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指値と逆指値【希望する売買価格を指定して発注する】

2022年06月06日 公開 
2024年11月22日 更新
指値と逆指値【希望する売買価格を指定して発注する】
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指値とは

  • 今よりも安くなったら買う、今よりも高くなったら売る、という事前に予約できる注文。
  • 注文価格に到達したら自動で売買が行われる。
  • 新規注文だけでなく、保有しているポジションにも決済注文を予約をすることができる。

目次

指値をすることで有利になること

時間効率

指値を使うことで一番大きなメリットとなるのは時間効率です。

例えば現在価格が100円のときに99円になったら買いたいと考えていたとします。

成行で売買する場合、定期的にチャートを確認し現在いくらになったのかを調べる必要があり、価格が未到達の場合は再度定期的にチャートの確認をしなければいけません。

しかし指値を入れておけば、99円に到達した時点で自動的に買いのポジションが約定されますのでチャートを監視する必要がなく時間効率が大幅に改善されます。

希望価格

指値のメリットとしての2つ目は希望価格での売買です。

成行で取引をされている方は経験があると思いますが、自分で99円で買うと決めていたとしても実際の値動きは思い通りになることは少なく、99円到達寸前でレンジを組んだり到達前に上がりそうな挙動を見せたりして、我慢できずに99円到達前にポジションを持ってしまった。

その後、思惑通りに99円に到達してから上昇が始まり取れていたはずの値幅が減ってしまったという経験もあるかと思います。

その点、指値では感情が入り込む余地がありませんのでしっかり99円到達まで待ってからポジションを持つということが可能になります。

機会損失

3つ目のメリットとしては機会損失の軽減です。

1つ目の時間効率でチャートの監視をしなくてもいいということと多少重複しますが、トレードをする際にある程度の目星をつけて相場に挑むと思います。

ここまで下がったら買いたい、ここまで上がったら売りたいと考えていた時に、チャートを監視していなくてはその価格に到達したかどうかは分かりません。

後から確認したときに「価格は想定した位置まで下落到達した後で、すでに上がり始めている」ということになってしまっては折角の分析も水の泡になってしまいます。

その際に指値を入れておけば時間効率の改善とともに機会損失も軽減され、慌てて飛び乗りの取引をして無駄な損失を出してしまうなどの感情的なトレードも減っていくでしょう。

指値のイメージ

指値をすることで不利になること

注文の未約定

指値を使うことはメリットばかりではありません。

デメリットの1つ目としては注文の未約定があります。

指値は価格を指定して注文を出しますので、その価格に到達しなかった場合はどんなに思惑通りの値動きだったとしても注文は約定されることはありません。

少しでもいい価格でポジションを持ちたいと欲張ってギリギリな価格を設定してしまうと、価格に到達せず注文が通らなかったということになります。

感情に揺さぶられることがない反面、例え0.01pipsでも到達しなかった場合は約定しないということを念頭に指値の設定は行うようにしましょう。

相場の急変動

2つ目のデメリットとして価格の急変動には対応していないということがあります。

経済指標や世界情勢などの影響により価格が急変動した場合でも、価格が指値に到達した場合は注文は約定します。

例えば、99円に買いの指値を置き98円に損切りを指定していたとします。

何かの拍子に価格が急落して98円までほんの1分で下落したとしたら、99円で買いの注文、98円で損切りという2つの指値注文が約定され損失が出てしまいます。

このような急変動でも機械的に取引を行ってしまうことは指値の弱点でもありますので、事前に時間や期日がわかっている経済指標などは指値の有効期限や時間指定をうまく使うようにしましょう。

機会損失

3つ目のデメリットは機会損失です。

指値のメリットにも機会損失はありましたが、デメリットにも機会損失があります。

チャート上では様々な情報がローソク足やインジケータによって私たちにもたらされますが、指値注文にはそのような情報は共有されません。

指値注文は事前に想定した価格に注文をいれますので、直前のチャート上で展開される情報が加味されておらずテクニカル的に指値価格まで到達せずに価格の変動が見込まれた場合でも指値が移動することはありません。

そのため、監視をしていたならポジションを持てたであろう場面でも注文は約定されずに機会損失を招くことになります。

この相反する状況のどちらを取るかを判断することがポイントとなっていきます。

FXにおいての指値注文の使い方などは以下のサイトで解説しております。

詳しくはそちらをご覧ください。

株取引についての指値注文の使い方はこちら。

仮想通貨についての指値注文の使い方はこちら。

指値の種類

指値には多くの種類があります。

少しわかりづらい注文方法の指値もありますが、取引を有利に進めるためには必要なものですので是非しっかりと理解して使いこなせるようになっておきましょう。

ここではFXや株、仮想通貨にかかわらず使用できる代表的な注文方法を解説していきます。

指値注文

相場で売買をする基本概念である「高くなったら売り、安くなったら買う」をそのまま表現できる注文方法です。

現在の価格よりも有利な価格で注文を入れておくことで、レートが到達した時点で自動的に注文が執行される「予約注文方法」です。

指値注文は指値価格を指定をしておけばチャートを見ていなくてもレートが指定価格に到達した時に有利な価格で自動的に売買が行われる反面、指定した価格にレートが到達しない限り売買は行われず、チャンスを逃してしまうこともあるということをは覚えておきましょう。

リミット注文とも呼ばれ、MT4など注文方法が英語表記のチャートソフトでは「buy limit」や「sell limit」と表示されます。

指値注文画像

逆指値注文

指値注文の中にはあえて現在価格よりも不利な価格で注文を約定させる「逆指値注文」というものがあります。

不利な価格というのは、例えば現在価格が99円だった場合100円を超えたら買いを入れるというもので、一見すると今すぐ買った方がお得に見えますが、あえて不利な価格で注文を入れることでトレンドが継続したところを狙って乗っていくときに大変便利な注文方法です。

使うタイミングの例としては下の図のようなイメージです。

現在が99円だとして100円を超えればさらなる上昇トレンドが継続しそうだが、100円で価格が押さえられて反転下落の可能性があるような場合に、現在価格で買うのは反転下落のリスクがありますが100円を超えてくればトレンド継続の可能性が高くなります。

その位置に逆指値を予約しておけばチャートを見ていなくても上昇トレンドが継続した際にはしっかり乗ることができます。

ストップ注文とも呼ばれ、MT4など注文方法が英語表記のチャートソフトでは「buy stop」や「sell stop」と表示されます。

逆指値注文画像

IFD注文

IFDは[ IF Done ]の略で「イフダン」と読みます。

「新規注文と利益確定を同時に発注する注文方法」で、指値または逆指値注文を入れると同時に「指値注文が約定されると有効になる決済注文」を入れることができます。

例えば、現在価格が100円のときに現在よりも有利な価格の99円に買いの指値注文を入れ、その注文が「約定されたあと」に価格が上昇し101円になったら利益確定の売りの決済注文を行う。

といった注文を予約時に同時に入れることができます。

このIFD注文をつかうことで、新規注文から利益確定までを一つの予約で完結させることができるようになります。

IFD注文画像

OCO注文

OCOは[ One Cancels the Other ]の略で「オーシーオー」と読みます。

「2つの異なる指値を同時に注文し、片方の注文が約定された時点でもう片方の注文がキャンセルされる」注文方法です。

言葉だけだと少しややこしい注文方法ですが、例えば現在価格が100円付近でレンジを形成中だとした場合、99円を割り込んだところに売りの逆指値注文、100円を超えたところに買いの逆指値注文を同時に入れどちらにブレイクしてもポジションを持てるようにする注文を入れることができます。

どちらに向かうか分からないけどブレイクした方についていきたい、などというときにOCO注文を使用すればチャートの監視をしていなくても抜けた方へのポジションを持つことができ、反対側の注文はキャンセルされているというわけです。

OCO注文画像

IFDOCO注文

IFDOCOは[ IF Done One Cancels the Other ]の略で「イフダンオーシーオー」と読みます。

上記のIFD注文とOCO注文を組み合わせたもので、「注文と同時に利益確定と損切りの注文をオールインワンで発注できる注文方法」ということになります。

いいとこどりのような注文方法ですが「指値、逆指値の新規注文を入れると同時に、指値注文が約定されると有効になる利益確定の指値注文と損切りのストップロス注文の2つを全て同時に予約することができる」注文方法です。

IFDOCO注文画像

上記の注文方法は実際のチャートソフトではどのように注文するのか?

詳しくは以下の記事にて解説していますので併せてお読みください。

指値注文で指定できるもの

指値注文は価格を指定できることはもちろんですが、価格以外にもいろいろなことを指定できます。

「指値を使うことで不利になること」の項目でも少し触れましたが、有効期限や時間指定などをうまく活用すればデメリットを押さえたまま有利に取引を進めることもできるようになりますので、こちらの使い方もしっかりと覚えておきましょう。

価格

「指値」というぐらいなので「値」を「指定する」ことができます。

価格を指定するにあたって指定できる価格は注文方法によって変わります。

「指値」では現在価格より有利なレートしか指定できません。

「逆指値」では現在価格より不利なレートしか指定できません。

ロットを自動で全て計算してくれる便利な計算アプリ

下記の「pipopapips(ピポパピップス)」は弊社がリリースしているアプリです。

このアプリではこの記事で解説している損失の計算やロットの計算、許容できる損失に合わせた指値価格の計算ができます。

ピポパピプスの紹介

pipopapipsの詳しい使い方は下記のサイトを参照して下さい。

数量

数量は注文を出すポジション数を指定します。

口座によって、1ロットの単位が異なることがあるので注意が必要です。

国内口座では、1ロットが1,000通貨または1万通貨のどちらかとなっているケースがほとんどです。

もし1ロットが1万通貨の口座なのに、1,000通貨のつもりでロット数を入力してしまうと、10倍のポジション量となってしまいます。

利益も10倍ですが損失も10倍、必要な資金も10倍となりますのでご自分が使用している取引口座、証券会社、チャートソフトの1ロットあたりの決済通貨数は必ず確認しておきましょう。

有効期限

指値注文では有効期限を指定することができます。

有効期限とは「指定した時間までしかその指値注文、逆指値注文を有効にしない」という時限式の予約方法です。

例えば、買いの指値を指定していたがその価格まで届かずに上昇してしまったとします。

その後、価格の上昇が終わり下落してきたとしましょう。

その時に指値注文に有効期限を設定しておらず、うっかり注文の取り消しを忘れていた場合、その指値注文はまだ有効ですので下落してきた価格が前回注文を出していた買いの指値注文のレートに到達した時点で買いの注文が約定されてしまいます。

このような場合、すでに下落トレンドが発生していることが多くあり価格は上昇せずにそのままだらだらと下落していくことが多いでしょう。

このような思わぬ損失を被らないためにも、有効期限を設定しておくことをお勧めします。

指値有効期限の重要性

発注時間

指値注文で発注時間の指定をすることができる証券会社もあります。

発注時間とは「指定時間を過ぎたらその指値注文が有効になる」ように予約をする方法です。

例えば経済指標などの事前に日時がわかっているものは、その初動の動きを見送ってから注文を入れたいこともあると思います。

しかし、お仕事や予定などでその時間にチャートを見ることができそうにない場合に指値を入れたくても、指値だけでは初動を見送ることはできません。

そんな時に発注時間を指定して指値注文を入れることができます。

指標などの一時的な急変動を見送りたいが機会損失もしたくないような場合に活用できますので有効に使用してみてください。

※メタトレーダーでは発注時間を指定することはできません。

 お使いのチャートソフトにて愛用できるか確認をしてください。

指値と成行注文の違いについては以下のサイトで詳しく解説しております。

併せてお読みください。

指値の考え方(新規注文)

指値はうまく使うことで時間効率や機会損失を防ぐことができます。

この項目では実際に指値を注文する際にどのような場面で注文を入れればいいのか、チャート画面を使って簡単に解説していきます。

画像はEURUSDの1時間足のチャートです。

このチャートを使って指値をどのような位置に置いていくのか考えていきましょう。

EURUSD1時間チャート

指値の位置を考える

チャートは上がって下がってを繰り返しながら少しずつ右肩上がりを形成しているので上昇トレンド中だと考えられます。(①の赤矢印)

指値注文は今よりも有利な価格で注文を入れますので、ここでは上昇トレンドに対し押し目買いを狙っていきましょう。

今よりももう少し下がってきたらさらに上昇することを見越して買いたいところですが、どこまで下がってくるのかの見当をつけなければいけません。

そこで前回の高値に意識されていそうな水平線が引けるので(②の白丸)、そこをサポートラインとして、このライン以下には下がらないという前提のもと指値を指すという戦略が組み立てられます。(③の位置)

指値の位置をチャートから考える

指値と同時にストップロス(損切り)の位置を考える

指値注文はチャートを見ていない時に自動で注文を約定してくれます。

しかし裏を返せば、レートが想定外の動きをしても何もできないということになります。

「指値は入れておきたいけど、ここを超えてしまったら思惑とは違う動きだ」

というラインにあらかじめ損切りを設定しておくことで、万が一の時にも大損をする前にポジションを整理し資金を守ることにもつながります。

思わぬ値動きで想定外の大きな損失が出ることを未然に防ぐためにも、指値を入れる時には損切り注文をどこに置くかということも一緒に考えておきましょう。

損切りをどこで行うかを考えるときは、指値を入れると考えた根拠が崩される位置を検討します。

例えば先ほどのチャートの場合は、青丸の安値を抜かれてしまったら上昇トレンドが継続するという根拠が崩されてしまいます。

もし指値が約定後にその安値よりもレートが下に来てしまったら、それ以上損失額が広がる前に潔く負けを認めポジションを決済してしまうことが一番です。

損切り注文を設定するポイントは安値よりも少し下に入れておくことです。

その価格が意識されて再上昇する可能性もありますので、その位置まで下がってきた後に思惑通りの方向に進んでしまったということにならないよう余裕をもって設定しましょう。

この考え方が「IFD注文」です。

損切り注文の位置をチャートから考える

指値と同時に利益確定の位置を考える

損切りをする位置と同様に利益確定の位置もあらかじめ設定しておくことをおすすめします。

特に為替を扱うFXはどちらか一方に伸び続けるということは稀です。

そのため思惑通りに価格が動き、予想していた位置までレートが到達したにもかかわらず、見ていない間に元の位置まで戻ってきてしまったということも珍しくありません。

指値をどこに入れるかを考えた時にどこまで伸びたら利益確定をするのかを一緒に考えておきます。

例えばチャート上には見えませんが白線の位置に上位足の節目の価格があったとした場合は、そこまでで一度上昇トレンドが終わってしまう可能性も0ではありません。

折角の利益が無くなってしまわないように思惑の方向に進んだらこの辺で利益確定をしておこうとあらかじめ決めておくことが重要です。

ポイントは必ず到達するとは限らないので、その位置よりも少し手前に利益確定位置をおくこと。

損切り注文と同様に少し余裕をもって設定しましょう。

この考え方も「IFD注文」となります。

また、先ほどの損切りと合わせて2つ同時に考えることが「IFDOCO注文」となります。

詳しくは次の項目で解説します。

利益確定の位置をチャートから考える

逆指値の考え方(新規注文)

逆指値注文は指値注文に対する損切り(ストップロス)注文に使用する以外にも新規注文に使用することもできます。

あえて不利な価格で注文を入れるというのはどういった考え方なのか、実際のチャートを使用して解説していきます。

画像は先ほどとは別の期間のEURUSD1時間足チャートです。

今度はこのチャートを使って逆指値をどのような位置に置いていくのか考えていきましょう。

EURUSD1時間足チャート

逆指値の位置を考える

チャートを見れば明らかな上昇トレンド中だと判断できますが(①の赤矢印)、直近の下落の勢いが強いのが少し気になります。(②の位置)

どこまで下落してくるのか分からないのでこの位置から買うのは少し怖い気もしますが、強い上昇トレンド中なので伸びていくトレンドにはついていきたいというのもあります。

そのようなときは、今よりも不利な価格ではありますが高値を更新してトレンドが継続したところからついていく戦略が考えられます。

高値を更新したらすぐに買いを仕掛けたいところですが、赤点線のように(③の位置)ダブルトップになって再度下落が始まる可能性も否定できません。

そのため、前回の高値を明確に超えたと判断できる位置に逆際値を指すように考えましょう。(④の位置)

逆指値の位置をチャートから考える

逆指値と同時にストップロス(損切り)の位置を考える

いくら逆指値の注文が約定したタイミングがトレンド継続の場面だとしても、必ずそのまま上昇するとは限りません。

高値を超えたけれど勢いに乗れずそのままトレンドが転換してしまった、ということも多く起こり、俗にいう「高値掴み」になってしまうこともあります。

そうなってしまった場合でもしっかりと損切りをしておけば、損失は想定の範囲内で納めることができます。

「ここを抜かれてしまったらトレンドの継続はあやしいぞ」という位置を抜かれてしまったときは、すぐにポジションを整理できるように損切りの位置を決めておきましょう。

ポイントは指値の時と同様に少し余裕をもって設定することです。

損切りの位置をチャートから考える

指値と成行の考え方などは以下のサイトで詳しく解説しております。

併せてお読みください。

指値と逆指値を学べるオススメ本

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PC版 MT4での指値の新規注文方法

では同じような場面に遭遇した時にどのようにチャートソフトを操作すればいいのか、どこに何を入力すればいいのかを実際の注文画面を使って解説していきます。

初めに注文パネルの出し方ですが、メニューバーから「ツール」を選択しドロップダウンリストから「新規注文」をクリックします。

ツールから新規注文

すると新規注文パネルが出てきますが、デフォルトでは成行注文画面(黄色枠)のままですので「注文種別」をクリックしてプルダウンメニューの中から「指値注文」を選択します。(青色枠)

赤色枠のような注文画面になっていれば準備は完了です。

取引したい数量を入力して価格の指定に進みましょう。

新規注文パネルの操作方法

指値注文を入れる

押し目買いは上昇トレンド中に今よりも有利な価格で買いの注文を入れる取引方法です。

上記項目「指値の使い方」で考えた場面を実際に指値を使って注文を入れていきます。

買いの価格を指値で指定する場合は、注文方法の種別から「Buy Limit」を選択します。

売りの場合は「Sell Limit」を選択してください。

選択したら次に指値を入れる価格を指定します。

今回は白丸で意識されている価格までレートが落ちてきたところを買いで狙う戦略ですので、赤い水平線の価格を入力します。

注文パネルで指値を入れる

IFD注文 指値注文と同時にストップロス(損切り)注文を入れる

先ほどの押し目買いを狙った指値注文を発注する際にストップロス(損切り)注文を同時に入れることができます。

IFD注文ですので設定するストップロス注文は指値注文が約定した後に初めて有効になります。

「指値の使い方」の項目で逆指値注文を活用したストップロスを入れる重要性と入れる位置の考え方をお伝えしましたので、その価格を使って発注方法を解説します。

上記の設定で指値注文を入力しましたら、「決済逆指値S/L)」の欄に青い水平線の数値を入力します。

行う作業はこれだけです。

あとは発注ボタンを押せば、指値注文と同時に損切りを行うストップロス注文が同時に発注されます。

IFD注文 指値注文と同時に利益確定注文を入れる

指値注文発注時には損切り注文だけではなく、利益確定の注文も同時に入れることができます。

こちらもIFD注文ですので設定する利益確定注文は指値注文が約定した後に初めて有効になります。

「指値の使い方」の項目で紹介した利益確定ポイントの考え方で解説した価格を使って発注していきます。

指値注文を入力するところまでは同じですが、利益確定注文を指定するのは「決済指値(T/P)」欄に入力をします。

こちらの作業もこれだけです。

発注ボタンを押せば、指値注文と同時に利益確定注文が発注されます。

注文パネルIFD注文を入れる

IFDOCO注文 指値注文と同時に上記を全部同時に発注する

先ほどまでは指値注文と同時にストップロス注文や利益確定注文を別々に入れていましたが、どちらの出口もしっかり決まっているならば発注の段階で2つ同時に入れてしまうこともできます。

発注したストップロス注文や利益確定注文は後から簡単に変更もできますので、どちらも同時に入れてしまった方が設定のし忘れで折角の利益が無くなってしまったり、大きな損を抱えてしまうこともありませんのでおすすめです。

また便宜上、IFD注文やIFDOCO注文と記載しましたがPC版のMT4にはそのような区別はないので、指定された欄に価格を入力するだけで自動的に注文方法が識別されます。

他のチャートソフトを使用している場合は指定する項目があることもありますので、お使いのチャートソフトで確認をしてください。

注文パネルでIFDOCO注文を入れる

逆指値注文注文を入れる

逆指値注文はトレンドが継続して伸びていくところを狙って、あえて今よりも不利な価格で買いの注文を入れる取引方法です。

こちらも上記項目「指値の使い方」で逆指値を使用した場面の注文を入れていきます。

買いの価格を逆指値で指定する場合は、注文方法の種別から「Buy Stop」を選択します。

売りの場合は「Sell Stop」を選択してください。

選択したら次に逆指値を入れる価格を指定します。

この場合は白丸で囲った高値をレートが超えてトレンドが継続したところを買いで狙う戦略ですので、高値より少し上に設定した赤い水平線の価格を入力します。 

注文パネルで逆指値を入れる

IFD注文 逆指値注文と同時にストップロス(損切り)注文を入れる

逆指値注文はトレンドの継続を狙う注文方法ですので、万が一指定したところが天井や底になってしまったときに大きな損失を生んでしまうことがあります。

そうならないためにも、逆指値で注文を出すときはストップロス(損切り)注文を必ず出しておくようにしましょう。

指値注文のときと同様に、ストップロス注文を入れる方法を解説していきます。

注文を入れる場所は「決済逆指値S/L)」に損切りしたい価格を入力するだけで完了します。

難しいことは何もないので、必ず入れるようにしておきましょう。

逆指値注文を入れる際にも「IFDOCO注文」で予約することもできますので、使用する場合は上記指値のIFDOCO注文を参考にしてください。

注文パネルでIFD注文を入れる

スマホアプリ版 MT4での新規注文方法

続いてスマホでの注文方法を解説していきます。

大まかな流れはPC版と同じなので、操作をする部分をメインに進めていきます。

①スマホでMT4のアプリを起動し、チャート画面下の「トレード」ボタンをタップします

②トレード履歴の画面がでてくるので、右上の「+」ボタンをタップします

③トレード画面が出てきますが、デフォルトでは成行注文になっているのでその部分をタップします

スマホアプリでの指値注文方法

④プルダウンリストが表示されますので使用したい注文方法を選択します

 (今回は買い指値/Buy Limitを指定します)

⑤先ほどまで成行注文と表示されていた部分が「Buy Limit」になっていればOKです

 同時に取引したい数量の入力も済ませておきましょう

⑥価格の欄に希望する価格を入力します

スマホアプリでの指値注文方法2

⑦損切り注文を同時に発注する場合は「ストップロス」の欄に価格を入力します(IFD注文)

⑧利益確定注文を同時に発注する場合は「テイクプロフィット」の欄に価格を入力します(IFD注文)

⑨指値注文と同時に損切り注文と利益確定注文を入れたい場合はすべて入力します(IFDOCO注文)

 また通貨ペアを変更したい場合は通貨ペアが表示されている部分をタップすると変更できます

スマホアプリでの指値注文方法3

すでに予約された指値注文への変更や追加

実際に指値の予約注文を行うと、チャート画面上にポジションを持った時と同様なラインが生成されます。

画面上には「買い(Buy)か売り(Sell)なのか」「指値(Limit)か逆指値(Stop)なのか」「ロット数」がラインと一緒に表示されます。

このようにすでに予約された指値注文に対しても指値価格の変更や追加指値を入れることができます。

予約後に分析結果が変わった際や、後から損切りや利益確定の指値を入れたくなった時でも自由に変更をすることができます。

ここではすでに予約している指値に対してどのように変更、追加を入れるのか実際の画面を使って解説していきます。

PC版 MT4で予約された指値にストップロス(損切り)注文を追加する

予約されている指値に対して追加で損切りの逆指値を入れる場合は、まずは注文履歴の画面を呼び出します。

メニューバーから「表示」を選択し「ターミナル」をクリックするとターミナルと呼ばれる注文履歴画面が表示されます。

表示からターミナル選択

表示されたら該当する指値注文をダブルクリックします。

※表示されていない場合は画面右下のタブから「取引」をクリックしてください。

ターミナルを表示する

注文時と同じような画面が表示されます。

この画面を使って注文の追加を行っていきます。

この時点では追加の注文価格を入力していないので「注文の変更」ボタンはアクティブになっていません。

注文パネルを開く

続いて損切りを置く位置を考えます。

ここでは仮に直近の安値を抜くほどの下落があった場合は上昇の根拠が崩れるとした場合、青丸の価格を下回ると損切りをしなくてはいけません。

新規注文の時と同じように少し余裕をもって損切り価格を設定します。

「決済逆指値(S/L)」に価格を入力したら「注文の変更」ボタンがアクティブになっているのでクリックして変更注文を確定します。

保有ポジションに損切りを入れる

すでに予約されていた指値注文に対して新たに損切りの逆指値注文が設定されました。

また、同じ手順で損切り位置の変更もできます。

チャート上に損切り注文が表示される

PC版 MT4で予約された指値に利益確定注文を追加する

続いて利益確定の指値注文を追加する方法です。

画面の呼び出し方法は上記損切り注文と同様です。

利益確定をする位置を考えましょう。

直近の高値(黄色〇の位置)まで上昇してきたら利益を確定したいとした場合、万が一直前で折り返してしまった時に備えて少し余裕をもって利益確定注文の位置を設定します。

「決済指値(T/P)」に価格を入力したら「注文の変更」ボタンがアクティブになっているのでクリックして注文を確定します。

保有ポジションに利益確定注文を入れる

すでに予約されていた指値注文に対して新たに利益確定の指値注文が設定されました。

また、同じ手順で利益確定位置の変更もできます。

チャート上に利益確定注文が表示された

OCO注文 予約された指値注文に利益確定と損切り注文を同時に追加する

上記で指値注文の変更でストップロス注文や利益確定注文を別々に入れていましたが、これらは2つ同時に入れることができます。

また便宜上、OCO注文と記載しましたがPC版のMT4にはそのような区別はないので、指定された欄に価格を入力するだけで自動的に注文方法が識別されます。

他のチャートソフトを使用している場合は指定する項目があることもありますので、お使いのチャートソフトで確認をしてください。

保有ポジションに損切りと利益確定注文を入れる

2つの注文が同時に追加されました。

また、同じ手順で変更も同時に行えます。

チャート上に損切りと利益確定注文が表示された

指し値注文の取り消し

指値注文は有効期限を決めていない限りいつまでも有効に機能してしまいます。

(株取引の場合は失効期限が設けられており決められた期日を迎えると指値が強制的に失効します)

そのため、取消しをし忘れた指値に意図せぬタイミングで約定してしまい思わぬ損失を被ることもあります。

ここでは注文を入れた指値の取り消し方法を実際の画面を使って解説していきます。

PC版 MT4での注文取り消し方法

まずは注文履歴の画面を呼び出します。

メニューバーから「表示」を選択し「ターミナル」をクリックするとターミナルと呼ばれる注文履歴画面が表示されます。

表示からターミナル選択

続いて該当する指値注文をダブルクリックします。

ターミナルで指値注文をクリック

注文時と同じような画面が表示されますので「注文の取り消し」ボタンをクリックします。

指値注文の散り消し

これで注文が取り消され、ターミナルから指値の注文が削除されました。

指値注文がの取り消しが終わりました

他にも、ターミナル画面で該当の注文帯の右端に「×」マークがあります。

この×マークをクリックすることでも、予約注文の取り消しをワンクリックで行うことができます。

簡単な指値キャンセル方法

またチャート画面上に表示されている予約のラインを右クリックすることでも簡単に注文の取り消しを行うことができます。

ご自身が使いやすい方法を選択して構いませんが、取り消した注文は復元できませんのでワンクリックなどを利用する際には間違えないように注意を払うようにしましょう。

スマホアプリ版 MT4での注文取り消し方法

続いてスマホでの注文との取消し方法を解説していきます。

こちらも大まかな流れはPC版と同じなので、操作をする部分をメインに進めていきます。

①スマホでMT4のアプリを起動し、チャート画面下の「トレード」ボタンをタップします

②トレード履歴の画面がでてくるので、該当する指値を「長押し」します

③ポップアップ画面が出てくるので、選択肢の中から「削除」をタップします

スマホアプリの注文取り消し方法

④本当に削除していいか確認のポップアップが出てくるので、OKなら削除をタップします

⑤以上で指値の取り消しが完了です

 画面から先ほどまであった指値が消えているのが確認できます

スマホアプリの注文取り消し方法2

特殊な注文方法

直接的な指値注文ではありませんが、逆指値注文を使う特殊な注文として「トレーリングストップ」があります。

ここではトレーリングストップについての簡単な解説と、その使い方について解説していきます。

トレーリングストップとは

トレーリングストップとは、注文約定時またはポジション保有中に価格が思惑の方向へ変動するにつれてそれに追随するように自動でストップロスを切上げ、または切り下げてくれる注文方法です。

例えば、100円で買いの注文をいれ99円50銭にストップロス注文を入れつつトレーリングストップを設定していた場合、価格が100円50銭まで上昇した段階でストップロスを自動的に買い価格の100円まで切上げるブレイクイーブン、つまり損失が出ないようにすることができます。

このあとさらに101円まで上昇した場合、100円50銭にストップロスが引き上げられ、万が一反転してきたとしても利益が出た状態で決済を行うようにすることができる注文方法です。

トレーリングストップ解説

トレール(追従)注文とも呼ばれ、利益が出るたびにストップロスの位置を指定値幅で引き上げることができます。

例では50銭分の含み益が出た時点でストップロスを買い価格まで引き上げましたが、20銭の利益が出た時点で買い価格まで引き上げるなど、設定は自由に変更できます。

(証券会社によって最低値幅が設定されていることがありますのでご確認ください)

トレーリングストップの注意点

一見魅力的にも見えるトレーリングストップですが、使い方を間違えると折角の利益チャンスを逃したり、大きな損失を抱えてしまう などの原因にもなりますので注意が必要です。

注意点としては3点です。

①トレーリングストップの値幅が「point」か「pips」か確認する

トレーリングストップを使用する際にどれぐらいの含み益が出た時点でブレイクイーブンまで引き上げるのかを設定します。

しかし、お使いのチャートソフトによってはpips表示ではなくpoint表示の場合もあります。

point表示の場合は10pointで1pipsとなりますので、50pipsのつもりで50pointで設定してしまっては含み益がわずか5pips乗っただけでトレーリングストップが発動してしまいます。

すると少しの逆行で建値決済となり、その後思惑の方向に伸びたとしてもポジションはすでに決済後となってしまいます。

必ずお使いのチャートソフトの値幅指定がどちらかを確認しておきましょう。

②トレーリングストップはストップロス注文の代わりにはならない

トレーリングストップは保有ポジションに指定した値幅分の利益が乗ったときに初めて発動します。

つまり、指定した値幅まで含み益を抱えることなく逆行してしまった場合はストップロスは発動せずに含み損が増え続けてしまうことになります。

そうならないためにもトレーリングストップを入れる前には必ず個別にストップロス注文を入れておきましょう。

ストップロス注文を設定してもトレーリングストップを入れることはできますので、まずは先にストップロス注文を入れる癖をつけておきましょう。

③MT4やMT5ではチャートを閉じるとトレーリングストップが機能しない

MT4やMT5ではチャートを閉じたり、インターネットとの接続を切るとトレーリングストップは発動しない仕様となっています。

また、スマホアプリのMT4やMT5ではトレーリングストップは使えないのでこちらもご注意ください。

ただし、各証券会社独自のチャートソフトではチャートを閉じてもトレーリングストップを使える場合もありますので、お使いの証券会社のホームページなどで確認をするようにして下さい。

その他の特殊な注文方法については以下のサイトで詳しく解説しております。

併せてお読みください。

著者
Runchaテクニカル分析チーム
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日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト|4大監査法人出身者|TradingViewインジケーター開発者|EA開発者|

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監修者
山中康司

有限会社アセンダント

学歴: 慶應義塾大学卒業

著書: 『FXチャート分析マスターブック FX ボリンジャーバンド常勝のワザ』(2013年12月)

来歴: アメリカ銀行バイスプレジデント → 日興シティ信託銀行為替資金部次長を歴任。・金融コンサルティング会社アセンダント設立。金融リテラシー協会代表理事を務める。



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内田 まさみ ラジオNIKKEI
日経CNBCの番組パーソナリティ
経済雑誌多数連載中
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アセンダント取締役
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