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目次
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MT5(PC版)でMACDを表示する方法
MACD(マックディー)は、チャート分析における定番インジケーターの一つです。
正式名称は「Moving Average Covergence Divergence(移動平均収束発散法)」といい、長短2本の移動平均線の値幅を示してくれます。
多くのチャートツールで利用可能なMACDですが、MT5においてもデフォルトで用意されており、簡単な操作で表示可能です。
最初に、MT5でMACDを表示する方法から紹介していきます。
まず上の画像で示したように、上部メニューの「表示>ナビゲータ」と選択するなどして、左側にナビゲータパネルを表示してください。
ナビゲータパネルで「指標>オシレーター」と開いていくと、さまざまなオシレーター系インジケーターが出てきますが、この中から「MACD」を探してください。(MT5において、MACDはオシレーター系インジケーターとされています。)
この「MACD」をダブルクリックまたはチャートにドラッグ&ドロップします。
すると出てくるのが、上の画像のようなMACDの設定ウィンドウです。
この設定ウィンドウの下にある「OK」を押すと、次の画像のような形でサブチャートにMACDが表示されます。
MT5のMACDには2つの要素しかないことに注意!
他のチャートツールでMACDを使ったことがあると、MT5で表示されたMACDに違和感を覚える人がいるはずです。
これは、一般的なMACDは3つの要素で構成されるのに対し、MT5におけるMACDの構成要素は2つしかないことが原因でしょう。
一般的なMACDとMT5におけるMACDの構成要素の違いをまとめると、以下の通りです。
一般的なMACD | 計算式 | MT5上の表示 |
MACD線 | 短期EMA – 長期EMA | ヒストグラムで表示される |
シグナル線 | MACD線のEMA | ラインで表示される |
ヒストグラム | MACD線 – シグナル線 | 表示されない |
特に注意したいのが、一般的なMACDとMT5におけるMACDでは、ヒストグラムの形で表示されるものの意味合いが異なるという点です。
ここを勘違いしたまま使っているとおかしなことになるので、注意するようにしましょう。
なお、MT5には一般的なMACDにおけるヒストグラムがありませんが、基本的なMACDの使い方ではヒストグラムを使わないものも多く、MT5でも大きな問題はなくMACDを使用することはできます。
一般的なMACDにおけるヒストグラムの値は、MACD線とシグナル線の間の値幅であり、大まかな値は表示されていなくても視認可能です。
ただし、その増減を明確に確認したい場合など、やはりこの値をサブチャート上に表示した方が分析しやすいこともあるでしょう。
この点、一般的なMACDにおけるヒストグラムは、MT5の中に入っている「OsMA」というインジケーターで表示することができます。
このインジケーターは、先ほどのナビゲータパネルで「指標>Examples」と開いてくると出てくるインジケーターの中にあるので、興味のある人は探してみてください。(後述します)
MT5におけるMACDの設定項目
MT5のMACDは設定ウィンドウから、さまざまな調整を行うことができます。
この設定ウィンドウは、MACDの構成要素をダブルクリック、「右クリック>プロパティ」と選択するなどして、呼び出してください。
では、設定項目について細かく見ていきましょう。
短期EMA/長期EMA/シグナルの期間
MT5におけるMACDの構成要素の計算式は、以下のようになっています。
MACD = 短期EMA(X期間) – 長期EMA(Y期間)
シグナル線 = MACD線のEMA(Z期間)
X/Y/Z:パラメータ、EMA:指数平滑移動平均
パラメータはこの中にあるX/Y/Zですが、これはそれぞれ短期EMAの期間、長期EMAの期間、シグナル線(MACD線のEMA)の期間です。
これらの期間は、上の画像で示している「パラメータ」タブの上半分にある「短期EMA」「長期EMA」「シグナル」という項目で、それぞれ調整できるようになっています。
デフォルト値には(12,26,9)という定番の組み合わせが設定されている形です。
適用価格
上の画像で示しているのは、「パラメータ」タブの「適用価格」という項目です。
MACDの計算は過去の価格を使って行いますが、この項目ではその価格に何を使うか設定することができます。
選べる価格は以下の6つです。
- Close:終値
- Open:始値
- High:高値
- Low:安値
- Median Price: ( 高値 + 安値 ) ÷ 2
- Typical Price: ( 高値 + 安値 + 終値 ) ÷ 3
- Weighted Close: ( 高値 + 安値 + 終値 × 2 ) ÷ 4
通常はMACDの計算には終値が使われるので、「Close」が設定されていることを確認するようにしましょう。
色などの設定
上の画像では、「パラメータ」タブの下半分にある「メイン」「シグナル」の項目を示しています。
この項目からは、MACDとシグナル線の色や線の太さ、線の形(実線、点線など)を設定することができます。
特に決まりはないので、自分の好みに合わせて見やすいように設定するようにしましょう。
MACD線とシグナル線の位置関係を使う
ここで、MACDにおける見方・使い方についても簡単に説明しておきます。
上の画像では、MACDの最も定番のサインであるゴールデンクロス・デッドクロスが発生したところを白丸で示しています。
このサインの条件を整理すると以下の通りです。
- ゼロラインよりも下で、MACD線がシグナル線を下から上に追い抜くと買い(ゴールデンクロス)
- ゼロラインよりも上で、MACD線がシグナル線を上から下に追い抜くと売り(デッドグロス)
例えばゴールデンクロスの場合、MACD線がシグナル線を下から上に追い抜いて上方向に加速すると予測するようなイメージです。
この他にもMACDには、MACD線とゼロラインのクロス、チャートとMACD線の逆行現象(ダイバージェンス)など、さまざまな見方があります。
MT5で一般的なMACDを表示する2つの方法
先述したとおり、MT5におけるMACDは一般的なものと違い、少し見にくいと感じる人もいるかもしれません。
この点、MT5はカスタマイズがしやすいチャートツールで、比較的簡単に見え方(表示)を変えることが可能です。
ここでは、MACDの見た目を一般的なものに変える方法について、以下の2つを紹介しておきます。
- 既存のMACDを修正する
- MACD関連インジケーターを追加する
では、それぞれ見ていきましょう。
既存のMACDを修正する
1つ目の方法では、まずMT5のMACDのプログラムの一部を書き換えて、ヒストグラムで表示されているMACDをラインで表示します。
その上で、2本のラインになったMACDが表示されているサブチャートに、OsMA(一般的なMACDにおけるヒストグラム)を追加するという流れです。
この方法では、他のインジケーターを追加することなしに標準装備されているものだけで、一般的なMACDを表示することができます
まずはじめに、上部メニューから「ツール>MetaQuotes 言語エディタ」と選択して、MetaEditorというツールを表示します。
左側にナビゲータパネルで「Indicators>Examples」と開いていき、その中から「MACD.mq5」をダブルクリックしてください。
すると、MACDの計算を行い表示するプログラムのソースコードが表示されます。
この中に「MACDをヒストグラムで描画しなさい」と書かれている部分がありますが、それを「MACDをラインで描画しなさい」という形に書き換えます。
具体的には、14行目の以下の記述です。
#property indicator_type1 DRAW_HISTOGRAM
この中にある「HISTOGRAM」を、以下のように「LINE」に書き換えてください。
#property indicator_type1 DRAW_LINE
書き換えた後は、上部にある保存ボタンを押してプログラムへの変更を保存した上で、上部にある「コンパイル」ボタンを押してください。(コンパイルしないと、MT5のファイルに変更が反映されません!)
この作業が終わってからMetaEditorを閉じて、MT5に移動して変更したMACDをチャートに表示すると、上の画像のようにMACDがラインで表示されました。
ここで注意したいのが、変更したMACDのプログラムは冒頭で紹介したものと異なり、ナビゲータパネルの「指標>Examples」の中にあるMACDであるという点です。(「指標>オシレーター」の中のMACDではありません。)
さらに、ここにヒストグラムを追加するため、MACDの少し下にある「OsMA」をサブチャート部分にドラッグ&ドロップしてください。
すると、OsMAの設定ウィンドウが出てきますが、上の画像で示した「スケール」タブを開いて、「スケールの継承」にチェックを入れます。(MACDの縦軸の目盛りにOsMAを合わせるための作業です。)
この設定を行ってから「OK」を押すと、次の画像のように一般的な3つの構成要素の形でMACDを表示することができました。
MACD関連インジケーターを追加する
MT5にもともと用意されているものだけを使って、MACDを3つの構成要素で表示することも可能です。
ただ、MT5に慣れていない人だと、少し分かりにくいところがあるかもしれません。
そんな人におすすめなのが、MT5のMACD関連インジケーターを追加してしまうやり方です。
MT5にはさまざまなインジケーターが公開されており、無料で利用できるものもたくさんあります。
ここでは、MACDを3つの構成要素で表示できる「AW Classic MACD MT5」というインジケーターを適用してみましょう。
上の画像のように、簡単にMACDを3つの構成要素で表示することができました。
また、このインジケーターには、サインが発生したところに矢印を表示する、アラート通知を行うといった機能もあります。
さらに、各時間足におけるMACDから判別した相場の方向性を一覧表示することも可能です。
MT5を使う際は、こういった形で便利なインジケーターを活用するのも一つのやり方でしょう。
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MT5(スマホ版)におけるMACDの使い方
ここまでMT5のPC版を紹介してきましたが、MT5にはスマホ版も用意されており、スマホからMACDを使った分析を行うことが可能です。
このMT5のスマホ版におけるMACDの使い方についても紹介しておこうと思います。
まず横チャート画面を表示してタップすると、上の画像のように左右にメニューボタンが出てきます。(縦チャートの場合はもともと表示されているため、タップ不要です。)
この中にある赤四角で示したインジケーターを設定するボタンを押してください。
すると、上の画像左側のようにインジケーター一覧が出てくるので、「オシレータ」に分類されているMACDを探してタップします。
上の画像右側のようにMACDの設定画面が出てくるので、各項目の設定を確認した上で右上にある「完了」をタップしましょう。
上の画像のように、MACDがサブチャートに表示されました。
なお、MACDの設定を変更したい場合は、先ほどのインジケーターを設定するボタンを押してください。
すると、上の画像のように現在適用されているインジケーター一覧が表示されるので、「MACD」をタップして設定画面へ行ってください。
ちなみに、この画面の赤四角で囲んだところをタップすると、さらにインジケーターを追加することが可能です。
まとめ:MT5でもMACDを使ってチャート分析をしよう!
今回は、MT5におけるMACDの使い方を細かいところも含めて解説してきました。
MT5のMACDは使いづらいと感じていた人もいるかもしれませんが、意外と手軽に一般的なMACDの形に変えることも可能です。
もともとMT5は柔軟性の高いツールで、自分の好みの形にカスタマイズしやすいところがあります。
MT5のカスタマイズ方法をしっかり理解して、MT5でMACDを使ってチャート分析をしてみてはいかがでしょうか。
なお、MACDには使い方や適切パラメータ設定といったさまざまな論点がありますが、それについては次の記事で網羅的に説明を行っています。
今よりももっとMACDを使いこなせるようになりたいという人は、こちらの記事も併せてチェックしてみてくださいね。