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暗号資産ブームの影で「100万円」を騙し取られた絶望…慎重派「37歳サラリーマン」が投資詐欺に引っかかった理由

2023年12月20日 公開 
2024年11月06日 更新
37歳の身長はサラリーマン 詐欺を信じた理由
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「1ヵ月30%の利回り」という暗号資産の投資話にのった田丸小太郎さん(仮名)。慎重な性格であるにも関わらず、100万円で独自通貨を購入しました。しかしこれは典型的な詐欺だったといいます。本稿では、暗号資産に関連する投資詐欺の実情と、投資詐欺に巻き込まれないためのポイントを解説していきます。

億り人への焦燥感から手を出した「高利回り投資プログラム」

2017年は、「暗号資産元年」といわれます。少し前までは数万円程度の価値だったビットコインが一時200万円超にまで急騰し、暗号資産市場が大注目を浴びた年となりました。当時37歳だったITエンジニアの田丸小太郎さん(仮名)は、この流行に先駆けていち早くビットコインに興味を持っていた一人でした。

当時、暗号資産界隈では、数多くの億り人が誕生したことが話題になりました。しかし、田丸さんは慎重な性格が仇となり投資金額は少額、実際に得ることができた利益はわずか数十万円でした。立ち回り方次第ではもっと大きな利益を出すことができたはずの田丸さんは、焦りにも似た感情を抱いていたといいます。

そんな中、ビットコイン取引を扱うインターネット上のチャットで、「HYIP(High Yield Investment Program:高利回り投資プログラム)」に関するやりとりを見かけました。貼られたリンクをたどってサイトを見てみると、目に飛び込んできたのは「1ヵ月30%の利回り」という非現実的とも思えるキャッチコピー。

“新しいブロックチェーン技術を活用して、エコシステムの改善を目指す画期的なプロジェクト”ということで、専門家と称する人のお墨付きコメントが載っているなど、もっともらしい解説が並んでいます。「正直に言うと、分かったような気にはなるものの具体性がなく、何の話かよく理解できていませんでした」と話す田丸さん。しかし、今までに経験したことのない暗号資産の熱狂の中で、あり得る話かもしれないと感じてしまったそうです。

その後、田丸さんは期待を胸にこのサイトを通じて、プロジェクトが発行する独自通貨(トークン)を約100万円購入して出資することにしました。そして、最初の1ヵ月目に実際に口座残高が増え、利益分を出金することを確認。無事出金できたことで、田丸さんのプロジェクトに対する信頼は大きく高まり、夢が膨らんだと言います。

ところが、3ヵ月ほど経ったある日、突然サイトにアクセスできなくなりました。初めは単なる一時的なトラブルと思い、冷静を保とうと努めていた田丸さんですが、日が経つにつれ不安は募る一方。問い合わせようにも連絡の取りようがなく、彼は自分が陥った状況の深刻さに気づき始めます。

やがて田丸さんの焦りは絶望へと変わり、投資した100万円が戻ってこない現実に直面することになりました。「なぜもっと慎重に判断できなかったんだろう」と深い後悔も感じ、精神的ショックは金額以上に大きかったとのこと。こうして田丸さんの大きく膨らんだ夢は、あっけなく終わってしまったのです。

暗号資産を利用したポンジスキーム

田丸さんが巻き込まれた投資詐欺は、いわゆる「ポンジスキーム」と呼ばれるものだったと考えられます。ポンジスキームとは、高い利回りを約束して新しい参加者から資金を集め、その資金を以前に投資した人たちに利益として支払う仕組みです。

ポンジスキームには、利益を生み出すようなビジネスの実態が存在しません。そのため、参加者に利益が支払われることもありますが、それは後から参加した人が出資した資金です。新たな参加者がいなくなれば破綻する仕組みであり、運営者は資金が最も多く集まったタイミングを見計らって姿をくらまします。

田丸さんが信じたプロジェクトはお金を集めるために詐欺師が考えた架空のもので、実際には何も動いていなかったはずです。チャットでこのプロジェクトについて宣伝していた人は、詐欺師の仲間、もしくは新しい投資家を勧誘することで報酬を得ようとしていた参加者だった可能性が高いでしょう。

田丸さんは、「もっと冷静に内容を確認していれば、プロジェクトが中身のないものだということが見抜けたと思います」と言います。暗号資産という慣れない仕組み、ビットコインの急激な高騰、そして大きな利益を逃した焦燥感といったことが重なって、彼はポンジスキームの罠にかかってしまったわけです。

暗号資産に関連する投資詐欺は多い

近年、暗号資産の法規制強化が進んでおり、安心して投資しやすい環境が整備されてきました。しかし、暗号資産は依然として、詐欺に利用されることが少なくないことが、弊社が実施した調査から明らかになっています。

以下のグラフは、過去1年間に投資詐欺との接触経験がある人に、どの投資が関連していたか質問した結果をまとめたものです。

投資詐欺に利用されやすい投資の種類

暗号資産に関連する投資詐欺に接触した人の割合は26.7%で、FX(31.8%)や不動産(27.0%)に次いで3番目に多いというものでした。暗号資産は一般の人が理解するのが難しい複雑な仕組みも影響してか、投資詐欺に利用されやすい側面があると考えられます。

続いて、国民生活センターが公表しているPIO-NET(消費生活に関する苦情相談情報の収集を行っているシステム)における、暗号資産の相談件数の推移を見てみましょう。

暗号資産に関する相談件数の推移

これによると、暗号資産に関する相談件数は2020年に3,347件、2021年には6,379件と急増し、2022年も5,586件の相談が寄せられました。2023年に入ってからの計測時点で624件と、前年同時期の596件を上回るペースで増加しています。このデータからは、現在も暗号資産に関するトラブル・詐欺が数多く発生していることが読み取れます。

法規制が進み投資環境は整備されてきており、暗号資産自体が投資対象として妥当でないというわけではありません。しかし、違法な形で暗号資産を利用する詐欺が多いことも意識して、投資を検討する際には情報の真偽を慎重に見極めようとする姿勢がより重要となるでしょう。

暗号資産の投資詐欺に巻き込まれないのための5つのポイント

最後に、今回紹介した田丸さんのエピソードを通じて私たちが学べる、投資詐欺の被害を受けないために意識しておきたい5つのポイントを紹介します。

【金融庁に登録済みの業者か確認する】
日本において暗号資産交換業を行う場合、金融庁への登録が義務づけられています。これは、詐欺や不正を防ぐための措置です。暗号資産に関する取引所や仲介業者を選ぶ際は、金融庁に登録されているかどうかを必ず確認し、信頼できる業者を選ぶことが大切です。

【現実的でない利回りに注意する】
ポンジスキームなどの詐欺では、現実的でない高利回りを謳って勧誘が行われます。そして多くの場合、リスクがないことも強調しているはずです。低いリスクで高利回りが得られるといったウマい話に触れたときは、そんな現実的出ない話が本当にあるのか疑問を持つようにしましょう。

【理解できないものには手を出さない】
暗号資産の市場は絶えず進化しており、新しい技術や仕組みが次々と登場します。これらを十分に理解していない場合、その事業が本当に利益を生み出せるものなのか判断しようがありません。自分が投資しているものの仕組みや背景をしっかりと理解し、それに基づいて判断することが重要です。

【自分が冷静かどうか意識する】
他人の成功や市場の盛り上がりに流されず、冷静な判断を心がけることが大切です。感情的になると隙が生まれ、普段なら見抜ける詐欺にも気づかない可能性が高まります。

【なぜウマい話を持ちかけられたか考えよう】
本当に価値のある投資機会なら、情報を持ちかけた人自身がそれに投資しているはずです。それが高利回りな案件であれば、借金をしてでも投資を行うでしょう。自分に声をかけてきた理由を考えることで、詐欺の可能性を見極めることができます。

暗号資産は変化の激しい領域で、詐欺に利用されやすい側面があります。上記のポイントを心に留め警戒心を持つことで、投資詐欺によって無駄にお金を失うリスクを大きく減らすことができるはずです。

著者
Runchaテクニカル分析チーム
チーム紹介ページ

日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト|4大監査法人出身者|TradingViewインジケーター開発者|EA開発者|

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監修者
山中康司

有限会社アセンダント

学歴: 慶應義塾大学卒業

著書: 『FXチャート分析マスターブック FX ボリンジャーバンド常勝のワザ』(2013年12月)

来歴: アメリカ銀行バイスプレジデント → 日興シティ信託銀行為替資金部次長を歴任。・金融コンサルティング会社アセンダント設立。金融リテラシー協会代表理事を務める。



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内田 まさみ ラジオNIKKEI
日経CNBCの番組パーソナリティ
経済雑誌多数連載中
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