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PBR(株価純資産倍率)とは|意味や計算式、企業評価での活用方法などを解説【株初心者】

2023年02月23日 公開 
2023年03月06日 更新
PBR(株価純資産倍率)-アイキャッチ
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PBRとは、Price Book-value Ratioの略称で、日本語では「株価純資産倍率」と呼ばれます。

PBRは、企業の財務状況や業界全体の状況を理解するうえで役立つ指標の1つです。

企業の株価と純資産を比較しており、投資家にとっては企業の価値評価についての重要な手がかりとなります。

PBRとは

PBR(株価純資産倍率)とは、企業の株価と純資産を比較することで、割安感を判断する投資指標の1つです。

PBRが小さいほど、株価が割安であることを示します。

PBRの計算方法

PBRは、以下の式で計算されます。

PBR = 株価 ÷ 1株当たり純資産

株価は、株式市場での取引価格を表します。

1株当たり純資産は、企業の純資産を発行済み株式数で割った値です。

企業の純資産は、有形固定資産・無形資産・流動資産から負債を差し引いたものです。

これらの数値を財務諸表から調べれば、初心者でも簡単にPBRを算出できます。

PBRとPERの違い

PBRとPER(株価収益率)は、どちらも株式投資においてよく用いられる企業評価指標です。

しかし両者は、企業を評価する際の着目点が異なります。

PBRは企業の資産価値に着目し、PERは企業の収益性に着目しているのです。

PBRは、企業の株価を純資産で割ったもので、企業がどれだけの資産を保有しているかに注目しています。

一方PERは、企業の株価を利益で割ることで、企業の収益性に注目しています。

PBRは、企業の純資産をもとにしており、株価の割安感をより正確に評価できます。

一方、企業の将来性や実力を評価する指標としては不十分です。

一般的に、収益性重視の投資家はPERを、資産性重視の投資家はPBRを利用するといわれています。

しかしどちらか片方に頼るのではなく、両方の視点を取り入れることで、企業の価値をより正確に評価できるでしょう。

PBRの使い方

PBRが1未満である場合、企業の時価総額が純資産よりも少ないため、企業の株価が割安であるとされます。

逆に、PBRが1を超える場合、企業の時価総額が純資産よりも多いため、企業の株価が過剰評価されていると考えられます。

PBRを用いた株式選択の方法

PBRによって購入する株式を選ぶ方法としては、以下のとおりです。

業界全体の動向を把握する

業界全体の平均値と比較することで、その企業の株価が割安なのか割高なのか判断できます。

過度に高い価格で購入することにならないか、一度確認しておくのがオススメです。

業種の特性を踏まえて比較する

複数の候補の中から選ぶ際は、企業同士のPBRを比較し、PBRの値が低い企業を選択しましょう。

ただし異なる業種の企業を比較する際は、その特性を考慮しなければなりません。

業種によってPBRの平均値は異なるからです。

過去のPBRの推移を確認する

PBRは、時期によって大きく変動することがあります。

そのため、過去のPBRの推移を確認することで、より正確な評価が可能となります。

PBRのメリット

割安な企業を簡単に見つけられる

PBRは数値であらわされ、計算・比較が簡単です。

PBRが1未満か1以上か、また同じ業種の企業のPBRと比較して低いか高いかを見れば、割安な銘柄を見つけられます。

経営安定性の高い企業を見つけられる

PBRは、企業の純資産に基づいて計算される指標です。

そのため、企業の経営安定性を示しているとも言い換えられます。

PBRが低い企業は、純資産が多く残っており、経営安定性が高いと考えられます。

PBRのデメリット

純資産の評価方法によって値が異なる

PBRは、企業の純資産に基づいて計算される指標です。

そのため何を「純資産」と判断するかによって、PBRの値は変化します。

例えば土地や建物などの固定資産も、企業の純資産として含んでいるのか、確認したうえで比較しましょう。

企業の実力や将来性は反映されない

PBRは、企業が現在もっている資産をもとに計算します。

企業が今後どのように利益を出していくのか、示すものではありません。

収益性を見るうえでは、PBRよりもPERのほうが適しています。

PBRによる株価比較事例

企業Aと企業Bは、同じ業界で同じ規模の企業です。

企業Aの株価は1,500円、企業Bの株価は1,000円です。

さらにPBRを計算すると、企業AのPBRは2倍、企業BのPBRは1.5倍となります。

つまり、企業Bの株価が割安だといえそうです。

ただし企業Aについて他の指標を見てみると、売上高や純利益が企業Bよりも高く、安定した業績を維持していることもあるでしょう。

そのためPBRだけでなく、売上高や純利益などの業績面や、経営方針などを総合的に分析して、投資の判断をすることが重要です。

まとめ

PBRは、企業の財務状況を把握するための重要な指標の一つです。

PBRを使えば、初心者でも簡単に割安の銘柄を見つけられます。

ただしPBRを用いた企業評価の際には、業種や企業の特徴を考慮して、適正な値を判断することが重要です。

また、PBRだけでは企業の評価が不十分であるため、他の財務指標と併せて判断することが推奨されます。

著者
Runchaテクニカル分析チーム
チーム紹介ページ

日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト|4大監査法人出身者|TradingViewインジケーター開発者|EA開発者|

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監修者
山中康司

有限会社アセンダント

学歴: 慶應義塾大学卒業

著書: 『FXチャート分析マスターブック FX ボリンジャーバンド常勝のワザ』(2013年12月)

来歴: アメリカ銀行バイスプレジデント → 日興シティ信託銀行為替資金部次長を歴任。・金融コンサルティング会社アセンダント設立。金融リテラシー協会代表理事を務める。



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内田 まさみ ラジオNIKKEI
日経CNBCの番組パーソナリティ
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