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4人に1人が100万円以上の大損失を出していた!最大8000万円も。投資の損失経験の実態を調査|大多数が相場の急変で大損を経験、資産が半分になるケースも

2023年08月28日 公開 
2024年11月06日 更新
投資で大損した経験の実態調査
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テクニカル分析専門サイト『テクニカルブック』は、投資家が経験した損失について調査する目的で、過去に投資をしたことがある350名を対象にアンケートを行いました。本調査の結果からは、4人に1人の投資家が100万円以上の損失や投資資金の半分以上を失う経験をしているなど、投資家の損失に関する実態がみえてきました。

※本記事では、プレスリリースに掲載していない調査データも紹介しています。より詳細な補足情報を確認したい方は、ぜひ記事全文をご覧ください。

調査サマリー

今回の調査結果に関する概要は以下の通りです。

  1. 100万円以上の損失を経験したことがある人は26.2%、10万円以上の損失経験がない人は38.0%
  2. 投資資金の50%以上を失った経験がある人は27.5%、投資資金の10%以上を失った経験がない人は24.2%
  3. 「国内株式(現物取引)」で損失を出した人が48.5%と最多
  4. レバレッジがかかる投資は損失割合が高くなる傾向
  5. リーマンショックなどの相場の急変に巻き込まれて過去最大損失を出した人が多い

調査の実施概要

調査機関 :自社調査
調査方法 :インターネット調査(株式会社ジャストシステム「Fastask」)
対象エリア:日本全国
対象者  :「投資をしたことがある」と回答した20歳以上の男女
調査期間 :2023年8月10日~8月12日
有効回答 :350名

主な調査結果

1.100万円以上の損失を経験したことがある人は26.2%、10万円以上の損失経験がない人は38.0%

過去に経験した最大の損失金額

投資で経験した過去最大の損失金額について質問したところ、次のような結果となりました。

  • 損失経験はない:22.9%
  • 10万円未満:15.1%
  • 10万円~99万円:26.0%
  • 100万円~499万円:15.4%
  • 500万円~999万円:7.4%
  • 1000万円以上 :3.4%
  • 金額を把握できていない:9.7%

100万円以上の損失を経験したことがある人は全体の26.2%で、4人に1人が100万円以上の損失を経験しているという結果になりました。また、1000万円以上の高額な損失の経験がある人も3.4%と、少ないながら一定数存在しているようです。有効回答のうち最も高額な損失は8000万円でした。

一方で、10万円以上の損失を経験したことがない人は38.0%で、3人に1人は大きな損失を経験していませんでした。なお100万円以上の損失を経験したことがない人を集計すると64.0%で、大半の人が投資で大きな損失を出しても100万円未満で収まっていることが分かります。

2.投資資金の50%以上を失った経験がある人は27.5%、投資資金の10%以上を失った経験がない人は24.2%

最大損失で投資資金の何割を失ったか

過去最大の損失を出した際に、投資資金の何%を失ったかを質問した結果は、以下の通りです。※過去最大の損失金額について「損失経験はない」「金額を把握できていない」と回答した人を除外

  • 10%未満:24.2%
  • 10%~19%:12.7%
  • 20%~29%:16.5%
  • 30%~39%:12.7%
  • 40%~49%:6.4%
  • 50%~59%:9.7%
  • 60%~69%:3.4%
  • 70%~79%:2.1%
  • 80%~89%:3.4%
  • 90%~100%:8.1%
  • 100%超:0.8%

最も高い割合となったのが「10%未満」の24.2%で、最大損失とはいっても損失の割合が少ない人が多いことが読み取れます。

一方、損失割合が50%以上と回答した人を集計すると27.5%で、過去最大の損失を出した際、4人に1人は投資資金が半減していることが分かりました。なお「100%超」は0.8%と、ごく少数ではあるものの投資資金がマイナスになった経験がある人もいるようです。

3.「国内株式(現物取引)」で損失を出した人が48.5%と最多

最大損失を出した投資

何の投資において過去最大の損失を経験したか質問したところ、最も多いのが「国内株式(現物取引)」の48.5%、続いて「投資信託(ETF、REITを含む)」の24.1%、「FX(外国為替証拠金取引)」の15.2%という結果でした。

今回の調査では、「国内株式(現物取引)」で最大損失を出した人が多かったことが分かります。なお、他の調査では、国内株式に投資している人が最も多いという結果も出ており、これは国内株式の取引をしている人が多いからこその結果といえるかもしれません。

【補足】投資対象の割合

投資を行っている金融商品の割合

上のグラフは、他の調査における投資対象の割合を整理したものです。1位は「国内株式」の65.2%、2位は「投資信託(ETF/REITを含む)」の56.7%となっており、この2つに投資をしている人が圧倒的に多いことが読み取れます。

なお、先ほどの過去最大の損失を経験した投資の割合を見てみると、国内株式(現物取引)は投資信託の倍近い数となっていました。投資対象の割合と比較して国内株式が投資信託に大きく差を付けての1位となっており、投資信託と比較した場合には国内株式が大きな損失を出しやすいといえるかもしれません。

同様に、投資対象の割合において「FX(外国為替証拠金取引)」「債券(国債/社債/外国債など)」「暗号資産(ビットコイン)」は同程度の値となっている一方で、先ほどの過去最大の損失を経験した投資の割合をでは、FXが他を離して高い割合となっています。この3つの中では、FXで過去最大の損失を経験した人が多かったことが推測できそうです。

4.レバレッジがかかる投資は損失割合が高くなる傾向

最大損失で何割の投資資金を失ったか(投資対象別)

上のグラフは、投資資金に対する過去最大の損失割合を、投資対象別に集計したものです。投資対象の種類によって、以下のようにレバレッジがかからない投資は青系で、レバレッジがかかる投資は紫系の色で表示しています。

▼青系で表示
国内株式(現物取引)
外国株式(現物取引)
投資信託(ETF、REITを含む)
債券(国債、社債、外国債など)

▼紫系で表示
国内株式(信用取引)
外国株式(信用取引)
先物・オプション
FX(外国為替証拠金取引)

青系と紫系のグラフの形状を比較すると、青系は概ね右肩下がりを描いているのに対して、紫系は必ずしも右肩下がりとはなっていません。このことは、レバレッジがかからない投資では損失割合が高くなるにつれ発生可能性が下がるのに対して、レバレッジがかかる投資では損失割合が高くなっても発生可能性が下がるとは限らないことを示しているといえるでしょう。

レバレッジがかかる投資で大きな失敗をすると、投資資金の多くを失いやすい傾向があるといえるでしょう。そのため、リスク管理の徹底が重要性が高まると考えられます。

5.リーマンショックなどの相場の急変に巻き込まれて過去最大損失を出した人が多い

過去最大の損失を出した際の状況について自由記述形式でエピソードを募集したところ、リーマンショックなど、相場の急変に関する記述がみられました。このことからは、相場急変において過去最大の損失を出した人が多いことが推測されます。

以下では、相場急変に巻き込まれた人のエピソードを10個ピックアップして紹介します。

▼リーマンショックに関するエピソード

・定年後株式売買を始めた、あまり経験がない時にリーマンショックが起こった。現物と共に信用取引も行っており、途中から怖さも感じて株を売った。(70代/男性/茨城県)

・リーマンショックで投資信託の価値が大幅に下落していたのに、素早い対応ができなかった。(70代/男性/広島県)

・国内株式を知識を持たずになんとなく買ったが、リーマンショックが起きて、半額程度まで下落してしまった。いずれ持ち直すと思っていたが、10年以上戻らなかったので損切をした。(50代/女性/徳島県)

・外科手術の入院中にリーマンショックに遭遇、ネット、直接取引が出来ず、尚且つ後遺症のため2か月超退院遅れ、損切りが遅れたため。(70代/男性/岐阜県)

・FXでポンドを保有していたが、リーマンショックの発生によりあっという間にマイナスが膨らみ、損切りの損失を賄う為にナンピン買いで更にマイナスを被るという悪循環。(50代/男性/山口県)

▼その他の相場急変に関するエピソード

・信託での運用をしていて、コロナ流行の始めに大きな下落があった。こういう重大な場面に慣れておらず信託を手仕舞して資金をひきあげたが、それ以降意外に早く価格が回復してしまった。現在はさらに価格が伸びて機会損失も大きかった。(50代/男性/栃木県)

・ライブドアショックで関連会社の株が下落した。(50代/男性/東京都)

・イギリスのEU離脱の円高でFXの損失。離脱の賛成票が反対を上回るとは思わなかった。(60代/男性/神奈川県)

・ブレグジット、トランプ当選。ウクライナetc.地政学リスクに翻弄された。(60代/男性/大阪府)

・ハイテク株を1000株保有していたが、ITバブルがはじけて株価が7割ほどさがり900万円ほどの損失を出した。(70代/男性/岐阜県)

投資では万が一の時に対応するための準備が大切

今回の調査結果をまとめると以下の通りです。

  • 10万円以上の損失経験がない人は38.0%と、大きな損失経験がない人が多い
  • 4人に1人が100万円以上の損失経験、投資資金の半分以上を失った経験がある
  • リーマンショックをはじめ、ショック相場で最大損失を経験する人が多い
  • 最大損失を「国内株式(現物取引)」で経験した人が48.5%

以上の結果からは、大きな損失を経験したことのない人が多いものの、100万円以上の損失を出す、投資資金の半分以上を失うなど、少ないとはいえない規模の損失を出した経験がある人が一定数存在することが分かりました。

また、過去最大の損失をショック相場の中で経験している人が多いことからは、万が一の時にも対応できる準備をしながら投資を行うことの大切さが読み取れます。ショック相場を完全に避けることはできませんが、ショック相場の予兆を常に意識した上で、万一ショック相場になっても耐えられるようにポートフォリオを組んでおくことが大切といえるでしょう。

著者
Runchaテクニカル分析チーム
チーム紹介ページ

日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト|4大監査法人出身者|TradingViewインジケーター開発者|EA開発者|

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監修者
山中康司

有限会社アセンダント

学歴: 慶應義塾大学卒業

著書: 『FXチャート分析マスターブック FX ボリンジャーバンド常勝のワザ』(2013年12月)

来歴: アメリカ銀行バイスプレジデント → 日興シティ信託銀行為替資金部次長を歴任。・金融コンサルティング会社アセンダント設立。金融リテラシー協会代表理事を務める。



所有者
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内田 まさみ ラジオNIKKEI
日経CNBCの番組パーソナリティ
経済雑誌多数連載中
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