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FXで1,200万円溶かした41歳・ベンチャー役員「人生で一番反省しています」…〈地獄への入り口〉はどこにあったのか?

2023年09月06日 公開 
2024年11月06日 更新
FXで1,200万円溶かした41歳 地獄の入口は?
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レバレッジをかけて行うFX取引には、ポジションに対して口座残高が少なくなった際に強制的に損失を確定させる「強制ロスカット」という仕組みがあります。損切に慣れていない投資家は、これを避けるために、損失が発生しているタイミングで追加入金をしてしまいがちですが、この行為は損失をさらに拡大させるリスクを孕んでいます。本稿では、FXで1,200万円を失う苦い経験をした山田健太さん(仮名)の事例を基に、失敗を回避するためのポイントについて解説します。

高収入41歳・ベンチャー役員が「人生で一番反省した」お金の話

ベンチャー企業の役員を務める41歳の山田健太さん(仮名)。年収は1,000万円を超え、生活にも余裕があるようにみえますが、その表情にはどことなく影があります。

実は、山田さんは数年前にFXトレードで1,200万円もの損失を出すという大きな失敗を経験していたのです。

「FXって簡単だな」という慢心

最初の投資資金は400万円でした。

コロナ禍の中、興味本位で余剰資金で始めたFXですが、当初から順調に利益を上げることができました。

取引するのは基本的にドル円でしたが、コロナ禍の乱高下を経て、2020年後半は比較的穏やかな動きの中で下落トレンドが続いていました。持ち前の思い切りの良さを武器に、上がったらショート(ドル売り/円買い)、下がり過ぎたら決済するという形で取引を繰り返していると、投資資金は1年ほどで600万円にまで増えていったそうです。

「いま思えば、運が良かっただけ」と控え目に話す山田さんですが、当時は「FXって簡単だな」と慢心もあったそうです。

2021年に入りドル円のトレンドが大きく上昇方向(円安方向)へと変わる中で、山田さんはもっと大きな利益をねらおうと、さらに強気の取引を行うようになっていました。

大失敗トレードのスタートはいつもと同じ。

自信があったため、上昇してきたところをねらい普段より多いロット数でショート・ポジションを持ったそうです。

しかし、想定していた水準では反転下落せず、その水準を超えると上昇の勢いはむしろ加速していきました。

山田さんはあっという間に、このままでは強制ロスカットという状況に追い込まれます。

大失敗の始まりは追加入金から

我慢すればドル円は元の水準に戻ってくると強気だった山田さんは、ほかの資産を取り崩してFX口座に800万円を追加で入金。ショート・ポジションも追加して倍に増やしました。

実はこの手段を取るのは初めてではなく2回目。前回は成功していました。

ただ、ドル円は「ここは簡単には抜けないでしょ」と想定していた水準もあっさりと突破してさらに上昇。含み損は一気に400万円近くまで拡大します。この現実を受け入れることのできない山田さんは、さらに400万円の追加入金をして強制ロスカットをいったん回避しました。

ところが、これは現在に至る円安トレンドの序章に過ぎず、ドル円の上昇は止まりませんでした。

途中には下に押す局面もあり含み損が100万円を切ったこともありましたが、大きな損切りに慣れていない山田さんは逃げることができません。結局ドル円は上昇を再開、山田さんはさらに700万円の追加入金をしたあげく、とうとう1,200万円の損失で強制ロスカットされることになりました。

これまで積み立ててきた貯蓄があり、収入も安定していたため、生活に致命的な影響が出ることこそありませんでした。

しかし、余剰資金で始めたはずのFXで資産が大きく削られる結果となり、ショックは相当なものだったそうです。

とくに奥さんに打ち明けるときは、人生で一番反省したとのこと。

「金額が金額なだけに、妻もとても大きなショックを受けたと思います。ですが思ったほど強く責められず、逆に辛かったですね…」と山田さんは振り返ります。

「追加入金」による損失先延ばしの危険性

山田さんは投資資金が600万円のところから、短い期間で1,200万円という大きな損失を出すことになってしまいました。

理由はシンプルで、一時しのぎのために追加入金を繰り返してしまったからです。

FXのように投資資金よりも大きい金額の取引ができる取引では、保有するポジションに対して口座残高が少なくなったときに強制的に損失を確定させる仕組み(強制ロスカット)が存在します。

山田さんはこれを嫌って、追加入金して口座残高を増やすことで、強制ロスカットされないようにしていました。

ただ、追加入金をすれば強制ロスカットはされませんが、さらに損失が拡大する可能性が出てきます。

実際に山田さんのケースでも、追加入金せずに最初の段階で強制ロスカットされていれば、損失は70万円程度で済んだはずでした。ところが追加入金で損切りを先送りしたために、損失が1,200万円にまで膨らんでしまったのです。

このように、山田さんが大きな失敗をした原因は、相場の流れが大きく変わったときに、追加入金によって損失確定を先延ばしにし続けたことでした。

これは、投資家が大きな失敗をする際によく見られるパターンでもあります。

失敗の二大要因は「相場急変」と「損切りの遅れ」

23年8月に独自に行った投資損失に関する調査で、過去最大の損失を出した取引における失敗の原因に関する質問の回答結果を見てみましょう。

過去最大の損失を出した原因

1位は「急激な相場変動に対応できなかった」で37.4%、2位は「損切りが遅くなってしまった」で36.7%となっています。なお、3位の「相場を見ていなかった」は14.4%で、2位からは大きく差が開いていることがわかります。

この結果からは、大きな損失が発生する背景には、「相場急変」と「損切りの遅れ」の二大要因があることが読み取れます。山田さんのケースのように、この両方が同時に起こったときには、損失が急激に拡大することもあるため注意が必要です。

なお、二大要因のうち「相場の急変」は、トレーダーが避けるのが難しいところがあります。

ある程度は予想することができても、相場をコントロールすることはできないからです。その一方で取引のタイミングはトレーダーが自分で決められるので、まずは「損切りの遅れ」に適切に対処するのが効果的かもしれません。

誰しも「損切り」が遅れやすいもの

投資において損切りが遅くなりやすい背景には、心理的な性質が関係していると考えられます。

試しに次の2つの質問に答えてみてください。

質問1:次の選択肢のうち、どちらを選びますか。

(A)無条件で100万円を受け取れる
(B)コインを投げて、表が出たら200万円を受け取れ、裏が出たら何も受け取れない

質問2:次の選択肢のうち、どちらを選びますか。

(A)無条件で100万円を支払う
(B)コインを投げて、表が出たら200万円を支払い、裏が出たら何も支払わなくていい

人によって回答は異なるかもしれませんが、質問1では(A)を、質問2では(B)を選ぶ人が多いといわれています。

つまり、「利益」は確実に手に入れようとする人が多い一方で、「損失」についてはリスクを負ってでも回避しようと考える人が多いということです。こういった傾向は、プロスペクト理論として広く知られています。

投資行動に置き換えてみると、ポジションに含み益が発生すればすぐに決済して利益を確定したくなる一方で、ポジションに含み損が発生したときは、含み損が増えてしまうリスクを負ってでも、損失がゼロになるまで待とうとしてしまうということになるでしょう。

私たちがなにも意識せずに感覚的に投資判断をすると、形で損切りを先送りしがちなのです。

適切に損切りを行うというのは、決して簡単なことではありません。自分自身の感じ方を理解した上で、意識的に冷静な投資判断を心がけることが大切です。

投資での失敗を回避するための5つのポイント

今回は投資で1,200万円という大きな損失を出してしまった山田さんのエピソードを通じ、投資における失敗の原因について説明してきました。最後に、投資で大きな失敗をしないために押さえておきたい5つのポイントを紹介します。

損切を先延ばしにしない
プロスペクト理論にもありますが、人は損切りを先延ばしにしやすい性質があります。しかし損切りすべきところでポジションを持ち続けると、損失が大きく膨らんでしまうかもしれません。大きな失敗を避けるためには、適切なタイミングで損切りの判断ができることが非常に大切です。

一時しのぎの追加入金はしない
レバレッジのかかるFXなどの投資では、強制ロスカットという取り返しのつかない損失の発生からトレーダーを守る仕組みがあります。しかし追加入金をすると、この“安全装置”が上手く作動しなくなります。強制ロスカットの目的を理解して、一時しのぎのために追加入金は行わないようにしましょう。

特定の相場シナリオを信じすぎない
とくに取引が順調なときはそうですが、自分の相場観に過度に自信を持つことはないでしょうか。しかし、相場に絶対はありません。特定の相場シナリオに固執しすぎると、相場が逆行した時の対応が難しくなります。どんなに自信があっても、相場が想定とは逆方向に進んだときの準備もしっかりしておくようにしてください。

適切なロット数で取引する
投資で大きな損失を出さないためには、リスクを適切にコントロールすることが大切です。リスクをコントロールするための第一の方法としては、取引数量を調整することが挙げられます。取引を行う際には、相場が逆行した場合の損失金額が許容範囲内に収まるように、取引数量を適切に設定しましょう。

トレードルールに基づいて行動する
取引をする際には、「どうなったらポジションを持つのか」「どうなったら損切りするのか」「1回の取引における損失はいくらにするか」「ロット数はどう決めるのか」など、トレードルールを明確にしておくことが大切です。大失敗の原因には人間の感覚が関係します。それを排除するためにも、トレードルールに基づいて客観的に行動することを心がけてください。

投資で成功する上で、大きな失敗をしないことは必要条件といえるでしょう。上記を意識してリスクを抑えながら、安全に長く投資と付き合っていただければと思います。

著者
Runchaテクニカル分析チーム
チーム紹介ページ

日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト|4大監査法人出身者|TradingViewインジケーター開発者|EA開発者|

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監修者
山中康司

有限会社アセンダント

学歴: 慶應義塾大学卒業

著書: 『FXチャート分析マスターブック FX ボリンジャーバンド常勝のワザ』(2013年12月)

来歴: アメリカ銀行バイスプレジデント → 日興シティ信託銀行為替資金部次長を歴任。・金融コンサルティング会社アセンダント設立。金融リテラシー協会代表理事を務める。



所有者
株式会社アドバン

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内田 まさみ ラジオNIKKEI
日経CNBCの番組パーソナリティ
経済雑誌多数連載中
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