者が増えることで売買取引量が一気に加速します。
2021年にCoinbaseが上場した際にはビットコイン価格は一時60000ドルを超えました。
上場している取引所という安心感もあり資金の流入量が増えることで、その価値も上がりやすくなります。
もちろん取引量が増えることで取引所も儲かりサービスも向上、それにより付加価値がつきさらに売買取引量が増えるという正しい循環が行われるのです。
半減期による影響
半減期とは4年に1回のペースで行われる「ビットコインの新規発行量を半分にするタイミング」を指します。
ビットコインの発行量を制限することで価値を高め、価格の急下落を抑える役目を持っています。
つまり発行量が半分になることで、需要があっても供給が減ることになりビットコインの価値は上がりやすくなります。
ビットコインはこれまで3回の半減期を迎えていますが、半減期を迎えるごとに価格は上昇してきました。
避難資産としての需要が増加
元々は値動きが激しく投機としての側面が強い時期もありましたが、昨今法定通貨の信用が揺らいでいる中で「国に依存しない非中央集権の資産」であるビットコインの需要が高まっています。
2022年のウクライナ戦争時、ルーブルの価値が暴落した際にビットコインへ資金が流れ価格が高騰した経緯があります。
また2023年3月現在、SVB破綻によるステーブルコインの信用問題でも多くの資金がビットコインへ流れています。
資産としての信用が高まり多くの方が安全であると認識すれば、ゴールド(金)のように避難資産としてさらに需要は高まっていくでしょう。
ビットコインが下落する理由
ビットコインの価格が下落するのは「ビットコインは危ない」と考えている方が多くなっている状況です。
では、どのような時にビットコインへの信用が揺らいでいるのでしょうか。
一般的に次のようなことが考えられます。
- 各国政府や金融機関の規制強化
- 取引所のハッキングなどによる不正流出
- 大手メディアの広告規制
- 金融情勢の悪化
この4つについて解説していきます。
各国政府や金融機関の規制強化
ビットコインに代表される仮想通貨は法整備が間に合っていないなどのこともありマネーロンダリングや詐欺などに使われてしまうことが多くありました。
その度に各国政府や金融機関による規制強化がなされています。
特にチャイナショックとも呼ばれる中国の規制強化は何度も行われ、ビットコインの価格が大きく崩れる要因となってきました。
最近でもロシア中央銀行が暗号資産の取引とマイニングを禁止したことで価格は大きく下落しています。
安全に使用するために必要な規制強化ですが、投資家への心理的影響は大きく下落要因となっています。
取引所のハッキングなどによる不正流出
私たちが取引で保有したビットコインや預けた資金は取引所に保管されています。
もし取引所がハッキングされてしまうと、これらが不正に流出してしまう可能性があります。
どこかの取引所がハッキングされたというニュースが流れると「自分が使っている取引所もハッキングされて資産が流出してしまうかもしれない」と投資家の資産の引き上げが始まります。
一斉に売りが入ってしまうので価格は大きく下落することになります。
ビットコインを一躍有名にしたマウントゴックス事件もハッキングによる不正流出で価格は大暴落しました。
大手メディアの広告規制
2018年ごろに大手SNSメディアが広告規制を行いました。
多くの方が利用するSNSでの広告が規制されると仮想通貨へ新規参入する人数が減少してしまい、仮想通貨の売買取引数も増えづらくなる傾向にあります。
広告が規制された理由は仮想通貨の詐欺被害が増えていたからです。
規制により詐欺被害は減りましたが、誰でも知っているようなSNSメディアの広告規制により「やはり仮想通貨は危ないもの」という認識も広がってしまい、手放す人も多く価格は大きく下落してしまいます。
2018年のビットコインバブルを終わらせたのはfacebookやtwitterの広告規制の可能性もあると考えられます。
金融情勢の悪化
世界の金融情勢を揺るがすような事柄が起きると、株やゴールド(金)なども含めて「投資商品」と呼ばれるものは軒並み価格が暴落します。
それはビットコインも例外ではありません。
手元に現金を置いておきたいという「リスク回避による商品の現金化」が行われるからです。
2020年のコロナパンデミックやオミクロン株の再流行など、金融情勢の悪化懸念が出たときに価格が暴落したことは記憶に新しい出来事です。
【2023年】現在ビットコインは何円?リアルタイムチャート
下記は現在のBTCUSDリアルタイムのチャートです。
現在の1BTCはいくらで取引されているのか確認してみましょう。
【2023年】ビットコインの価格はまだ上がる?今後の見通し
2021年11月には60000ドル以上あったビットコインの価格は、2023年3月現在20000ドル台で推移しています。
1年半前に比べるとその価値は1/3程度ですが、今後ビットコインの価格は上がっていくのでしょうか。
将来的にビットコインの価格は上がると予想する投資家やアナリストが多い中、それはいつやってくるのかの見解に違いが見て取れます。
今後の見通しを確認していきましょう。
投資家「ティム・ドレイパー」
ビットコインの強気投資家として著名なティム・ドレイパー氏は、ビットコインの価格は2023年末までに10倍近く上昇し25万ドルに到達すると予想しています。
その理由として小売分野の支出の80%を占める女性がビットコインのウォレットを持つ割合が低く、もし女性のウォレット保有率が上がれば流動性が飛躍的に上昇するとしています。
参考:Forbes
アナリスト「ベンジャミン・コーウェン」
暗号資産のアナリストであるベンジャミン・コーウェン氏は、ティム・ドレイパーが予想した25万ドルに対しては懐疑的であると発言しています。
長期的に上昇することには賛同しながらも「2023年末までに25万ドルは高すぎるとして10万ドルほどではないか」と予想しています。
参考:CRYPTO NEWS
Finder「56人のパネリスト」
製品比較のwebポータルであるFinder.comは暗号資産と金融技術協会から専門家を56人集め、2023年のビットコインの予想を行いました。
彼らのレポートでは「2023年にビットコインの価格は30000ドルを超えることはない」としていますが、2024年の半減期を境に2030年までに6桁台に向かうともしています。
参考:Bitcoin.com
金持ち父さん貧乏父さん「ロバート・キヨサキ」
ベストセラー作家でもあるロバート・キヨサキ氏は現在株や債券を買うことは危ないアドバイスであるとし、金や銀、ビットコインを買うことが最適であるとしています。
「2025年までにビットコイン価格は50万ドルに到達する」と予測しています。
FRBやバイデン政権を非難するなど少し過激な発言も見られますが、かなり前からビットコインの価値上昇を提言しており4回目の半減期を前に強気な予想が見られます。
参考:Bitcoin.com
ビットコインの大きな流れは上昇トレンド
ビットコインをテクニカルの面から分析すると、2020年3月から始まった上昇トレンドの起点となった安値を割っておらず長期的に見ればまだ上昇トレンドの中にいます。
また、2022年11月につけた直近の安値を作った戻り高値をブレイクしたことで、短期的な下落トレンドが終了し「上昇トレンドへ回帰したとの見方」も考えられます。
特に2024年4月頃と予測されている4回目の半減期を迎えると、これまでの傾向から価格は上昇することも考えられ、それを見越した買いが先行し価格が上昇する可能性も。
ただし、半減期前には一度価格が下落する傾向も見られます。
多くの金融機関のアナリストが2022年末に価格は上がると予想した2022年の予測はことごとく外れてしまいました。
それを踏まえれば今すぐ買いかどうかは難しいところかとも言えるので、2回目の底打ちを待つなどの対策は必要といえるでしょう。
ビットコインチャートが使いやすいオススメ取引所3選
ビットコインの取引をする前には実際にチャート画面を確認して分析をしなくてはいけません。
分析といっても、よくわからない機能などがたくさんついていると余計にわかりづらくなります。
ここではチャートの見やすさと直感的な操作ができることに焦点を絞り、次の3つの取引所をご紹介します。
- コインチェック
- GMOコイン
- ビットバンク
それぞれ実際の画面を見ながら解説していきます。
ビットコインにおすすめの取引所① コインチェック
コインチェックが採用しているチャートツールは高機能プラットフォームのTradingviewを使用した<Tradeview>です。
直感的な操作性に加えて豊富な分析ツールもアイコンで表示されていますので「初心者にも扱いやすいチャート画面」となっています。
チャート画面上の各パネルは次のように分かれています。
①チャート画面(赤枠)
実際の値動きを描写します。
縮尺や縦横比などもマウスクリックだけで変更可能で、直感的に操作ができます。
②板情報(青枠)
証券取引所に出された指値注文の価格と数量を表示しています。
左側から<買いの数量><買いの価格><売りの価格><売りの数量>となっています。
実際に出された注文をみることでどの価格なら買いたい人が多いのか売りたい人が多いのかを確認できます。
③取引所内の全取引履歴(黄色枠)
ご自身の取引ではなく、取引所で取引されたすべての取引履歴が表示されています。
今現在どちらの取引が盛んにおこなわれているかが一目で確認できます。
④アカウントの残高/取引画面(緑枠)
ご自身のアカウントの残高が表示されます。
取引画面では買いや売りの操作を行うことができます。
⑤時間足変更/分析ツールアイコン(橙枠)
時間足はチャート画面の表示する値動きの単位時間の変更ができます。
分析ツールアイコンを使えばチャート画面にオブジェクトの描写や分析ツールを直接描写できます。
マウス操作だけで直感的に操作が可能で複雑な操作は必要ありません。
GMOコイン
GMOコインが採用しているチャートツールもコインチェックと同じく<Tradeview>です。
すこしインターフェースが変更されていますが、この辺りは各取引所の個性が出ていると考えてください。
画面構成や使い方はほとんど変わりませんので、ここではパネル配置だけをご紹介します。
①チャート画面(赤枠)
②板情報(青枠)
③取引所内の全取引履歴(黄色枠)
④アカウントの残高/取引画面(緑枠)
⑤時間足変更/分析ツールアイコン(橙枠)
ビットバンク
ビットバンクのチャートツールはTradingviewをそのまま使用します。
Tradingviewのいいところはとにかくサクサク動くというところです。
画面構成や使い方はほとんどかわりませんので、こちらもパネルだけのご紹介とします。
①チャート画面(赤枠)
②板情報(青枠)
③アカウントの残高/取引画面(緑枠)
④時間足変更/分析ツールアイコン(橙枠)
おすすめ3社を他の項目でも比較
ご紹介した3社はどの取引業者を使ってもチャートの使いやすさには大きな差はありません。
そこでその他の項目で比較できるように、取り扱い銘柄数や手数料などを一覧表にしました。
どの業者にするか悩んだ際の参考にしてください。
コインチェック | GMOコイン | ビットバンク | |
対応サービス | 販売所/取引所 | 販売所/取引所 | 販売所/取引所 |
取扱通貨数 (販売所) | 18通貨 | 20通貨 | 27通貨 |
取扱通貨数 (取引所) | 6通貨 | 21通貨 | 27通貨 |
取引手数料 (販売所) | 無料 | 無料 | 無料 |
取引手数料 (取引所) | 無料 | Maker-0.03%~-0.01% Taker0.05%~0.09% | Maker-0.02% Taker0.12% |
入金手数料 | 無料 ※2023年3月現在 銀行振込のみ | 無料 | 無料 |
出金手数料 | 407円 | 無料 | 3万円未満:550円 3万円以上:770円 |
レバレッジ取引 | なし | 取引所のみ有 | なし |
テクニカル 指標の数 | 80種類以上 | 80種類以上 | 80種類以上 |
描画ツールの数 | 70種類以上 | 70種類以上 | 50種類以上 |
表示できる 時間軸 | 6種類 | 12種類 | 11種類 |
取引画面の カスタマイズ | 不可 | 不可 | 不可 |
チャート分割表示 | 不可 | 不可 | 不可 |
ツール利用形式 | ブラウザ | ブラウザ | ブラウザ |
まとめ:ビットコインは今後も上昇する可能性あり
こうして時系列を揃えてビットコインの値動きを細かく見ていくと、色々な出来事によって価格が大きく変動していたことがわかりました。
過去のビットコインで大きく値動きがあったのは次のような出来事です。
- 各国政府の規制強化(中国政府の規制など)
- 経済情勢が不安定になったとき(コロナパンデミックなど)
- 法定通貨の信用が揺らいだとき(キプロス危機など)
主にビットコインの値動きは世界の金融情勢に影響を受けていることがわかります。
ならば世界の金融情勢を把握していればビットコインの大きな方向性などもある程度予測できるのかもしれません。
2022年までのビットコインは規制強化や取引所の破綻などで価格はかなり落ち込んでいます。
しかし米国の大銀行の破綻やドルの価値の不安材料などが取りだたされている現在、ビットコインの価格は復調し始めました。
そしてテクニカル的にも長期的には上昇傾向です。
今回ご紹介したように有名なアナリストや著名人も今後のビットコインの価値は上がると予想している方が多く、その想定価格にはまだまだ遠く及ばない状態です。
「今更ビットコインなんてもう遅い」とあきらめている方も多いと思いますので、もう一度お伝えします。
「多くの専門家が予想しているビットコインの到達価格にはまだほど遠い」
誰かが言ったことを鵜呑みにするのではなく、これから勉強し口座を開いて取引を始めても間に合うほど「ビットコインの将来性」には期待できます。
是非ご自身の目で耳で色々と感じてみてください。