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投資失敗で生活はどうなる?3位は「投資を縮小」の20.7%、2位は「投資をやめた」21.1%、1位は?|生活への打撃を避けるポイントは「余裕資金による投資」

2023年09月04日 公開 
2024年11月06日 更新
投資実態調査 - 大損による生活への影響
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テクニカル分析専門サイト『テクニカルブック』は、投資での損失による生活への影響を調査する目的で、過去に投資をしたことがある270名を対象にアンケートを行いました。本調査の結果からは、生活に影響が出るような失敗を避けるためのヒントが見えてきました。

※本記事では、プレスリリースに掲載していない調査データも紹介しています。より詳細な補足情報を確認したい方は、ぜひ記事全文をご覧ください。

調査サマリー

今回の調査結果に関する概要は以下の通りです。

  1. 生活への影響は「特になし」が40.7%、「投資をやめた」が21.1%
  2. 10万円未満の損失では7割が生活への影響なし、500万円以上の損失では8割以上が生活への影響あり
  3. 「短期的な利益獲得」を狙う中で過去最大の損失を経験した人が30.0%と最多
  4. 投資目的が「短期的な利益獲得」や「趣味・楽しみ」の場合、大きな損失を出す人がやや多くなる傾向あり
  5. 年収が低い人の方が投資をやめる傾向あり
  6. 生活に影響がなかったのは「余裕資金」で投資していた人

調査の実施概要

調査機関 :自社調査
調査方法 :インターネット調査(株式会社ジャストシステム「Fastask」)
対象エリア:日本全国
対象者  :「投資をしたことがある」と回答した20歳以上の男女
調査期間 :2023年8月10日~8月12日
有効回答 :270名

主な調査結果

1.生活への影響は「特になし」が40.7%、「投資をやめた」が21.1%

過去最大の投資失敗による生活への影響

過去最大の損失を出したことによる生活への影響を質問したところ、最も多かったのは「特に影響はなかった」の40.7%という結果となりました。このことからは、過去最大の損失を出しても、多くの場合は生活に影響が出ることはなかったことがうかがえます。

また、2位は「投資をやめた」の21.1%、3位は「投資に回す資金(保有するポジション)を減らした」の20.7%となっており、損失の影響で投資の取り組み方を変えざるを得なかったことが分かりました。

なお4位は「日常生活費を削り家計の支出を減らした」で12.6%、5位は「旅行や趣味の支出を減らした」で11.1%となっています。少ないながらも、生活レベルを下げる影響が出た人も一定数いるようです。

過去最大の損失金額

過去最大の損失金額については、別の調査結果をまとめた上のグラフをご覧ください。100万円以上の損失を出したのが26.2%となっており、4人に1人以上が100万円以上の損失を経験していることが分かります。

なお、この調査結果の詳細は、以下から確認できます。

2.10万円未満の損失では7割が生活への影響なし、500万円以上の損失では8割以上が生活への影響あり

投資の失敗による生活への影響の有無(損失金額別)

上のグラフは、過去最大の損失を出したことによる生活への影響の有無を損失金額別に集計したものです。これによると損失金額が10万円未満の場合は、「特に影響はなかった」と回答した人が69.8%と多数を占める結果となりました。

一方で損失金額が10万円〜49万円になると、「特に影響はなかった」と回答した人は33.3%にまで大きく減少し、生活への影響が大きくなっていることが分かります。さらに損失金額が500万円以上をみてみると、「特に影響はなかった」と回答した人は2割を切っており、8割以上が生活に何らかの影響が出たことがうかがえます。

3.「短期的な利益獲得」を狙う中で過去最大の損失を経験した人が30.0%と最多

過去最大の失敗時における投資目的

最大損失を出した際の投資目的について質問したところ、最も多かったのは「短期的な利益獲得」の30.0%でした。続いて多かったのは「長期的な資産形成」の23.7%、「定期的な収益/配当の獲得」の15.2%という結果となっています。

4.投資目的が「短期的な利益獲得」や「趣味・楽しみ」の場合、大きな損失を出す人がやや多くなる傾向あり

過去最大の失敗で投資資金を失った割合(投資目的別)

上のグラフは、投資目的別に、過去最大の損失を出した際に投資資金の何%を失ったかを集計したものです。投資目的にかかわらず基本的には右肩下がりとなっており、過去最大の損失とはいえ、投資資金を大きく減らした人はそれほど多くないことが分かります。

ただし、投資目的が「短期的な利益獲得」と「(投資が)趣味・楽しみ」のケースでは、他に比べて強い右肩下がりではありません。そのため、短期的な利益獲得や趣味を目的とした投資では、資産を減らす比率が高くなりやすいといえるでしょう。

短期的な利益獲得や趣味で投資を行っている人は、投資資金を大きく失うことのないように、普段からリスク管理を意識することが重要です。

5.年収が低い人の方が投資をやめる傾向あり

投資の失敗による生活への影響の有無(年収別)

上のグラフは、過去最大の損失を出したことによる生活への影響の有無を、回答者の当時の年収別に集計した結果をまとめたものです。年収が300万円~499万円では「特に影響はなかった」と回答した人が31.7%となっていますが、その他は概ね「特に影響はなかった」と回答した人は40%程度で、大きな差は出ていません。

過去最大の失敗による投資の継続状況(年収別 )

続いて上のグラフでは、過去最大の損失を出したことで「投資をやめた」または「投資に回す資金(保有するポジション)を減らした」と回答した人を集計しました。

これを見てみると年収が300万円未満では、「投資をやめた」と回答した人が31.6%と最も高い値となっています。逆に、「投資に回す資金(保有するポジション)を減らした」と回答した人は10.5%と最も低い値です。

一方で年収が1000万円以上では「投資をやめた」と回答した人は17.4%と、最も低い値でこそありませんが、300万円未満と比較すると大きく下がっていることが分かります。逆に、「投資に回す資金(保有するポジション)を減らした」と回答した人は34.8%と最も高い値です。

以上のことからは、年収が低い人の場合は過去最大の損失で投資への取り組み方を考え直す場合、投資をやめてしまう人が多いといえそうです。一方で年収が高い人の場合は、投資の規模は縮小するものの、投資自体は継続する人が多いことが推測できます。

6.余裕資金で投資していたので生活に影響は出なかったという人が多い

過去最大の損失を出したことによる生活への影響を、自由記述形式で募集しました。結果は、余裕資金なので大きな影響はなかった人が多い一方で、生活を見直したという声も。投資への取り組み方によって、大きな失敗をした際の影響が異なることが推測できます。

以下では、寄せられたエピソードから18個をピックアップして紹介します。

▼生活への影響がなかったというコメント

・余剰資金でしたので、遊行費を節約するくらいでなんとかなりました。これもよい経験でした。(50代/男性/栃木県)

・泡銭だったので生活に支障はなかったが、貯金しておけばよかったなと後悔し気持ちが落ち込んだ。(40代/女性/埼玉県)

・生活への影響はない。影響するような無計画な資金投入はしない。(70代/女性/千葉県)

・生活に影響を及ぼさない範囲での投資をしている。(70代/男性/兵庫県)

・余剰金で運用していたため、特に生活への影響はなかった。(70代/男性/茨城県)

・余裕資金で投資しているので生活への影響はなかったが、他の資産(株式)を売却して穴埋めをした。(50代/男性/三重県)

・株式投資は金額の余裕の範囲で行ったし生活のレベルをあまり落とさなくできた。(70代/男性/岡山県)

・俗に言う 余裕資金だったので生活には影響なかったが、精神的に辛かった。(60代/男性/神奈川県)

▼生活への影響に関するエピソード

・趣味の時間を減らした。旅行をやめた。(60代/男性/大阪府)

・家を買う時期が延びた。(50代/男性/東京都)

・趣味や投資資金などの費用全体を洗い直した。(60代/男性/東京都)

・会社員のときの貯金をほとんど吐き出して貯金が無くなった。(50代/男性/大阪府)

・生活費の見直しをし、月々のお小遣いを減らされた。(60代/男性/長野県)

▼投資の取り組み方に関するエピソード

・特に影響はなく半額になった外国債を売り払って別の投資に資金を投入しました。(50代/男性/福島県)

・投資をすっぱりやめた。(40代/男性/茨城県)

・海外移住が目的だったがまあ今でも諦めてはいないのでこつこつやっている。(70代/男性/北海道)

・投資に回せる資金が少なくなったので、取引回数が減った(60代/男性/広島県)

・投資に回すお金がなくなり、当面投資から距離を置いた。(50代/男性/山口県)

余裕資金で投資することで致命的な失敗を回避しやすくなる

今回の調査結果をまとめると以下の通りです。

  • 過去最大の損失を出しても、生活への影響は特になかった人が多い
  • 生活への影響が出る場合は、投資の取り組み方が変わるケース(投資をやめた/縮小した)が最も多い
  • 余裕資金で投資をしているので生活に影響が出なかったケースが多い
  • 短期的な利益獲得を狙う中で最大損失を出した人が最も多い

以上の結果からは、投資において生活へ影響を与えるような失敗を経験した人は多くないことが分かります。また、生活への影響がある場合も、投資に対する取り組み方が変わるのみで、生活が苦しくなるというケースは限られているといえるでしょう。

なお、大きな失敗をしても、余裕資金で投資をしていた人は、生活に大きな影響は出ていないようでした。投資はリスクを伴いますが、適切なリスク管理のもと取り組むことで、致命的な失敗は回避できる可能性が高いといえるでしょう。

著者
Runchaテクニカル分析チーム
チーム紹介ページ

日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト|4大監査法人出身者|TradingViewインジケーター開発者|EA開発者|

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監修者
山中康司

有限会社アセンダント

学歴: 慶應義塾大学卒業

著書: 『FXチャート分析マスターブック FX ボリンジャーバンド常勝のワザ』(2013年12月)

来歴: アメリカ銀行バイスプレジデント → 日興シティ信託銀行為替資金部次長を歴任。・金融コンサルティング会社アセンダント設立。金融リテラシー協会代表理事を務める。



所有者
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内田 まさみ ラジオNIKKEI
日経CNBCの番組パーソナリティ
経済雑誌多数連載中
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