株式投資家にとって円安のメリットとは？円安発生時におすすめな投資先も紹介！

2023年08月30日 公開　
2024年08月06日 更新

株式相場の変動に影響を及ぼす要因はさまざまですが、特に注目すべきなのが「円安」です。

2021年から現在（2023年8月）にかけて、為替市場では円安が進んでいます。

日本円の価値が外国通貨に対して低下する円安は、株式市場にどのような影響をもたらすのでしょうか？

この記事では、円安の概要や、株式投資家にとって円安にはどのようなメリットがあるのかを分かりやすく解説します。

円安を活かすための投資戦略も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

円安とは日本円の価値が外国通貨に対して安くなる状況

円安とは、外国通貨に対する日本円の価値が安くなる状況です。具体的には、1ドル＝90円の相場が1ドル＝100円となるような変動が円安と呼ばれます。

円安が発生すると、同じ金額の日本円であっても、以前より少ない外国通貨しか得られない状態となるのです。

一方で外国通貨の価値が上昇するので、海外金融資産を保有している場合、その価値は上昇します。

円安が発生する原因は日本の経済成長率の低さ

円安が発生する原因はさまざまですが、日本の経済成長率が他国と比較して低くなることが原因の1つとして挙げられます。

日本の経済成長率が低迷すると、リスク回避のために円を売却し、他国通貨を購入する動きが強まります。

したがって、日本円の価値が低下し、円安が進行することがあるのです。

株式投資家にとって円安のメリット

円安が進むことは、株式投資家にとって以下の3つのメリットがあります。

• 輸出関連企業の株価が上昇する可能性がある
• インバウンド産業の株価上昇も期待できる
• 海外投資家からの投資が増加する

輸出関連企業の株価が上昇する可能性がある

円安は、日本の輸出企業にとって好ましい状況です。

なぜなら、輸出企業は海外で得た外貨を、より多くの日本円に換金できるからです。

より多くの日本円に交換することで、輸出企業の利益が増加し、株価の上昇を後押しする要因となる可能性があります。

特に日本には、自動車・精密機器・機械といった分野で輸出に力をいれている企業が多くあるので、円安が進むと投資先の選択肢が増えるでしょう。

インバウンド産業の株価上昇も期待できる

円安は、観光業や外食産業のような内需産業にとっても好ましい状況です。

円安が進むと外国人観光客の増加が見込まれ、外国人観光客による日本国内での消費活性化が期待できます。

したがって、インバウンド産業に関連する企業の業績向上に繋がり、株価が上昇する可能性が高いのです。

海外投資家からの投資が増加する

円安は、海外投資家にとっても影響があります。

円安によって、海外投資家は今までと同じ金額でより多くの日本株式へ投資できるようになるので、海外投資家にとって日本の株式市場への投資が魅力的になります。

したがって、外国からの株式市場への資金流入が増加し、市場全体の活性化が期待され、流動性の向上や市場の盛り上がりに繋がる可能性があるのです。

円安によって株価が下落するリスクもある

円安になると、原材料費が相対的に上昇して輸入コストが高まるので、輸入関連企業の利益を圧迫する可能性があります。

さらに輸入コストの高まりに伴って、物価も上昇すると、国内における消費量が低迷する可能性も考えられます。

特に、円安が過度に進行し、国内消費が低迷する状況が続くと、景気の悪化が懸念されるのです。

過度な円安は景気の悪化につながり、株価が全体的に下落する可能性があるため注意しなければなりません。

円安が発生した際に株式投資家が検討するべきこと

円安が発生した場合、株式投資家は以下の2つを検討してみてください。

• 利益上昇が期待できる分野への投資
• 外貨建ての金融商品への投資

利益上昇が期待できる分野への投資

円安が発生した場合、利益上昇が期待できる以下の分野の株式へ投資を検討してみてください。

• 輸出関連企業（自動車・精密機器・機械）
• インバウンド産業

既に上記の分野の株式を保有している方は、自身のポートフォリオを見直し、投資比率をさらに高めてみてもよいでしょう。

外貨建ての金融商品への投資

円安が進む可能性がある場合は、外国株や外貨建て投資信託、外国債券のような外貨建て金融商品への投資も検討してみてください。

外貨建て金融商品への投資後にさらに円安が進行すると、外貨価値の上昇によって外貨建て金融商品の価値も上昇します。

また、外国株は配当が外貨で支払われるので、円安のタイミングで換金することもおすすめです。

まとめ：円安の影響を理解して、適切な投資戦略をとろう

円安は株式相場に大きな影響を及ぼす要因のひとつです。

円安時は、輸出企業やインバウンド産業の利益上昇が期待できたり、外国投資家からの投資が増えることで株式市場全体が盛り上がったりする可能性があります。

一方で、輸入コスト上昇に伴う、物価上昇によって国内消費が低迷し、株価が全体的に下落する可能性があります。

株式投資家は円安が市場に与える影響を考えて、適切な投資戦略を立てるようにしましょう。