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ダウ理論におけるトレンド転換とは?判断基準と弱点の対処策を押さえよう!

2022年09月23日 公開 
2024年09月17日 更新
ダウ理論の弱点-アイキャッチ
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FXでトレードを行う上で、相場におけるトレンドを把握するのは非常に大切です。

この点、トレンドを判断する方法として最も有名なのがダウ理論で、ダウ理論を使ったトレンドの判定方法は必ず押さえておきたいところです。

しかし、ダウ理論について次のようなことを考えている人も多いのではないでしょうか。

  • ダウ理論は聞いたことがあるけど、曖昧な知識で不安がある
  • トレンドを判断するときの具体的な基準を知りたい
  • どのタイミングでトレンド転換になるのか分からない

こういった迷いがある状態では、チャートを客観的に分析することはできません。

今回はダウ理論を使ったトレンド継続やトレンド転換を判断する方法について、分かりやすく解説していきます。

本記事を読めば、自信を持ってダウ理論によるトレンド判断ができるようになるので、しっかりチェックしていってくださいね!

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ダウ理論におけるトレンドの定義

ダウ理論を使ってトレンドを判断するに当たっては、トレンドと判断するための基準が必要です。

この点、ダウ理論においては、以下のように上昇トレンドと下降トレンドを定義づけています。

方向条件
上昇トレンド高値と安値がともに切り上がっている
下降トレンド高値と安値がともに切り下がっている

これをイメージ図で表したのが次の画像です。

上昇トレンドと下降トレンドの定義

ダウ理論でトレンドを判断する際は、この定義に当てはまるかどうか直前の高値と安値を意識するといいでしょう。

ちなみに重要な高値や安値を超えるところで、相場の攻防が激しくなるのを見たことがある人も多いかもしれません。

これは、そのラインを抜けることによってダウ理論的な相場判断が変わる状況の中で、多くのトレーダーが意識するために起こる現象とも考えられます。

トレンドは継続する

ダウ理論は6つの基本原則で構成されていますが、トレンドに関連する最も重要な基本原則が以下です。

トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する

この基本原則が意味するのは、明確な転換シグナルが発生するまで、トレンド方向に目線を持ち続けることが大切ということです。

この根底にあるのは、「トレンドが発生したら継続するものだ」という考え方です。

まずはこの感覚をしっかり持つようにしましょう。

その上で一度発生したトレンドが終わるのは、例外的に転換シグナルが発生したタイミングです。

そのため、トレンドがどこで発生してどこで終わるかを把握するには、この転換シグナルを理解しておくことが大切になってきます。

この転換シグナルの発生は、大まかにいうと逆方向のトレンドに切り替わることで判断する形です。

例えば、上昇トレンド中に下降トレンドの条件がそろったり、下降トレンド中に上昇トレンドの条件がそろったりすることをイメージするといいでしょう。

では、この転換シグナルについて、より詳細に見ていきましょう。

ダウ理論におけるトレンド転換の判断基準

ダウ理論の転換シグナルには、次の2パターンがあります。

パターン下降トレンドから上昇トレンドへの転換シグナル
フェイラースイング安値の切り下げに失敗した後に、高値が切り上がる
ノンフェイラースイング高値が切り上がった後に、安値が切り上がる

なお、上昇トレンドから下降トレンドへの切り替わりを前提に解説していきますが、下降トレンドから上昇トレンドへの切り替わりは上下を逆にして考えてください。

では、それぞれのパターンをイメージ図で見てみましょう。

フェイラースイング

フェイラースイングの転換シグナル

フェイラースイングでは、BからCへの下落で安値Aの更新に失敗し、Cの後の上昇でそのまま高値Bを切り上げていきます。

転換シグナルが発生するのは、赤丸で示した高値Bを上にブレイクするタイミングです。

ノンフェイラースイング

ノンフェイラースイングの転換シグナル

ノンフェイラースイングでは、まずAからBへの上昇で直近高値を切り上げ、その後の下落で安値Aの更新に失敗し、安値も切り上げます。

転換シグナルが発生するのは、2つ目の赤丸で示した高値Bを上抜けするタイミングです。

なお、1つ目の赤丸で示している直近高値を上にブレイクしたタイミングでは、トレンドが崩れたもののまだ転換シグナルとはみなしません。

とはいえ、少なくともトレンドが崩れているという意味で重要なことには変わりはなく、今後の展開を注視する局面といえるでしょう。

ちなみに上の図表にある安値Cが安値Aより下回り安値が切り下がる展開になった場合、いったんトレンドが崩れたものの、下降トレンドが継続したと判断することになります。

そのためトレンドが崩れたあとに、高値Bの後の下落で安値Aを下回るのか、安値Aを下回らずに高値Bを上にブレイクするのかは、今後の流れを大きく左右する重要なポイントといえるでしょう。

ダウ理論のトレンド転換とチャートパターンの関係

チャートパターン分析(フォーメーション分析)は、チャートの形状から将来の値動きを予測するテクニカル分析の方法です。

このチャートパターン分析において、トレンド転換に関するチャートパターンとしては以下の2つが有名どころで、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

  • ダブルトップ/ダブルボトム
  • ヘッドアンドショルダーズ・トップ/ボトム(三尊/逆三尊)

実はこれらはダウ理論的に見てみても転換シグナルであり、異なる相場理論で整合性が取れているところがあります。

では、それぞれのチャートパターンを見てみましょう。

ダブルトップ/ダブルボトム

ダブルトップは上昇トレンドからの反転パターン、ダブルボトムは下降トレンドからの反転パターンです。

両者は上下が逆なだけで基本的に同じなので、ここではダブルボトムについて見ていきます。

ダブルボトムのイメージ図

ダブルボトムは上の画像のように、高値圏で2つの谷を作るチャートパターンで、緑ラインで示したネックラインを上にブレイクすると成立するとされています。

ネックラインをブレイク後は、下方向に調整するリターンムーブという動きが起こることがありますが、このときにはネックラインがサポートとして機能するのがポイントです。

さて、この動きをダウ理論的に見てみると、2つ目の山を作るところで安値更新に失敗し、直近高値を切り上げたということになります。

このように考えると、ダブルボトムが成立するネックラインをブレイクするタイミングで、ダウ理論の転換シグナルも発生しているわけです。

ヘッドアンドショルダーズ・トップ/ボトム(三尊/逆三尊)

ヘッドアンドショルダーズも2つありますが、ここではヘッドアンドショルダーズ・ボトムについて見ていきます。

ヘッドアンドショルダーズ・ボトム(逆三尊)のイメージ図

ヘッドアンドショルダーズ・ボトムは上の画像のように、高値圏で3つの谷を作るチャートパターンです。

真ん中の谷が左右の谷に比べて深くなっており、緑ラインで示したネックラインを上にブレイクしたところで成立します。

ダブルボトムと同様に、ブレイク後はリターンムーブの動きが起こることがあり、ネックラインがサポートとして機能するのがポイントです。

さて、この動きをダウ理論的に見てみると、成立ポイントでは安値が切り上がったあとに直近高値を切り上げており、転換シグナルが発生していることになります。

このように、ヘッドアンドショルダーズでもやはりダウ理論の見方と整合性が取れているわけです。

なお、トレンド転換のチャートパターンについて、より詳しく知りたい方は、以下もご覧ください。

また今回は2つのトレンド転換パターンを紹介しましたが、この他にもさまざまなチャートパターンが存在します。

もっとたくさんのチャートパターンを知りたいという人は、以下の記事もぜひご覧ください。

ダウ理論でトレンド転換を判断する際はタイミングの遅れに注意

ダウ理論を使ってトレンド転換を判断すると、相場の流れを把握しやすくなります。

しかし注意しておきたいのが、どうしてもトレンド転換を把握するタイミングが遅れてしまうという点です。

大きい波でトレンド転換を判断した場合

特にこれは、上の画像のように大きい波で高値と安値を判断する際に顕著に表れます。

高値と安値の波は白ラインで示していますが、上昇トレンドから下降トレンドへの転換と判断できるのは、星マークを入れたところです。

かなり上昇が進んでしまってからの目線変更となり、売りを入れるタイミングとしてはかなり遅くなるでしょう。

この問題への対策としては、次の画像のように高値と安値を判断する際の波をもっと小さくすることが考えられます。

小さい波でトレンド転換を判断した場合

転換シグナルが発生するのは星マークですが、このように細かい波で判断すると転換シグナルが発生する頻度が大きく増えることが分かります。

大きく下落した局面では早いタイミングで下降トレンドへの転換シグナルが発生しており(4つ目の星マーク)、かなり良いタイミングで売りを入れることが可能です。

ただし、この局面ではうまくいっていますが、毎回小さい波でのトレンド転換の判断がうまくいくとは限りません。

実際に上のチャートでも2つ目の星マークでは、下降トレンドへのトレンド転換を判断したものの結局は上昇する流れになっています。

ダウ理論におけるジグザグの波を小さくすればするほど、このような転換シグナルが発生したのにトレンドが継続するというダマシは増えていくものです。

このあたりのバランスを考えながら、バックテストを繰り返して自分に合ったジグザグの波を見つけられるようになりましょう。

なお、バックテストをどうやればいいかについては、以下の記事をご覧ください。

また、トレンド転換の兆候をいち早く察知する現象として、「ダイバージェンス」がよく知られています。

このダイバージェンスについては、以下の記事で詳細に解説しているので、興味のある人はぜひチェックしておきましょう。

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まとめ:ダウ理論は相場における共通言語!

今回は、ダウ理論におけるトレンド転換にスポットを当てて解説を行ってきました。

何を持ってトレンド転換を判断すればいいのか、明確な基準が持てるようになったのではないでしょうか。

ダウ理論は最も有名な相場理論の一つなので、ダウ理論的なトレンド転換が起こる局面では多くのトレーダーが意識することになります。

そのため、ダウ理論のトレンド転換を正しく理解しておくことによって、他のトレーダーの心理が読めたり、どのラインを抜きたいか守りたいかといった攻防のポイントが見えてきたりします。

相場の状況を把握する上での共通言語ともいえるような存在なので、しっかり頭に入れておくようにしましょう。

こういったダウ理論を用いた相場分析は、他の手法とも組み合わせて使用しやすいところがあります。

ご自身がお使いの手法の精度向上のためにも、ぜひダウ理論のトレンド転換を有効活用しましょう。

ダウ理論は6つの基本原則で構成されており、今回紹介したトレンド以外にもさまざまな論点があります。

ダウ理論についてもっと知りたいと感じた人は、次の記事もチェックしてみてくださいね。

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著者
Runchaテクニカル分析チーム
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日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト|4大監査法人出身者|TradingViewインジケーター開発者|EA開発者|

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監修者
山中康司

有限会社アセンダント

学歴: 慶應義塾大学卒業

著書: 『FXチャート分析マスターブック FX ボリンジャーバンド常勝のワザ』(2013年12月)

来歴: アメリカ銀行バイスプレジデント → 日興シティ信託銀行為替資金部次長を歴任。・金融コンサルティング会社アセンダント設立。金融リテラシー協会代表理事を務める。



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内田 まさみ ラジオNIKKEI
日経CNBCの番組パーソナリティ
経済雑誌多数連載中
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