DMI(方向性指数)|DIとADXによるトレンド判定方法や設定値を解説
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DMIとは
- 相場が上昇か下降かの方向性と勢いを推測できるため順張りトレードに適した方向性指標
- トレンドの出現・強弱の分析だけではなく、相場の転換点の予測にも利用可能
- DMIを一言でいうと、当期間と前期間の高値と安値の変動した幅をくらべて算出されたテクニカル指標
目次
最強のテクニカル分析は?
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DMIをアプリで表示
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DMIの種類
DMIの構成要素は、7種類あります。
- +DM,-DM:方向性
- TR:実質変動幅
- ATR :TRの平均値
- +DI,-DI:相場トレンドの方向
- DX:相場トレンドの強弱
- ADX :相場トレンドの勢い(強さ)
- ADXR:ADXの方向(ADXの平均線)
後にも解説してますが、次の画像のような形で、最近は大体+DM、-DMとADXの3本のラインで表示されているツールが多いです。
この機能は+DM、-DMがトレンドの方向性を示し、ADXがトレンド強さを示します。この3つの指標でエントリ、もしくはエグジットのタイミングを判定します。
DMI計算式
DMIは、一般的に+DI、-DI、ADX、ADXRという4つの指標で構成されてます。
これから各種計算式を解説いたしますが、±DM、±DIの「+」「-」は「足す」とか「引く」という意味ではありません。
+DM、-DM、+DI、-DI、という記号と認識しておいてください。
DMI計算式の意味
DM(方向性)をTR(実質変動幅)で割ることによって±DI(方向性指数)が算出されます。
±DIを求めるには予めDMとTRを算出しておきます。
±DMの算出方法
+DM=当期間の高値-前期間の高値
(ただし+DM>0 かつ +DM>-DMでなければ +DM=0 )
-DM=前期間の安値-当期間の安値
(ただし-DM>0 かつ -DM>+DMでなければ -DM=0 )
上の画像では、前期間と比較して高値と安値がともに上昇したときの+DMと-DMを示しています。
算出方法に従うと、当期間の高値 – 前期間の高値 > 0 なので +DM > 0 、前期間の安値 – 当期間の安値 < 0 なので -DM < 0 です。
+DMについては、+DM > 0 かつ +DM > -DM なので、そのまま「当期間の高値 – 前期間の高値」の値が採用されます。
-DMについては、-DM < 0 のため「0」となる形です。
上の画像では、前期間と比較して高値が下落し、安値が上昇したときの+DM、-DMを示しています。
まず+DMについては、当期間の高値 – 前期間の高値 < 0 となるため、「当期間の高値 – 前期間の高値」の値は採用されず「0」となります。
続いて-DMについても、前期間の安値 – 当期間の安値 < 0 なるため、「 前期間の安値 – 当期間の安値 」の値は採用されず、 「0」となります。
上記の条件を解説すると
高値もしくは安値が更新されなかった場合、DMを0
高値と安値の幅が小さかった方のDMに0
高値と安値のうちで変動が大きかった方だけにカウントされる計算式になっております。
次に、TR を算出します。
TRの算出方法
上の画像は、TRの求め方のイメージを示したものです。
- 当期間の高値 – 当期間の安値 (A)
- 当期間の高値 – 前期間の終値 (B)
- 前期間の終値 – 当期間の安値 (C)
上記3つの変動値幅のうちもっとも大きい数値を選択します。
+DIと-DIの算出方法
これでやっと+DIと-DIを求めることができます。
+DI =(14期間の+DMの合計)/(n期間TRの合計)x100
-DI =(14期間の-DMの合計)/(n期間TRの合計)×100
DXの算出方法
DXは、+DIを-DIから引いた差の絶対値を+DIとDIの和を割って求めた指数です。
DX = 絶対値[+DI-(-DI) ] /+DI+(-DI)x100
絶対値とは?
たとえば[-2]=2とすることを指します。
ADXの算出方法
ADXを算出するためには、最初に先程解説したDXから求めます。
ADX = DXの(n)期間平均値
n = 一般的な数値は「14」が使われます。
ADXRの算出方法
ADXR = ADXの(n)期間の平均
n = 一般的な数値は「14」が使われます。
DMIを算出するコツ
効率的ににDMIを算出する順序を 以下にまとめました。
- +DMと-DMを算出する。
- TRを算出する。
- +DM、-DM、TRから+DIと-DIを算出する。
- +DI、-DIからDXを算出する。
- DXからADXを算出する。
- ADXからADXRを算出する。
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DMIの計算式を踏まえたうえで売買ポイントを説明してくれるので、この動画を見れば、DMIへの理解も深まるでしょう。
DMIの一般的な使い方
DMIは前期間と当期間価格差を数値化して、相場トレンドの勢いを算出後、指数にしそれをビジュアル化したものです。
指標は主に+DI、-DIとADX(もしくはADXとADXR)を用いられていることが多いです。
各指標の機能は以下のとおりです。
- +DI:値上げトレンド(上昇方向)を示します
- -DI:下落トレンド(下洛方向)を示します
- ADX:トレンドの勢い(強さ)を示します
- ADXR:ADXの方向(ADXの平均線)を示します
これらの各指標を組み合わせたDMIの使い方をこれから解説していきます。
DMI設定値
期間パラメーター | 設定値 | 意味 |
±DI | 14 | 方向性指数 |
ADX | 14 | DXの(n)期間平均値 |
ADXR | 14 | ADXの(n)期間の平均 |
期間パラメーター「14」は考案者J.W.ワイルダー氏が推薦する数値です。
DMIが示す売買ポイント
以下の3種類を用いたトレード手法を解説します。
・+DIと-DI
・±DIとADX
・ADXとADXR
+DIと-DIでトレード
売買ポイントは+DIと-DIがクロスした地点が売買のシグナルといえます。
・買いポイント:+DIが-DIを下から上にクロスした時。
上のチヤート画像で解説しますが青色の+DIが赤色の-DIを下から上に抜けると買いシグナル発生と判定可能です。
これは価格がプラスに向いている動きがマイナス方向の動きを上回り上昇トレンドが続くと予測できます。
・売りポイント:+DIが-DIを上から下にクロスした時。
これと反対に赤色の-DIが青色の+DIを下から上に抜けると売りシグナル発生と判定できます。
マイナス方向の方向性が強まり、相場は下落するでしょう。
±DIとADXでトレード
±DIとADXは相場の各分野でよく使われています。もっともポピュラーなDMIツールともいえます。
これは+DIと-DIにADXがセットされたツールになりますす。一般的な使い方は、±DIで価格の方向を確認した上でADXによるトレンドの勢いを判定するという方式です。
±DIが売買シグナルを示しても、その相場の勢いが弱いとダマシに合うことがあります。
ADXは、前述のとおりトレンドの勢いを示す指標です。
ADXレベルとは、トレンドの強弱を数値で示した、ADXインジケーターの縦軸の単位となります
±DIが売買シグナルを示してなおかつADXのレベルが高ければトレンド継続の可能性が高まります。
上のチャート画像を見ながら解説いたします。
買いポイント:+DIが-DIを下からクロスしたときにADXレベルが高くADXが上向きに向かっているとき。
売りポイント:-DIが+DIを下からクロスしたときにADXレベルが高くADXが上向きに向かっているとき。
上記のような条件が理想的ですが、ADX線が底を這っているような低い状態のときは、±DIがクロスしてもトレンド発生とはいえません。
ADXは「ADX=DXの(n)期間平均値」で求め、期間数(n)を小さくすれば動きが敏感になり、大きくすれば鈍感になります。
一般的な数値(n)は「14」です。
例えば相場が荒れ相場のときなどは期間数(n)を大きくすればノイズが減少するといえます。
前述のとおりADXはトレンドの強さを示し、±DIは上昇方向、下落方向へのトレンドの方向性を示します。
具体的に解説すると
価格が上昇している場合:+DIは上昇、-DIは下洛し+DIと-DIの幅の広さに比例してADXが上方向に向かいます。
価格が下落している場合:-DIは上昇、+DIは下洛し-DIと+DIの幅の広さに比例してADXが上方向に向かいます。
要は±DIが幅広くクロスして価格の方向性が明確であり、ADX線が高めで上向きであるときはトレンドが強く狙い目といえます。
ADXのレベルが25以上のときはトレンド相場で、25未満のときはレンジ相場であると一般的にいわれてます。
これを計算式で解説するとADXは「ADX=DXの(n)期間平均値」で求められますので、仮に(n)を通常の(14)と設定した場合、DXの14期間の合計が350以上であればトレンド相場であるといえます。
これは一般論で25からトレンド相場と決めつけるのではなく30からトレンド発生と厳しくする、あるいは20にして優しめにするなど任意で判定基準を定めることもありえます。
ADXとADXRでトレード
上の画像を使って、ADXとADXRを使ったトレード方法を解説していきます。
ADXRの一般的な使い方としてADXの精度を補うために活用します。
ADXRとはADXの移動平均線です、つまりADXがADXRをクロスしたときにトレンドの勢いを判定します。
具体的に解説すると
トレンド発生もしくは強い:ADXがADXRを下から上にクロスした時
トレンド終了もしくは弱い:ADXがADXR上から下にクロスした時
トレンドの勢いが強いときにトレンド方向に沿って順張りでエントリーします。
値上げトレンドで新規買い、下落トレンドで新規売り(空売り)でエントリーします。
トレンドの勢いがなくなったらトレンド転換の見込みもあるので、直前のトレンドに対して逆張りトレードに利用することもできます。
ADXとADXRはトレンドの勢いを判定もので、価格の方向性を示す機能はありません。そのため一般市場では価格の方向性を示す指標である±DIと併用しているツールが多いです。
DMIとADXの応用的な使い方
考案者J・w・ワイルダー氏は自身が考案した数々のテクニカル指標の中でDMIを高評価しています。
DMIは1、±DM、TR、ATR、±DI、DX、ADX、ADXRの7種類の指標で構成されておりこれらの指標と組み合わせ
て色々なテクニカル指標が構成できます。
その中でもADXは著名なテクニカル分析研究家からも高い評価を受けておりADXを単独のみならず、他の指標と組み合わせて幅広い相場分野で活用されています。
ADXは相場が現在トレンド中なのか、レンジ中なのかを判別できるように作られた希少なテクニカル指標です。
このADXでトレンドの勢いを検知、もしくはレンジ中なのかを判別します。これに+DIと-DIを併用して相場の方向性と勢いを確認するという仕様でDMI+ADXが構成されました。これを単にADXと呼称するケースも増加傾向にあります。
DMI+ADXは±DMで相場の勢いと方向性を見ながらADXと合わせてトレンド発生を検知できます。この機能は逆張りトレードにも使えますがどちらかというと順張りトレードに向いているといえます。
ではこのADXに他のテクニカル指標を組み合わせて逆張りトレードに向いた機能を付与してみます。
ADXとRSI
それでは、ADXに逆張りトレードに向いているオシレーター系のRSIという指標を追加して併用した手法を解説します。
この手法は売買条件や設定がシンプルに活用できます。
この手法はどちらかというと短期トレード向きです。
逆張りエントリーを狙うので
ADXを用いて現在の相場がトレンド中、レンジ中であるかを判別します。そしてレンジ相場判定中にRSIで買われすぎか売られすぎを判断します。これらの機能を併用した逆張り手法です。
ADXとRSIの売買ポイント
上の画像を使って、ADXとRSIを使った売買ポイントについて解説していきます。
ここではADXレベルが25以下でトレンド終了、RSIレベルが30以下で売られすぎ、70以上が買われすぎと設定してます。
買いポイント:ADXレベルが25以下で、かつRSIが30を割り込む
売りポイント:ADXレベルが25以下で、かつRSIが70を切り上げる
ADXレベルが買い、売り、どちらも同じ数値で判定基準が単純です。
今回、解説しましたパターンはすぐ価格が反転してますがトレンド終了後に持ち合いになりその後反転というパターンもありえます。
RSIのレベルについて
RSIが70%~80%を超えると買われ過ぎ、反対に20%~30%を割り込むと売られ過ぎと
一般的に判断されているケースが多く、相場の転換ポイント(逆張り)の目安になります。
▼RSIについて詳細はこちら
DMIの注意点・懸念点
基本的に、DMIは相場が上昇か下降かの方向性と勢いを検出するために考案されたテクニカル指標です。このためにどちらかというとトレンド相場での順張りトレードに適しているといえます。
以下にDMIを用いてトレードする際の注意点を説明します。
レンジ相場に弱い
相場において常にトレンド状態だけではなく、途中にもみ状態のレンジ相場も散見されます。
レンジ相場状態になると、トレンド系テクニカル指標は扱いにくくなり、トレンド系指標であるDMIも、思惑通りに機能しなくなることが予想されます。
レンジ相場では、下の画像のように+DIと-DIのクロスが頻繁になります。このような現象が発生するとDMIを利用している多数のトレーダーがエントリーに戸惑います。こんなときにトレードすると往復ビンタの制裁を授かることになるでしょう。
有効に機能するパラメーターを検証する必要がある。
±DI、ADXのパラメーターはデフォルトの「14」が一般的です。
期間パラメーター「14」は作成者J.W.ワイルダー氏が採用してる数値です。DMIのほぼ固定した値ともいえます。
ただし「14」がいつも最適なパラメーター値とは限りません。
芳しくない時は、バックテストも兼ねてご自身の環境に合ったパラメータ値を模索してみましょう。
ADXレベルは20~25位に設定するのが状況にもよりますが一般的です。
ADXレベルのパラメーターはある程度、値を高めに設定すると乗り遅れが増加するかもしれませんがダマシを減少できるといえます。
これらを踏まえて自分の裁量に最適なパラメーターを見つけるようにしましょう。
DMIの成り立ち
DMIはオシレーター系で有名な指標であるRSIを考案したJ.W.ワイルダー氏がその欠点を補うべくして開発された
指標です。RSIはレンジ相場に強くDMIはトレンド相場に適した設計になってます。
・考案者
J.W.ワイルダー(米国)
・種類
トレンド系指標
・歴史
1978年考案
その他、RSI、パラボリックSAR、ピボット・ポイント等、相場で幅広く活用されている代表的なテクニカル指標を考案・開発した人物です。
豆知識
DMIは、+DM,-DM2、TR、 ATR、+DI,-DI、DX、ADX、ADXRの7種類の指標で色々な構成が可能なテクニカルツールです。
考案者のJ.W.ワイルダー氏が作成したRSIの欠点を補うべくして開発されたといわれています。
用語
方向性指数
平均方向性指数
実質変動幅
DMI
+DM,-DM
TR
ATR
+DI,-D
DX
ADX
ダイバージェンス
ヒドゥンダイバージェンス
持ち合い
類似・派生インジケーター
移動平均線
一目均衡表
DMIが使えるFX/証券会社
DMIを使用できるFX会社、証券会社、仮想通貨取引所を以下に記載します。
DMIが使えるFX会社
- DMM FX
- GMOクリック証券
- 外為オンライン
- LINE FX
- SBI FXトレード
DMIが使える証券会社
- SBI証券
- 楽天証券
- 松井証券
DMIが使える仮想通貨取引所
- bitFlyer
- Coincheck
- GMOコイン
- DMM Bitcoin
- bitbank
DMIがMT4/5で使えるか
利用可能