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ギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドとは
- いち早くトレンドを見極められる
- 勾配が45度のラインを基準に構成されている
- トレンドの強さや、将来の高値と安値の予測ができる
ギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドは、1900年代初期の伝説的なトレーダーとして知られているギャン・ウィリアムが開発したツール(ギャンツール)の代表格です。
ギャンの技術やノウハウは多岐に及びますが、総称して「ギャン理論」という名前で知られています。
残念ながら莫大な利益をあげたギャンの手法は完全に伝えられているわけではなく、具体的な方法が完全に明らかになっているわけではありません。
とはいえ、ギャンが開発したギャンツールはトレードにおいて大いに役立つことがあるでしょう。
今回は、ギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドの基本概念や具体的な使い方について、丁寧に解説してきます。
目次
- ギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドとは
- ギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドをアプリで表示
- ギャンラインの基本概念
- ギャン理論を学べるYouTube動画
- ギャン理論に対するTwitter(X)の声
- ギャンラインの一般的な使い方
- ギャンファンの一般的な使い方
- ギャングリッドの一般的な使い方
- ギャンファンの応用的な使い方
- ギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドの注意点・懸念点
- ギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドの成り立ち
- 豆知識
- 用語
- 類似・派生インジケーター
- ギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドが使えるFX/証券会社/仮想通貨取引所
- ギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドがMT4/5で使えるか
ギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドをアプリで表示
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ギャンラインの基本概念
上の画像は、ギャンラインの基本概念を示しています。
「ワンバイワン(1×1)」とも呼ばれますが、ギャンラインとは1単位の時間と1単位の価格を結んだラインのことです。
時間と価格の1単位の長さが同じであれば、ギャンラインの角度は45度になります。
ギャンラインの実際の角度は気にしなくてOK
PCのチャートツールでは縦横の縮尺が自由に変えられるので、「ギャンラインは絶対に45度になるの?」と疑問を持つ人もいるかもしれません。
この点、もともとギャンラインが考案されたときは、チャートが手書きだったので縦横の縮尺は固定されており、ギャンラインは45度になるように描かれていたのでしょう。
しかし、私たちの環境では相場状況に応じて縦横の縮尺を変更していくのが一般的なので、一度引いたギャンラインの角度はどんどん変わっていきます。
つまりギャンラインは、時間が1単位進めば価格が1単位動くという意味で概念的には45度なのですが、チャートにおける実際の角度が45度になるわけではないということです。
ギャンラインで大切なのはチャート上の見た目ではなく、時間と価格を特定の比例関係で目線を固定して相場を見ることにある、という形で理解しておくといいでしょう。
ギャンラインの傾きを決める考え方
ギャンラインの傾き(時間と価格の比例関係)によって結果が変わるため、傾きをどう設定するかは非常に重要です。
傾きの設定方法にはさまざまな方法がありますが、ここでは最も基本的な考え方として、過去における比較的長期間の高値と安値を結ぶ方法を紹介します。
上の画像では、過去に発生した重要な上昇トレンドにおいて、トレンドの起点の安値とトレンドの終点の高値を結んだラインを1×1としています。(見た目の角度は45度ではありません。)
つまり、時間の1単位はトレンドの起点から終点までの期間、価格の1単位はトレンドにおける安値と高値の値幅という形です。
ここで決めた時間・価格の1単位は、その後の相場でトレンドを判断する際にそのまま使用することができます。
ただし、この方法で決定したギャンラインは、同じような環境における相場でのみ機能すると考えておいた方がいいでしょう。
例えば、ボラティリティ(価格変動の度合い)が全く異なる分析対象に対して、同じ傾きのギャンラインを引いても機能しないはずです。
また、同じ分析対象でも、何らかの要因で相場の動き方が変われば、機能するギャンラインも変わってしまうかもしれません。
そのためギャンラインの傾きは、過去と現在の相場環境を見比べながら慎重に設定する必要があります。
ギャン理論を学べるYouTube動画
ギャン理論について動画で見たいなら、セントラル短資FXの『テクニカル分析を学ぼう』がオススメです。
証券会社で株式・債券の営業、米系銀行で為替ディーラーを務めてきた山下政比呂氏が、ギャン理論について分かりやすく解説してくれます。
それぞれのギャンツールについて丁寧に説明してくれるので、この動画を見れば、お気に入りのツールが見つかるはずです。
ギャン理論に対するTwitter(X)の声
Twitter上では、ギャンファンやギャンラインに強い信頼を置いているトレーダーが複数確認できました。
一方、トレーダーによってギャンラインの見方は異なることがあり、比較や検証が難しいという意見もあります。
ギャン理論をトレードに活用するためには、その使い方を熟知しておく必要があるでしょう。
ギャンラインの一般的な使い方
ギャンラインをチャート上に引くことで、相場におけるトレンドの発生状況を読み取ることが可能です。
では、実際のチャートにおけるギャンラインを見ながら、ギャンラインの使い方を説明していきます。
上の画像は、MT4のチャートにギャンラインを引いたところです。
MT4のギャンラインは、「スケール」というパラメータの設定値に基づいて、1期間ごとに所定の値幅分動く傾きで描画されるようになっています。
そのため、同じ時間足であればどんな相場でも、時間と価格の比例関係を固定して描画することが可能です。
なお、一度描画したギャンラインは、始点と終点を動かすことで傾きを調整することもできます。また、中央の点を動かすと、ライン全体を移動させられます。
ギャンラインは、トレンドが発生したと思われるところを起点として引くのが一般的です。
ギャンラインの傾きを適切に設定していれば、ギャンラインに沿って上昇するトレンドは長く続く傾向にあるとされています。
チャートとギャンラインの位置関係からトレンドの状況を確認しつつ、トレード戦略を立てるのに役立てていきましょう。
ギャンラインが示す売買ポイント
上の画像は、上昇トレンドのギャンラインを表示したチャートです。
過去の重要なトレンドに基づいて適切な傾きで引かれたギャンラインは、トレンドの状況を確認する基準となります。
上昇トレンドの場合:チャートがギャンラインの上で推移する期間は強気の相場中であり、反対にチャートがギャンラインの下で推移する場合は弱気のトレンドを示します。(下の画像を参照)
下降トレンドの場合:チャートがギャンラインの下で推移する期間は強い下降トレンドを示し、チャートがギャンラインを交差したらトレンドの転換を示唆します。(下の画像を参照)
ギャンラインの種類
ここまでギャンラインについて詳細な説明をしましたが、MT4にはギャン関係のツール(ギャンツール)がギャンラインを含めて3種類実装されています。
- ギャンライン
- ギャンファン(ギャンアングル)
- ギャングリッド
ギャンファンとギャングリッドは、いずれもギャンラインをベースに機能を拡張したものです。
おそらく実際の分析では、ギャンラインを単独で使うよりもギャンファンやギャングリッドを使うことが多くなると思います。
では、この2つについても、それぞれ詳細に見ていきましょう。
ギャンファンの一般的な使い方
ギャンツールの中で、ギャンファンは最も有名で人気のあるツールです。
上の画像では、このギャンファンをMT4のチャート上に表示していますが、見ての通り合計9本の扇状に引かれたラインから構成されています。
ちなみにギャンファンの中にある「ファン(fan)」は、英語で「扇」という意味です。
ギャンファンの中心に描かれているのは1×1(45度)のラインで、これは先ほどのギャンラインと考えるといいでしょう。
ギャンファンの1×1ラインはギャンラインと同じ方法で引くことができ、それと同時に他の8本のラインが自動的に描画されるようになっています。
これらの扇状に描かれた9本のラインからは、将来のサポート、レジスタンス、ブレイクポイントを予測することが可能です。
上の画像で示しているのは、1×1ラインを45度としたときの、MT4やMT5における各ラインの勾配の角度です。
各ラインの本来の意味とMT4やMT5における角度をまとめると、以下の表のようになります。
時間×価格 | 本来の意味 | MT4/MT5における角度 |
---|---|---|
1 x 8 | 時間が1単位進むと 価格が8単位動く | 82.5度 |
1 x 4 | 時間が1単位進むと 価格が4単位動く | 75.00度 |
1 x 3 | 時間が1単位進むと 価格が3単位動く | 71.25度 |
1 x 2 | 時間が1単位進むと 価格が2単位動く | 63.75度 |
1 x 1 | 時間が1単位進むと 価格が1単位動く | 45.00度 |
2 x 1 | 時間が2単位進むと 価格が1単位動く | 26.25度 |
3 x 1 | 時間が3単位進むと 価格が1単位動く | 18.75度 |
4 x 1 | 時間が4単位進むと 価格が1単位動く | 15.00度 |
8 x 1 | 時間が8単位進むと 価格が1単位動く | 7.5度 |
なお、上の表は1×1の角度が45度の場合のものであり、1×1の角度に伴い変化する点に注意してください。
角度が大きいほど(勾配が急なほど)トレンドの勢いは強く、角度が小さいほど(勾配が緩やかなほど)トレンドの勢いは弱くなります。
チャートが最も角度が小さい8×1ラインを割ったときは、そのトレンドは終了したと考えた方がいいでしょう。
ギャンファンが示す売買ポイント
ギャンファンを用いてトレードする場合、エントリーポイントとして以下の2つが考えられます。
- チャートがギャンファンのラインを突破
- ギャンファンのラインでチャートが反転
では、それぞれ詳細に見ていきましょう。
チャートがギャンファンのラインを突破
ギャンファンの9本あるラインのいずれかで、チャートがラインを上抜けしたところがロング(買い)のエントリーポイント、下抜けしたところがショート(売り)のエントリーポイントです。
ここで注意する点はローソク足がラインを突破したからといって即エントリーすると、下の画像のようなダマシに遭いやすくなります。
最初にラインを突破したチャートがラインを超えて確定した場合、次のローソク足の動きを確認してからエントリーするほうが安全といえるでしょう。
ギャンファンのラインでチャートが反転
チャートがギャンファンのラインから反転した場合、反転した方向へエントリーできます。
つまり、ギャンファンのラインがサポートラインやレジスタンスラインとして機能するイメージです。
具体的には、ギャンファンのラインで下方向から上方向に反転したらロング(買い)のエントリーポイント、上方向から下方向に反転したらショート(売り)のエントリーポイントという形になります。
なお、「チャートがギャンファンのラインを突破」のパターンと同様に、飛び乗りは控えたほうがいいでしょう。
チャートがラインを反転して確定した後、次のローソク足の動きを確認してから取引の判断をするようにしてください。
ギャンファンを使ったトレードシミュレーション
ギャンファンは少し複雑なので、実際のチャートでトレードをシミュレーションしてみます。
上の画像では、始点をチャートの大底に設定して、上昇トレンドにギャンファンを引いてみました。
最初はトレンドが強く1×1ラインの上をチャートが推移していますが、その後は1×1を割ってトレンドが弱まっていき、2×1・3×1・4×1・8×1にタッチしていくという展開です。
この中での取引ポイントをチャートの中に示しています。
具体的には、水線が新規取引ポイント、緑丸が利益確定(エグジット)ポイント、赤線が損切りポイントです。
1つ目の新規売りポイントは、チャートがギャンファンのラインを突破したパターンです。
上の画像は、この新規売りポイントを拡大したものです。
チャートの終値が2×1ラインを下抜けして確定し、次のローソク足も前足終値を下回って確定しました。
ギャンファンのラインを突破した売りシグナルが発生しているので、このタイミングで新規売りのエントリーを入れることになります。
損切りラインは、ラインを突破したポイントの上部に設定する形です。
利益確定目標は、2×1の下に控える3×1ラインで、チャートが目標に到達したらエグジットしましょう。
2つ目の新規買いポイントは、ギャンファンのラインでチャートが反転したパターンです。
上の画像では、この新規買いポイントを拡大して表示しています。
チャートが8×1ラインで反転して確定し、次のローソク足が前足終値の価格を上回って確定しました。
ギャンファンのラインでチャートが反転した買いシグナルが発生しているので、このタイミングで新規買いのエントリーを入れることになります。
損切りラインは、ラインでチャートが反転したポイントの下部に設定する形です。
利益確定目標は8×1の上にある4×1ラインで、チャートが目標に到達したらエグジットしましょう。
ギャングリッドの一般的な使い方
ギャングリッドは、上向きと下向きのギャンラインが等間隔に何本も描画された斜め格子状のグリッドです。
このグリッドとチャートの位置関係などから、トレンドを分析したり売買ポイントを見つけたりすることができます。
上の画像は、MT4を使って先ほどと同じチャートにギャングリッドを表示したものです。
MT4では、ギャングリッドを選択して任意の始点からラインを引くと、そのラインを基準にして斜め格子状のグリッドがチャート全体に自動表示されるようになっています。
ギャングリッドを引く際は、任意の安値もしくは高値を始点に設定するのが基本で、上の画像で始点として設定したのはチャートの大底です。
始点と終点の距離によってグリッドの大きさを調整することができますが、目安としては一つのグリッド内に17本のローソク足が入る程度が良いでしょう。
グリッドの各ラインは、上の画像のような形でサポートライン・レジスタンスラインとして機能します。
上の画像ではピンク色のラインがサポートライン、黄色のラインがレジスタンスラインとして機能している形です。
グリッドの角付近のポイントが意識されやすく、トレンド転換点になる場合もあります。
ギャングリッドが示す売買ポイント
ギャングリッドを用いてトレードする場合、エントリーポイントとして考えられるのは以下の2つです。
- チャートがギャングリッドのラインを突破
- ギャングリッドのラインでチャートが反転
なお、考え方としてはギャンファンとほとんど同じですが、ポジションを保有する期間に少し違いがあります。
ギャンファンではポジションを保有するのは直近のライン間となりますが、ギャングリッドでは一つのグリッドの中においてポジションを保有する形です。
この点も含めて、上記のエントリーポイントについてそれぞれ見ていきましょう。
チャートがギャングリッドのラインを突破
上の画像は、チャートがギャングリッドを突破したときのトレードイメージを示しています。
ギャングリッドのラインをチャートが上抜けしたらロング(買い)でエントリー、下抜けしたらショート(売り)でエントリーします。
利益確定目標は、次にギャングリッドに到達するところです。
なお、ギャンファンの手法と同様に飛び乗りエントリーしないように注意しましょう。
ギャングリッドのラインでチャートが反転
上の画像は、ギャングリッドで反転したときのトレードイメージを示しています。
ギャングリッドのラインでチャートが下方向から上方向に反転したらロング(買い)でエントリー、上方向から下方向に反転したらショート(売り)でエントリーします。
先ほどと同様にローソク足がラインを反転して確定した後、次のローソク足を確認してから取引の判断をするようにしましょう。
ギャングリッドを使ったトレードシミュレーション
上の画像では、上昇トレンド期間に引いたギャングリッドを表示し、売買ポイントを判定しています。
水色のラインは新規取引ポイント、緑色の丸印は利益確定ポイント、赤色のラインは損切りポイントです。
では、このトレードについて具体的に見ていきましょう。
1つ目の新規売りのところでは、の終値がラインを下抜けして確定後、次のローソク足が前足終値を下回りました。
ギャングリッドのラインを突破した売りシグナルの発生なので、このタイミングで新規売りでエントリーします。
利益確定目標は、エントリーポイントの次にある同じ方向を向いたギャングリッドのラインで、チャートが目標に到達したらエグジットです。
なお、損切りポイントは、最初に下抜けしたポイントの上部に設定しています。
2つ目の新規売りは、ギャングリッドのラインでチャートが反転するパターンです。
この部分を見てみると、チャートが一時ラインを上方向に交差しましたが、反転してローソク足がラインを下抜けして確定後、次のローソク足が前足終値を下回っています。
ギャングリッドのラインがレジスタンスラインとして機能しているので、このタイミングで新規売りのエントリーです。
利益確定目標は、エントリーポイントの次にある同じ方向を向いたギャングリッドのラインで、チャートが目標に到達したらエグジットします。
なおこの取引では、最初に下抜けしたラインの上部付近が損切りポイントです。
上の画像では、3つ目の新規買いの部分を拡大表示しています。
まずは、最初にチャートの終値がギャングリッドのラインを上抜けして確定したところに注目してください。
その次のローソク足が前足終値を上回って確定したところで、ギャングリッドのラインを突破した買いシグナル発生、このタイミングが新規買いのエントリーポイントです。
利益確定目標は、エントリーポイントの次にある反対方向を向いたギャングリッドのラインで、チャートが目標に到達したらエグジットします。
なお損切りポイントは、最初に上抜けしたラインの下部に設定する形です。
ギャンファンの応用的な使い方
ここまでギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドの一般的な使い方を見てきました。
ここからは、ギャンファンを中心にもう少し深掘りした解説を行っていきます。
ギャン理論における3つの前提
ギャンラインの考案者であるW.D.ギャンは、以下の前提を考慮して相場の予測をしました。
- 価格、時間、値幅が重要な3つの要素
- 市場は常に循環している
- 市場は規則的周期で動いており幾何学的
この3つの前提を基に、W.D.ギャンは「ギャン理論」と呼ばれる体系的な相場理論を構築していき、その中でギャンツールが考案されていったわけです。
ちなみに、MT4に実装されているギャンツールはギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドの3種類ですが、その他に「ギャンスクエア」と呼ばれるものもあります。
ギャン理論は非常に幅広い内容をカバーした相場理論で、すぐには全てをマスターするのは難しいでしょう。
まずはギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドをしっかり使えるようになってから、それ以外のツールや理論にも挑戦していただければと思います。
ギャンファンによるサポートとレジスタンス
先にも述べてますが、サポートとレジスタンスを予測する機能はギャンファンで通常使用されています。
トレーダーはチャート上のギャンファンを見ながら、どこでエントリーするか決済するかのタイミングを決めることが可能です。
サポートやレジスタンスとして機能するラインをより高い精度で予測するには、ギャンファンと水平線やトレンドラインを併用するのが効果的でしょう。
ギャンファンによるトレンドレベル
ギャンファンでは、1×1(45度)、1×2、1×3、1×4、1×8、2×1、3×1、4×1、8×1といった合計9本の異なる角度のラインが扇状に描かれています。
上昇トレンドの場合:1×1ラインを基準に、強気のギャンファンライン(1×2、1×3、1×4、1×8)は上側に引かれ、弱気のギャンファンライン(2×1、3×1、4×1、8×1)は下側に引かれます。(下の画像を参照)
1×1ラインが中心線となりその上にある4本の各ライン1×2、1×3、1×4、1×8の順に上昇トレンドが強くなっていく形です。
1×1ラインの下にある4本の各ライン2×1、3×1、4×1、8×1の順に、弱気相場へと移行していきます。
下降トレンドの場合:1×1ラインを基準に、弱気のギャンファンライン(1×2、1×3、1×4、1×8)は下側に引かれ、強気のギャンファンライン(2×1、3×1、4×1、8×1)は上側に引かれます。(下の画像を参照)
1×1ラインが中心線となり、その下にある4本の各ライン1×2、1×3、1×4、1×8の順に下降トレンドが強くなっていく形です。
1×1ラインの上にある4本の各ライン2×1、3×1、4×1、8×1の順に、強気相場へと移行していきます。
基本となる1×1ラインは、1単位の時間で1単位の価格を移動します。これは45度のラインです。
上昇トレンドの場合、1×1ラインの上でチャートが推移する場合、強気の相場を示します。
1×1ラインの上部には1×2ラインが引かれていますが、この「1×2」が意味するのは1単位の時間で価格が2単位移動するということです。
そのため、1×2では時間単位あたりの価格の上昇率が上がることになります。
つまり、チャートが1×1ラインの上に行けば行くほどトレンドが強くなるわけです。
逆に1×1ラインの下には2×1ラインがありますが、この「2×1」は2単位の時間で価格が1単位移動することを意味します。
先ほどとは反対で、この場合は時間単位あたりの価格の上昇率が下がることになるため、チャートが1×1ラインの下へ行けば行くほどトレンドが弱くなる状況を表すわけです。
なお、例外的な使い方として、8×1ラインの下抜けは、下降トレンドへ移行する目安とされることがあります。
ギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドの注意点・懸念点
ギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドを有効に使うためには、以下の2つの点に注意しておくことが大切です。
- 45度の概念
- スキャルピングは想定されていない
では、この注意点についてもそれぞれ見ていきましょう。
45度の概念
ギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドにおいては、「45度の1×1ライン」の概念が非常に重要です。
そのため、「1×1ラインは45度」という説明のされ方がしばしばされますが、これはあくまでも時間1単位に対して価格1単位だけ上下するという意味での45度であるということを理解しておくようにしましょう。
つまり、実際の角度は時間1単位・価格1単位をどう設定するか次第で変わるため、PCのチャートツール上での見え方としてどのような局面でも必ず45度のラインにしなければならないわけではありません。
この角度の話も含めて、1×1ラインをチャート上に引く場合どこを始点にしてどこを終点にするのかは、自身の裁量によるものです。
この裁量判断は結果の良し悪しに大きく影響するので、ギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドを使う際は、しっかりバックテストなどで検証しておくことが大切になるでしょう。
スキャルピングは想定されていない
スキャルピング用にギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドを使って、ラインを分足などの下位足で表示されたチャートに引くことは可能です。
ただし、これらのツールの基となっているギャン理論が構築された時代では現在のようにリアルタイムで相場の値動きが分かるような環境ではなく、そもそもスキャルピングは想定されていませんでした。
そのため、ギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドがスキャルピングに通用するかどうかは、不透明なところがあります。
もちろん絶対にスキャルピングで機能しないというわけではないですが、やはりバックテストを通じて丁寧に検証をした上で使用するのが無難といえるでしょう。
なお、バックテストのやり方については以下の記事で解説しているので、興味のある人は併せてチェックしてください
ギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドの成り立ち
考案者
W.D.ギャン(ウィリアム・ディルバート・ギャン)
1878年、アメリカ合衆国テキサス州ラフキンにて出生。1902年から綿花取引を行い、それ以降は生涯金融トレーダーでした。1914年に第一次世界大戦や株価暴落する予想を的中させるなど、伝説的トレーダーとして知られています。1955年6月14日、満77歳没。
歴史
W.D.ギャンはフリーメイソンであり、古代ギリシャとエジプトの文化の研究者でもありました。
ギャン市場の予測方法は、幾何学、天文学と占星術、そして古代の数学に基づいていると言われています。
ギャンは、1935年に株式市場での相場における角度について解説しており、この概念からギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドが生まれていきました。
豆知識
ギャンの価値ある28のルール
ギャンの価値ある28のルールは、ギャンラインの考案者W.D.ギャンがトレーディングに成功したルールや考え方、ウォール街の格言やルールを、晩年になって編集したものです。
相場取引をする際に、おごり高ぶらないよう自制する内容で「利大損小主義」のルールにまとめられており、現在になっても相場の格言として多くのトレーダーに見習われています。
これから裁量トレードのルールを検討したり見直す参考として、「ギャンの価値ある28のルール」はとても有効活用できる格言といえるでしょう。
- 1回の取引で資金の10%を超える損失を出さないでください。
- 常に損切り(ストップロス注文)を設定します。
- 取引をしすぎない、資金管理をする。
- 利益がでたら損失に陥れることのないようにトレーリングストップで対応する。
- トレンドがわからない場合は、取引を見送る。トレンドに逆らわない。
- 疑わしいときは手仕舞う、迷ったり疑わしいときは取引しない。
- 値動きの活発な市場で取引してください。
- 複数の市場にリスクを分散します。
- 指値注文をしないでください。成行きで取引します。
- 確たる理由もなく手仕舞いしないでください。
- 利益確定した取引からの余剰資金は、別の口座に入れる必要があります。
- わずかな利益を上げるためのトレードをしないでください。
- 損失を平均化することはありえません、ナンピンはしないでください。
- 我慢できなくなったからといって手仕舞いしたり、焦ってエントリーしたりしないでください。
- 小さな利益と大きな損失を避けましょう。
- 設定した損切り(ストップロス)をキャンセルしないでください。
- 頻繁に売買することは避けてください。
- 市場での取引は買い(ロング)と売り(ショート)をいとわないでください。
- 価格が安い、または高いという値頃感だけで売買しない。
- ピラミッディング(買い増し・売り増し)は、サポート・レジスタンスラインを超えてから、実行する。
- トレンド明確な期間ピラミッディングは有効である。
- 損失が出たポジションをヘッジ(両建て)しないでください。
- 確たる理由がない限り、ポジションを変更しないでください。
- 大きな利益または大きな損失が出た後の取引は避けましょう。
- 相場の天井、大底を推測しようとしないでください。
- アバウトなアドバイスは聞かないでください。
- 損切りで損失がでた後は取引量を減らします。取り返そうとして増加した取引はしないでください。
- 間違ってエントリーしたり間違って手仕舞いしないようにしましょう。
以上の28項目が、ギャンの価値ある28のルールです。
数は多いですが、それぞれのルールの内容自体は明快で分かりやすいと思います。
しっかり内容を頭に入れて、これを意識しながらトレードを行うようにしましょう。
用語
- ギャンライン
- ギャンファン
- ギャングリッド
- ブレイクアウトポイント
- サポート
- レジスタンス
- 飛び乗り
- グリッド
- トレンド
- 大底
- ストップロス
- ロング
- ショート
- ヘッジ
- 先行指標
類似・派生インジケーター
ギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドにインジケーターには、例えば以下のようなものがあります。
- 水平線
- チャネルライン
- フィボナッチ
以上の3つについて、それぞれ簡単に紹介をしていきます。
水平線
上の画像は、過去の高値や安値を基準に水平線を引いたチャートです。
相場価格が作るチャートに水平線を引いて、どのラインがサポート・レジスタンスとして機能するのか予測できます。
水平線はシンプルですが、世界中で多くのトレーダーが使い、これを意識して見ているためとても重要です。
特に強く意識されているラインにチャートが到達すると、そこで何度も反転を繰り返すことがあり、さらにこれによって多くのトレーダーが重要なラインとして注目するという流れもあります。
この大衆心理により生じるサポートライン・レジスタンスラインの機能を使いこなせられれば、トレードにおける強力な武器になるでしょう。
チャンネルライン
上の画像は、MT4を使って白丸で示した3点を基準にチャネルラインを引いたチャートです。
チャネルラインはトレンドに合わせて引く2本の平行なラインのことで、基本的にはトレンド相場で使用します。
チャネルラインは、上昇トレンドまたは下降トレンドにおける相場推移を予測する上で効果的なツールです。
なお、チャネルラインは以下のような流れで引きます。
- 上昇トレンド:トレンドライン上の高値に合わせた平行線を引く。
- 下降トレンド:トレンドライン下の安値に合わせた平行線を引く。
ギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドに似た使い方なので、こちらも併せてトライしてみることをおすすめします。
フィボナッチファン
上の画像は、MT4を使って白丸で示した2点を基準にフィボナッチファンを引いたチャートです。
見ての通りラインが扇状に描画されておりギャンファンと似ていますが、ラインが引かれる角度がが少し異なっています。
フィボナッチファンの場合、ベースとなるラインの角度に対してフィボナッチ比率に関連した割合(31.8%・50.0%・61.8%など)となるラインが引かれる仕組みです。
これらのラインはサポートライン・レジスタンスラインとして機能することがあり、将来の相場展開を予測する上で有効です。
ギャンファンと似たような使い方なので、ギャンファンに興味のある人はこちらも試してみるといいかもしれません。
ギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドが使えるFX/証券会社/仮想通貨取引所
ギャンラインは、以下のFX会社、証券会社、仮想通貨取引所で使用できます。
ギャンラインが使えるFX会社
DMM FX
GMOクリック証券
外為オンライン
LINE FX
SBI FXトレード
ギャンラインが使える証券会社
SBI証券
楽天証券
松井証券
ギャンラインが使える仮想通貨取引所
GMOコイン
DMM Bitcoin
bitbank
ギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドがMT4/5で使えるか
利用可能
MT4におけるギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドの起動方法
ギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドの起動方法は、MT4/MT5どちらも基本的に同じ手順です。(ここではMT4を使用します。)
上の画像にもありますが、ギャンラインは以下の流れで起動します。
- メニューバーの「挿入」をクリック
- ポップアップしたメニューから「ギャン」をクリック
- ポップアップしたメニューから「ギャンライン、ギャンファン、ギャングリッド」3つの中から任意のギャンをクリック (例:ギャンファンを起動させる場合、ギャンファンをクリックします)
MT4/MT5ではギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドが標準装備されており、こういった簡単なステップで起動することができます。
本記事でギャンライン・ギャンファン・ギャングリッドに興味を持った人は、ぜひ試してみてください。