ダイバージェンス|トレンド転換につながる相場の逆行現象をチャートで解説
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ダイバージェンスとは
- ダイバージェンスとは、チャートとインジケーターの逆行現象のこと
- トレンドが長く続くと発生しやすくなり、トレンド反転を示唆する
- オシレーター系を中心に、さまざまなインジケーターで使えるテクニック
目次
インジケーターでダイバージェンスを確認
RSIのダイバージェンス
ストキャスティクスのダイバージェンス
ウィリアムズ%Rのダイバージェンス
MACDのダイバージェンス
ダイバージェンスの意味
ダイバージェンス(divergence)は「逸脱、相違」の意味で、チャートとインジケーターが逆行している状態を指します。
これは、特にオシレーター系インジケーターを中心に確認することができる現象です。
通常の場合、上の画像のように基本的にインジケーターはチャートに追随する形で動きます。
つまり、画像左側のようにチャートが上昇すればインジケーターも上昇し、画像右側のようにチャートが下落すればインジケーターも下落します。
しかし、これが逆転して次の画像のようになることがあります。
このような形で、画像左側のようにチャートが上昇しているのにインジケーターが下落する、逆に画像右側のようにチャートが下落しているのにインジケーターが上昇するという、インジケーターが逆方向に動く現象を「ダイバージェンス」と呼ぶわけです。
ちなみに、前者(画像左側)については「弱気のダイバージェンス(ネガティブ・ダイバージェンス)」と、後者(画像右側)については「強気のダイバージェンス(ポジティブ・ダイバージェンス)」と言うこともあります。
オシレーター系インジケーターは過熱感を示すと言われることが多いですが、同時に相場の勢いも示しているとも捉えられます。
勢いの強い相場において、オシレーター系インジケーターは上や下に張り付くことをイメージすると分かりやすいでしょう。
これを踏まえると、「弱気のダイバージェンス」では、チャートが上昇しているもののインジケーターが下落しており、上昇の勢いが弱まっていると解釈することができます。
逆に「強気のダイバージェンス」では、チャートが下落しているものの下落の勢いが弱まっているという解釈ができます。
このように、ダイバージェンスとは、相場のトレンドが続いているもののその勢いが弱まっていることを示唆しているとされます。
そのため、トレンドが終わりに近づいており、そろそろ転換する兆候とみなされるわけです。
ダイバージェンスを学べるYouTube動画
ダイバージェンスの仕組みが分かっても、それだけでは、実際のトレードにはなかなか活かせません。
ダイバージェンスについて動画で学びたいなら、『FXメガバンク- 投資講座』の動画がオススメです。
元ディーラーで、現在投資スクールを運営している鈴木拓也氏が、RSIとそのダイバージェンスについて解説しています。
ダイバージェンスをもとにどのようにチャートを分析するのか、プロの視点から説明してくれるので、なかなか勝てないトレーダーは必見です!
ダイバージェンスの一般的な使い方
ダイバージェンスの判定をする際、チャートの上値や下値、インジケーターの上値や下値に注目するのが一般的です。
なお、ここで言う「上値」は相場の小さな上下動における天井のこと、「下値」は相場の小さな上下動における底のことを指します。
上の画像では、ダイバージェンスを判定する際に確認するポイントをイメージで示しています。
具体的には、上昇トレンドにおいては上値(画像左側の赤丸)に注目し、下落トレンドにおいては下値 (画像右側の赤丸) に注目するという形です。
通常、上昇トレンドであればチャートもインジケーターも上値を切り上げ、下落トレンドであれば下値を切り下げますが、これが逆方向になっていないかを見るわけです。
具体的に条件を整理すると、以下のようになります。
- (高値警戒圏において)チャートの上値が切り上がっている中、インジケーターの上値が切り下がっていれば「弱気のダイバージェンス」
- (安値警戒圏において)チャートの下値が切り下がっている中、インジケーターの下値が切り上がっていれば「強気のダイバージェンス」
このように、上値と下値が切り上げているか切り下げているかを意識して、ダイバージェンスを判定することになります。
チャート分析においてダイバージェンスを確認すると、トレンドが終了する可能性について意識を強めることになります。
ただし、ダイバージェンスの発生だけを根拠に、トレンドに対する逆張りのエントリーをするというのはあまり一般的ではありません。
なぜなら、ダイバージェンスがいったん発生したとしても解消してしまうことや、ダイバージェンスが繰り返し発生しながらトレンドが継続することがあるからです。
ダイバージェンスはあくまでトレードの根拠を補強する1つの要素として取扱うのがいいでしょう。
それでは、いくつかのインジケーターについてダイバージェンスの発生を実際のチャートで確認していきましょう。
RSI
上の画像は、ユーロ/米ドルの4時間足チャートでダイバージェンスを確認したものです。
サブチャートにはRSIを表示しており、パラメータは14に設定しています。
下落トレンドの中、画像における白矢印のところで、チャートの下値が切り下がっているのに対しRSIの下値が切り上がるダイバージェンスが発生しています。
その後、下落が止まり上昇へと転じています。
ストキャスティクスでダイバージェンスが起こった場合
上の画像は、ポンド/米ドルの5分足チャートでダイバージェンスを確認したものです。
サブチャートにはストキャスティクスを表示しており、パラメータは14に設定しています。
下落トレンドの中、画像における白矢印のところで、チャートの下値が切り下がっているのに対しSlow%D(赤いライン)の下値が切り上がるダバージェンスが発生しています。
その後、下落は一服しいったん上に戻す展開になっています。
ウィリアムズ%Rでダイバージェンスが起こった場合
上の画像は、米ドル/円の1時間足チャートでダイバージェンスを確認したものです。
サブチャートにはウィリアムズ%Rを表示しており、パラメータは14に設定しています。
下落トレンドの中、画像における白矢印のところで、チャートの下値が切り下がっているのに対し%Rの下値が切り上がるダバージェンスが発生しています。
ここで下落はいったん底打ちし、その後は上昇の流れになっています。
MACDダイバージェンスが起こった場合
上図の画像、ユーロ/米ドルの日足チャートでダイバージェンスを確認したものです。
サブチャートにはMACDを表示しており、パラメータは最も標準的な短期EMA12、長期EMA26、シグナル9に設定しています。
上昇トレンドの中、画像における白矢印のところで、チャートの上値が切り上がっているのに対しMACD(青いライン)の上値が切り下がるダバージェンスが発生しています。
上昇トレンドはここで終了し、下落トレンドへと転換する形になっています。
ダイバージェンスと設定値の関係
オシレーター系インジケーターでは、計算期間の設定値を調整することができます。
通常、設定値とインジケーターの動き方の関係には、以下のような関係にあります。
- 設定値を小さくすると、直近のチャートの動きに対するインジケーターの反応が強くなる
- 設定値を大きくすると、直近のチャートの動きに対するインジケーターの反応が弱くなる
設定値によってインジケーターの動きの大きさが変わり、これに伴いダイバージェンスの発生しやすさも以下のように変わります。
- 設定値を小さくすると、ダイバージェンスが発生しやすくなる
- 設定値を大きくすると、ダイバージェンスが発生しにくくなる
インジケーターがよく動くほど、ダイバージェンスは発生しやすくなるからです。
実際にチャートを見ながら、パラメータによる違いを見てみましょう。
上の画像は、ユーロ/米ドルの4時間足チャートに設定値が異なるRSIを2つ表示したものです。
上側のサブチャートに表示したRSIのパラメータは14に、下側のサブチャートに表示したRSIのパラメータは9に設定しています。
これを確認してみると、パラメータが9のRSIでは「A」「B」「C」の3ヶ所でダイバージェンスが発生しています。
一方でパラメータが14のRSIについては、「B」でしかダイバージェンスが発生していません。
この結果からは、インジケーターの動きが速い方が、ダイバージェンスは発生しやすいことが読み取れます。
チャート分析を行う際は、このようなダイバージェンスと設定値の関係についても頭に入れておくといいかもしれません。
ダイバージェンスの発生過程
ダイバージェンスをチャート上で事後的に確認するのは簡単ですが、それをリアルタイムで判断するとなると迷うことがあるかもしれません。
実際のトレードいおいてダイバージェンスの判定を行う際には、どのような流れでダイバージェンスが形成されていくかをイメージできることが大切です。
ここでは参考として、上昇トレンドにおいて「弱気のダイバージェンス」が発生する過程について、画像を使って時系列で追いながら見ていきましょう。
まずは上の画像のように、上昇トレンドが発生していることが前提です。
上昇トレンドとは、チャートにおいて前回の上値と下値がともに切り上がっている状態(ダウ理論におけるトレンドの定義)を指します。
その上で、インジケーターが高値警戒圏に入り(判定できるインジケーターの場合)、新高値を作ってからいったん調整の下落となるところがスタートです。
上の画像は次の段階で、チャートが再び上昇に転じ、前回作った上値を更新します。
このとき、インジケーターの方が前回作った上値よりも下に位置している場合、ダイバージェンスが発生する可能性が出てきます。
ただし、このタイミングではまだダイバージェンスは確定とはならないので注意しましょう。
このまま相場が上昇し続けるとインジケーターが上値を更新してしまい、ダイバージェンスがそもそも発生しないこともあるからです。
その後、上の画像のように相場が再び下落に転じて高値が確定したところで、インジケーターが前回上値を更新できていない場合、ダイバージェンスが確定したと言えることになります。
ダイバージェンスの可能性があるところから、ダイバージェンスが確定するまでにタイムラグがあるのがポイントです。
この間に、「上値がどこで止まればダイバージェンスになるか」「上値がどこまで伸びればダイバージェンスにならないか」といったイメージを持つことができると、相場の先回りをして動けることがあるかもしれません。
ダイバージェンスの解消
いったんダイバージェンスが確定しても、その後に解消してしまうケースもあります。
それは下の画像のようなケースです。
この画像で示しているのは、「弱気のダイバージェンス」が確定した後に再度大きな上昇が起こったパターンです。
このようなパターンにおいては、インジケーターがダイバージェンスの起点としていた上値を更新してしまうことがあります。
細かく見ていくと、ダイバージェンスが確定したと判断した上値を更新したところで、ダイバージェンスの判断が誤っていた可能性が出てきます。
そして、ダイバージェンスの起点としていた上値を更新すると、ダイバージェンスが解消したと判断しなければなりません。
この場合、もしダイバージェンスを根拠とするトレードを行っていると、その根拠が崩れることになります。
そのため、方針転換を検討すべきタイミングと言えるでしょう。
ダイバージェンスの発展形(ヒドゥン・ダイバージェンス)
基本的なダイバージェンスについて見てきたので、続いて応用パターンを紹介していきます。
それは、「ヒドゥン・ダイバージェンス(hidden divergence)」と呼ばれるものです。
日本語に訳すと「隠れたダイバージェンス」ということですね。
通常のダイバージェンスと比較すると、相場の反転を探るという点は共通していますが、それを確認する局面が異なります。
通常のダイバージェンスは、トレンド方向の動きが反転する兆候を探るものです。
一方でヒドゥン・ダイバージェンスは、トレンドが継続するという前提のもと、調整(トレンドの逆方向の動き)が終了するタイミングを探るために使用します。
上の画像は、ヒドゥン・ダイバージェンスのイメージを示しています。
画像左側が上昇トレンドにおけるヒドゥン・ダイバージェンスで、画像右側が下落トレンドにおけるヒドゥン・ダイバージェンスです。
赤丸がそれぞれを判定する際に重要となるチェックポイントで、チャートとインジケーターが逆行しているのが分かります。
具体的な条件を整理すると以下のようになります。
- 上昇トレンドにおいて、チャートの下値が切り上がっている中、インジケーターの下値が切り下がってくると調整の下落(押し)が終了する兆候
- 下落トレンドにおいて、チャートの上値が切り下がっている中、インジケーターの上値が切り上がってくると調整の上昇(戻り)が終了する兆候
このように、通常のダイバージェンスとは逆で、上昇トレンドでは下値に注目し、下落トレンドでは上値に注目しているのがポイントです。
また、通常のダイバージェンスではインジケーターを相場の勢いを示すものと捉えていたのに対し、ヒドゥン・ダイバージェンスでは過熱感を示すものと捉えている点も異なります。
例えば、上昇トレンドの調整が終了するタイミングを探るのであれば、「下値が切り上がっているのに、インジケーターの下値が切り下がっていて過熱感が増している(下がり過ぎ)」と解釈するわけです。
なお、ヒドゥン・ダイバージェンスは、上の画像のように通常のダイバージェンスが起こった後に発生することがよくあります。
通常のダイバージェンスでは、上昇トレンドであればインジケーターの直前の上値が切り下がっている状態になっています。インジケーターの上値が切り下がっているため、その次の下値が直前の下値を割りやすくなっており、ヒドゥン・ダイバージェンスが起こりやすいわけです。
こういった場合、トレンドの継続と反転についてどう解釈すればいいか迷うことがあるかもしれませんが、基本的には「トレンドが終盤に近づいている中で、もうひと伸びする可能性がある」という見方をすればいいと考えられます。
しかし、通常のダイバージェンスが出たことを重視して、ヒドゥン・ダイバージェンスのサインをスルーするなど、アレンジして解釈してもいいでしょう。
このあたりは分析対象のバックテストを通じて、予測の精度が上がるように自分なりの方針を固めた上で使っていただければと思います。
実際のチャートでダイバージェンスを確認
上の画像は、米ドル/円の日足チャートで、ヒドゥン・ダイバージェンスを確認したものです。
サブチャートにはRSIを表示しており、パラメータは9に設定しています。
赤矢印の大きな下落トレンドの中にある白矢印に注目してみると、チャートの上値が切り下がっているのに対し、RSIの上値が切り上がっています。
これがヒドゥン・ダイバージェンスで、トレンドの途中で起こっているのがポイントです。
もう少し細かく見てみると、ヒドゥン・ダイバージェンスが発生する前は、下落トレンドの中でいったん上方向に調整する動きが起きています。
ヒドゥン・ダイバージェンスが発生する中でこの調整は終了し、下落トレンドが継続する形となっています。
このように、トレンドの途中で発生する調整が行き過ぎていることを読み取れるのが、ヒドゥン・ダイバージェンスということです。
ダイバージェンスはダマシが明確に分かるので使いやすい
なお、ヒドゥン・ダイバージェンスが発生したからといって、調整が終わりトレンドが継続するとは限りません。
次の画像は、ヒドゥン・ダイバージェンスにおいてダマシが発生したケースのイメージを描いています。
上の画像を見てみると、下落トレンドの中、赤丸のところでヒドゥン・ダイバージェンスを確認し、下落トレンドの継続を予測しています。
しかし、その後は大きく上昇して下落トレンドが終わる流り、予測が外れてダマシとなった形です。
このようなケースでは、ヒドゥン・ダイバージェンスの起点となる上値または下値(黒点線)を抜けたところ(青丸)で、ダマシに終わったことが明確に確認できます。
もしこの起点となる上値または下値を抜けると、チャートの上値切り下げという前提が崩れるため、ヒドゥン・ダイバージェンスが成立しなくなるからです。
こういった形で、ヒドゥン・ダイバージェンスはここまでチャートが動くと想定が崩れるというラインが明確に設定できるのがポイントです。
損切りラインをあらかじめ明確に設定できるため、実際のトレードにおいても使いやすいと感じるかもしれません。
通常のダイバージェンスとの相違点
ヒドゥン・ダイバージェンスは通常のダイバージェンスと混同しやすいところがあるので、両者の相違点をポイントごとにまとめておきます。
「あれ、どっちだろう?」となった際には、以下の画像イメージやチェックポイントを確認してみるといいでしょう。
まずは、画像のイメージで通常のダイバージェンスとヒドゥン・ダイバージェンスを比較しています。
上の画像をポイントごとに整理すると、以下の表のようになります。
チェックポイント | 通常のダイバージェンス | ヒドゥン・ダイバージェンス |
使用する局面 | トレンド方向に伸びている局面 | トレンドと逆方向に調整している局面 |
読み取れること | トレンドが終了する兆候を確認できる | トレンドが継続するという前提のもと、調整が終了するタイミングを確認できる |
判定において注目する値 | 上昇トレンド:上値 下落トレンド:下値 | 上昇トレンド:下値 下落トレンド:上値 |
インジケーターの意味合い | 相場の勢い | 過熱感 |
ダイバージェンスを使ったトレードの実践例
ダイバージェンス単独ではトレード根拠としては弱いため、実際にはそれ以外のチャート分析を併用することが多いでしょう。
ダイバージェンスはオシレーター系インジケーターで確認することが多いので、基本的にトレンド系インジケーターの分析と組み合わせるのがやりやすいかもしれません。
ここでは、RSIのダイバージェンスと移動平均線を使ったトレード例を見ていきます。
なお、移動平均線に関しては、以下の3つの性質を頭に入れておくといいでしょう。
- 移動平均線が上方向を向いていれば上昇トレンド、移動平均線が下方向を向いていれ下落トレンド(相場の方向性)
- 短期移動平均線>中期移動平均線のときは上昇トレンド、短期移動平均線<中期移動平均線のときは下落トレンド(相場の方向性)
- 短期移動平均線が中期移動平均線を上に追い抜くと買い、短期移動平均線が中期移動平均線を下に追い抜くと売り(売買ポイント)
上の画像は米ドル/円の日足チャートで、メインチャートに2本の移動平均線を、サブチャートにRSIを表示しています。
なお、短期移動平均線のパラメータは5、中期移動平均線のパラメータは25、RSIのパラメータは14です。
まず、「A」のところで、短期移動平均線が中期移動平均線を下方向に追い抜いています。
その後、中期移動平均線が下方向を向く中、一貫して短期移動平均線<中期移動平均線の位置関係となっており、下落トレンドであることが確認できます。
上の画像でその後の展開を見ていくと、「B」のところでヒドゥン・ダイバージェンスが発生しています。
移動平均線による下落トレンドの確認、ヒドゥン・ダイバージェンスによる売りサインの2つを根拠として、売りのエントリーを行います。
なお、その際は上値1に少し上に損切りラインを設定するといいでしょう。
下落トレンドが続く中、「C」のところで「強気のダイバージェンス」が発生します。
ここでいったん利益確定のエグジットを行います。
なお、移動平均線は下落トレンドを示しており、ここでは買いのエントリーはできません。
少し後の「D」では、再びヒドゥン・ダイバージェンスが発生しているので、先ほどと同じ根拠で上値2を基準に損切りラインを設定して、売りでエントリーします。
そのまま移動平均線に押さえられる形で下落トレンドが継続し、「E」で再び「強気のダイバージェンス」が発生しているので、再度利益確定のエグジットを行います。
さらにその後の展開を上の画像で見ていくと、「F」のところで短期移動平均線が中期移動平均線を上方向に追い抜きます。
このとき、短期移動平均線は上方向を向いており、中期移動平均線も下方向から上方向に転じる最中です。
直前にダイバージェンスにより下落トレンドが転換する兆候を確認したところで、移動平均線でも買いシグナルが出たということで、ここで買いのエントリーを行います。
損切りラインとしては、直前の下値を基準に設定しておくといいでしょう。
思惑通り上昇トレンドへと流れが変わり、「G」のところで短期移動平均線が中期移動平均線を下方向に追い抜いたところで、利益確定のエグジットを行います。
上の画像が最後となります。
「H」では、再び短期移動平均線が中期移動平均線を上方向に追い抜いて、短期移動平均線>中期移動平均線の位置関係となります。
そのすぐ後に、「I」でヒドゥン・ダイバージェンスが発生するので、下値3を基準に損切りラインを設定して買いのエントリーが行えます。
こういった形で、ダイバージェンスを単独で使うのではなく、他の分析と組み合わせることによってトレードの精度向上を図ることができます。
ぜひいろいろと試しながら、自分で手法を考えられるようになりましょう。
ダイバージェンスの注意点・懸念点
ダイバージェンスは相場の流れを見る上で有用ですが、正しく使わないと効果が期待できないかもしれません。
有効に使うための注意点をいくつか挙げていきます。
ダイバージェンスは対象となるトレンドの中でのみ有効
基本的にダイバージェンスは、ひと続きのトレンド内においてチャートとインジケーターの動きを確認するものです。
そのため、異なるトレンド間でダイバージェンスの判定をしても意味を成さないと考えられます。
例えば上の画像を見てみると、上昇トレンドの中において「OK」と示している赤丸でダイバージェンスの判定をするのは問題ないでしょう。
しかし、その上昇トレンドが完全に終わった後に、「NG」と示している赤丸においてダイバージェンスを判定しても意味がない可能性があります。
ダイバージェンスを判定する際は、自分がどのトレンドを分析対象としているのかよく意識しておかなければなりません。
チャートとインジケーターの逆行が確認できた場合には、その逆行の間でトレンドが途切れていないか確認するようにしましょう。
なお、上図で「NG」と書いている部分について、大きな流れで見ればダイバージェンスが発生しているケースも考えられます。
これを確認したい場合は、この全体の上下動をひと続きのトレンドとみなせるように、より長期の時間足での分析を行う、あるいは、インジケーターのパラメーターの設定値を大きくするなど、分析対象のトレンドに合わせた分析に修正する必要があります。
ひと続きのトレンドの判断基準
なお、ひと続きのトレンドか、トレンドが途切れているかについて、判断しづらいケースもあるでしょう。
その場合、何らの基準を決めて、これらの判断を行うといいかもしれません。
上の画像では、インジケーターが50%のラインを抜けたらトレンドが途切れたと判断するイメージを描いています。
このような形で何らかの基準を設けることで、客観的な判断が可能となります。
以下の表では、インジケーターごとの判断基準の例を挙げておきます。
インジケーター | トレンドが途切れたとする判断基準例 |
RSI | 50%を抜ける |
ストキャスティクス | 上昇トレンド:安値警戒圏に入る 下落トレンド:高値警戒圏に入る |
ウィリアムズ%R | 50%を抜ける |
MACD | ゼロラインを抜ける |
こういったフィルターを追加していくことによって、ダイバージェンスの精度を向上させられる可能性があります。
バックテストをしっかり行って検証しながら、自分なりの判断基準を見つけるようにしてください。
ダイバージェンスが発生してもトレンドが継続してしまうことがある
ダイバージェンスが発生したとしても、必ず相場が反転するとは限りません。
相場を予測する上で使い勝手のいい分析手法ではありますが、単独でトレード根拠として使用するにはやや弱いところがあることは意識しておきましょう。
トレード根拠としては、あくまでも他のチャート分析結果を補強する位置付けで使うのが基本です。
なお、ダイバージェンスがダマシに終わってしまうパターンとしては、以下の2つが考えられます。
- ダイバージェンスを繰り返しながらトレンドが継続する
- そもそもダイバージェンスが解消してしまう
この2つの可能性も頭に入れて予測することで、今後の相場の動きのパターンをあらかじめイメージすることができるようになります。
相場展開を予測する際に、ダイバージェンスを有効に使うように心がけましょう。
ダイバージェンスのないトレンド転換もある
ダイバージェンスが必ず相場反転につながるわけではないのと同様で、相場反転が起こる際に必ずダイバージェンスが発生するわけでもありません。
つまり、相場反転を狙っている際に、ダイバージェンスの発生を待っていると、トレードのタイミングを失ってしまうことがあります。
ダイバージェンスによりトレードの精度は高くなりますが、必要条件として手法に組み入れてしまうと、トレードがうまくいかない原因になるかもしれません。
どちらがいいか一概には言えませんが、この点についてもトレード手法を考える際は頭に入れておいた方がいいポイントと言えるでしょう。
ダイバージェンスの豆知識
ダイバージェンス(divergence)には「発散」という意味もあり、その文脈で語源が説明されることもあります。
上の画像左側のように弱気のダイバージェンスが起こっている場合は、チャートとインジケーターが上下に広がっており、まさに発散の形を作っています。
逆に、画像右側のように強気のダイバージェンスに関しては、チャートとインジケーターが内側を向いており、収束する形を作っています。
このため、強気のダイバージェンスは、「収束」の意味を持つ「コンバージェンス(convergence)」と呼ぶこともあります。
強気や弱気、ダイバージェンスやコンバージェンスといった形で、同じことを意味していても別の用語が使われることもあります。
ダイバージェンスに関する情報を調べる際は、このことも頭に入れておくとスムーズかもしれません。
ダイバージェンス用語
- ダイバージェンス
- 強気のダイバージェンス(ポジティブ・ダイバージェンス)
- 弱気のダイバージェンス(ネガティブ・ダイバージェンス)
- コンバージェンス
- ヒドゥン・ダイバージェンス
ダイバージェンスが使えるインジケーター
- RSI
- ストキャスティクス
- ウィリアムズ%R
- MACD
- 移動平均乖離率
- モメンタム
- ストキャスティクスRSI
- RCI
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