【移動平均線】テクニカルの組み合わせで売買タイミングがわかる
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目次
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移動平均線はどれと組み合わせても相性がいい
移動平均線は単体でも様々なことが把握できる優秀なトレンド系テクニカル指標です。
単体だけで使用するのではなく、期間の違う移動平均線同士を組み合わせたり、他のトレンド系テクニカル指標やオシレーター系テクニカル指標と組み合わせたり、チャートパターンなどとの組み合わせでも相性がいいインジケーターです。
期間の違う移動平均線と組み合わせることで、相場全体が向かうであろう方向の把握の精度を上げることができます。
同じトレンド系のインジケーターと組み合わせることで、トレンドの転換や発生を察知する精度を上げることができます。
過熱感を見るオシレーター系のインジケーターと組み合わせることで、押しや戻しがトレンドへ回帰するタイミングを察知する精度を上げることができます。
反転や継続を知らせるチャートパターンと組み合わせることでエントリータイミングの精度を上げることができるようになります。
この記事ではそれぞれの組み合わせによってどのような使い方をすればいいのかを解説していきます。
期間の違う移動平均線同士の組み合わせてトレンドの初動を捉える
期間の違う移動平均線を組み合わせることによってトレンドの初動を捉えることが可能になります。
また、トレンドの継続も視覚的に把握することができるようになります。
期間が違う移動平均線というのは短期移動平均線、中期移動平均線、長期移動平均線の3種類のことを指します。
移動平均線同士の組み合わせでは5本や8本12本など複数組み合わせる方法も存在しますが、ここでは短期、中期、長期の3本の組み合わせをご紹介します。
それぞれの設定期間は一般的に多くの方が使用していると言われている期間を採用しました。
短期移動平均線の設定期間は「20」
中期移動平均線の設定期間は「75」
長期移動平均線の設定期間は「200」としています。
この3本の移動平均線が一定条件を満たした後に、決められた並びで同じ方向に進み始めた瞬間を売買のタイミングとする組み合わせです。
この3本の移動平均線が決められた並びで同じ方向に進み始めた現象を「パーフェクトオーダー」と呼びます。
移動平均線の手法としては王道となりますが、今回ご紹介するのは前提条件付きのパーフェクトオーダーで相場の値動きの習性を取り入れたトレンドの初動を狙う方法となります。
まずはチャートでどのような動きか確認してみましょう。
GBPUSDの1時間足に3本の移動平均線を表示しています。
前提条件とは赤枠で囲った位置のように3本の期間の違う移動平均線が絡み合うように集まっている状態になっていることを指します。
これを「移動平均線の収縮」と表現します。
相場の習性とは価格は収縮しその後拡散すると表現される、トレンドとレンジを繰り返し続ける動きのことで、その習性を移動平均線の収縮が起こっていることで把握することから始めます。
そして拡散の部分は全ての期間の移動平均線が同じ方向に傾き、上昇の場合は上から短期➝中期➝長期と並んだ状態になった瞬間をトレンドの初動として売買タイミングのサインとします。
画像の中の黄色丸で囲われた部分がパーフェクトオーダーが完成した位置となります。
なお、決済タイミングに関してはパーフェクトオーダーが崩れた時となるので、画像内の白丸の箇所が決済する場所となります。
今回は上昇する場面で解説をいたしましたが、下落する場面でも同じようなパーフェクトオーダーが発生します。
考え方は同じですが移動平均線の並びが上下逆になり、上から長期➝中期➝短期となりますので間違えないようにしっかり覚えておきましょう。
トレンド系テクニカル指標と移動平均線の組み合わせ
トレンド系のテクニカル指標である移動平均線に、同じ特性を持つトレンド系のテクニカル指標を組み合わせることによって新たなトレンドの発生を先だって把握することができます。
今回使用するトレンド系テクニカル指標は「一目均衡表」です。
ボリンジャーバンドやMacDでもいいのですが、見た目でわかりやすくトレンドの転換と発生を把握できるのは一目均衡表が優れています。
一目均衡表の準備
しかし一目均衡表にはたくさんの線が存在しややこしい見た目もありますので、少しだけカスタマイズして使っていきましょう。
まずはそのままチャートに適用した一目均衡表を見てみます。
たくさんの線が入り乱れていて初めて見る方はよくわからないと思います。
一目均衡表はちゃんと理解して使用するとかなり優秀なインジケーターですが、今回は移動平均線との組み合わせなので使用する線だけを残して後は消してしまいましょう。
使用するのは「雲」と呼ばれる網掛けになっている部分のみです。
パラメーターを呼び出し、以下の図のように設定してみましょう。
タブから「色の設定」を選択し、5つある項目のうち「転換線」「基準線」「遅行スパン」の3つの色の設定を無色である「None」に設定します。
パラメーターの数値設定はデフォルトのままで構いません。
すると以下のチャートにようになるはずです。
かなりすっきりしました。
この状態になれば準備完了なので、ここに移動平均線を組み合わせていきます。
今回はトレンドの初動を狙うデイトレードのイメージですので、中期移動平均線の75期間を適用していきます。
移動平均線と一目均衡表を組み合わせてトレンド転換を察知
一目均衡表の雲はローソク足が突き抜けるとトレンドの転換を示唆するサインとなります。
またトレンドが転換したであろう位置で一目均衡表の雲の色が変わっているのがわかるでしょうか。
これを「雲の転換」と言います。
雲は価格が上昇しているときは価格の下に、価格が下落しているときは価格の上に位置するようになっています。
この雲が転換した位置というのが今回の手法のキモとなります。
また、ローソク足が移動平均線よりも価格が上側にある時は平均値よりも高い位置にあることを示し、移動平均線よりも価格が低い位置にあるときは平均値よりも低い位置にあることを示しています。
この2つのインジケーターの特性を組み合わせて、トレンドの転換を察知していきます。
次のチャートを見てみましょう。
EURUSDの1時間チャートに75期間の移動平均線と一目均衡表の雲だけを表示しています。
注目するのは黄色丸で囲った位置です。
ローソク足が移動平均線を抜け、一目均衡表の雲も抜けていることが確認できます。
そして価格はその後抜けた方向へ進んでいっていることがわかります。
では同じ場面でどちらかのみを抜いている場面を確認してみます。
価格は移動平均線を抜いていますが一目均衡表の雲を抜けていません。
チャート上では2回発生していますがどちらも価格は戻されてしまっています。
この特性を使ってトレンドの初動を捉えていく手法をチャートで確認していきましょう。
同じくEURUSDの1時間足の別の日時です。
画面左側の①がついた黄色丸の位置を確認してください。
画面左端から下落してきた価格は黄色丸の位置で移動平均線と一目均衡表の雲をローソク足が上抜けています。
これでも2つの根拠が重なり十分に見えますが、トレンドの転換を捉えるため移動平均線が下向きのこの位置では直近のトレンドが終わったとは言い切れません。
そのため、②のついた白枠で囲った位置まで待ちます。
この白枠の位置では雲の転換が行われ、移動平均線も平行になり転換の準備が整った位置となります。
エントリーはこのタイミングで行います。
画面右側の黄色丸と白枠の位置も確認すると同じような現象が起きているはずです。
もし雲の転換が行われなかった場合は見送るなどをしておけば、トレンドの転換の初動を捉えながらも勝率の高いトレードができます。
決済ポイントはローソク足が移動平均線を抜けた時、または移動平均線と雲をどちらも抜けた時など、根拠が崩れた場合にしておくといいでしょう。
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オシレーター系テクニカル指標と移動平均線の組み合わせ
トレンド系のテクニカル指標である移動平均線に相場の過熱感を知ることができるオシレーター系のテクニカル指標を組み合わせることで、トレンドの継続タイミングを察知することができます。
今回使用するオシレーター系テクニカル指標はRSIです。
RSIの準備
RSIは上下2つのラインに挟まれており、RSIが上のラインを超えると買われ過ぎの目安に、RSIが下のラインを超えると売られ過ぎの目安となります。
実際のチャートでどのように見えるか確認しましょう。
EURUSDの1時間足に期間「9」のRSIを表示しています。
赤丸の位置でRSIが上のラインを超え、買われ過ぎとなった後に価格は下落しています。
逆に青丸の位置でRSIが下のラインを超え、売られ過ぎとなった後に価格は上昇しています。
RSIの特性として、上のラインを超えた場合に買われ過ぎとして価格は反発下落し、下のラインを超えた場合に売られ過ぎとして反発上昇するとされています。
本来は上のチャートのようにレンジ中など価格がもみ合っているときに効果を発揮するオシレーターですが、この特性と移動平均線を組み合わせることでトレンドの継続タイミングを狙うことができます。
移動平均線とRSIを組み合わせて押し目の位置を選定する
まずは上昇トレンド中のチャートに移動平均線だけを表示して、押し目がどこで発生しているかを確認してみます。
EURUSDの1時間足に75期間の移動平均線を表示しています。
黄色丸で示した位置が出来上がったチャートから押し目と判断できた位置です。
移動平均線が右上がりですから上昇トレンド中だと判断できます。
しかし押し目の位置では移動平均線を割り込んでいる箇所もあり、買っていくのはなかなか難しい場面もいくつかあります。
そこでこのチャートに期間を「9」に設定したRSIを適用して押し目の位置を厳選してみます。
RSIを使って厳選したのは先ほどの黄色丸で押し目と判断した場所の中で、RSIの下のラインを超えて売られ過ぎとなった位置です。
先ほどよりも押し目と認識できる箇所は減りましたが、上昇トレンド中の押し目買いの位置としてはかなり優秀な場所だけを選定できたのではないでしょうか。
この組み合わせのポイントは移動平均線の傾きでトレンドの方向を確認し、RSIで押し目の位置を選定するということになります。
その理由として、上昇トレンド中に調整下落して押し目を作っているときの価格の動きを切り取ると下の図の白枠で囲った位置のようにレンジのような動きをしていることが多いからです。
つまりトレンドが発生している状態で、白枠のようなレンジのような動きが確認出来たら、トレンドが向かっている方向にのみ、RSIを使って反発の動きを取りに行くということを行っていることになります。
この考え方はどのオシレーターでもかわりませんので、使い方を覚えたらご自身が使いやすいオシレーターを使用していただいて構いません。
ただし、オシレーターによってサインの出るタイミングは異なりますので、RSI以外を使用する際は必ず検証をしてからお使いください。
チャートパターンと移動平均線の組み合わせ
トレンド系テクニカル指標の移動平均線に値動きの反転や継続を示唆するチャートパターンを組み合わせるとトレンドの継続や転換をいち早く捉えることができます。
これまではインジケーター同士の組み合わせでしたが、値動きそのものが形成するチャートパターンとの組み合わせでも移動平均線は有効に機能します。
まずはチャートパターンが発生するとどうなるのか、チャートで確認してみましょう。
EURUSDの1時間足に200期間の移動平均線を表示しています。
画面右端から長い間下落している下降トレンドが発生しています。
注目するのは画面右端の黄色丸の位置です。
ここであるチャートパターンが発生しているのですが、その直後に価格が移動平均線を勢いよく上抜けています。
その後価格がどうなったのかを確認してみます。
黄色丸の位置を境に長かった下降トレンドが終了し、上昇トレンドに転換しています。
この転換をいち早く捉えることができるのがチャートパターンです。
チャートパターンとはチャート上で形成される値動きの型
チャートパターンとはチャート上で価格の値動きで形成される特定の型のようなもので、過去のチャート上で何度も確認できるような値動きによる形状全般を指します。
チャートパターンには種類があり、トレンドが転換するパターンとトレンドが継続するパターンの2種類があります。
一番わかりやすい形だと「ダブルトップ」と呼ばれる山が二つ並んだような形状で値動きが形成されたパターンです。
以下のチャート画像をご覧ください。
画面中央から右側にかけて2つの山が並んだような形が作られています。
これがダブルトップと呼ばれる形状で上昇していた価格が下落へ向かう前兆とされています。
他にもいろいろありますが、ここでは上昇から下降へ転換する代表的な3パターンと、下降から上昇へ転換する3パターンをご紹介しておきます。
まず上昇から下降へ転換するパターンとして先ほどチャートで確認をしたダブルトップ。
人の肩と頭のような形をした3つの山が特徴のヘッド&ショルダー。
上昇トレンド中に高値の切り上げと安値の切り上げの値幅の差が、高値側が徐々に小さくなっていく上昇ウェッジの3種類。
続いて下降から上昇へ転換するパターンとして、ダブルトップをひっくり返し2つの谷が横に並んだような形のダブルボトム。
ヘッド&ショルダーをひっくり返したリバースヘッド&ショルダー。
下降トレンド中に安値の切り下げと高値の切り下げの値幅の差が、安値側が徐々に小さくなっていく下降ウェッジの3種類。
以下に名称と模式図を載せておきますので、まずは単純な形で覚えてしまいましょう。
ちなみにヘッド&ショルダーは「三尊(さんぞん)」、リバースヘッド&ショルダーは「逆三尊(ぎゃくさんぞん)」と日本語で呼ばれることもあります。
これは仏像の三尊像に由来すると言われています。
三尊像とは釈迦三尊像などに代表される中央の仏像と左右2体の仏像を一組とする仏像組で、チャートの形状が3体の像が並んだ様子に見えることから「三尊」と呼ばれるようになったと言われています。
移動平均線とチャートパターンを組み合わせてトレンドの転換をいち早く捉える
では先ほどのEURUSDの1時間チャートの黄色丸の位置を分析していきましょう。
黄色丸の部分を拡大すると画像のようになります。
模式図のなかのひとつの形になっていますがわかりますでしょうか。
それではチャートパターンに色を付けてみましょう。
リバースヘッド&ショルダーが形成されていました。
ということは下降トレンドから上昇トレンドへ転換するサインがチャートパターンによって出ていたということです。
そしてローソク足が移動平均線を上抜けたことにより、2つの根拠が合わさりその後は勢いよく上昇していきました。
このようなチャートパターンはあらゆるところで確認できます。
ヘッド&ショルダーを形成後、移動平均線を下抜いて下落して言った場面
ダブルボトムを形成後、移動平均線を上抜いて上昇していった場面
上昇ウェッジを形成後、移動平均線を下抜いて下落していった場面
チャートパターンを移動平均線と組み合わせると精度が高まる
これだけを見るとチャートパターンだけで良さそうな気もしますが、わざわざ移動平均線を組み合わせているのには理由があります。
いくらチャートパターンが効きやすいとはいえ、トレンドが強く出ているときは転換することはありません。
その例を見ていきましょう。
チャート上では大きなダブルボトムが形成され、ローソク足も移動平均線を上抜けています。
しかし直後に価格は戻され上昇に転ずることは無く、そのままずるずると価格は下がっています。
この時の移動平均線の角度に注目してください。
上記で紹介してきたチャートパターンでは、200移動平均線の角度がこれまでのトレンドに対して緩やかになっているか平行になっている場面をご紹介しております。
しかしこの場面では移動平均線の角度は急なままです。
つまりトレンドが強く移動平均線の角度がきつい場合はチャートパターンがでても転換しないことが多いということになります。
しかしこれを逆手に取れば、移動平均線の角度の方向へのチャートパターンが出ればいいということになります。
次のチャートを見てみましょう。
移動平均線が右下がりになり下降トレンドが出ている場面で、大きく戻してきた価格がヘッド&ショルダーを形成しています。下落方向へのチャートパターンなので、移動平均線とチャートパターンの方向が揃っているまさに鉄板のエントリータイミングとなります。
まとめ:更に重ねて移動平均線を組み合わせる
今回は移動平均線の組み合わせ方として4つの組み合わせをご紹介しました。
それぞれの組み合わせには良いところもあれば弱点もありますし、得意な相場もあれば苦手な相場もあります。
それぞれを補完するためにも今回ご紹介した組み合わせ同士をさらに組み合わせて、もっと信頼度が高いところだけでトレードするもよし。
対応できない相場同士を組み合わせてトレード回数を増やすもよし。
大きな時間足にトレンドフォローの組み合わせを入れて、短い時間足にピンポイントでエントリーできる組み合わせを入れるもよし。
ご自身が一番使いやすい組み合わせを更に重ねて組み合わせてみてください。
最後にいくつかを重ねて組み合わせたイメージを載せておきます。
移動平均線の全てをまとめた記事です。
この記事では移動平均線と他のテクニカルの組み合わせについて詳しく説明しましたが、移動平均線についてさらに詳しく知りたい場合は、移動平均線まとめ記事を参考にしてください。