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株取引での指値注文【指値と成行の違いと使い方】

2022年03月29日 公開 
2023年09月06日 更新
株取引での指値注文【指値と成行の違いと使い方】
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株取引の注文方法

指値注文は株価を指定する注文方法

指値注文とは株を売買するときに、買うときの株価や売るときの株価を自分で指定する注文方法です。

例えば現在価格が500円だとした場合、株価が400円まで落ちてきたら1000株分買いの注文を入れるという指定を【買い指値】、株価が600円まで上がったところで1000株分の売り注文を入れるという指定を【売り指値】と言います。

注意点としては、買い指値の場合指定した株価以下にならないと注文が成立せず、売り指値の場合は指定した株価以上にならないと注文が成立しないことです。

FXでの指値と大きく違う点は、その価格になったからと言って必ず約定するとは限らないという点です。株の取引では株を買いたい人や売りたい人がいないと売買が成立しません。

そのため、自分が400円で1000株買いたいと思っていても、400円で売ってくれる人がいないと買えませんし、1000株分売ってくれる人がいないと全部の量を買うことができません。

この辺りの違いがFXから株へ参入して生きたトレーダーの方がこんがらがってしまうところですので、この後の項目でしっかりと覚えていきましょう。

指値の説明

成行注文とは現在の株価で売買する注文方法

成行注文とは株を売買するときに、株価を指定せずに現在の値段で注文を成立させる売買方法です。

取引時間中であれば即座に注文が成立するので、現在価格が500円だとした場合に1000株分の買いの注文を成行で入れると、その時点で1000株を受けることのできる最も低い売り注文に対して取引が約定します。

例えば、成行注文を入れた時点で最も低い売り注文が501円であるならば、501円で即座に約定します。

逆に1000株の売りの注文を成行で入れると、その時点で1000株を受けることのできる最も高い買い注文に対して取引が約定します。

株価の変動が見込まれるタイミングで即座に注文を入れたいときに使う注文方法です。

指値注文と成行注文との違いは株価を重視しているか

指値注文と成行注文の大きな違いは、株価を重視しているかです。

希望の株価に到達しなければ、買いも売りもしたくない時は指値注文を使います。

逆に株価は現在の価格でもいいからすぐにでも取引を成立させたいというような場合は成行注文を使います。

どちらにもいいところと悪いところがあるので、以下の項目を参考に使い分けるようにしてください。

注文執行タイミングの違いと板情報

指値注文は株価を指定するのでもちろんその価格に株価が到達しなければ注文が執行されることはありません。

さらに株取引は先に入っている注文が優先されますので到達したからといって取引がすぐに成立するということでもありません。

次に、成行注文は注文を出した時点で注文が執行されます。

その時点で、買いの場合は最も低い売りの注文価格、売りの場合は最も高い買いの注文価格で取引が成立します。

このどの株価で取引が成立するかというのは「板情報」というもので確認ができますので、表を使って簡単に説明していきます。

この板情報とは価格ごとに何株の買いや売りの注文がでているかの注文状況を表したものです

ここでは例として「A社株の板情報」を解説します。

板情報の解説

※ここでは解説をわかりやすくするために板情報を簡素化しています。

この表から読み取れることは

  • 501円で1,200株の売り注文が出ている
  • 502円で2,700株の売り注文が出ている
  • 503円で4,200株の売り注文が出ている
  • 499円で800株の買い注文がでいている
  • 498円で1,500株の買い注文がでている
  • 497円で2,300株の買い注文がでている

ということがわかります。

では指値で注文を入れた場合の注文執行タイミングを見ていきましょう。

例えばこの時点で499円に400株の買いの指値注文を入れたとします。

注文の執行タイミングは株価が499円に下がった時ですが自分の買い指値400株はまだ約定されません。

先に800株の買いの注文が入っているので800株の買いの注文が約定された後に自分の注文が約定されることになります。

次に売りの場合です。この時点で501円に400株の売りの指値注文を入れたとします。

注文の執行タイミングは株価が501円まで上昇したときですが自分の売り指値400株はまだ約定はされません。

先に1,200株の売りの注文が入っているので1,200株の売りの注文が約定された後に自分の400株分の売りが約定されることになります。

ただし、注文を入れたからといって必ず約定されるわけではありません。

株では売買の際に相手方の買いや売りがいないと取引が約定されません。

それでは、上記のような注文を入れた場合の注文や約定の流れを見ていきます。

もし自分が入れた499円への買い注文を受ける売りの注文が1,000株しか入らなかった場合、先に出されている800株と自分が出した400株の買い注文の合計1200株分に対して量が足りないため、先に800株の買い注文が約定され、自分が注文を出した400株のうち、200株だけが約定され、残りの200株は499円に買いの指値として残ることになります。

次に501円に1,200株の買い注文が入った場合、自分の400株の売り注文よりも先に1200株の誰かの売り注文が入っていますので、その1200株の売り注文だけが約定され、自分の売り注文400株は全て残ることになります。

板情報での指値イメージ

続いて成行注文の執行タイミングですが、成行は注文を入れた時点で買いの場合は最も低い売りの注文価格、売りの場合は最も高い買いの注文価格で取引が成立ですので、現在注文が出ている株価で即座に取引が約定します。

下の表の場合、成行で700株の買いの注文を入れると501円に1,200株の売りの注文がすでに出ているので注文を入れた時点で501円で取引が成立します。

売りの場合も成行で400株の売りの注文を入れると499円に800株の買いの注文が出ているので注文を入れた時点で499円で取引が成立します。

板情報の成行イメージ

それぞれの注文方法の特徴とメリット/デメリット

では指値注文と成行注文の特徴を比べながら、メリットとデメリットをまとめていきましょう。

指値注文成行注文
注文タイミング株価を指定して注文今すぐに注文
約定タイミング価格到達時に注文の先着順現在出ている板情報から近い価格で即時
メリット希望価格で取引が成立する/指定しておけば自動で約定されるほぼ取引が成立する/指値よりも優先して約定される
デメリット取引が成立しないことがある思わぬ価格で成立してしまうことがある
優先していること株価(価格)注文の成立(時間)
初心者おすすめ度☆☆☆☆☆(5段階) ※安く買う高く売るの基本に忠実☆☆☆(5段階) ※板情報の読み取りなど知識が必要

株取引での逆指値注文は不利な株価を指定する注文方法

続いて指値とは逆に不利な価格で株を売買する逆指値注文について解説していきます。

指値注文は安くなったら買うや高くなったら売るなど、自分にとって有利な株価にレートが到達したら注文が執行される注文方法でした。

一方逆指値は、現在の株価よりも高くなったら買う、安くなったら売るという自分にとって不利なレートで注文を執行させます。

なぜ自分にとって不利なレートで注文を入れるのかということですが、例えば図のような場合で株価が上昇中でレートが500円に到達しているとします。

もし株価が500円を超えてくればさらなる上昇をすると予想している場合、チャートをずっと見ていなければ500円を超えるタイミングで注文を入れることができません。

しかし逆指値注文で500円の少し上に買いの注文を予約しておけばレートが500円を超えた時点で注文が執行され、一番近い売りの注文との売買が執行されます。

チャートを監視する時間が限られているトレーダーにとっては機会損失を減らす便利な注文方法です。

逆指値のイメージ

株取引に逆指値注文を使って資金をコントロールする

逆指値注文には資金をうまくコントロールする使い方が2つあります。

チャートの常時監視ができない兼業トレーダーにとってはかなり便利な機能ですので、逆指値を使いこなしてご自身の資金をしっかりと守りながら増やしていきましょう。

逆指値を使った損切りの方法

逆指値を使った資金コントロールの方法として代表的なものは「損切り注文」です。

損切り注文とは思惑と違った方向へ株価が動いてしまった場合に、許容できる、または設定した損失の限界金額に達した時点で損失を確定する売買を行う注文方法です。

思惑と違った方向へ株価が動いているので、放っておけば損失はどんどん膨らんでいく可能性があります。最悪の場合、資金の全てがなくなることもあります。

それを防ぐためにあらかじめ設定した許容できる損失額の位置に逆指値注文を入れておくことで、損失を限定し資金を守ることができます。

逆指値を使った損切り

逆指値を使った利益確定方法

逆指値を使った資金コントロールの方法のふたつめは「利益確定注文」です。

利益確定注文は思惑と同じ方向に株価は推移しているが、万が一の急変動に備えて利益が全てなくならないように、一定の利益を確保できる位置で売買を行う注文方法です。

思惑通りに株価は動き利益が出ている状態だが、万が一の急変動で今の利益が全てなくなってしまわないように、ある程度の利益が確保できる位置に逆指値注文を入れいておくことで売り逃がしがないようにすることができます。

逆指値を使った利益確定

まとめ:株取引での注文方法の特性を理解して使おう

チャートの常時監視が難しい兼業トレーダーにとって、株式売買での機会損失を防ぐためには指値注文や逆指値注文は必須の知識となります。

また、板情報を見ながらの成行注文と併用ができることでご自分の希望通りの取引が行えるようになります。

初めは戸惑うことも多いと思いますがしっかりと理解して使えるようにすることがご自分の資金を守り、そして増やすことに繋がっていくでしょう。

指値の全てをまとめた記事です。

この記事では株取引での指値について詳しく説明しましたが、指値についてさらに詳しく知りたい場合は、指値まとめ記事を参考にしてください。

著者
Runchaテクニカル分析チーム
チーム紹介ページ

日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト|4大監査法人出身者|TradingViewインジケーター開発者|EA開発者|

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監修者
山中康司

有限会社アセンダント

学歴: 慶應義塾大学卒業

著書: 『FXチャート分析マスターブック FX ボリンジャーバンド常勝のワザ』(2013年12月)

来歴: アメリカ銀行バイスプレジデント → 日興シティ信託銀行為替資金部次長を歴任。・金融コンサルティング会社アセンダント設立。金融リテラシー協会代表理事を務める。



所有者
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内田 まさみ ラジオNIKKEI
日経CNBCの番組パーソナリティ
経済雑誌多数連載中
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