なぜ円安になると株高になるのか？為替レートが株価に与える影響について解説

2024年04月12日 公開　
2024年08月05日 更新

円安とは、日本円の価値が外国通貨と比べて相対的に低下している状態です。

円安と株高は、しばしば同時に発生することもあり、なぜ円安になると株価が上昇するのか疑問に感じる方もいるのではないでしょうか？

結論としては、円安によって輸出企業の業績が向上したり、海外からの投資が増加したりした結果、株高になる傾向があるのです。

この記事では、円安と株高の関係性について解説します。

この記事を読むことで、株式投資の基礎となる為替レートと株価の関係性に関する知識を身につけられます。

そもそも円安とは

円安とは、為替レートの変動により、日本円の価値がドルやユーロなどの外国通貨に比べて相対的に低下している状態です。

例えば、1ドル＝100円から1ドル＝110円に変動した場合、1ドルを買うのにより多くの円が求められる、つまりドルに対する円の価値が減少しているので、円安が進んだといえます。

円安が発生する主な要因について以下の表でまとめました。

なぜ円安になると株高となるのか

円安と株高は、しばしば同時に発生します。その主な理由として以下の2つが挙げられます。

• 輸出企業の業績向上
• 海外投資家による投資の増加

円安が進むと、日本の輸出企業が海外で得た外国通貨建ての収益をより多くの円に換算できます。

したがって輸出企業のような外国通貨で収益を得る企業の業績が向上し、株高につながるのです。

また、円安下では外国通貨をより多くの円に換えられます。

したがって、海外の投資家にとっては同じ投資額でより多くの日本株を購入できるので、海外からの投資が増え、株高が発生するのです。

円安株安が発生することもある

しかし、必ずしもすべての場面で円安と株高が同時に発生するわけではありません。

例えば輸入企業にとって円安はコストの上昇につながるので、コスト上昇による業績の悪化により株価が下落することもあります。

また輸入品の価格上昇に伴って、国内の消費財の価格も上昇します。

このような価格上昇は消費者にとって負担となるので、消費活動の鈍化による経済悪化が株安につながることもあるのです。

日本経済における円安株高の現状

日本経済は、長期にわたり低金利政策と金融緩和の下で運営されてきました。

具体的には、日本銀行が金融緩和政策を通じて市場に大量の資金を供給し、金利を抑制することで、円安株高の状況が支えられています。

実際に、日本の低金利政策は円安と株高を促進する効果があり、アベノミクスなどの例を見てもわかる通り経済活動の刺激に一定の成功を収めています。

ただし過度な円安はインフレーションの原因となる可能性があるので注意しましょう。

インフレーションが加速すると、政府や銀行は金利の引き上げなど経済の引き締めを行って物価高を抑えようとします。

例えば金利の引き上げが行われると、企業の資金調達コストが上昇するので、コスト上昇に伴った利益の悪化による株価下落が予測されるのです。

したがって、政府や銀行が過度なインフレーションを発生させることなく、バランスのとれた政策を実行していくかには注視しておきましょう。

まとめ：円安と株高の関係性についてしっかり理解する

この記事では、円安と株高の関係性に焦点を当て、概要から発生原因、日本経済の現状に至るまで詳しく解説しました。

特に輸出企業の割合が高いとされている日本では、円安と株高が同時に発生することが度々あります。

しかし必ずしも円安が株高につながるわけではありません。

円安と株高が経済に及ぼす影響は複雑であり、経済の様々な側面にポジティブまたはネガティブな効果をもたらす可能性があります。

円安が経済や株価にどのような影響を与えているのかしっかりと理解して、株式投資に活かしてください。